適職診断を無料で受けるなら公的ツール|job tagとハローワークの検査を比較

無料の適職診断を探すなら、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」にある3つの検査が入り口になります。登録はいらず、スマホでも受けられます。

意外なのは、同じ「適性検査」でも採用試験で受けるものとは目的が違うことです。公的な診断は合否を決めるためではなく、結果を本人に返して職業選びの案内役にするためのものです。

この記事では、job tagとハローワークなどで受けられる公的な診断を、分かること・時間・向く人で比べ、受け方と結果の読み方まで整理します。

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目次

適職診断とは?公的な診断は職業を「決める」ではなく「候補を知る」道具

適職診断とは、仕事への興味や価値観、能力の特徴を質問や課題で調べ、近い職業の候補を示す検査のことです。公的な診断を使う前に、次の2点を押さえておくと結果の受け止め方が変わります。

  • 採用試験の適性検査と、職業選びのための適性検査は目的が違う
  • 公的な診断は、結果を本人に返して自己理解に使うことを前提にしている

採用試験の適性検査とは、使い道がまったく違う

同じ「適性検査」という言葉でも、採用のために会社が使う検査と、職業選びの案内役として使う検査とで、目的が大きく異なります。 労働政策研究・研修機構(JILPT)が2024年2月の労働政策フォーラムで示した資料は、この2つを次のように分けています。

比べる点採用・配置のための適性検査職業選びのための適性検査
使い道入社の可否や社内の配置を判断する材料職業選択やキャリアの「ガイド、案内役」
結果の扱い基本的に本人に結果を返さない本人に結果を返して使う
受ける人にとって本人を案内することが目的ではない自己理解に役立つ。合否や勝ち負けとは無縁

同じ資料は、職業選びを案内するガイダンスツールの例として、job tag、キャリア・インサイト、GATB、VPI職業興味検査、VRTカード、OHBYカードなどを挙げています。この記事で比べるのは、いずれもこちら側の道具です。

採用の検査のように「良い点を取らなければ」と構える必要はありません。職業選びのための検査は、自分を知る材料を集めるために受けるものと考えておくと、答えを取り繕わずに済みます。

結果は「この職業に就くべき」という判定ではない

公的な診断が示すのは、答え方の傾向に近い職業のまとまりです。たとえばjob tagの職業適性テスト(Gテスト)は、JILPTの2024年2月時点の資料によると、能力面の特徴に近い順に8つの職業グループを並べて見せます。順番に並んでいても、上位の職業に就かなければならないという意味ではありません。

向いている仕事の探し方そのものを順を追って知りたい場合は、向いている仕事がわからないときの見つけ方|4つの手順と無料の公的ツールで手順を紹介しています。この記事では、診断ツールの比べ方と使い方に絞って進めます。

参考:労働政策研究・研修機構「キャリア支援の現場に資するツールの開発と活用-Gテストを中心に-」(2024年2月27日 労働政策フォーラム配布資料)

無料で使える公的な適職診断を比較|分かること・時間・向く人

公的な適職診断は、自宅でWebから一人で受けるものと、ハローワークなどの窓口で受けるものの2つに分かれます。 主なものを並べると次のとおりです。

診断受けられる場所分かること時間・形式の目安向く人
職業興味検査job tag(Web)仕事内容への興味の向きと、近い職業42の質問に3択で回答やってみたい仕事が言葉にならない人
仕事価値観検査job tag(Web)仕事に対する価値観と、近い職業サイトの案内で確認条件の優先順位で迷っている人
職業適性テスト(Gテスト)job tag(Web)能力面の特徴と、近い順の職業グループ基本の3検査で10分程度、追加の2検査で6〜8分程度得意を別の角度から確かめたい人
しごと能力プロフィール・キャリア分析job tag(Web)職歴から見たスキル・知識と、希望する職業との差職歴を入力して作成働いた経験があり、次の職業と比べたい人
ポータブルスキル見える化ツールjob tag内(Web)業種や職種が変わっても活かせるスキルと、それを活かせる職務・職位支援者と使う前提ミドルシニアでキャリアチェンジを考えるホワイトカラー職種の人
キャリア・インサイトハローワークなどの備え付けパソコン能力・興味・価値観・行動特性と、適性に合う職業リスト開発元の案内で90〜120分、分割実施可。ハローワーク旭川の案内では40〜60分窓口で結果を一緒に読みたい人
厚生労働省編 一般職業適性検査(GATB)ハローワークなど9種の適性能と、適性職業群紙筆検査45〜50分、器具検査12〜15分中学2年生以上、45歳未満の生徒・学生・求職者
VPI職業興味検査ハローワークなど6つの興味領域と5つの傾向15〜20分大学生・短大生を中心とする若年者
VRTカードハローワークなど興味の方向と、自信の程度54枚のカードを分類。一人で約3分話しながら興味を整理したい人

