ガクチカの例文と書き方|部活・アルバイト・ゼミ別、ガクチカがないときの考え方

ガクチカは、取り組んだ内容の大きさより「どう考えて動いたか」が伝わるように、結論・動機・課題・行動・結果と学びの順で書くと読み手に届きます。
新卒の採用選考で「学歴・経歴」を重視した事業所は2割強で、過去2回の調査より下がっています。反対に増えているのが「コミュニケーション能力」で、ガクチカの書き方しだいで伝えられる部分です。
この記事では、書き方の型と部活・アルバイト・ゼミなど場面別の例文、ガクチカがないと感じるときの考え方まで紹介します。
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」|自己PR・志望動機との違い
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」の略で、在学中に打ち込んだ経験と、その中で考えて動いたことを伝える設問です。エントリーシート(ES)でも面接でも、尋ねられることの多い設問です。
- ガクチカは「過去の取り組み方」を伝える設問
- 自己PRは「強み」、志望動機は「なぜこの会社か」が中心
- 同じエピソードを使っても、伝える焦点が変わる
| 設問 | 聞かれていること | 話の中心 | 時間軸 |
|---|---|---|---|
| ガクチカ | 学生時代に力を入れたこと | 取り組んだ経緯と、考えて動いた過程 | 過去 |
| 自己PR | あなたの強み | 強みと、それを裏づける経験 | 過去から現在 |
| 志望動機 | なぜこの会社を選んだか | 会社を選んだ理由と、入社後にやりたいこと | 現在から未来 |
ガクチカの主役は「経験そのもの」ではなく、その経験の中でのあなたの考え方と動き方です。 同じサークル活動でも、自己PRなら「巻き込む力」という強みが主語になり、ガクチカなら「なぜその活動に力を入れ、どんな壁にどう向き合ったか」が主語になります。
自己PRの書き方は自己PRが思いつかない人へ|エピソード探し方と書き方で、志望動機は志望動機の書き方と例文|新卒・転職別の型、思いつかないときの考え方と文字数で詳しく紹介しています。
ガクチカでは「何をしたか」より「どう取り組んだか」を伝える|公的データと様式から
企業がガクチカを尋ねるのは、学生時代の取り組み方から、入社後の仕事への向き合い方を想像するためと考えられます。その見方を裏づける公的なデータと様式があります。
- 新卒の採用選考で重視される点は、調査のたびに少しずつ動いている
- 公的なエントリーシートの様式は、学業と学業以外を分けて「果たした役割」まで尋ねている
新卒の採用選考で「コミュニケーション能力」を重視する事業所は、調査のたびに増えている
厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査」には、常用労働者5人以上の事業所を対象に、15〜34歳の正社員を採用するときに重視した点を尋ねた結果があり、平成25年・平成30年の調査の値も並べて載っています。新規学卒者の採用選考をした事業所を100とした割合(複数回答)を3時点で比べると、次のとおりです。複数回答のため、割合の合計は100%になりません。
| 重視した点 | 平成25年調査 | 平成30年調査 | 令和5年調査 |
|---|---|---|---|
| 職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神 | 82.9% | 77.9% | 79.3% |
| コミュニケーション能力 | 67.0% | 71.1% | 74.8% |
| マナー・社会常識 | 63.8% | 61.0% | 58.6% |
| 業務に役立つ専門知識や技能 | 33.4% | 31.5% | 30.4% |
| 柔軟な発想 | 26.1% | 27.5% | 29.3% |
| 学歴・経歴 | 26.0% | 25.4% | 22.4% |
