コンビニ・スーパーを辞めたいと感じたら|理由の確かめ方とアルバイトの辞め方

コンビニやスーパーを辞めたいと感じたら、まず理由を仕事の幅、人手不足、深夜勤務、お客様対応の4つに分けてみてください。一番重いものが何かで、店に頼めることと、店を離れないと解けないことが分かれます。
意外と見落とされがちなのが、アルバイトやパートでも、契約に期間があるかどうかで途中で辞めるときの法律の決まりが変わることです。
理由ごとの確かめ方、辞める前に店に頼めること、契約の種類に合わせた辞め方を、公的な統計と条文で確かめていきます。
結論を急ぐ前に、いまの経験が店の外でどう見られるかを知っておくと、落ち着いて考えられます。レジや品出し、発注で積んだ経験を求人がどう評価するかは、転職エージェントを活用すれば無料で確認できます。
コンビニ・スーパーを辞めたい理由は、仕事の幅・人手不足・深夜・お客様対応の4つに分ける
「もう行きたくない」という気持ちは、たいてい複数の理由が重なってできています。コンビニやスーパーで働く人から聞こえてくるつらさは、次の4つのどれかに当てはまることがほとんどです。
- レジ、品出し、発注、清掃、各種の受付まで、覚える仕事の幅が広い
- 人手が足りず、急なシフトの穴埋めや一人あたりの仕事が増える
- 深夜や早朝の勤務、一人で店を回す時間がある
- お客様からの理不尽な要求や暴言に向き合う
| 理由 | よくある場面 | 店や担当を変えれば軽くなるか |
|---|---|---|
| 仕事の幅 | 手順や受付の種類が多く、覚えきれない | 担当が分かれた店や部門なら軽くなりやすい |
| 人手不足 | 休みの日に出勤を頼まれる、休憩が後回しになる | 店ごとの差が大きく、店選びや異動で変わる余地がある |
| 深夜・ワンオペ | 夜間に一人でレジと品出しをこなす | 時間帯を変えれば外せる |
| お客様対応 | 大声、長時間の居座り、理不尽な要求 | 会社に対処の仕組みがあるかで変わる |
この表は、編集部が一般的な例として整理したもので、統計の区分ではありません。どの理由が一番重いかを先に決めておくと、続けるにしても辞めるにしても、次に何を確かめればよいかがはっきりします。
では、実際に店を離れる人はどれくらいいるのでしょうか。厚生労働省「令和7年雇用動向調査」(常用労働者5人以上の事業所が対象)で2025年1年間の卸売業,小売業の離職率を見ると、一般労働者、つまりパートタイム以外の常用労働者は8.5%、パートタイム労働者は17.6%でした。産業計は一般労働者が11.4%、パートタイム労働者が19.9%です。卸売業,小売業の離職率は、一般労働者で2.9ポイント、パートタイム労働者で2.3ポイント、産業計を下回っています。


一方、人数で見ると印象が変わります。卸売業,小売業の離職者は1年間で112万800人と、医療,福祉に次いで2番目に多く、そのうち62万700人、55.4%がパートタイム労働者でした。働く人の多い産業なので、率は産業計より低くても、辞める人の数は大きくなります。
なお、この区分には卸売業も含まれ、コンビニやスーパーだけの数字ではありません。離職率が示すのは辞めた人の割合で、辞めた理由や、辞めたいと感じている人の多さまでは分からない点にも注意してください。
参考:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要 2 産業別の入職と離職」
仕事の幅が広いつらさは、「覚えること」と「同時に頼まれること」に分ける
コンビニやスーパーの仕事は、レジだけ、品出しだけで終わらないことが多いものです。仕事の幅からくる負担は、中身で2つに分かれます。
- 覚える量の多さは、手順書や教わる相手があるかで変わる
- 同時に頼まれる負担は、担当の分け方とその時間の人数で変わる
- 任される業務の範囲は、労働条件通知書にも書かれている
覚える量の多さは、教わり方で変わる
店によって違いますが、コンビニでは一般に、レジ、商品の検品と補充、清掃に加え、揚げ物などの調理、宅配便や各種の支払いの受付が同じ人に回ってくることがあります。スーパーではレジ、品出し、青果や惣菜といった部門ごとに担当が分かれていることが多く、覚える範囲は担当の中に収まりやすい一方、同じ作業の繰り返しや混雑時のレジの負担が中心になります。
