ベンチャー企業の年収は低い?規模別の統計とオファーで確かめる内訳

ベンチャー企業の年収は一律に低いとは言えず、同じ規模の会社の中でも違いが大きいのが実態です。規模の近い従業員10〜99人の会社で試算すると、年収の目安は456万円ほどになります。
実は、資本金2,000万円未満の小さな株式会社でも、年収500万円を超える人は4人に1人以上います。
この記事では、公的統計で読める規模別の年収と差が生まれる場所、ストックオプションの考え方、オファー面談で年収の内訳を確かめる観点を整理します。
ベンチャーに移ったら年収がどうなりそうかは、会社の規模だけでは見えてきません。いまの経験でどのくらいの条件を提示されそうか、自分の市場価値は転職エージェントを活用すれば無料で確認できます。
ベンチャー企業の年収を公的統計で見るには|近い切り口は2つ
「ベンチャー企業」という区分で年収を集計した公的統計は、本記事で調べた範囲では見当たりません。 ベンチャーは法律で範囲が決まった言葉ではなく、国の主な賃金統計は会社を規模や産業で分けて集計しているためです。そこで、ベンチャーに近い切り口として次の2つを使います。
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の企業規模別(常用労働者の人数で区切る)
- 国税庁「民間給与実態統計調査」の資本金階級別(株式会社を資本金の大きさで区切る)
| 統計 | 区切り方 | 年収の出し方 | 読むときの注意 |
|---|---|---|---|
| 賃金構造基本統計調査(厚生労働省) | 常用労働者10〜99人/100〜999人/1,000人以上 | 6月分の月給と前年の賞与から編集部が年収を試算 | 10人未満の会社は含まれない |
| 民間給与実態統計調査(国税庁) | 株式会社の資本金2,000万円未満〜10億円以上の5区分 | 1年間に支払われた給与の総額 | 役員を含み、1年を通じて勤めた人が対象 |
どちらの統計でも、小さな会社の中には創業から何十年もたつ会社と、創業まもない会社が一緒に入っています。創業からの年数で区切った賃金の公的統計は、本記事で調べた範囲では見当たりませんでした。ここで並べる数字は「ベンチャーの年収」ではなく、「規模の近い会社の年収」として読んでください。
日本全体の平均年収や、国税庁と厚生労働省で数字が違う理由は「平均年収は487万円|20代・30代・40代・男女別と国税庁・厚労省の違い」で詳しく整理しています。
従業員数で見る:10〜99人の会社は年収の目安456万円
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」から、民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)の賃金を企業規模別に取り出し、6月分のきまって支給する現金給与額を12倍して前年の年間賞与を足すと、年収の目安は次のとおりです。
| 企業規模 | 月の給与 | 年間賞与 | 年収の目安 | 年収に占める賞与 | 平均年齢・勤続年数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10〜99人 | 32万5,700円 | 65万3,300円 | 456.2万円 | 14.3% | 46.0歳・11.5年 |
| 100〜999人 | 35万5,400円 | 91万9,200円 | 518.4万円 | 17.7% | 44.1歳・12.4年 |
| 1,000人以上 | 42万4,100円 | 140万5,200円 | 649.4万円 | 21.6% | 43.4歳・14.1年 |
月の給与は残業代や手当を含む「きまって支給する現金給与額」で、年収の目安は編集部の試算です。10〜99人の会社は、平均年齢が3つの区分で最も高い46.0歳なのに、年収の目安は最も低くなっています。年齢の違いでは説明しきれない差がある、ということです。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業計 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
資本金で見る:2,000万円未満は415.7万円、10億円以上は691.7万円
国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」は、1年を通じて勤務した人の平均給与を、勤め先の会社の資本金の大きさ別に出しています。株式会社の平均給与は、資本金2,000万円未満が415.7万円、2,000万〜5,000万円未満が456.8万円、5,000万〜1億円未満が455.2万円、1億〜10億円未満が508.6万円、10億円以上が691.7万円でした。


2,000万円以上1億円未満の2区分はほぼ同じ水準で、はっきりと差が開くのは資本金10億円以上の区分です。平均年齢は2,000万円未満が48.4歳、10億円以上が44.2歳と、ここでも小さな会社のほうが高くなっています。
参考:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」
規模による年収の差は、どこで生まれているのか
平均の差だけを見ると「小さな会社は年収が低い」で終わってしまいます。数字を分けてみると、差の生まれ方には特徴があります。
- 差の4割前後は賞与で生まれている
- 40代前半までは、年齢が高い層ほど規模による差が開いている
- 小さな会社の中にも、年収の高い人は一定数いる
差の4割前後は賞与で生まれている
賃金構造基本統計調査の試算で、1,000人以上と10〜99人の年収の差は約193万円です。このうち月の給与の差が年間約118万円、賞与の差が約75万円で、差のおよそ4割は賞与から生まれています。 年収に占める賞与の割合も、1,000人以上の21.6%に対して10〜99人は14.3%です。


