スタートアップ転職で後悔しないために|大企業から移る前に確かめる3つのこと

スタートアップへの転職で後悔しないための近道は、会社の段階、報酬の中身、労働条件の書面という3点を、入社前に順番に確かめることです。
実は、入社時に示された労働条件が事実と違っていたら、働く側はすぐに契約を解除できると法律に書かれています。だからこそ、口頭の説明だけで決めないことが大切になります。
この記事では、大企業から移ると変わることと、失敗や後悔を避けるための確認の順序を、公的統計と法令の原文をもとに紹介します。
スタートアップの求人は、同じ職種でも会社ごとに条件や任される範囲が大きく違います。自分の経験がどの会社でどう評価されるかは、転職エージェントを活用すれば無料で確認できます。
スタートアップ・ベンチャーへの転職で、何が変わるのか
スタートアップやベンチャーへの転職は、会社の規模だけでなく、報酬の形や仕事の範囲、制度の整い方まで一度に変わる転職です。ただし、スタートアップに転職した人だけを集計した公的統計は、本記事で確認した範囲では見つかりませんでした。ここでは転職者全体の統計から、移る前に知っておきたい傾向を見ていきます。
なお、スタートアップとベンチャーの違いや、資金調達のラウンドの仕組みはスタートアップとは?意味とベンチャーとの違い、資金調達から働き方までで詳しく説明しています。
ベンチャー企業への転職と、スタートアップへの転職の違い
「ベンチャー企業への転職」と「スタートアップへの転職」は、ほぼ同じ意味で使われることもあります。どちらも法令で定められた用語ではなく、ベンチャーは新しい事業に挑む若い会社を広く指し、スタートアップはその中でも、出資を受けて短い期間で大きく伸びることを目指す会社を指して使われることが多い言葉です。
転職する側から見た違いは、会社が成長のスピードをどこまで優先しているかにあります。出資を受けて急成長を目指す会社ほど、資金調達の前後で採用や事業の方針が大きく動き、ストックオプションが報酬に加わることもあります。自己資金や借入で着実に伸びているベンチャーでは、そうした波が比較的穏やかなこともあるでしょう。どちらに移る場合も、この記事で紹介する確かめ方は共通して使えます。 会社の呼び方より、その会社がいまどんな段階にいるかを見てください。
30代の転職では、賃金が下がった人も2〜3割いる
30代の転職者について、厚生労働省「令和7年雇用動向調査」で前職と比べた賃金の変化を見てみましょう。30〜34歳では「増加」が48.6%、「減少」が29.0%で、1割以上減った人は19.0%でした。35〜39歳は「増加」43.5%、「減少」23.9%、1割以上の減少が16.1%です。
| 年齢 | 増加 | 変わらない | 減少 | うち1割以上の減少 |
|---|---|---|---|---|
| 30〜34歳 | 48.6% | 20.8% | 29.0% | 19.0% |
| 35〜39歳 | 43.5% | 28.1% | 23.9% | 16.1% |
転職で賃金が上がる人のほうが多い一方、下がる人も決して少なくありません。 これは転職者全体の数字で、移った先がスタートアップかどうかは分けて集計されていません。それでも、「転職すれば上がるはず」と決めてかからず、下がる場合も含めて生活が成り立つかを先に計算しておくほうが、後悔は小さくて済むでしょう。
参考:厚生労働省「令和7年 雇用動向調査結果の概要」3 転職入職者の状況
転職後の満足度は「仕事内容」で高く、「賃金」で低い
転職した人が、移った先の何に満足しているのか。厚生労働省「令和7年転職者実態調査」は、満足と答えた人の割合から不満と答えた人の割合を引いた「満足度D.I.」を項目ごとに出しています。主な項目を抜粋すると、次のとおりです。
| 項目 | 満足度D.I. |
|---|---|
| 職業生活全体 | 44.0ポイント |
| 仕事内容・職種 | 57.8ポイント |
| 会社の規模・知名度 | 52.3ポイント |
| 福利厚生 | 38.1ポイント |
| 会社の将来性 | 35.3ポイント |
| 賃金 | 22.2ポイント |