時間と対象は、各検査を開発・提供する機関やハローワークのページの記載によるもので、Gテストの時間は2024年2月時点の資料にもとづきます。窓口や時点によって変わることがあるため、受ける前に確かめてください。

Webで一人で受けられるのは、job tagの5つのツール

job tagを運営しているのは厚生労働省で、ハローワーク豊橋の活用ガイドは、無料・登録なしで誰でも使えるサイトとして紹介しています。 厚生労働省のリーフレット(令和7年10月)によると、職業興味検査・仕事価値観検査・職業適性テスト(Gテスト)で仕事に対する興味や価値観、能力面の特徴を調べ、その結果から自分に合う職業を検索できる仕組みです。サイトはPCとスマホのどちらからでも使えます。

職業興味検査とGテストは、どちらもJILPTが開発してjob tagに載せたものです。Gテストは、ハローワークなどで使われてきたGATBの紙筆検査の一部をもとにしたWeb版で、2022年3月に3つの検査で公開され、2023年3月からは検査が追加された版が公開されています。空間判断力・言語能力・数理能力を測る基本の3検査に、書記的知覚と形態知覚の2検査を足すと、その得点も加味した職業リストが示される設計です。

働いた経験がある人には、職歴からスキルや知識を可視化する「しごと能力プロフィール」と、希望する職業のプロフィールと比べて強みや身につけるとよいスキルを確かめる「キャリア分析」もあります。ハローワーク旭川も、こうしたjob tagの検査は「ご自宅からでも検査を実施することができます」との案内です。業種や職種が変わっても持ち運べるスキルを測るポータブルスキル見える化ツールもjob tagの中にありますが、厚生労働省はミドルシニア層のホワイトカラー職種の人が、キャリアコンサルタントなどの支援者と一緒に使うことを想定しています。くわしい使い方はポータブルスキルとは?9要素の一覧と例|見える化ツールと棚卸しの手順にまとめました。

参考:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag でできること(学生・求職者の皆様へ)」
参考:ハローワーク豊橋「職業情報提供サイトの活用ガイド ~やりたい仕事が決まらない~ 学生の簡単情報収集」
参考:労働政策研究・研修機構「厚生労働省 職業情報提供サイト【job tag】関連のJILPT調査研究成果」
参考:労働政策研究・研修機構「資料シリーズNo.264『Web提供型の簡易版職業適性評価ツール:Gテストの検査拡充に係るプロトタイプ開発報告』」
参考:労働政策研究・研修機構「キャリア支援の現場に資するツールの開発と活用-Gテストを中心に-」(2024年2月27日 労働政策フォーラム配布資料)
参考:ハローワーク旭川「各種職業適性検査をご用意しています。」
参考:厚生労働省「ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)」

ハローワークでは、紙・パソコン・カードの検査を窓口で受けられる

ハローワークには、Webの診断とは別に、職員と相談しながら受ける検査があります。札幌新卒応援ハローワークは、自己分析の支援として各種の適性検査を無料で実施していると案内し、形式ごとに次のように分けています。

  • 興味の検査:紙のVPI職業興味検査や職業レディネス・テスト、パソコンのキャリア・インサイト、カードのVRTカードやOHBYカード
  • 能力の検査:一般職業適性検査(GATB)、キャリア・インサイト
  • 価値観と行動特性の評価:キャリア・インサイト

