採用ピッチ資料の作り方|構成テンプレートと労働条件の書き方の注意

採用ピッチ資料は、会社の目指すもの・事業・組織・働き方・制度・求める人物像を、候補者が応募前に読める形で1冊にまとめた資料です。

見落とされがちですが、採用のためにウェブで公開したピッチ資料も職業安定法の「広告等」にあたり、自社に関する情報まで正確で最新に保つ義務がかかります。

この記事では、8章の構成テンプレートと、数字に根拠を添える書き方、労働条件を載せるときの注意点を順に整理します。経営者の言葉を資料の外でも届けたい方は、掲載のご相談も受け付けています。

目次

採用ピッチ資料とは、候補者が応募前に会社を判断するための1冊

採用ピッチ資料とは、求人票だけでは伝わらない会社の全体像を、候補者が自分で読んで判断できるようにまとめた採用向けの会社紹介資料です。 投資家に事業を説明するピッチ資料の考え方を採用に持ち込んだもので、「採用ピッチ」「採用資料」「会社紹介資料(採用向け)」など、呼び方は会社によってさまざまです。スライド形式で作り、採用サイトに掲載したり、スカウトや面談の前に送ったりする使い方が多く見られます。

求人票は、職種ごとの業務内容や賃金といった条件を伝える書類です。会社説明会の資料は、説明会の場で話しながら見せることを前提にしています。これに対して採用ピッチ資料は、説明する人がその場にいなくても、読むだけで会社が分かるように作る点に特徴があります。

比べる点採用ピッチ資料求人票・募集要項会社説明会の資料
主な役割会社の全体像を伝え、応募するか判断してもらう職種ごとの業務内容と労働条件を示す説明会の場で話を補う
読まれ方候補者がひとりで、好きなときに読む応募前後に条件を確認する担当者の説明と一緒に見る
主な中身目指すもの、事業、組織、働き方、制度、求める人物像業務内容、賃金、労働時間、就業場所など会社概要、事業紹介、選考案内
更新の単位会社の変化に合わせて半年〜1年ごとなど募集ごと、条件が変わるたび説明会の回ごと

価値観や行動の指針そのものを言葉にする「カルチャーデック」と呼ばれる資料もあります。採用ピッチ資料はそれより範囲が広く、事業や制度、選考の流れまで含めて「この会社で働くとはどういうことか」を伝えるものと考えると区別しやすいでしょう。

採用ピッチ資料が役に立つのは、知名度で大手に及ばない中小・ベンチャーほどです。社名で検索しても情報が少ない会社は、候補者が応募前に判断する材料そのものが足りていません。1冊で会社の全体像が分かる資料を用意すると、応募前の不安を減らし、合う人に自分から選んでもらいやすくなります。 魅力の掘り起こし方は会社の魅力の伝え方で詳しく扱っているので、この記事では資料の形にまとめる段階に絞ってお話しします。

採用ピッチ資料の構成テンプレート|8つの章で組み立てる

採用ピッチ資料の構成に決まった型はありませんが、候補者が知りたい順に並べると、次の8章に収まることが多くなります。大切なのは章の数ではなく、候補者が応募を判断するときに抱く疑問に、前から順番に答えていく流れにすることです。

章入れる内容根拠の示し方の例
① 会社の目指すものミッション・ビジョン、創業の背景、代表メッセージ創業年や転機となった出来事を年表で
② 事業何を、誰に、どう提供しているか。収益の仕組み顧客数・取引社数などは時点と数え方を添える
③ 組織人数、部署構成、平均年齢、職種の割合「〇年〇月時点・正社員〇名」と範囲を明記
④ 働き方1日の流れ、勤務形態、リモートの運用制度として決まっていることと運用実態を分ける
⑤ 制度評価、研修、福利厚生就業規則などに定めがあるか、利用実績はどうか
⑥ 求める人物像任せたい仕事、活躍している人の共通点、合わない人実際に活躍している社員の例で示す
⑦ 選考と入社後選考フロー、所要期間、入社後の受け入れ実際の平均的な日数などを添える
⑧ 募集要項への案内職種ごとの募集要項の掲載先、問い合わせ先労働条件は募集要項で示す旨を明記

ページ数は会社によって幅がありますが、1章あたり数枚に収めて章の区切りを分かりやすくすると、読み手が途中で迷いにくくなります。各章のポイントを順に見ていきましょう。