コミュニケーション能力は67.0%から74.8%へ、柔軟な発想は26.1%から29.3%へと、調査のたびに少しずつ上がっています。反対に、学歴・経歴は26.0%から22.4%へ下がりました。業務に役立つ専門知識や技能も、33.4%から30.4%へと少しずつ下がっています。


数字が示しているのは、「学生時代に何を持っているか」より「人とどう関わり、どう考えて動くか」に目を向ける事業所が多いという傾向です。 調査は重視した理由までは尋ねていないため、この変化の背景を数字から言い切ることはできません。ただ、ガクチカを書くときに肩書きの説明より人との関わり方や考え方に字数を使う、という方向とは重なる結果といえるでしょう。
公的なESの様式は、学業と学業以外を分けて「果たした役割」まで尋ねている
厚生労働省のジョブ・カード制度には、学生向けの「エントリーシート(ジョブ・カード準拠様式)」があります。その第1面には、学生時代の取り組みを書く欄が2つ用意されています。
| 欄の名前 | 書く中身として示されていること |
|---|---|
| 学校の課程で関心を持って取り組んだこと・取り組んでいること | 科目名・テーマ・論文等、関心を持った理由、学んだこと・得られたこと |
| 学校の課程以外で取り組んだこと・取り組んでいること | サークル、ボランティア活動、正課外のインターンシップ、留学、アルバイト、その他の活動について、期間・内容と、学んだこと、果たした役割、貢献したこと等 |
大学などの新卒者には統一的な応募様式が定められていませんが、厚生労働省は就職差別につながるおそれのある事項を除いた「新規大学等卒業予定者用標準的事項の参考例」を公正採用選考の特設サイトで示しています。その自己紹介書にも、「得意な科目及び研究課題」と「クラブ活動・スポーツ・文化活動など」が別々の欄として並んでいます。
授業や研究も、部活やアルバイトも、公的な様式ではそれぞれに欄が用意されている題材です。 そして課程以外の欄が求めているのは、何をしたかに加えて「どんな役割を果たし、何に貢献したか」でした。ガクチカの型は、この問いにそのまま答える形で組み立てると迷いません。
参考:厚生労働省 マイジョブ・カード「ジョブ・カード様式のダウンロード」
参考:厚生労働省 公正採用選考特設サイト「事業主の皆様へ 採用選考の具体的な方法」
ガクチカの書き方は、結論から始まる5つの要素で組み立てる
ガクチカは、次の5つの要素を上から順に並べると、初めて読む人にも流れが伝わります。
- 結論:何に力を入れたか
- 動機:なぜそれに取り組んだか
- 課題:どんな壁や目標があったか
- 行動:どう考え、何をしたか
- 結果と学び:どうなり、何を得て、仕事でどう生かすか
| 順番 | 要素 | 書き方の目安 | 400字の場合の配分の目安 |
|---|---|---|---|
| ① | 結論 | 「〇〇に力を入れました」と1文で言い切る | 40字前後 |
| ② | 動機 | 取り組んだきっかけや、こだわった理由 | 50字前後 |
| ③ | 課題 | 直面した壁、自分で立てた目標 | 60字前後 |
| ④ | 行動 | 考えたことと、実際にやったこと | 150字前後 |
| ⑤ | 結果と学び | 変化した事実と、仕事への生かし方 | 100字前後 |
配分は編集部が例文を書くときの目安です。いちばん字数を割きたいのは④の行動で、読み手はここであなたの考え方を知ります。
書き出しは「〇〇に力を入れました」と1文で言い切る
最初の1文で、何の話なのかを伝えます。「私が学生時代に力を入れたことは、カフェのアルバイトで新人の教え方を見直したことです」のように、活動の名前だけでなく、その中で取り組んだテーマまで入れると、読み手は続きを予想しながら読めます。
「サークル活動です」「アルバイトです」だけで終わる書き出しは、同じ活動を書く応募者がたくさんいるため、あなたの話が埋もれやすくなります。