| 観点 | コンビニ | スーパー |
|---|---|---|
| 担当の分け方 | 少人数で、一人が複数の仕事を受け持つことが多い | レジ、品出し、部門ごとに担当が分かれていることが多い |
| 時間帯 | 24時間営業の店では深夜・早朝のシフトがある | 営業時間内が中心で、開店前の品出しなどがある |
| 負担の中心 | 覚える業務の種類の多さ | 同じ作業の繰り返しと、混雑時のレジ |
この比較も、編集部が一般的な傾向として整理したものです。同じチェーンでも、店の立地や規模で働き方は変わります。
レジの操作に受付の種類まで重なれば、覚えきれないと感じるのは自然なことだと私たちは考えています。覚えられないのが自分の能力のせいなのか、教わる仕組みがないせいなのかは、分けて考えてください。 手順書があるか、分からないときに聞ける相手がその時間にいるか。この2つがそろっていない店なら、覚える順番を決めてもらう、最初は担当を絞ってもらうといった相談から始められます。
同時に頼まれる負担は、人数と担当の分け方で決まる
レジに並ぶお客様を気にしながら、品出しも清掃も終わらせる。この「同時に頼まれる」つらさは、本人の手際よりも、その時間帯に何人いて、誰が何を受け持つかで決まる部分が大きいものです。同じ店でも、時間帯によって負担がまったく違うことがあります。どの時間帯の、どの組み合わせがつらいのかを書き出してみると、シフトの相談がしやすくなります。
任される業務の範囲は、労働条件通知書で確かめる
働き始めるとき、会社は賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければなりません。労働基準法施行規則第5条は、明示する事項として「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」を挙げ、2024年4月からは、その「変更の範囲」も明示することになりました。対象は正社員に限らず、全ての労働契約の締結時と、有期労働契約の更新時です。
手元の労働条件通知書や雇用契約書に、どんな業務が書かれているかを一度見てみてください。担当の相談をするときの手がかりになります。
参考:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」
参考:厚生労働省「労働契約の締結・更新のタイミングの労働条件明示事項が追加されます」
人手不足は、パート・アルバイトの層で強く出ている
休みの日に「入れないか」と連絡が来る。休憩に入るタイミングを逃し続ける。人手不足の影響は、シフトで働く人にまず表れます。統計からは次のことが読み取れます。
- 卸売業,小売業では、パートタイム労働者の不足感が正社員等より強い状態が続いている
- 調査産業計では逆に、正社員等の不足感のほうが強い
- 頼まれた出勤を引き受けるかは、契約の内容を確かめてから考えてよい
厚生労働省「労働経済動向調査」は、30人以上の常用労働者を雇う民営事業所に、人手が「不足」か「過剰」かを年4回聞いている調査です(令和8年8月調査の有効回答は3,175事業所)。「不足」と答えた事業所の割合から「過剰」の割合を引いた値を、労働者過不足判断D.I.と呼びます。
卸売業,小売業について直近4回分を並べると、パートタイム労働者は令和7年11月36ポイント、令和8年2月34ポイント、5月35ポイント、8月32ポイント。正社員等は31ポイント、30ポイント、31ポイント、26ポイントでした。4回続けて、パートタイム労働者の不足感が正社員等を上回っています。 令和8年8月には、回答した卸売業,小売業の事業所の35%が、パートタイム労働者を「不足」と答えています。


調査産業計では、令和8年8月に正社員等が47ポイント、パートタイム労働者が26ポイントと、正社員等の不足感のほうが強く出ています。卸売業,小売業はその逆で、店頭を支えるパート・アルバイトの層で人手が足りないと感じている事業所が多いと読めます。なお、卸売業,小売業のパートタイム労働者のD.I.は、前年同期の34ポイントからはやや下がりました。
急なシフトの穴埋めを頼まれたら