同じハローワークは、最初に窓口でどの検査を受けるかを相談するとしています。何を受ければよいか分からない段階で行っても、検査選びから一緒に考えてもらえるわけです。

札幌の案内で興味・能力・価値観・行動特性の4つすべてに名前が挙がるのが、キャリア・インサイトです。JILPTの説明では、利用者自身がコンピュータを操作し、適性の評価、適性に合う職業リストの参照、職業情報の検索、キャリアプランニングまでを行えるシステム。主な対象は、職業経験が無いか少ない18歳から34歳程度の人と、職業経験のある35歳から60歳代程度の人で、それぞれに合わせた版が1つのシステムにまとめられています。JILPTの案内では所要時間は90〜120分で、分割して実施できます。

ただし、実際に誰が受けられるかは窓口ごとに違います。ハローワーク枚方は「45歳未満の方、かつパソコン操作ができる方」、ハローワーク福岡南は「65歳未満の方を推奨」としており、福岡南では結果を踏まえた解説を後日行うとしています。GATBは、ハローワーク旭川の案内では対象が中学生から45歳程度まで、所要時間は結果が出るまでを含めて90分程度。

カード式の検査は、紙やパソコンの検査より手軽です。VRTカードは仕事内容が書かれた54枚のカードを「やりたい」「どちらともいえない」「やりたくない」に分けるもので、一人で行えば平均約3分。新版OHBYカードは48の職業のイラストを見て分類し、裏面で入職条件や必要なスキル、就職までの経路を確かめていく作りです。どちらも、相談の場で話しながら使う場面が想定されています。

job tagで受ける診断と、ハローワークなどの窓口で受ける検査の違い。job tagは自宅などからPCやスマホで、無料・登録なしで受けられ、結果から自分に合う職業を検索する。窓口の検査はハローワークなどで受け、無料で実施すると案内する窓口があり、最初にどの検査を受けるか相談でき、結果を踏まえた解説を受けられる窓口がある。対象年齢は窓口ごとに違う。
job tagで受ける診断と、ハローワークなどの窓口で受ける検査の違い。job tagは自宅などからPCやスマホで、無料・登録なしで受けられ、結果から自分に合う職業を検索する。窓口の検査はハローワークなどで受け、無料で実施すると案内する窓口があり、最初にどの検査を受けるか相談でき、結果を踏まえた解説を受けられる窓口がある。対象年齢は窓口ごとに違う。

参考:札幌新卒応援ハローワーク「適性検査」
参考:労働政策研究・研修機構「キャリア・インサイト(統合版)」
参考:労働政策研究・研修機構「キャリア・インサイト(統合版)5. 利用対象者」
参考:ハローワーク枚方「キャリア・インサイト」
参考:ハローワーク福岡南「どのような仕事に向いているか知りたい」
参考:ハローワーク旭川「各種職業適性検査をご用意しています。」
参考:労働政策研究・研修機構「職業適性検査・職業興味検査」
参考:労働政策研究・研修機構「VRTカード」
参考:労働政策研究・研修機構「新版OHBYカード」

目的別|どの適職診断から受けるか

公的な診断は、興味・価値観・能力・スキルのどれを測るかで分かれています。 迷っている中身に合わせて選ぶと、受けた後に結果を使いやすくなります。

  • 興味を知りたい:職業興味検査、VPI職業興味検査、VRTカード
  • 価値観を知りたい:仕事価値観検査、キャリア・インサイト
  • 能力面の特徴を知りたい:Gテスト、GATB
  • 経験やスキルを次の仕事につなげたい:しごと能力プロフィール、ポータブルスキル見える化ツール
公的な適職診断を測るもので分けた図。興味は職業興味検査・VPI職業興味検査・VRTカード、価値観は仕事価値観検査・キャリア・インサイト、能力面の特徴はGテスト・GATB、経験やスキルはしごと能力プロフィール・ポータブルスキル見える化ツール。
公的な適職診断を測るもので分けた図。興味は職業興味検査・VPI職業興味検査・VRTカード、価値観は仕事価値観検査・キャリア・インサイト、能力面の特徴はGテスト・GATB、経験やスキルはしごと能力プロフィール・ポータブルスキル見える化ツール。
いまの状態最初に受けたい診断選ぶ理由
やってみたい仕事が思い浮かばない職業興味検査仕事の中身への興味から、近い職業を一覧で見られる
仕事内容より、条件で迷っている仕事価値観検査何を重視して選びたいのかを確かめられる
自分の得意が分からないGテスト興味とは別に、能力面の特徴から職業グループを示す
働いた経験を次の職業に活かしたいしごと能力プロフィール・キャリア分析職歴から見たスキルと、希望する職業との差を比べられる
一人で受けても結果を読みきれないハローワークのキャリア・インサイト窓口で検査を選び、結果の解説を受けられる窓口がある