国税庁の資本金階級別でも同じ傾向が出ています。給料・手当に対する賞与の割合は、資本金2,000万円未満が9.4%、2,000万〜5,000万円未満が15.2%、5,000万〜1億円未満が17.8%、1億〜10億円未満が20.4%、10億円以上が29.9%と、資本金が大きい区分ほど高くなります。平均給与の差276.0万円のうち、賞与の差が123.4万円を占めます。


小さな会社の求人を見るときは、年収の総額より先に、月々の給与と賞与をそれぞれいくらと見込んでいるかを分けて確かめると、比べやすくなります。
参考:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」
40代前半までは、年齢が高い層ほど規模による差が開いている
同じ統計を年齢階級別に試算すると、20〜24歳の年収の目安は1,000人以上が396.4万円、10〜99人が320.5万円で、10〜99人は1,000人以上の80.9%の水準です。25〜29歳では508.6万円と384.4万円、30〜34歳では588.1万円と430.2万円、35〜39歳では662.3万円と463.8万円。40〜44歳になると723.4万円と485.9万円で、67.2%まで下がります。


100〜999人の会社は、20〜24歳で352.2万円、30〜34歳で484.1万円、40〜44歳で559.8万円でした。開いていく差の中身を見ると、20〜24歳では1,000人以上と10〜99人の差約76万円のうち賞与の差は約18万円ですが、40〜44歳では差約238万円のうち約89万円が賞与の差です。20〜24歳から40〜44歳にかけて、賞与の差が占める重みも増しています。
ただし、これは同じ人の給与を追いかけた数字ではなく、2025年時点で各年齢にいる人の比較です。20代前半の差が小さいことは、小さな会社に入った人の給与が将来どう伸びるかを示すものではありません。 伸び方は会社ごとの評価と昇給の仕組みで決まるため、後半で紹介するオファー面談の観点で確かめる必要があります。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業計 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
小さな会社の中にも、年収の高い人は一定数いる
国税庁の調査は、給与の分布も資本金階級別に出しています。資本金2,000万円未満の株式会社で1年を通じて勤務した人(役員を含む)のうち、最も多いのは300万円超400万円以下の18.9%、次が400万円超500万円以下の16.1%です。一方で、500万円を超える人を合計すると27.0%で、4人に1人を上回ります。 1,000万円を超える人も3.8%います。