課題と行動は、「なぜそう動いたか」とセットで書く
課題は大きくなくてかまいません。「新人がすぐ辞めてしまう」「ゼミの議論が毎回同じ人だけで進む」のような身近な困りごとで十分です。
行動を書くときは、何をしたかの前に「なぜそうしようと考えたか」を1文入れてください。行動の理由が書かれていると、読み手はあなたが別の場面でもどう考えるかを想像できます。 周りの人をどう巻き込んだか、意見がぶつかったときにどう折り合いをつけたかも、前の章の調査で多くの事業所が重視していた「コミュニケーション能力」が伝わる部分です。
結果は事実で示し、学びは仕事につなげて締める
結果は、数字で示せるなら添えましょう。「離職が減った」より「3か月で辞める新人が、前年の4人から1人になった」のほうが具体的に伝わります。数字がなければ、「店長から新人研修の資料として使いたいと言われた」のような周りの反応でもかまいません。
締めの学びは、「この経験から〇〇を学びました。入社後も〇〇の場面で生かしたいと考えています」のように、仕事の場面までつなげます。ここが「頑張りました」で終わると、読み手は入社後の姿を思い描けません。
ガクチカの例文5つ|部活・アルバイト・ゼミ・学業・ボランティア
ここからは、場面別の例文を5つ紹介します。例文の人物・団体・数字はすべて架空のものです。 構成を参考にして、中身は必ずご自身の経験で書いてください。
- 部活動(チームスポーツ)
- アルバイト(飲食店)
- ゼミ・研究
- 学業(資格の勉強)
- ボランティア活動
部活動の例文|控え選手として練習の質を上げた
私が学生時代に力を入れたことは、バスケットボール部で控え選手として練習の質を上げる工夫をしたことです。3年生の春までレギュラーに入れず、試合に出られない自分にもチームのためにできることがあるはずだと考えました。課題に感じていたのは、練習試合のたびに同じ失点の形を繰り返していたことです。そこで、試合の動画から失点の場面だけを切り出し、毎週10分の振り返り資料にまとめて共有することにしたのです。最初は見てもらえませんでしたが、主将に相談して練習前の時間に組み込んでもらうと、選手同士で動き方を話し合う場面が増えていきました。秋のリーグ戦では、前年より1試合あたりの失点が減っています。この経験から、自分の立場でできる役割を探し、周りを巻き込んで形にする大切さを学びました。入社後も、任された範囲にとどまらず、チームの成果につながる動きを考えていきます。
部活動のガクチカは、試合の成績だけを書くと「チームの成果」と「自分の貢献」の区別がつきにくくなります。この例文のように、自分の立場から何を考え、何をしたかを中心に置くと、レギュラーでなくても書けます。
アルバイトの例文|新人の教え方を見直した
私が学生時代に力を入れたことは、カフェのアルバイトで新人の教え方を見直したことです。入って3か月以内に辞める新人が多く、自分も入ったばかりの頃は覚えることの多さに戸惑った記憶があります。辞めた人に話を聞くと、先輩によって教える内容と順番が違い、何を優先すればいいか分からなかったという声がありました。そこで店長に提案し、最初の2週間で覚える作業を写真付きの1枚の表にまとめ、教える順番をそろえたのです。先輩たちにも意見を聞きながら3回作り直し、表は店の共有ノートに置いてもらいました。翌年、3か月以内に辞めた新人は前年の4人から1人に減っています。この経験から、相手がつまずく理由を聞いてから仕組みを整える大切さを学びました。仕事でも、関わる人の困りごとに耳を傾けて改善につなげたいと考えています。
アルバイトは、身近で書きやすい題材です。「売上を上げた」より、職場の小さな困りごとをどう捉え、誰とどう解決したかのほうが、その人らしさが表れます。
ゼミ・研究の例文|全員が発言できる議論の進め方をつくった