人が足りない店ほど、休みの日の出勤や勤務時間の延長を頼まれる場面が増えるでしょう。引き受けるかどうかを考える前に、労働条件通知書で、働く曜日や時間、所定の時間を超えて働くことがあるかどうかが、どう書かれているかを確かめてください。労働基準法施行規則第5条は、「所定労働時間を超える労働の有無」も明示する事項に挙げています。
その場で即答せず、「確認して折り返します」と返すだけでも、自分の予定と体調で判断する時間が取れます。頼まれた日時と回数をメモしておくと、シフトの日数そのものを見直す相談をするときの材料になるはずです。
店長として欠員の穴を埋め続け、残業代が出ない扱いになっている人には、その扱いが法律に合っているかという別の論点があるのです。名ばかり管理職かどうかの見分け方は店長の転職|管理職経験の伝え方と転職先、名ばかり管理職の判断基準で扱っています。
参考:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8(2026)年8月)の概況」
参考:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8(2026)年8月) 付属統計表」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」
深夜勤務とワンオペは、割増賃金・年齢・休憩・健康診断を確かめる
24時間営業の店や早朝から開く店では、深夜の勤務や、少人数で店を回す時間帯があります。体力的にきついと感じる前に、法律で決まっていることを押さえておきましょう。
- 午後10時から午前5時までの勤務には、25%以上の割増賃金が付く
- 18歳未満は、原則として午後10時から午前5時まで働けない
- 一人で店に立つ日でも、休憩は自由に使える時間として与えられる
- 深夜を含む勤務を続ける人には、6か月以内ごとの健康診断の決まりがある
深夜の時間帯には、アルバイトでも割増賃金が付く
午後10時から午前5時までに働いた時間には、通常の時給の2割5分以上を上乗せした割増賃金が付きます。根拠は労働基準法第37条第4項で、正社員かアルバイトかで扱いは変わりません。給与明細に深夜手当の欄があるか、求人に書かれた深夜の時給が割増を含んだ額なのかを確かめておくと、思っていた額と違うという行き違いを防げます。
18歳未満は、原則として午後10時から午前5時まで働けない
高校生などが働く店では、年齢による決まりがあります。
「使用者」は雇う側の会社や店、「満十八才に満たない者」は18歳の誕生日を迎えていない人です。この条文は店に向けた禁止なので、本人が「入れます」と言っても、18歳未満を午後10時以降のシフトに入れることは原則としてできません。 ただし書の例外は、交替制で働く16歳以上の男性です。同じ条には、交替制で働かせる事業が行政官庁の許可を受けて午後10時30分まで働かせられる定めや、厚生労働大臣が地域や期間を限って時刻を午後11時と午前6時に変えられる定めもありますが、どちらも店側の交替制や大臣の定めが前提で、本人の希望で広がる例外ではありません。閉店間際や深夜のシフトを頼まれて困っているなら、この条文を知っておくと断りやすくなるはずです。
一人で店に立つ日も、休憩は自由に使える時間として取る
労働基準法第34条は、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与えるよう定めています。同じ条の第3項は、休憩時間を「自由に利用させなければならない」としています。
ワンオペの時間帯に、お客様が来たらすぐレジに戻る前提でバックヤードにいる時間は、自由に使える時間とは言いにくいでしょう。休憩が実際に取れているか、取れていないならその分はどう扱われているかは、確かめておく価値があります。休憩に入った時刻と戻った時刻を、自分でも記録しておいてください。
深夜を含む勤務を続ける人の健康診断
労働安全衛生規則第45条は、同規則第13条で挙げる「深夜業を含む業務」などに常時従事する労働者に、配置替えの際と6か月以内ごとに1回、定期に医師による健康診断を行うよう事業者に義務づけています。深夜のシフトに常に入っている人は、年1回ではなく半年ごとの健診の対象になりうるということです。