資本金10億円以上の会社では1,000万円超1,500万円以下が13.6%で最も多い区分ですから、高い年収の人の割合は大きな会社のほうが多いのは確かです。ただ、小さな会社の平均が415.7万円だからといって、その会社に入った人が皆その近くに収まるわけではありません。平均は会社選びの入り口の目安にとどめ、個々の会社の条件は個別に確かめるのが現実的です。
参考:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」
「ベンチャーは年収が低い」とも「高い」とも言い切れない理由
規模の小さい会社ほど平均の年収が低いことは、2つの統計で共通しています。それでも「ベンチャーは年収が低い」と言い切れないのは、統計で言えることと言えないことの間に距離があるからです。
| 見方 | 統計で言えること | 統計では言えないこと |
|---|---|---|
| 規模 | 従業員数・資本金が小さい会社ほど、平均の年収は低い | 創業まもない会社や成長中の会社が、同じ規模の老舗の会社より低いか高いか |
| 賞与 | 小さな会社ほど賞与の比重が小さい | 業績連動の賞与や株式の報酬を、個々の会社がどう設計しているか |
| 年齢 | 40代前半までは、年齢が高い層ほど規模による差が開いている | ある会社に入った人の年収が、今後どのくらい伸びるか |
| 分布 | 小さな会社でも500万円を超える人が27.0%いる | 自分がその会社でどの位置に入るか |
スタートアップは年収が高い、という話を耳にすることもあります。出資を受けて事業を急いで広げる会社が、経験のある人を高い条件で採ろうとする場面は考えられるでしょう。とはいえ、それを裏づける公的統計は本記事で調べた範囲では見当たらず、同じ会社の中でも職種や役割、入社の時期によって条件は変わります。スタートアップとベンチャーの違いや、出資を受けて成長する会社の進み方は「スタートアップとは?意味とベンチャーとの違い、資金調達から働き方まで」で整理しています。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業計 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
参考:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」
給与の決め方は、同じ規模の会社でもまったく違う
経営者の取材を重ねていると、同じくらいの規模のベンチャーでも、給与の決め方を社員に説明できる仕組みを整えている会社もあれば、まだ社長が一人ひとり個別に決めている会社もあると感じます。仕組みを持つ会社でも、その中身は一様ではありません。
株式会社ガトラボの村田駿社長は、エンジニアが顧客企業の開発現場で働くSES事業で、給与の決め方をこう説明しています。
madoguchi株式会社の福士雅也取締役COOは、営業組織の評価と給与の結びつけ方について、次のように話しています。
成果や売上に連動する部分が大きい給与は、伸びる余地がある一方で、毎年同じ額になるとは限りません。どちらが自分に合うかは、何に連動して、どのくらい動くのかを聞いてみて初めて判断できます。規模の数字よりも、給与がどう決まり、どう上がるかを会社が説明できるかどうかのほうが、入社後の年収を左右します。
ストックオプションなど現金以外の報酬は「年収とは別枠」で考える
ベンチャーの求人では、給与のほかにストックオプションなどの報酬を示されることがあります。ここで押さえたいのは、提示された年収の数字と、こうした報酬を足し算しないことです。
- ストックオプションは、将来の株価しだいで価値が決まる権利
- 退職金の制度は、小さな会社ほど設けている割合が低い
ストックオプションは「当たれば大きい、ゼロもありうる」権利
ストックオプションは、あらかじめ決めた価格で自社の株を買える権利です。会社が上場したり買収されたりして株価が上がれば利益になりますが、上場や買収がなければ現金に換えにくく、株価が買える価格を下回れば価値はありません。毎月の給与のように決まった額が入るものではないため、生活の土台になる年収は、現金の給与と賞与だけで成り立つかどうかで判断するのが安全です。
正直なところ、オファーの場で「ストックオプションもあります」と言われると、それだけで条件が良く見えてしまうものです。付与される数、権利を使える時期と条件、退職したときに権利がどうなるかは会社ごとの契約で決まるため、書面で確かめてから判断してください。仕組みや税金、税制適格の要件は「ストックオプションとは?仕組み・税金・税制適格の要件と入社前の確認点」で詳しく紹介しています。
退職金の制度は、会社の規模で備わり方が違う
将来受け取る報酬としては、退職金もあります。厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」によると、退職給付(一時金・年金)の制度がある企業の割合は全体で74.9%。常用労働者1,000人以上で90.1%、300〜999人で88.8%、100〜299人で84.7%、30〜99人で70.1%と、規模が小さいほど低くなっています。


この調査は30人以上の企業が対象で、それより小さな会社の状況は含まれていません。退職金の有無と計算の仕方は、労働条件の通知や就業規則で確かめられる項目です。
参考:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)の支給実態」
オファー面談で年収の内訳を確かめる観点
内定や内定前のオファー面談で示される「年収○○万円」は、いくつかの要素の合計です。ベンチャーでは賞与の比重や昇給の仕組みが会社ごとに大きく違うため、総額だけで決めると、入社後に思っていた手取りと違うことが起こりえます。確かめたいのは次の5点です。
- 月給の中身(基本給・手当・固定残業代)
- 賞与の決まり方と、前年の支給実績
- 昇給と評価の仕組み
- 退職金の有無
- ストックオプションなどの条件
書面で必ず渡されるのは、月々の賃金の決め方まで
労働条件のうち何を明示しなければならないかは、労働基準法施行規則第5条に並んでいます。賃金については次のとおりです。
ここでいう「第五号に規定する賃金」には賞与が含まれ、賞与は第5号で別に挙げられています。そのうえで、書面で渡さなければならない項目を定めたのが同じ条の第3項です。
言い換えると、月々の賃金の決め方・計算・支払い方は書面(本人が希望すれば電子メールなども可)で示す義務がありますが、昇給と賞与は、明示は必要でも書面で渡す義務の範囲からは外れています。 賞与については、会社に定めがなければ明示もいりません。オファー面談で口頭で聞いた賞与や昇給の見込みは、できればメールや条件通知書に書いてもらうよう頼んでおくと、あとで確かめられます。