私が学生時代に力を入れたことは、地域経済ゼミで全員が発言できる議論の進め方をつくったことです。ゼミの討論が毎回、発言の多い2〜3人だけで進み、ほかのメンバーの考えが分からないまま結論が出ることに疑問を感じていました。原因を考えると、テーマが当日に知らされ、準備の時間がないことが大きいと分かったのです。そこで、テーマを1週間前に共有し、各自が意見を3行だけ書いて持ち寄るやり方を先生に提案しました。初めは負担が増えると反対もありましたが、3行で十分と伝えて試してもらうと、発言の少なかったメンバーから新しい視点が出るようになっています。ゼミ論文のテーマ選びでも、全員の案を比べて決められました。この経験から、意見が出ない理由を仕組みの側から探す考え方を学びました。会議や打ち合わせの場でも生かしていきたいと考えています。
ゼミや研究のガクチカは、研究の中身を詳しく説明しすぎると、専門外の読み手には伝わりにくくなります。研究テーマは1文で紹介し、進め方や人との関わりに字数を使うのがおすすめです。
学業の例文|苦手な統計を克服し、資格に合格した
私が学生時代に力を入れたことは、苦手だった統計学を克服し、統計の検定試験に合格したことです。2年生の必修科目で単位を落としかけ、データを扱う力はどの仕事にも必要になると考えて、苦手なままにしないと決めました。まず、問題を解けない原因を書き出すと、公式を覚えていても、どの場面で使うかを理解していないことが分かったのです。そこで、身近なアルバイト先の来客数を題材に、自分で問題を作って解く勉強法に切り替えました。毎朝30分を勉強に充て、分からない点を週に1度、先生の質問時間に持っていくのが習慣です。半年後に検定に合格し、翌年の応用科目では学年上位の成績をとれました。この経験から、つまずきの原因を分解してやり方を変える粘り強さを学びました。新しい仕事を覚えるときにも、この姿勢で取り組みます。
学業は、ガクチカの題材として正面から書けます。先に見たジョブ・カード準拠のエントリーシートにも、学校の課程で取り組んだことを書く欄がありました。資格の名前より、苦手をどう分析し、勉強のやり方をどう変えたかを中心にすると、仕事の覚え方まで伝わります。
ボランティアの例文|子ども食堂で参加者を増やす工夫をした
私が学生時代に力を入れたことは、地域の子ども食堂のボランティアで、参加する家庭を増やす工夫をしたことです。月2回の食堂を手伝ううち、席に余裕があるのに参加者が少ないことが気になりました。運営の方と話すと、案内のチラシが公民館にしか置かれておらず、必要としている家庭に届いていない可能性があったのです。そこで、運営の方の了解を得て、近くの小学校の保護者向けのお知らせに案内を載せてもらえないか相談し、チラシも写真と予約方法が一目で分かる形に作り直しました。学校とのやりとりは運営の方にお願いし、私が担当したのは文面とデザインです。半年後には、毎回の参加家庭が以前の倍ほどに増えました。この経験から、自分一人でできないことは役割を分けて進める大切さを学びました。入社後も、周りの人と力を合わせて成果を出したいと考えています。
ボランティアのガクチカでは、「社会の役に立ちたい」という思いだけで終わらせず、現場で見つけた課題と、自分が担った役割まで書くと説得力が増します。
ガクチカがないと感じるときは、「すごい経験」を探すのをやめる
「人に話せるようなガクチカがない」と悩む人もいます。ただ、経験がないのではなく、「すごい経験でなければ書けない」と思い込んでいるだけ、ということも多いものです。
- 取材した経営者・人事の言葉では、経験の大きさより人柄や仲間との関わり方が語られている
- 授業・ゼミ・資格の勉強も題材になる
- 日常の中で続けたこと・工夫したことを掘り起こす
- 今から小さく取り組んで、材料をつくることもできる
経営者・人事が語るのは、実績の大きさより人柄と関わり方
株式会社Anfini代表取締役の橋本純さんは、入社する人に求めるものを問われた際、人の成長を樹木にたとえ、枝葉を支える「根」について次のように話しています。
部活動やアルバイトといった身近な経験に触れたのは、株式会社オプティムの神谷哲央さんです。経営企画本部で人事領域を担当しています。