さらに労働安全衛生法第66条の2は、深夜業に従事する人が自分で受けた健康診断の結果を、事業者に提出できると定めています。対象は、常時使用され、受診前の6か月間を平均して1か月に4回以上深夜業に従事した人です(労働安全衛生規則第50条の2)。寝つけない日が続く、明け方の勤務のあとに食事が入らないといった変化があるなら、受診の結果を会社に出して、時間帯を変える相談の材料にできます。


参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
参考:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
参考:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
お客様対応のつらさは、一人で抱えず店の仕組みにつなぐ
大声で責められる、長く居座られる、無理な要求を繰り返される。お客様対応のつらさは、我慢で解決しようとすると長引きます。国の調査と制度から言えるのは次のことです。
- 卸売業、小売業で働く回答者の16.0%が、過去3年間に顧客などからの著しい迷惑行為を経験している
- お客様と接する頻度が高い人ほど、迷惑行為を受けた割合が高い
- 2026年10月から、カスハラ対策は全ての事業主の義務になり、パート・アルバイトも守られる
厚生労働省の委託で行われた「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和5年度)は、全国の企業・団体に勤める20〜64歳の労働者8,000人にインターネットで聞いた調査です。過去3年間に顧客等からの著しい迷惑行為を受けたと答えた人は全体で10.8%、卸売業、小売業では16.0%で、生活関連サービス業、娯楽業の16.6%に次ぐ高さでした。宿泊業、飲食サービス業も同じ16.0%です。
接する頻度で分けると、差はさらにはっきりします。勤務日はほぼ毎日お客様と接している人は17.4%、週に2、3日程度は14.3%、週に1日程度は10.7%、2週間に1日程度は8.8%、月に1日程度は7.5%で、ほとんど接することがない人は5.3%でした。毎日お客様と接する人が迷惑行為を受けた割合は、ほとんど接しない人の約3.3倍です。 調査も、顧客等と接する頻度が多いほど迷惑行為を受けた割合が高いとまとめています。


ただし、この調査は20歳以上が対象で、高校生などのアルバイトの声は含まれていません。業種別の回答者数も卸売業、小売業で855人と限られるため、数ポイントの差は目安として読んでください。
2026年10月から、店にはカスハラ対策の義務がある
厚生労働省は、令和8年10月1日から、カスタマーハラスメント対策が全ての事業主の義務になったと案内しています。国の指針は、守られる労働者にパートタイム労働者や契約社員などを含むとしており、アルバイトで店に立つ人も対象です。
理不尽な対応を受けたら、一人で収めようとせず、店長や社員に交代を頼んでください。いつ、どこで、どんな言動があったかをその日のうちに書き留めておくと、店が対処を決めるときの材料になります。会社に義務づけられた措置の中身や、正当なクレームとの線引きは、接客業のストレスは業種で中身が違う|原因とカスハラ対策、自分でできる対処で詳しく整理しています。
参考:厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査 結果概要(令和5年度厚生労働省委託事業)」
参考:厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
参考:厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」
辞める前にできること:時間帯・担当・店舗を変える相談と社外の窓口
一番重い理由が見えたら、店を離れる前に、その理由だけを動かせないかを考えてみてください。コンビニやスーパーの働き方で相談しやすいのは、次の3つです。
- 働く時間帯や週の日数を変える
- 担当や働く店舗を変える
- 店や会社で話が進まないときは、社外の窓口を使う
働く時間帯と日数を変える
深夜がつらいなら日中に、ワンオペの時間帯がつらいなら複数人の時間帯に移れないかを相談してみてください。週の日数を減らすのも1つの手です。ただし、週の所定労働日数が減ると、あとで触れる有給休暇の付与日数も変わる場合があるので、変える前に確かめておきましょう。 シフトの希望の出し方や、確定したシフトを変えるときのルールはシフト制がきつい3つの正体|休み・変更のルールと続ける工夫、移る判断で詳しく整理しています。