確かめる項目と聞き方
| 項目 | 聞き方の例 | 確かめる理由 |
|---|---|---|
| 月給の中身 | 基本給と各手当、固定残業代はそれぞれいくらですか | 固定残業代を含む月給は、基本給だけで見ると低いことがある |
| 賞与 | 賞与はどう決まりますか。前年はどのくらい支給されましたか | 小さな会社ほど年収に占める賞与の比重が小さく、決まり方も会社ごとに違う |
| 昇給・評価 | 昇給は年に何回で、何をもとに決まりますか | 40代前半まで年齢が高い層ほど規模による差が開くため、伸び方を左右する |
| 退職金 | 退職金の制度はありますか | 30〜99人の企業では、制度がある割合が7割にとどまる |
| 株式の報酬 | ストックオプションの付与数と、行使の条件を書面でいただけますか | 価値が将来の株価しだいで、契約で条件が決まる |
固定残業代について、厚生労働省は若者雇用促進法にもとづく指針を踏まえ、若者が応募する可能性のある求人では、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代の時間数と金額の計算方法、その時間を超えた分の割増賃金を追加で支払うことの3点を明示するよう求めています。求人票やオファーにこの3点が見当たらないときは、面談で確かめてください。
賞与の前年実績や昇給の仕組みは、聞きにくいと感じる人も多いでしょう。ただ、人数の少ない会社ほど、給与の決め方を説明できるかどうかが会社の姿勢をそのまま映します。答えが具体的に返ってくるかどうかも、判断材料の1つです。入社前に会社そのものの危うさを見分ける観点は「ベンチャー企業は危ない?見分け方10項目と良いベンチャーの共通点」で紹介しています。
参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。」
参考:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)の支給実態」
前職より下がる提示を受けたときの考え方
ベンチャーへの転職では、提示額が前職を下回ることもあります。そのときは、下がる額を月給と賞与のどちらで受けるのか、何年目にどんな条件で取り戻せる見込みなのかを分けて考えると、判断しやすくなります。賞与の見込みで総額を合わせている提示なら、業績しだいで下振れする可能性も含めて生活が回るかを確かめておきましょう。
自分の経験がほかの会社でいくらと評価されるのかを知っておくと、提示額が妥当かどうかの物差しになります。1社の提示だけで決めず、ほかの選択肢と並べて比べられる状態をつくっておくことが、交渉の前提にもなります。
ベンチャー企業の年収に関するよくある質問
ベンチャー企業の平均年収はいくらですか?
ベンチャー企業だけを集計した公的統計は、本記事で調べた範囲では見当たりません。規模の近い会社で見ると、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとにした試算で、常用労働者10〜99人の会社の年収の目安は456.2万円、国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」で資本金2,000万円未満の株式会社の平均給与は415.7万円です。
ベンチャー企業は年収が低いのですか?
規模の小さい会社ほど平均の年収は低く、厚生労働省の統計で1,000人以上と10〜99人の会社を比べると、差の4割前後は賞与から生まれています。ただし、資本金2,000万円未満の株式会社でも500万円を超える人が27.0%いて、会社や職種による違いが大きいため、一律に低いとは言えません。
スタートアップは年収が高いのですか?
スタートアップの年収が高いことを示す公的統計は、本記事で調べた範囲では見当たりません。出資を受けて急成長を目指す会社が経験者を高い条件で採ることはありえますが、職種や役割、入社の時期で条件は変わります。提示された条件を、月給・賞与・昇給に分けて確かめるのが確実です。
ストックオプションは年収に含まれますか?
求人やオファーで示される年収は、一般に給与と賞与の合計で、ストックオプションは別枠です。将来の株価や上場・買収の有無で価値が決まり、ゼロになることもあるため、年収の数字には足さずに考えるのが安全です。
ベンチャーで年収を上げるにはどうすればいいですか?
入社前に、昇給の回数と決まり方、評価の基準、賞与の決まり方を確かめておくところから始めましょう。40代前半まで、年齢が高い層ほど規模による平均の差は開いているため、自分の年収がどう伸びていくかは、会社ごとの評価と昇給の仕組みにかかっています。
まとめ
ベンチャー企業だけを集計した公的統計は見当たらず、近い切り口として企業規模別と資本金階級別の統計を使うと、規模の小さい会社ほど平均の年収は低く出ます。1,000人以上と10〜99人の差の4割前後は賞与で生まれ、40代前半まで年齢が高い層ほど差が開く一方、資本金2,000万円未満の会社でも4人に1人は500万円を超えていました。平均だけで「低い」「高い」を決めるのではなく、個々の会社の内訳を確かめるのが現実的です。
オファー面談では、月給の中身、賞与の決まり方と前年実績、昇給と評価の仕組み、退職金、ストックオプションの条件を分けて聞き、口頭で聞いた内容は書面にしてもらいましょう。私たちも取材の場で、給与の決め方を自分の言葉で語れる社長の会社ほど、社員に将来の見通しを示せていると感じます。
提示された年収が自分の経験に見合っているかを判断するには、ほかの会社ならいくらと評価されるのかを知っておくのが近道です。