1つの診断ですべてが分かるわけではないので、興味と能力のように、測るものが違う診断を組み合わせて受けるのが基本です。 興味の検査で「やってみたい」と出た職業が、Gテストで近いと出た職業グループにも入っていれば、その重なりは調べてみる価値のある候補になります。

学生の場合、ハローワークの中でも新卒応援ハローワークで検査を受けられる例があります。経験を書き出して強みや価値観を言葉にする作業と合わせて進めたいなら、自己分析のやり方|書き込み式シートで進める5つの手順と無料の診断ツールが参考になります。

正直なところ、私たち編集部も最初は「どれが一番当たるか」で診断を選びたくなりました。けれど公的な診断を並べてみると、優劣ではなく測っているものが違うだけだと分かります。

参考:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag でできること(学生・求職者の皆様へ)」
参考:札幌新卒応援ハローワーク「適性検査」
参考:ハローワーク福岡南「どのような仕事に向いているか知りたい」

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受け方で結果は変わる|適職診断を受けるときの4つのコツ

診断の結果は、受けたときの環境や回数にも左右されます。 とくに能力を測るGテストは、JILPTの2024年2月の資料が受け方の注意を詳しく挙げています。

  • 集中できる場所と時間を選ぶ
  • 能力の検査は、一度で受ける
  • 時間に追われる検査だと知っておく
  • 窓口の検査は、予約と対象を先に確かめる
適職診断を受けるときの4つのコツ。集中できる場所と時間を選ぶ(Gテストは始まると最後まで中断できない)、能力の検査は一度で受ける(繰り返すと慣れで得点が上がる傾向)、時間に追われる検査だと知っておく(制限時間は表示されず、スピードが苦手な人は高い得点を取りにくい)、窓口の検査は予約と対象を先に確かめる(予約を求める窓口があり、対象年齢も窓口ごとに違う)。
適職診断を受けるときの4つのコツ。集中できる場所と時間を選ぶ(Gテストは始まると最後まで中断できない)、能力の検査は一度で受ける(繰り返すと慣れで得点が上がる傾向)、時間に追われる検査だと知っておく(制限時間は表示されず、スピードが苦手な人は高い得点を取りにくい)、窓口の検査は予約と対象を先に確かめる(予約を求める窓口があり、対象年齢も窓口ごとに違う)。

集中できる場所と時間を選ぶ

job tagの診断はスマホやPCで、いつでもどこでも受けられます。ただしJILPTの資料によると、集中しづらい環境で受けるとGテストの得点は下がり、しかも一度始まった検査は最後まで中断できません。移動中や、通知が鳴り続ける時間帯は避け、落ち着いて通信環境のよい場所で受けてください。 体調がすぐれない日に受けた結果も、実力を映しているとは限りません。

能力の検査は、一度で受ける

Gテストは何度でも受けられますが、同じ資料は、複数回受けると検査そのものへの慣れや設問の記憶から得点が上がる傾向があるとして、1回で受けることを勧めています。よい結果が出るまで受け直すと、能力の特徴を測るという目的から離れてしまいます。 興味や価値観の検査でも、2回目以降は「前回と同じに答えよう」と考えがちなので、最初の回答を大切にしましょう。