私たち編集部は、辞めるかどうかを決める前に、時間帯や組み合わせを一度変えてみる価値はあると考えています。店そのものより、特定の時間帯や一緒に入る人との組み合わせがつらさの中心になっていることがあるからです。
担当や店舗を変える
スーパーなら、レジから品出しや惣菜へ、といった部門の移動が相談できる場合があります。複数の店舗を持つ会社に雇われているなら、人手に余裕のある店や通いやすい店への異動も選択肢です。正社員として働いている人は、本部や別の業態への異動を含めて、会社の中で動ける範囲を一度聞いてみてください。
店や会社で話が進まないときの社外の窓口
店長や本部に伝えても動きがないなら、国の相談窓口に持ち込む手があります。シフト制で働く人は、受付の時間帯が違う2つの窓口を知っておくと使い分けられます。
| 窓口 | 受付 | 向いている相談 |
|---|---|---|
| 総合労働相談コーナー | 都道府県労働局や労働基準監督署の中などにあり、予約不要・無料 | 労働条件全般、辞めることをめぐる困りごと |
| 労働条件相談ほっとライン | 平日17時〜22時、土日祝日9時〜21時(12月29日〜1月3日を除く)。無料・匿名可 | 残業代の不払い、長時間労働など労働基準関係法令の問題 |
ほっとラインは、労働局や労働基準監督署が閉まっている夜間や土日祝日に電話で相談できる窓口です。セクハラ・パワハラなどの相談は、専門の窓口を案内される仕組みになっています。
参考:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
参考:厚生労働省「労働条件相談「ほっとライン」」
辞めると決めたら:アルバイト・パートは契約期間の有無で辞め方が変わる
辞めると決めたら、最初に確かめるのは自分の契約の形です。同じシフト制のアルバイトでも、契約に期間があるかないかで、法律の線が変わります。
- まず労働条件通知書で、契約期間と更新の決まりを確かめる
- 期間の定めがなければ、申し出から2週間で雇用は終わる
- 期間の定めがあれば、期間の満了で辞めるのが基本で、途中で辞めるには別の決まりがある
- 有給休暇の残りは、週の勤務日数に応じて付与されている
契約期間は、労働条件通知書で確かめる
労働基準法施行規則第5条は、労働契約の期間を明示する事項の最初に挙げています。期間がある契約で、更新する場合があるなら、更新の基準も明示しなければなりません。2024年4月からは、更新の回数や通算の契約期間に上限があるときは、その上限も明示することになりました。
「3か月ごとに更新」「6か月契約」のように期間が書かれていれば、期間の定めのある契約です。期間の欄が「定めなし」なら、正社員と同じく期間の定めのない契約になります。
期間の定めがない場合は、申し出から2週間
民法第627条第1項によると、雇用の期間を定めていない場合、働く人はいつでも辞めると申し入れることができ、雇用は申し入れの日から2週間がたつと終わります。会社が認めるかどうかで結論は変わりません。
一方で、就業規則に「1か月前までに申し出る」といった定めを置く店は少なくありません。2週間という法律の線を知ったうえで、次のシフトが組まれる前に店長へ伝え、最終出勤日をすり合わせるほうが、あとの行き違いは減るでしょう。伝えた日付が残るよう、口頭だけでなくメッセージや書面も添えておいてください。
期間の定めがある場合は、満了で辞めるのが基本
3か月や6か月といった期間の決まった契約では、期間が満了したところで更新しなければ、そこで辞めることになります。更新の時期が近いなら、次は更新しないと早めに伝えるのがもめにくい形でしょう。
期間の途中で辞めたいときは、民法の次の条文が基準になります。
「やむを得ない事由」は、契約を続けられないほどの事情を指す言葉で、条文は具体例を挙げていません。「直ちに契約の解除をすることができる」は、その事情があれば期間の途中でもすぐに契約を終えられるという意味です。裏を返すと、やむを得ない事由がないまま一方的に途中で辞めることまでは、この条文は認めていません。 実際には、店と話し合って退職日を決める合意での退職が中心になるでしょう。その事由が自分の過失で生じたものなら、店に損害賠償の責任を負うとも書かれています。