職業生活全体では、満足またはやや満足が54.7%、不満またはやや不満は10.7%でした。どの項目も満足が不満を上回っていますが、仕事内容で納得を得やすく、賃金で納得を得にくいという差ははっきりしています。 これは転職者全体の結果で、スタートアップに移った人だけを集計したものではありません。それでも、賃金や会社の将来性は、転職した人全体で見ても満足を得にくい項目だと分かります。何を一番の目的に移るのかを、先に言葉にしておきたいところです。


大企業からスタートアップに移ると変わること
大企業からスタートアップに移ると、働き方の前提がいくつも入れ替わります。どれが良い悪いではなく、違いを知ったうえで選べるかどうかが、入社後の後悔を左右します。
| 項目 | 大企業の一例 | スタートアップの一例 |
|---|---|---|
| 仕事の範囲 | 担当が細かく分かれている | 職種の境目を越えて動く |
| ルールと制度 | 規程や手順が文書で決まっている | 成長に合わせて後から整っていく |
| 報酬の形 | 給与・賞与・退職金が中心 | 給与にストックオプションが加わることがある |
| 意思決定 | 稟議を重ねて決まる | 経営陣との距離が近く、決まるのが速い |
| 取引先との関係 | 会社の名前で話が通りやすい | 自分の説明で信用を積み上げる |
表はあくまで傾向で、上場前でも制度の整った会社はありますし、大企業の新規事業部門がスタートアップに近い動き方をしていることもあります。
退職金や企業年金の制度がない会社もある
見落としやすいのが、退職金と企業年金です。厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業は全体で74.9%。企業規模別では、1,000人以上が90.1%、300〜999人が88.8%、100〜299人が84.7%、30〜99人が70.1%です。制度がある企業のうち退職年金制度を持つ割合は、1,000人以上で74.1%、30〜99人では22.8%にとどまります。


なお、調べているのは常用労働者が30人以上の企業だけで、創業まもない少人数の会社の状況はこの数字には表れていません。大企業から小さな会社に移ると、毎月の給与が同じでも、退職時に受け取るお金の仕組みが変わる可能性があります。 提示された年収を比べるときは、退職金や企業年金の有無も一緒に確かめておきましょう。
参考:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」3 退職給付(一時金・年金)制度
仕事の範囲が広く、途中で変わることもある
スタートアップでは、事業の優先順位が変わるたびに、担当する仕事やチームの顔ぶれが動くことがあります。営業として入った人が採用や仕組みづくりまで担う、といった話もあります。
こうした変化があり得ることは、入社前の書面でもある程度確かめられます。労働基準法施行規則は、契約を結ぶときに示す労働条件として「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項(就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を含む。)」を挙げています。つまり、入社直後の仕事だけでなく、将来どこまで仕事や勤務地が変わり得るかも、示される事項に含まれているのです。 書面の「変更の範囲」の欄が、面接で聞いた話と合っているかを見てください。
評価と昇給の決まり方が、まだ固まっていないことがある
大企業では、等級や評価の基準、昇給の時期が規程として決まっているのが一般的です。スタートアップでは、社員が増えるのに合わせて評価の仕組みをつくっている最中、という会社もあります。評価の回数や基準が年ごとに変わったり、社長や上司との話し合いで昇給が決まったりすることもあります。
これ自体は、成長途中の会社ではよくあることです。気をつけたいのは、入社前の説明と入社後の実際がずれることです。 「入社後1年でどんな成果を出せば、どのくらい給与が上がる想定ですか」と聞き、今の仕組みと、これからどう整えていくつもりかを説明してもらいましょう。答えが具体的であれば、仕組みがまだ途中でも、入社後に話し合う土台になります。
会社の名前ではなく、自分の説明で信用をつくる
大企業にいると、名刺を出しただけで会ってもらえる場面もあります。スタートアップでは、その前提がなくなります。取引先や採用候補者に対して、まだ知られていない会社と自分の仕事を一から説明し、信用を積み上げていくことになるでしょう。