① 会社の目指すもの:理念と創業の背景をつなげて書く

冒頭の章では、会社が何を目指しているのかを伝えます。ミッションやビジョンの言葉だけを大きく載せても、候補者には「どの会社も似たことを言っている」と映りがちです。理念の言葉と、それが生まれた創業の背景や事業の転機をセットで載せると、言葉に実感が宿ります。 代表メッセージは、経営者が自分の言葉で話したことを文字に起こすと、借りてきた表現になりにくいでしょう。

② 事業:候補者が「自分の仕事」を想像できる粒度で

事業の章は、投資家向けの資料をそのまま流用すると、市場規模や財務の話が中心になって候補者には遠く感じられます。誰のどんな困りごとを、どんな方法で解決しているのか。その中で、募集する職種はどの部分を担うのか。候補者が自分の仕事を思い浮かべられるところまで降りて書くと、事業の説明が採用の資料として機能します。 顧客数や導入社数を載せるときは、後の章で説明する「時点・範囲・数え方」を必ず添えましょう。

③ 組織:人数と構成は、範囲と時点を明記する

組織の章では、従業員数、部署の構成、平均年齢、職種ごとの人数などを示します。ここで起こりやすいのが、正社員だけの数字と、契約社員やアルバイト、業務委託を含めた数字が混ざってしまうことです。「〇年〇月〇日時点・正社員〇名(業務委託を除く)」のように、範囲と時点を1行で添えるだけで、数字の読み違いを防げます。 組織図は、部署名だけでなく、各チームが何をしているかを一言添えると候補者に伝わりやすくなります。

④ 働き方:制度と運用の実態を分けて書く

勤務時間、リモートワークの可否、1日の仕事の流れなどを伝える章です。制度として認められていることと、実際にどれくらい使われているかは、分けて書くのが誠実でしょう。たとえば「リモートワーク可」とだけ書くと、全員がいつでも在宅で働けるように読めてしまいます。「週2日まで、職種によっては出社が中心」のように運用の実態まで書くと、入社後のギャップを防げます。 1日のスケジュール例は、社員インタビューと組み合わせると具体性が増します。社員の声の集め方は社員インタビューの作り方も参考にしてください。

⑤ 制度:定めがあるかと、使われているかの両方を

評価制度、研修、福利厚生などを紹介する章です。制度名を並べるだけでは、どの会社の資料も同じに見えます。どんな基準で評価されるのか、研修は誰を対象に何をするのか、といった中身まで書くと、候補者が自分に当てはめて考えられます。利用実績を載せられる制度は、「前年度の利用者〇名」のように数字で示すと、制度が形だけでないことが伝わります。 逆に、整備中の制度は「整備中」と書いておくほうが、後で信頼を損ねません。

⑥ 求める人物像:「合わない人」まで書くと、相性で選ばれる

求める人物像の章は、「主体性がある人」「チャレンジ精神のある人」のような、どの会社にも当てはまる言葉で終わりがちです。任せたい仕事から逆算し、どんな経験や考え方を持つ人がその仕事で活躍しているかを、実在する社員の例で書くと輪郭がはっきりします。私たち編集部が多くの会社の採用資料を見てきた実感としても、「こういう人には合わないかもしれません」と正直に書いている資料ほど、読み手の信頼を得ているように感じます。 ただし、性別や年齢などの属性で人物像を描くことは、募集・採用の機会均等の考え方に反するおそれがあるため避けましょう。

⑦ 選考と入社後:流れと期間を見通せるように

選考ステップ、それぞれの目的、応募から内定までのおおよその期間を示す章です。カジュアル面談の有無や、面接で何を見るのかまで書いておくと、候補者は準備がしやすくなります。入社後の受け入れの流れ(最初の1か月で何をするか、誰がサポートするか)も添えると、入社後の姿を具体的に描いてもらえます。

⑧ 募集要項への案内:労働条件は募集要項で示す

最後の章では、職種ごとの募集要項がどこにあるかを案内します。採用ピッチ資料は会社全体を伝える資料なので、職種ごとの賃金や労働時間をすべて載せると、どの条件がどの職種のものか分かりにくくなります。労働条件は募集要項で正確に示し、ピッチ資料からはそこへ案内する役割分担にすると、情報の食い違いを防げます。 この点は、後で説明する法律上のルールとも関わってきます。