あわせて知っておきたい条文が2つあります。
- 民法第629条第1項:期間が満了したあとも働き続け、店がそれを知りながら異議を述べないときは、前と同じ条件で更新されたものと推定される。その場合は第627条により辞めると申し入れることができる
- 労働基準法附則第137条:期間が1年を超える契約を結んだ人は、契約の初日から1年を過ぎたあとは「その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる」。ただし、一定の事業の完了までの契約や、高度な専門的知識を持つ人、60歳以上の人の契約などは対象外
3か月や6か月の契約は1年を超えないので、附則第137条の対象にはなりません。自分の契約が満了後もそのまま続いている状態なのか、更新の手続きを経ているのかも、労働条件通知書の日付で確かめておきましょう。


アルバイトの有給休暇は、週の勤務日数で決まる
退職日までに有給休暇を使えるかどうかも確かめておきたい点です。労働基準法第39条により、雇い入れから6か月続けて働き、全労働日の8割以上出勤した人には有給休暇が付与されます。週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下の人は、日数に応じて少なく付与されます(労働基準法施行規則第24条の3)。
| 週の所定労働日数 | 1年間の所定労働日数 | 6か月継続勤務した時点の付与日数 |
|---|---|---|
| 5日以上、または週30時間以上 | 217日以上 | 10日 |
| 4日 | 169〜216日 | 7日 |
| 3日 | 121〜168日 | 5日 |
| 2日 | 73〜120日 | 3日 |
| 1日 | 48〜72日 | 1日 |
付与日数は勤続年数に応じて増えていきます。最終出勤日のあとに、残っている日数の分だけ退職日を遅らせる形にすれば、有給休暇を使い切る余地が生まれます。残日数は給与明細や店の勤怠の記録で確かめ、分からなければ店長に聞いてみてください。
参考:e-Gov法令検索「民法」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」
参考:厚生労働省「労働契約の締結・更新のタイミングの労働条件明示事項が追加されます」
コンビニ・スーパーで積んだ経験は、次の仕事の言葉に置き換えられる
「レジ打ちしかしていない」と感じている人も、店頭でこなしてきた仕事を分けてみると、ほかの職場で通じる経験がいくつも見つかります。
- お金を正確に扱い、締めの数字を合わせる
- 売れ行きを見て、発注の数を決める
- 手順の多い受付業務を、間違えずに処理する
- 新しく入った人に、仕事を教える
| 店頭でやってきたこと | ほかの職場で伝わる言い方 |
|---|---|
| レジとレジ締め | 現金と各種の支払いを扱い、締めの金額を毎日照合してきた |
| 発注 | 曜日や天候による売れ行きの違いを見て、担当商品の発注数を決めてきた |
| 宅配便や支払いの受付 | 手順の決まった受付業務を、確認しながら正確に処理してきた |
| 新人への教え方 | 新しく入ったスタッフに、レジや品出しの手順を教えてきた |
書類に書くときは、担当していた商品の範囲や、教えた人数など、自分で確かめられる数字を添えると伝わり方が変わります。販売の仕事で残る数字を職務経歴書に生かす方法は販売職から転職|売上をつくった経験の伝え方と転職先8職種、接客の経験を事務や営業の言葉に置き換える方法は接客業から転職するなら?経験の言い換え方と職種別の年収を統計で比較で詳しく扱っています。アルバイトから正社員を目指すなら、フリーターから正社員になるには?年齢別の進め方と企業が見ている点も参考になるでしょう。
限られた人数で店を回し、次々に来る用件を順番にさばいてきたことも、言葉にすれば経験の1つです。辞めるときに「何も身についていない」と決めつけず、まずは書き出してみてください。
コンビニ・スーパーを辞めたいときによくある質問
コンビニのアルバイトは、何日前に言えば辞められますか?