私たちは、ここが大企業出身の人にとって一番戸惑いやすい変化だと感じています。一方で、自分の説明で信用を積み上げた経験は、この先どの会社に移っても持ち運べる力になるはずです。
スタートアップへの転職前に確かめたい3つのこと
ここからは、入社を決める前に確かめておきたい3つの点を見ていきます。
- 会社が資金調達のどの段階にいて、自分に何が期待されているか
- ストックオプションを含めた報酬の中身
- 労働条件が書面で示され、求人票や面接の説明と合っているか
会社の段階:資金調達のどこにいるか
同じスタートアップでも、製品を形にしている最中の会社と、事業が軌道に乗って組織を広げている会社とでは、入社後に起きることがまったく違います。段階の区切り方に決まった定義はなく、会社による違いもありますが、よく見られる傾向をおおまかにまとめると次のようになります。
| 会社の段階 | 会社で起きていること | 入社後に起きやすいこと |
|---|---|---|
| 創業まもない時期 | 製品と顧客を探している | 職種を問わず幅広く担う。方針の転換もある |
| 事業が伸び始めた時期 | 売れる形が見え、人を増やし始める | 仕組みづくりを任される。役割が短い期間で変わることがある |
| 組織を広げている時期 | 部署ができ、管理職を採用する | 決まった役割で成果を求められる。制度が整い始める |
| 上場の準備をしている時期 | 管理体制や規程を整える | 手続きやルールが増えていく |
大企業から移る人にとって大事なのは、自分の経験がどの段階で生きるかを考えることです。 決まった仕組みを回してきた経験は、組織を広げる時期や上場準備の時期に求められやすい一方、創業まもない時期には「仕組みがない中で動けるか」が先に問われやすくなります。会社の段階は、プレスリリースや会社サイトのニュース欄にある資金調達の発表、社員数の推移などから、おおよそつかめます。
ストックオプション:年収とは分けて考える
スタートアップの求人には、「ストックオプション制度あり」と書かれていることがあります。ストックオプションは、決められた価格で自社の株式を買える権利で、上場やM&Aのように株式を売れる機会が来て初めてお金に換えられるのが一般的です。
そのため、提示された年収にストックオプションの期待値を足して比べるのはおすすめできません。 まず毎月の給与と賞与だけで今の暮らしを続けられるかを確かめ、ストックオプションは「会社が伸びたときに上乗せされるかもしれないもの」として比較の外に置いておくと、判断がぶれにくくなります。付与の条件や税金の扱い、退職したときにどうなるかは会社ごとに違うため、ストックオプションとは?仕組み・税金・税制適格の要件と入社前の確認点で確認しておくと安心です。
労働条件:書面で受け取り、求人票と照らし合わせる
3つの中で一番の土台になるのが、労働条件の書面です。労働基準法第15条第1項は、雇う側に対して、契約を結ぶ相手に賃金や労働時間などの労働条件を明示するよう求めています。スタートアップでも大企業でも、この点に違いはありません。給与や働く時間、仕事の中身といった主な項目は、紙か、本人が希望すればメールなどで受け取れるのが原則です。
求人票や面接で聞いた条件が、契約のときに変わることもあります。その場合について、職業安定法は次のように定めています。
少し長い条文ですが、言いたいことは単純です。会社が自分で出した募集や、転職エージェントなどを通じて紹介された求人の条件を、契約の段階で変えるなら、変える内容を応募者にはっきり示さなければならない、という義務です。 求人票と内定時の書面を並べ、仕事の内容や賃金が変わっていないかを確かめましょう。
さらに、入社時に示された条件が実際と違っていた場合については、労働基準法に次の定めがあります。
「明示された労働条件」は契約のときに示された条件、「即時に労働契約を解除する」は予告期間を置かずに辞められることを指します。働く側を守る強い定めですが、何が示されていたかを示せなければ、事実と違うと主張しにくくなります。 口頭の約束で済ませず、書面やメールで受け取って手元に残しておくことが、何よりの備えになります。


参考:e-Gov法令検索「職業安定法」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」