各ページの数字には「時点・範囲・数え方」を添える

採用ピッチ資料の説得力を支えるのは数字です。しかし、根拠の分からない数字は、かえって読み手の不信を招きます。数字を載せるときは、いつの時点か、どの範囲の人や事業を数えたものか、どう数えたかの3点を添えるのが基本です。

数字の例根拠が分からない書き方根拠を添えた書き方
従業員数社員数〇名〇年〇月〇日時点、正社員〇名・契約社員〇名
平均年齢平均年齢〇歳〇年〇月〇日時点、正社員の平均年齢〇歳
離職率離職率が低い2025年度の正社員の離職者数〇名(年度初めの正社員数〇名)
顧客数導入社数No.12026年8月末時点の契約社数〇社(お試し利用の契約を除く)
残業時間残業ほぼなし2025年度、正社員の月平均所定外労働時間〇時間
年収例年収〇〇万円も可能職種ごとの賃金の幅を募集要項で示し、年収例は職種・等級・経験年数を添える

表の右側は書き方の例で、数字は自社の実績に置き換えて使ってください。比べると分かるとおり、左側の書き方は、何をもってそう言えるのかが読み手に伝わりません。「離職率が低い」「残業ほぼなし」といった評価の言葉は、数字に置き換えられるなら置き換え、置き換えられないなら載せない判断も必要です。

「No.1」「業界最大級」のような比較の表現は、比べた範囲と調査の根拠を示せない限り使わないほうが安全でしょう。ピッチ資料に載せる数字は、社内の誰が聞かれても同じ根拠を答えられるものだけに絞る、と決めておくと、後の更新作業も楽になります。

資料全体の作成時点を表紙に入れる

ページごとの数字に加えて、資料全体がいつの時点の情報かを表紙や最終ページに入れておきましょう。「2026年10月版」のように版を示しておけば、古い資料が出回っていても、候補者も社内も新しさを判断できます。採用ピッチ資料は一度作ると更新が止まりやすい資料です。版を明記することは、次に説明する「正確かつ最新」のルールに沿う手立てにもなります。

労働条件を載せるときの注意|職業安定法の的確表示

採用ピッチ資料を作るうえで見落とされやすいのが、法律との関係です。ピッチ資料は会社の紹介資料であっても、労働者の募集のために公開・送付するものであれば、職業安定法の「求人等に関する情報の的確な表示」のルールの対象になると考えておくべきでしょう。

採用で使うピッチ資料も「広告等」にあたり、自社の情報まで対象になる

職業安定法第5条の4は、第1項で、募集の情報を広告などで出す会社に虚偽の表示や誤解を生じさせる表示を禁じています。続く第2項は、その情報を正確で最新の内容に保つことまで求める規定です。ここでいう「広告等」の方法として、同法施行規則は書面の交付や電子メール等の送信のほか、インターネットを通じた公開も挙げています。採用サイトでの公開、スライド共有サービスへの掲載、メールでの送付は、いずれもこれにあたるわけです。

対象になる情報の範囲について、施行規則の条文は次のとおりです。

“
3 法第五条の四第二項の厚生労働省令で定める情報は、次のとおりとする。 一 自ら又は労働者の募集を行う者に関する情報 二 法に基づく業務の実績に関する情報
職業安定法施行規則(昭和22年労働省令第12号)
第4条の3第3項
条文を見る

引用にある「法第五条の四第二項」は、先ほどの正確で最新に保つ義務を定めた規定です。一号の「自ら又は労働者の募集を行う者に関する情報」とは、募集する会社そのものについての情報のこと。二号の「法に基づく業務の実績」は、職業安定法に基づく募集などの業務の実績を指します。つまり、求人の条件だけでなく、会社の規模や事業の内容といったピッチ資料の大半を占める情報も、正確で最新に保つ義務の対象になります。 これは努力義務ではなく、「保たなければならない」と定められた義務です。