時間に追われる検査だと知っておく

Gテストは、GATBと同じく短い時間で多くの問題を解く形式です。制限時間は表示されず、一定の時間が過ぎると検査が終わります。そのため、スピードを求められる作業が苦手な人は高い得点を取りにくいとされています。点数が低く出ても、それだけで能力が低いと決めつけないでください。 資料も、得点が極端に低い場合は職業グループの解釈を深掘りせず、緊張していたのか集中できなかったのかといった原因を確かめ、別の検査で多面的に見るよう求めています。

窓口の検査は、予約と対象を先に確かめる

ハローワークの検査は、事前の予約を求める窓口があり、対象年齢も窓口ごとに違います。ハローワーク枚方のキャリア・インサイトは窓口か電話で予約し、空きがあれば予約なしでも利用できるとしています。行く前に、最寄りのハローワークのページか電話で、実施している検査と対象を確かめておくと無駄足になりません。

参考:労働政策研究・研修機構「キャリア支援の現場に資するツールの開発と活用-Gテストを中心に-」(2024年2月27日 労働政策フォーラム配布資料)
参考:ハローワーク枚方「キャリア・インサイト」
参考:ハローワーク福岡南「どのような仕事に向いているか知りたい」

適職診断の結果の読み方と、診断で分からないこと

診断の結果は、就ける職業を保証するものでも、就くべき職業を指示するものでもありません。 開発した機関自身が、そのように使わないよう注意を促しています。

  • 結果は「近い順の候補」として読む
  • 点数を、ほかの検査や他人の点数と比べない
  • 結果の職業は、職業情報で中身を確かめる
  • 結果を一人で抱えず、相談の場で一緒に読む

結果は「近い順の候補」として読む

JILPTは、キャリア・インサイトについて「職業とのマッチングを目的としたシステムではない」と説明し、示される職業は「その職業に就くことを勧めるような意図」のものではないとしています。結果を誤って解釈したり、固定的に受け止めたりしないよう、利用者と相談担当者が一緒に解釈することも勧めているのです。

Gテストの資料も、検査のあとは本人の感想を聞くなどのフォローを行い、表示された職業に絶対に就かなければという誤解が生じないようにするよう求めています。診断が示すのは、調べてみる職業の候補を近い順に並べたリストまでです。

点数を、ほかの検査や他人の点数と比べない

Gテストは同じ設問をもとにしていても、GATBより得点が低く出る傾向があり、基準値も換算表もGATBとはまったく異なります。Gテストが示す職業グループもjob tag独自のもので、GATBの適性職業群とは連動していません。名前が似ている検査でも、点数の物差しは別ものです。友人の点数や、以前に学校で受けた検査の結果と並べて一喜一憂する必要はありません。

結果の職業は、職業情報で中身を確かめる

結果に出た職業名は、そのイメージで判断せず、job tagの職業情報で仕事の内容や求められるスキル、就業経路を読んでから考えましょう。厚生労働省のリーフレットによれば、各職業のページには仕事の内容や作業の様子をまとめた90秒程度の動画もあります。候補の絞り込み方は向いている仕事がわからないときの見つけ方の手順4が、そのまま絞り込みの手順になるでしょう。いまの仕事が合わないと感じて診断を受けた人は、仕事が向いてないと感じる9つのサイン|適性か環境かの見分け方で、適性の問題か職場の条件の問題かを先に切り分けておくと、結果を読み違えにくくなります。

結果を一人で抱えず、相談の場で一緒に読む

結果の読み方に迷ったら、無料の公的な相談窓口を使えます。

窓口対象できること
キャリア形成・リスキリング支援センター(全国47か所)とハローワークの相談コーナー在職している人と求職者ジョブ・カードを使ったキャリアコンサルティング(1回60分・対面かオンライン・無料、職業紹介はなし)
地域若者サポートステーション(令和7年4月現在、全国179か所)15歳から49歳で、いまは仕事をしておらず学校にも通っていない人と、その家族専門スタッフとの個別相談(無料)、講座や就業体験など