失敗・後悔を避けるための確認の順序
確かめたいことが分かっても、最初から面接で全部を聞く必要はありません。まず公表されている情報を読み、それで分からないことだけを面接で聞き、最後に書面で照らし合わせる。 この順番にすると、限られた選考の時間を、本当に知りたいことに使えます。
| 順番 | 何で確かめるか | 主に分かること |
|---|---|---|
| 1 | 会社サイト、プレスリリース、求人票、経営者のインタビュー | 事業の中身、会社の段階、経営者の考え方 |
| 2 | カジュアル面談、面接 | 自分の役割、チームの体制、評価のされ方 |
| 3 | 内定時の労働条件の書面、ストックオプションの契約書 | 説明と条件が一致しているか |
ステップ1:公表情報で、事業と会社の段階をつかむ
最初に読むのは、会社サイトの事業紹介と会社概要、ニュース欄のプレスリリースです。何を誰に売っている会社なのか、直近でどんな資金調達や提携を発表しているのかが分かれば、会社の段階はおおよそ見当がつきます。マイナビ・リクナビといった求人サイトの募集要項や、転職エージェントから届く求人票も、仕事内容と条件を確かめる材料になります。
経営者がインタビューで語っている内容も、公表情報のひとつです。事業の今後や、どんな人と働きたいかを経営者自身の言葉で読んでおくと、面接で聞くことを絞り込めます。危ない会社を避けるための具体的な項目は、ベンチャー企業は危ない?見分け方10項目と良いベンチャーの共通点にまとめています。
ステップ2:分からないことだけを、面談と面接で聞く
公表情報で埋まらなかった部分を、カジュアル面談や面接で聞きます。大企業から移る人が特に聞いておきたいのは、次のような点です。
| 聞きたいこと | 聞き方の例 | 答えから分かること |
|---|---|---|
| 期待されている役割 | 入社後半年で、どんな状態になっていてほしいですか | 即戦力として何を求められているか |
| 前職の経験の生かし方 | 私の経験のどの部分を、どの仕事で生かしてほしいですか | 経歴のどこが評価されたか |
| 一緒に働く人 | 配属予定のチームの方とお話しできますか | 現場の雰囲気と、社長の話との一致 |
| 評価と昇給 | 評価はどんな基準で、年に何回見直しますか | 制度がどこまで決まっているか |
| 今後の計画 | 次の1年で、会社として一番力を入れることは何ですか | 自分の役割が変わる可能性 |
答えの中身の良し悪しより、具体的な言葉で返ってくるかどうかを見てください。 制度がまだ途中の会社でも、これから先の整え方を順を追って話してくれるなら、場当たりではなく計画を持って動いている会社だと考えてよいでしょう。質問の組み立て方は、面接の逆質問は何を聞く?一次・二次・最終の例文とNG、社長が答えたくなる質問も参考になります。
ステップ3:内定の書面で、聞いた話と照らし合わせる
内定が出たら、労働条件の書面を受け取り、求人票と面接で聞いた話と1項目ずつ照らし合わせます。仕事の内容と変更の範囲、賃金の内訳(固定残業代が含まれているかどうか)、労働時間と休日、試用期間の条件あたりは、食い違いが起きやすいところです。ストックオプションの提示があれば、割当契約書を読めるかどうかもこの段階で確認します。
書面の内容に疑問があれば、承諾する前に質問して構いません。承諾の前に聞くのは、失礼なことではなく、入社後のすれ違いを防ぐための当然の確認です。 ここで誠実な答えが返ってくるかどうかも、会社を知る手がかりになるはずです。
賃金が下がった場合の生活を、先に試算しておく
確認の順序と並行して進めておきたいのが、お金の試算です。提示された年収が今より下がる場合、手取りの月額でいくら変わるのか、住宅ローンや教育費などの固定の支出をまかなえるのかを、内定前に一度計算しておくと安心です。賞与の有無や回数、退職金制度の有無、通勤手当や住宅手当といった手当の違いも、合計すると小さくない差になることがあります。
下がる幅を知ったうえで選ぶのと、知らずに選ぶのとでは、入社後の納得感がまったく違います。 家族がいる場合は、試算した数字を共有しておくと、入社後に忙しい時期が来ても話し合いやすくなります。
迷ったときは「何を持ち帰りたいか」に戻る