職業安定法第5条の4と施行規則が定める的確な表示の対象。手段:書面の交付、電子メール等の送信、インターネットを通じた公開(採用サイトでの公開、スライド共有サービスへの掲載、メールでの送付が該当)。禁止:第1項で虚偽の表示や誤解を生じさせる表示を禁止。義務:第2項で正確で最新の内容に保つことを義務づけ。対象の情報には、募集に関する情報に加え、施行規則第4条の3第3項により、募集を行う会社自身に関する情報と、法に基づく業務の実績に関する情報が含まれる。
職業安定法第5条の4と施行規則が定める的確な表示の対象。手段:書面の交付、電子メール等の送信、インターネットを通じた公開(採用サイトでの公開、スライド共有サービスへの掲載、メールでの送付が該当)。禁止:第1項で虚偽の表示や誤解を生じさせる表示を禁止。義務:第2項で正確で最新の内容に保つことを義務づけ。対象の情報には、募集に関する情報に加え、施行規則第4条の3第3項により、募集を行う会社自身に関する情報と、法に基づく業務の実績に関する情報が含まれる。

採用ピッチ資料で起こりやすい表示の例

厚生労働省が2022年の法改正にあわせて求人企業向けに作ったリーフレットと、「募集・求人業務取扱要領」(令和7年6月)には、避けるべき表示の例や、情報を最新に保つための措置が挙がっています。それらをもとに、採用ピッチ資料で起こりやすい表示を整理しました。

起こりやすい表示問題になりうる点書き方の例
社内で特に給与が高い人の年収を、モデル年収として大きく載せる全ての労働者の給与であるかのように見せる賃金の幅を示し、年収例には職種・等級・経験年数を添える
グループ会社の売上や実績を、自社の実績のように大きく載せるどの会社に雇われるのかが紛らわしくなる雇用する会社を明記し、グループの数字は出所を分けて書く
上場していないのに上場企業と書く、実際と違う業種を書く自社に関する虚偽の表示会社概要は登記や公表資料と照らしてから載せる
全く根拠なく「採用実績が高い」と書く根拠のない実績の表示数字に時点・範囲・数え方を添えるか、載せない
実際の業務と大きく離れた職種名を付ける名称と仕事の中身が食い違う主な業務の内容が分かる説明を添える
何年も前の資料を、日付なしで公開し続ける最新の内容に保つ義務を果たせていないおそれ版と作成時点を表紙に示し、変更があれば更新する

要領は、虚偽の表示の例として「全く根拠なく採用実績が高い旨を表示する場合」を挙げています。ピッチ資料は魅力を伝える資料なので、つい強い言葉を選びたくなります。強い言葉ほど、その裏づけを資料の中か手元に用意しておくことが欠かせません。

正確で最新に保つための措置として、リーフレットは、募集の終了や変更があれば自社の採用ウェブサイトなどを速やかに更新すること、いつの時点の情報かを明らかにすることを例に挙げています。前の節で紹介した版と作成時点の表示は、この点にもかなうやり方です。

ピッチ資料は「労働条件の明示」の代わりにはならない

もう1つ押さえておきたいのが、労働条件の明示との関係です。職業安定法第5条の3は、募集を行う会社に、応募しようとする人へ業務の内容や賃金、労働時間などの労働条件を明示するよう求めています。前述のリーフレットは、労働条件の明示は、求人等に関する情報の的確な表示とは別に行う必要があると明記しています。ピッチ資料に給与の目安を載せたからといって、労働条件を示したことにはならないということです。

要領によると、書面などで示す事項には次のようなものがあります。

  • 業務の内容(変更の範囲を含む)
  • 契約期間、試用期間、有期契約を更新する場合の基準
  • 就業の場所(変更の範囲を含む)
  • 始業・終業の時刻、所定時間外労働の有無、休憩時間、休日
  • 賃金の額
  • 健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険の適用
  • 雇用しようとする者の氏名または名称
  • 受動喫煙を防止するための措置

ここでいう「変更の範囲」とは、今後の見込みも含め、その労働契約の期間中に就業場所や業務が変わりうる範囲のことです。これらを職種ごとにすべてピッチ資料に載せるのは現実的ではありません。そこで、ピッチ資料には会社全体に共通する働き方の考え方を書き、職種ごとの労働条件は募集要項で示して、資料の最終章からそこへ案内する形にしておくと、内容が食い違うおそれを減らせます。ピッチ資料に給与や休日の数字を載せる場合は、募集要項と同じ数字になっているかを、更新のたびに照らし合わせましょう。