キャリア形成・リスキリング推進事業のキャリアコンサルティングは、学生の場合は学内のキャリアセンターなどへの相談を案内しています。サポステは、厚生労働省が委託した民間団体などが運営する就労支援の窓口で、適性検査を受けられるかどうかは公式サイトに記載がないため、各サポステに確かめてください。診断の結果と、気になっている候補の職業を持っていくと、相談の時間を結果の読み解きに使えます。 相談のあとにキャリアの見通しを書き出したくなったら、キャリアプランの例文|20代・30代・40代と状況別の立て方、面接での答え方も役立ちます。

参考:労働政策研究・研修機構「キャリア・インサイト(統合版)6. 利用上の留意点」
参考:労働政策研究・研修機構「キャリア支援の現場に資するツールの開発と活用-Gテストを中心に-」(2024年2月27日 労働政策フォーラム配布資料)
参考:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag でできること(学生・求職者の皆様へ)」
参考:キャリア形成・リスキリング推進事業(厚生労働省委託事業)「個人向け無料キャリアコンサルティング申込受付中」
参考:厚生労働省「地域若者サポートステーション」
参考:サポステ(地域若者サポートステーション)「サポステとは」

民間の適職診断を使うときに確かめたい3つのこと

民間の企業が提供する適職診断にも、手軽で使いやすいものがあります。公的な診断と組み合わせて使うなら、次の3つを確かめておくと結果を扱いやすくなります。

  • その診断は、何のために作られているか
  • 何を測っていて、精度をどう確かめているか
  • 結果のあとに、何を勧められるか

1つめは目的です。 JILPTの資料が示すように、本人の職業選びを案内するための検査と、採用や配置の判断に使う検査は別のものです。診断を使うのに会員登録が必要かどうか、入力した情報や結果がどこで何に使われるのかを、利用規約や案内で確かめておきましょう。

2つめは、何を測っているかと精度です。 同じ資料は、検査の精度の良さを示す要素として、何度やっても似た結果が出るといった信頼性・妥当性と、適切な情報の更新やメンテナンスを挙げています。GATBは1952年に開発され、その後も改訂や手引の改訂が重ねられてきました。興味・価値観・能力・性格のどれを測る診断なのか、作った機関や根拠が説明されているかを見ておくと、結果をどこまで信じてよいかの目安になります。

3つめは、結果のあとに何を勧められるかです。 結果画面から特定のサービスへの登録や申し込みに進む作りなら、それも含めて選ぶかどうかを判断すれば足ります。公的な診断の結果と見比べ、同じ方向の職業が挙がるかを確かめるのも一つの方法です。

参考:労働政策研究・研修機構「キャリア支援の現場に資するツールの開発と活用-Gテストを中心に-」(2024年2月27日 労働政策フォーラム配布資料)

診断の外で、仕事の中身と人を知る

診断は、自分の側の特徴を確かめる道具です。その仕事が実際にどんな人によって、どんな考えで動かされているのかまでは教えてくれません。

熱狂ベンチャーナビでは、経営者本人に、どんな人と働きたいか、若手に何を任せているかを聞いています。診断で候補に挙がった業界の会社を何社か読むと、同じ職種名でも任される範囲や求められる動き方がずいぶん違うことに気づくはずです。

経営者インタビューを読む|熱狂ベンチャーナビ

適職診断に関するよくある質問

適職診断は当たりますか?

当たるかどうかより、候補を知るための道具として使うのが前提です。 JILPTは、ハローワークなどで使われるキャリア・インサイトについて、職業とのマッチングを目的としたシステムではなく、示される職業もその職業に就くことを勧める意図のものではないと説明しています。精度の目安になるのは、何度やっても似た結果が出るかといった信頼性・妥当性と、内容の更新が続いているかどうかです。

参考:労働政策研究・研修機構「キャリア・インサイト(統合版)6. 利用上の留意点」
参考:労働政策研究・研修機構「キャリア支援の現場に資するツールの開発と活用-Gテストを中心に-」(2024年2月27日 労働政策フォーラム配布資料)

厚生労働省の適職診断は、無料で登録なしで受けられますか?