どちらの言葉も、特別な実績ではなく、日々の経験から何を感じ、どう人と関わってきたかに目を向けています。 取材で経営者の話を聞いていると、学生時代の話題が出ても、関心はたいてい結果より「そのとき何を考えたか」に向かうと私たちは感じています。
授業・ゼミ・資格の勉強も、ガクチカの題材になる
部活やサークルに入っていなかった人は、学業から探してみましょう。印象に残っている授業、レポートで苦労したテーマ、卒業論文の準備、独学で取った資格。どれも、公的な応募様式で欄が設けられている題材です。
「成績が良かったわけではない」と感じても大丈夫です。学業のガクチカで伝えたいのは成績の高さではなく、分からないことにどう向き合い、どう工夫したかだからです。
日常の中で「続けたこと」「工夫したこと」を書き出す
材料が見つからないときは、次の問いに答える形で、思いつくものを書き出してみてください。
| 問い | 書き出す例 |
|---|---|
| 学生時代に一番時間を使ったことは? | 通学時間の読書、家事の分担、趣味の動画編集 |
| 1年以上続けたことは? | 同じアルバイト先、日記、筋力トレーニング |
| 人から頼まれて引き受けたことは? | 授業のグループ発表のまとめ役、親戚の店の手伝い |
| やり方を自分で変えたことは? | アルバイトの作業手順、試験勉強の方法 |
| 困っている人を手伝ったことは? | 留学生の履修相談、後輩の課題の相談 |
書き出したものの中から、「なぜそうしたか」「何を変えたか」を3文以上話せるものを選ぶと、ガクチカの型に乗せやすくなります。経験の掘り起こし方は、自己PRが思いつかない人へ|エピソード探し方と書き方でも紹介しています。
今から小さく取り組んで、書く材料をつくる
就活まで時間があるなら、今から取り組むことも一つの方法です。ゼミで1つ役割を引き受ける、アルバイト先で気づいた改善を提案してみる、といった小さな行動でかまいません。始めて数か月の取り組みでも、「なぜ始め、何を変えたか」が書ければ材料になります。
経験を大きく見せるために、事実と違うことを書くのは避けてください。 面接では、ガクチカの内容を掘り下げて質問されることがよくあります。書いた話を自分の言葉で説明できないと、かえって信頼を損ねてしまいます。
ガクチカの文字数と、ES・面接での伝え方
ガクチカの長さは、企業ごとの指定に合わせます。公的に決まった字数の基準はありません。
- 字数の指定があれば、指定の範囲で書く
- 短くするときは、行動以外の要素から削る
- 面接では、深掘りの質問を想定して準備する
字数を減らすときは、行動以外の要素から削る
編集部としては、200字と400字の2通りを用意しておくと、指定に合わせて調整しやすいと考えています。400字で書いたものを200字にするときは、動機と課題の説明を短くし、行動と結果をできるだけ残しましょう。先ほどのアルバイトの例文を200字にすると、次のようになります。
私が学生時代に力を入れたことは、カフェのアルバイトで新人の教え方を見直したことです。3か月以内に辞める新人が多く、原因は先輩ごとに教える順番が違うことでした。そこで店長に提案し、最初の2週間で覚える作業を写真付きの表にまとめ、教え方をそろえました。翌年、早期に辞めた新人は4人から1人に減っています。相手のつまずきを聞いて仕組みを整える姿勢を、仕事でも生かします。
字数が半分になっても、結論の1文と「何をして、どう変わったか」は残すのが基本です。 反対に字数が多いときは、行動の場面を1つ増やすか、周りの反応を書き足すと厚みが出ます。
面接では、書いたガクチカを深掘りされる前提で準備する
面接では、ESに書いたガクチカについて質問を重ねられることが一般的です。次のような質問に、自分の言葉で答えられるか確かめておきましょう。
| 深掘りの質問の例 | 答えるときの準備 |
|---|---|