採用ピッチ資料と募集要項の役割分担。書くこと:ピッチ資料は会社全体に共通する働き方の考え方、募集要項は職種ごとの労働条件。法律との関係:ピッチ資料は的確な表示(第5条の4)の対象で、給与の目安を載せても労働条件の明示の代わりにはならない。労働条件の明示(第5条の3)は的確な表示とは別に行う。給与などの数字:ピッチ資料に載せるなら募集要項と同じ数字にし、更新のたびに照らし合わせる。ピッチ資料の最終章から募集要項へ案内する。
採用ピッチ資料と募集要項の役割分担。書くこと:ピッチ資料は会社全体に共通する働き方の考え方、募集要項は職種ごとの労働条件。法律との関係:ピッチ資料は的確な表示(第5条の4)の対象で、給与の目安を載せても労働条件の明示の代わりにはならない。労働条件の明示(第5条の3)は的確な表示とは別に行う。給与などの数字:ピッチ資料に載せるなら募集要項と同じ数字にし、更新のたびに照らし合わせる。ピッチ資料の最終章から募集要項へ案内する。

スカウトのメッセージと一緒にピッチ資料を送る場合の注意点や、労働条件を示すタイミングについては、ダイレクトリクルーティングの記事で詳しく扱っています。

参考:e-Gov法令検索「職業安定法」
参考:e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」
参考:厚生労働省「求人企業の皆さま 労働者の募集ルールが変わります」
参考:厚生労働省「募集・求人業務取扱要領」(令和7年6月)

新卒採用で使うなら、若者雇用促進法の職場情報も載せる

新卒の募集でピッチ資料を使う会社は、若者雇用促進法(青少年の雇用の促進等に関する法律)の職場情報の提供制度も意識しておきましょう。同法第13条により、新卒者などを対象に募集する会社は、職場の情報を幅広く提供するよう努めなければならず、応募者などから求められた場合は提供が義務になります。

厚生労働省のリーフレットによると、求めがあったときは、次の3類型それぞれについて1つ以上の情報を提供する決まりです。

類型主な項目ピッチ資料で載せやすい章
募集・採用に関する状況直近3事業年度の新卒採用者数・離職者数、新卒採用者数の男女別人数、平均継続勤務年数③ 組織
職業能力の開発・向上に関する取組研修の有無と内容、自己啓発支援、メンター制度、キャリアコンサルティング制度、社内検定等の制度⑤ 制度
職場への定着の促進に関する取組前事業年度の月平均所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数、育児休業の取得対象者数・取得者数(男女別)、役員・管理職に占める女性の割合④ 働き方

同じリーフレットは、関連する指針で、これらの項目のすべてをホームページでの公表や会社説明会での提供、求人票への記載などによって積極的に提供することが望ましいとされていると説明しています。採用ピッチ資料は、まさに説明会やホームページで使う資料なので、職場情報をあらかじめ組み込んでおくと、求めがあってから慌てて集める手間も省けます。 提供するときは、企業全体の雇用形態別の情報とすること、最新の情報にすることにも注意が要ります。

また、リーフレットは、就職情報サイトや採用ホームページでのいわゆるプレエントリーも「求め」にあたるとしています。情報提供を求めたことを理由に不利に扱ってはならず、その旨をホームページなどで明確に発信することが望まれるとも書かれています。ピッチ資料の最終章に「職場情報の提供を求めたことで、選考で不利に扱うことはありません」と一文添えておくと、候補者は安心して問い合わせられるでしょう。

数字だけでは伝わらない部分を補えるのも、ピッチ資料の利点です。「メンター制度あり」と書くなら、メンターとどんな頻度で何を話しているのかを一言添える。数字と運用の実態がそろうと、職場情報が生きた情報になります。

参考:e-Gov法令検索「青少年の雇用の促進等に関する法律」
参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「就労実態等に関する職場情報を応募者に提供する制度について」

採用ピッチ資料の作り方|5つのステップ

構成と注意点を押さえたら、実際に作っていきます。少人数の会社でも進めやすいよう、5つのステップに分けて整理しました。

ステップやること主に関わる人
① 目的と読み手を決めるどの職種の、どんな候補者に、どの場面で読んでもらうかを決める経営者・採用担当
② 材料を集める経営者の話、社員の声、組織や制度の数字を集める採用担当・各部署
③ 下書きを作る8章の構成に沿って文章を先に書き、デザインは後に回す採用担当
④ 数字と表現を確かめる根拠、募集要項との一致、誤解を生む表現がないかを確認する採用担当・労務担当
⑤ 公開して更新を続ける公開先を決め、更新の担当と時期を決める採用担当