契約に期間の定めがなければ、民法第627条第1項により、辞めると申し入れた日から2週間で雇用は終わります。 就業規則に1か月前などの定めがある店もあるので、シフトの都合も含めて最終出勤日を相談するのが現実的です。3か月や6か月など期間の定めのある契約では、期間の満了で辞めるのが基本になり、途中で辞めるには民法第628条のやむを得ない事由が必要になります。
3か月契約のアルバイトを、期間の途中で辞めることはできますか?
民法第628条により、やむを得ない事由があれば、期間の途中でも直ちに契約を解除できます。 ただし、その事由が自分の過失で生じたものなら、相手に損害賠償の責任を負うとされています。やむを得ない事由がない場合は、店と話し合って退職日を決めるのが一般的です。労働基準法附則第137条の「1年を過ぎたらいつでも退職できる」という決まりは、期間が1年を超える契約が対象なので、3か月契約には当てはまりません。
参考:e-Gov法令検索「民法」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
高校生は、コンビニで何時まで働けますか?
労働基準法第61条第1項により、18歳未満の人は原則として午後10時から午前5時まで働けません。 店に向けた禁止なので、本人が希望しても深夜のシフトには入れないのが原則です。条文のただし書で例外になるのは交替制で働く16歳以上の男性で、このほか交替制の事業が行政官庁の許可を受けた場合や、厚生労働大臣が地域や期間を限って時刻を変える場合の定めもあります。
週3日のアルバイトでも、有給休暇はもらえますか?
もらえます。 労働基準法第39条と労働基準法施行規則第24条の3により、週の所定労働時間が30時間未満で週3日勤務の人は、雇い入れから6か月続けて働き、全労働日の8割以上出勤すれば、5日の有給休暇が付与されます。週4日なら7日、週2日なら3日、週1日なら1日です。退職前に残日数を確かめ、最終出勤日のあとに退職日を置く形で使い切れないか、店長に相談してみてください。
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」
小売業で働く人の離職率は、ほかの業種より高いのですか?
厚生労働省「令和7年雇用動向調査」(常用労働者5人以上の事業所)では、2025年の卸売業,小売業の離職率は、一般労働者8.5%、パートタイム労働者17.6%で、産業計の11.4%と19.9%をいずれも下回りました。 一方で離職者数は112万800人と医療,福祉に次いで多く、55.4%がパートタイム労働者です。この区分には卸売業も含まれ、離職率からは辞めた理由までは分かりません。
参考:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要 2 産業別の入職と離職」
まとめ
コンビニやスーパーを辞めたいと感じたら、理由を仕事の幅、人手不足、深夜勤務、お客様対応の4つに分けて確かめてみてください。労働経済動向調査では、卸売業,小売業のパートタイム労働者の不足感が4回続けて正社員等を上回り、令和5年度のハラスメント実態調査では、卸売業、小売業で働く回答者の16.0%が顧客などからの著しい迷惑行為を経験していました。深夜の割増賃金、18歳未満の深夜業の禁止、休憩の自由利用、深夜業を含む勤務の健康診断といった決まりも、続けるかを考える材料になります。
辞める前には、時間帯や日数、担当や店舗を変える相談ができ、話が進まなければ総合労働相談コーナーや労働条件相談ほっとラインが使えます。辞めると決めたら、まず労働条件通知書で契約期間を確かめてください。期間の定めがなければ申し出から2週間で雇用は終わり、期間の定めがあれば満了で辞めるのが基本で、途中で辞めるには民法第628条のやむを得ない事由が要ります。
参考:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8(2026)年8月) 付属統計表」
参考:厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査 結果概要(令和5年度厚生労働省委託事業)」
参考:e-Gov法令検索「民法」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
参考:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
レジに立つ人のつらさを、私たち編集部は本人の根気の問題にしたくありません。覚える量なのか、人数なのか、時間帯なのか、お客様なのか。そこまで分けて確かめた人の結論は、続けるにせよ移るにせよ、次の店や職場を選ぶ基準になるはずです。
店の外にどんな求人があり、レジや発注の経験がそこでどう扱われるのかを先に知っておくと、残る判断も移る判断も根拠を持ってできます。