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」の診断は、無料・登録なしで受けられます。 ハローワーク豊橋の活用ガイドが、job tagを無料・登録なしで誰でも利用できるサイトとして紹介しています。診断は職業興味検査・仕事価値観検査・職業適性テスト(Gテスト)の3つです。ハローワークの窓口で受ける検査は、札幌新卒応援ハローワークのように無料で実施すると案内している窓口がありますが、実施している検査や対象は窓口ごとに違うため、事前に確かめてください。

参考:ハローワーク豊橋「職業情報提供サイトの活用ガイド ~やりたい仕事が決まらない~ 学生の簡単情報収集」
参考:札幌新卒応援ハローワーク「適性検査」

適職診断にかかる時間はどれくらいですか?

診断によって数分から2時間ほどまで幅があります。 JILPTの2024年2月時点の資料では、job tagのGテストは基本の3検査が10分程度、追加の2検査が6〜8分程度です。JILPTの案内でVPI職業興味検査は15〜20分、VRTカードは一人で約3分。キャリア・インサイトは、開発元のJILPTの案内では90〜120分で分割実施もでき、ハローワーク旭川の案内ではおおむね40〜60分です。GATBは、ハローワーク旭川の案内では結果が出るまでを含めて90分程度です。

参考:労働政策研究・研修機構「キャリア支援の現場に資するツールの開発と活用-Gテストを中心に-」(2024年2月27日 労働政策フォーラム配布資料)
参考:労働政策研究・研修機構「職業適性検査・職業興味検査」
参考:労働政策研究・研修機構「VRTカード」
参考:ハローワーク旭川「各種職業適性検査をご用意しています。」

同じ適職診断を何度も受けてもいいですか?

能力を測るGテストは、1回で受けるのがおすすめです。 job tagのGテストは何度でも受けられますが、JILPTの2024年2月の資料は、複数回受けると慣れや設問の記憶から得点が上がる傾向があるとして、1回で受けることを勧めています。集中しづらい環境では得点が下がり、始まった検査は途中で止められないため、落ち着いて受けられる時間を選んでください。

参考:労働政策研究・研修機構「キャリア支援の現場に資するツールの開発と活用-Gテストを中心に-」(2024年2月27日 労働政策フォーラム配布資料)

結果に出た職業に興味が持てないときは、どうすればいいですか?

結果は候補のリストなので、興味が持てない職業は外して構いません。 ただし外す前に、職業情報で仕事の中身を読み、どの作業が合わないと感じるのかを確かめておくと、次に選ぶときの手がかりになります。結果の読み方に迷うなら、キャリア形成・リスキリング支援センターとハローワークの相談コーナーで受けられる無料のキャリアコンサルティング(在職者と求職者が対象、1回60分)で、結果を一緒に見てもらう方法もあります。

参考:キャリア形成・リスキリング推進事業(厚生労働省委託事業)「個人向け無料キャリアコンサルティング申込受付中」

まとめ

無料で受けられる公的な適職診断は、自宅から受けるjob tagの職業興味検査・仕事価値観検査・Gテストと、ハローワークなどの窓口で受けるキャリア・インサイト、GATB、VPI職業興味検査、VRTカードなどに分かれます。興味・価値観・能力・スキルのどれを測るかで役割が違うので、迷っている中身に合わせて選び、測るものの違う診断を組み合わせて使ってください。

受け方で結果は変わります。能力の検査は集中できる環境で一度だけ受け、低い点が出ても能力の判定と受け取らないこと。結果は就く職業を指示するものではなく、近い順に並んだ候補です。職業情報で中身を確かめ、迷ったら無料の相談窓口で一緒に読んでもらいましょう。

取材で経営者の経歴を聞いていると、診断の結果どおりに仕事を選んだという話はまず出てきません。それでも、候補を広げるきっかけとして診断を使うのは、遠回りに見えて案外近道なのだと感じます。

診断で見えた候補の職業に、いまの経験でどんな求人があるのかを知るには、求人を扱う相手に聞くのが早道です。

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編集者

小川 莉奈 - 熱狂ベンチャーナビ編集部

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看護師から一般企業へ就職。その後株式会社デジマケに入社。自身の転職経験を元に新卒~若手の転職者にわかりやすい情報をお届けします。

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