① 目的と読み手を決める

最初に、誰に読んでもらう資料かを決めます。新卒向けと中途のエンジニア向けでは、知りたいことも、響く言葉も違います。すべての候補者に向けた1冊を作るなら、職種ごとの詳細は別ページや募集要項に分ける前提で設計しましょう。読み手が決まると、どの章を厚くするかも自然に決まってきます。

② 材料を集める:経営者の話から始める

材料集めは、経営者へのヒアリングから始めるのがおすすめです。何を目指して会社をつくったのか、今どんな課題に向き合っているのか、どんな人と働きたいのか。資料の芯になる「目指すもの」と「求める人物像」は、経営者にしか語れない部分が多いからです。 そのうえで、現場の社員の声と、組織や制度の数字を集めます。数字は、時点・範囲・数え方をメモしながら集めておくと、後の確認作業が楽になります。

③ 下書きを作る:文章を先に、デザインは後に

いきなりスライドのデザインから入ると、見栄えに時間を取られて中身が薄くなりがちです。まずは8章の構成に沿って文章で下書きを作り、伝えたいことが過不足なく入っているかを確かめましょう。私たち編集部の実感でも、読み手に残る資料は、デザインの凝り具合よりも、1枚ごとに言いたいことが1つに絞られているかどうかで差がつくように思います。1枚に1メッセージを意識して、見出しだけを拾い読みしても流れが分かるように組みます。

④ 数字と表現を確かめる

公開前の確認は、少なくとも次の点を見ておきましょう。

確かめる点見るポイント
数字の根拠すべての数字に時点・範囲・数え方を添えたか
募集要項との一致給与・休日・勤務地などの記載が募集要項と同じか
自社の情報会社名、業種、上場の有無、グループ会社との区別が正確か
表現「No.1」「残業なし」など、根拠を示せない表現が残っていないか
人物像性別や年齢などの属性で求める人物像を描いていないか
写真・個人情報社員の写真や名前の掲載について本人の同意を得たか
版の表示表紙などに作成時点や版を入れたか

労務の担当者や、顧問の社会保険労務士がいれば、労働条件に関わるページだけでも目を通してもらうと安心です。

⑤ 公開して、更新を続ける

公開先は、自社の採用サイト、スライド共有サービス、スカウトや面談前のメールへの添付などが考えられます。どこで公開しても、正確で最新に保つ義務は変わりません。組織の人数や制度が変わったとき、募集の条件が変わったときに更新することを、担当者と時期まで決めておきましょう。 半年に一度など定期的に見直す日を決めておくと、更新が止まりにくくなります。古い版のファイルが社外に残っている場合は、差し替えや公開の終了も忘れないようにしたいところです。

採用ピッチ資料の作り方の5つのステップ。1 目的と読み手を決める(どの職種の、どんな候補者に、どの場面で読んでもらうか)。2 材料を集める(経営者へのヒアリングから始め、社員の声と組織や制度の数字を集める)。3 下書きを作る(8章の構成に沿って文章を先に書き、デザインは後に。1枚に1メッセージ)。4 数字と表現を確かめる(根拠、募集要項との一致、誤解を生む表現)。5 公開して更新を続ける(更新の担当と時期を決め、半年に一度など見直す日を決める)。
採用ピッチ資料の作り方の5つのステップ。1 目的と読み手を決める(どの職種の、どんな候補者に、どの場面で読んでもらうか)。2 材料を集める(経営者へのヒアリングから始め、社員の声と組織や制度の数字を集める)。3 下書きを作る(8章の構成に沿って文章を先に書き、デザインは後に。1枚に1メッセージ)。4 数字と表現を確かめる(根拠、募集要項との一致、誤解を生む表現)。5 公開して更新を続ける(更新の担当と時期を決め、半年に一度など見直す日を決める)。

経営者の言葉を採用ピッチ資料の外でも届けるなら熱狂ベンチャーナビにお任せください

採用ピッチ資料の芯になるのは、会社が何を目指し、どんな人と働きたいのかという経営者の言葉です。当社が運営する熱狂ベンチャーナビは、仕事に熱狂する企業の経営者に話を聞き、そのストーリーをインタビュー記事として紹介しているメディアです。企画・撮影・取材から記事化までを一貫して行うので、話すのが得意でない経営者や、多忙な経営者でも、聞き手の問いに答えていくなかで想いを言葉にできます。