3つのステップを踏んでも、最後は迷うものです。正直なところ、私たちは条件の比較だけで迷いが消えることは少ないと感じています。そのときは、条件の良し悪しより、その会社で数年働いたあとに何を持ち帰りたいのかに立ち戻ってみてください。それが言葉にできていれば、入社後に想定外のことが起きても、判断の軸がぶれにくくなります。
経営者が語る、大企業からスタートアップへ移るということ
熱狂ベンチャーナビのインタビューには、大企業からスタートアップへ移った経験を持つ経営者や、ベンチャーの働き方を率直に語る経営者が登場しています。
株式会社オルアナの岸本拓也社長は、15年勤めたSIerを離れてスタートアップに移ったときの戸惑いを、こう話しています。
株式会社CockPitホールディングスの竹内解取締役は、新卒で大手企業を選んだときの就職活動の軸を振り返り、会社選びについて次のように語っています。
株式会社LiG STAR.の夏川登志郎社長は、自社の環境を説明するなかで、向いている人と向いていない人をはっきり伝えています。
ルールのない環境に入る戸惑い、条件より大事にしたいものを決めておくこと、自分で動けるかどうか。3人の言葉は、ここまで見てきた「入社前に確かめること」を、経営者の側から言い換えたものとも読めます。 熱狂ベンチャーナビでは、事業の話に加えて、経営者自身のキャリアの転機や、どんな人と働きたいかも聞いています。志望する業界の経営者が何を考えているかを知っておくと、面接で聞くことも具体的になるでしょう。
スタートアップ転職に関するよくある質問
大企業からスタートアップに転職して後悔するのは、どんなときですか?
よく聞かれるのは、仕事の範囲やルールの少なさが想像と違ったとき、賃金や退職金を含めた待遇が下がったとき、会社の名前で通っていた仕事が通らなくなったとき、といった場面です。いずれも、入社前に会社の段階と自分の役割、労働条件の書面を確かめておくことで、ある程度は予想できます。
スタートアップに転職すると、年収は下がりますか?
会社と職種によって違い、一律には言えません。令和7年雇用動向調査では、30〜34歳の転職者の48.6%が前職より賃金が増え、29.0%が減っています。これは転職者全体の数字です。規模の小さい会社に移ると、給与の水準に加えて退職金制度の有無も変わることがあるため、年収の額面だけでなく受け取るお金の仕組み全体で比べてください。
30代・40代でもスタートアップに転職できますか?
年齢だけで決まるものではありません。組織を広げている時期や上場を準備している時期の会社では、管理職の経験や仕組みを整えた経験が求められることもあります。自分の経験がどの段階の会社で生きるかを考え、その段階の会社を中心に探すと、選択肢を見つけやすくなります。
スタートアップの面接では、何を聞けばいいですか?
会社サイトやプレスリリースで分かることは事前に読んでおき、分からないことだけを聞くのが基本です。期待されている役割、前職の経験をどう生かしてほしいか、評価と昇給の決め方、次の1年の計画などを聞き、具体的な言葉で答えが返ってくるかを見てください。
ストックオプションがあれば、年収が下がっても大丈夫ですか?
ストックオプションは、上場やM&Aなどで株式を売れる機会が来るまでお金に換えられないのが一般的です。提示額を比べるときは給与と賞与だけで暮らしが回るかを基準にし、ストックオプションは将来の上乗せになるかもしれないもの、と切り分けておくと安心です。
まとめ
スタートアップへの転職は、報酬の形や仕事の範囲、制度の整い方までが一度に変わる転職です。30代の転職者では賃金が下がった人も2〜3割おり、退職金制度がある企業の割合も規模によって差があります。
後悔を避けるには、会社の段階、ストックオプションを含めた報酬、労働条件の書面の3点を、公表情報、面接、書面の順に確かめることが近道です。労働条件は法律で明示が義務づけられており、事実と違えばすぐに契約を解除できる定めもありますが、それも書面が手元にあってこそ使えます。
条件を比べ終えたら、最後はその会社で何を持ち帰りたいのかに戻ってください。そこが言葉になっていれば、スタートアップの変化の速さも、きっと自分の糧に変えていけるはずです。
自分の経験がどの段階の会社で生きるのか、条件の違う求人を見比べながら考えたいときは、転職エージェントに相談してみるのもひとつの方法です。