インタビュー記事は、候補者が社名や代表者名で検索したときに、自社サイトの外で見つかる接点になります。 言葉にした内容は、ピッチ資料の「会社の目指すもの」の章や代表メッセージを書く材料にもなるでしょう。なお、インタビュー記事は広告企画として掲載し、記事にはPR表記が入ります。掲載の事例は代表インタビューでご覧いただけます。

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採用ピッチ資料に関するよくある質問

採用ピッチ資料と会社紹介資料は何が違いますか

会社紹介資料のうち、採用の候補者に向けて作り、働く側の視点で必要な情報をそろえたものが採用ピッチ資料です。 営業や投資家向けの会社紹介資料は、製品や財務の説明が中心になります。採用ピッチ資料では、組織、働き方、制度、求める人物像、選考の流れといった、候補者が応募を判断するための情報に重心を置きます。

採用ピッチ資料は何ページくらいが目安ですか

ページ数に決まりはありません。8章の構成を基本に、1章あたり数枚に収めると、読み手が途中で迷いにくくなります。 大切なのはページ数より、1枚ごとに言いたいことを1つに絞ることです。情報が多くなる場合は、職種ごとの詳細を別の資料や募集要項に分けると、全体が読みやすくなります。

採用ピッチ資料に給与を載せてもよいですか

載せてもかまいませんが、募集要項と同じ内容にそろえ、特に給与の高い社員の例を全員の水準のように見せない書き方にすることが前提です。 職業安定法は、誤解を生じさせる表示を禁じています。年収例を載せる場合は、職種・等級・経験年数などの前提を添えましょう。また、ピッチ資料に給与を載せても、労働条件の明示は別に行う必要があります。

採用ピッチ資料はどこで公開すればよいですか

自社の採用サイトに掲載し、スカウトや面談前の案内でURLを送る使い方が基本です。 スライド共有サービスに載せると、社名で検索した候補者の目にも触れやすくなります。どこで公開する場合も、作成時点と版を表紙に示し、内容が変わったら速やかに差し替えましょう。

採用ピッチ資料はどのくらいの頻度で更新すればよいですか

組織の人数、制度、募集の条件など、載せている情報が変わったときに更新するのが原則です。 それに加えて、半年に一度など見直す日を決めておくと、更新が止まりにくくなります。職業安定法は、募集に関する情報や自社に関する情報を正確で最新の内容に保つよう求めているため、古い数字のまま公開し続けないよう注意が必要です。

まとめ

採用ピッチ資料は、会社の目指すもの、事業、組織、働き方、制度、求める人物像、選考の流れを、候補者が応募前に読んで判断できるようにまとめた資料です。8章の構成に沿って、候補者の疑問に前から順に答えていく流れを意識しましょう。

数字には時点・範囲・数え方を添え、根拠を示せない強い表現は載せないことが、資料の信頼を支えます。採用のためにウェブで公開するピッチ資料は職業安定法の「広告等」にあたり、自社に関する情報まで正確で最新に保つ義務がかかります。労働条件は募集要項で示し、ピッチ資料からそこへ案内する役割分担にすると、情報の食い違いを防げます。 新卒の募集で使うなら、若者雇用促進法の職場情報もあらかじめ組み込んでおきましょう。

資料の芯になる経営者の言葉を、自社サイトの外でも届けたいときは、熱狂ベンチャーナビにご相談ください。

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編集者

小川 莉奈 - 熱狂ベンチャーナビ編集部

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看護師から一般企業へ就職。その後株式会社デジマケに入社。自身の転職経験を元に新卒~若手の転職者にわかりやすい情報をお届けします。

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西畑大樹 - 熱狂ベンチャーナビ運営責任者

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新卒で証券会社に入社。その後、不動産・マーケティング・SaaS企業と4社の経験を経て独立。
学生時代は無人島のインターンや創業2か月目の会社でインターン生として2年勤務。
学生時代から新卒就活領域のメディア運営やキャリアコンサルタントを行っていた経験を元に業界や企業理解が深まるインタビュー記事や就活や転職に役立つ情報をお届けします。

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新卒で商社に入社。その後WEBマーケティング支援を行う会社に転職。その後、繊維メーカーの役員を経て株式会社デジマケを創業。
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