| なぜそれに取り組んだのですか? | 動機を、具体的な出来事から説明できるようにする |
| 一番大変だったことは何ですか? | 課題の中で、特に苦労した場面を1つ選んでおく |
| 周りの人はどう反応しましたか? | 反対や協力があった場面を思い出しておく |
| もう一度やるなら、何を変えますか? | うまくいかなかった点と改善案を考えておく |
| その経験を、入社後どう生かしますか? | 応募先の仕事の場面に当てはめておく |
深掘りの質問は、書いた内容が本人の経験かどうかを確かめる意味もあります。 書くときから「面接で聞かれたら何を話すか」を考えておくと、ESと面接の話がずれません。グループ面接での答え方は、グループ面接でよく聞かれる質問と回答のコツも参考にしてください。
伝わりにくいガクチカと、その直し方
書き上げたガクチカが伝わりにくいと感じたら、次の表で原因を探してみてください。
| 伝わりにくい書き方 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 「サークルの代表として頑張りました」で終わる | 役職を書いただけで、何をしたかがない | 代表として直面した課題と、取った行動を書く |
| 「売上を2倍にしました」と成果だけ並べる | 自分の貢献と周りの貢献の区別がつかない | 自分が考えたこと・担った役割を中心に書く |
| 複数の活動を少しずつ詰め込む | 1つ1つが浅くなり、人柄が伝わらない | エピソードを1つに絞る |
| 専門用語で研究内容を詳しく説明する | 専門外の読み手には中身が分からない | テーマは1文にし、進め方に字数を使う |
| 「この経験で成長しました」で締める | 何を学び、どう生かすかが分からない | 学びを1つに絞り、仕事の場面とつなげる |
なかでも多いのは、成果の大きさで勝負しようとして、自分の考えや行動が抜け落ちてしまうケースです。読み手が知りたいのは、成果の数字そのものより、その数字の裏であなたが何を考えたかです。
ガクチカに関するよくある質問
ガクチカは何の略ですか?
「学生時代に力を入れたこと」の略です。 ESや面接で「学生時代に最も打ち込んだことは何ですか」と聞かれた場合も、同じ考え方で答えられます。企業によって設問の言い回しは違いますが、在学中の取り組み方を尋ねている点は共通しています。
ガクチカと自己PRで、同じエピソードを使ってもいいですか?
使ってかまいません。ただし、伝える焦点を変えましょう。 ガクチカでは取り組んだ経緯と過程を、自己PRではその経験から見える強みを中心にします。同じ応募先でまったく同じ文章を2回書くのは避け、別の場面を切り取るのもよい方法です。
高校時代のことをガクチカに書いてもいいですか?
基本は大学など、いま在学している学校での経験から選びます。 新卒の選考では、直近の取り組みのほうが今のあなたを伝えやすいためです。高校時代の経験が今の活動につながっているなら、きっかけとして1文触れる程度にするとよいでしょう。
ガクチカをAIで作ってもいいですか?
書いた文章の読みにくい箇所を探す、といった補助には使えます。ただ、エピソードそのものはご自身の経験から選んでください。 実際の経験がないまま整えた文章は、誰が書いても同じような中身になりがちです。仕上げの段階で、面接で掘り下げられても自分の言葉で答えられるかを確かめましょう。
ガクチカは何文字で書けばいいですか?
応募先の指定があれば、その範囲で書くのが基本です。 字数に公的な基準はなく、指定の長さは企業によって異なります。本文で紹介したように、短い版と長い版の2通りを用意しておくと、指定に合わせて調整しやすくなります。短くするときは、行動と結果を残し、動機と課題の説明から削りましょう。
まとめ
ガクチカは、「何に力を入れたか」を最初の1文で言い切り、動機・課題・行動・結果と学びの順で書くと伝わりやすくなります。いちばん字数を使いたいのは行動の部分で、何をしたかに「なぜそう考えたか」を添えると、あなたの考え方が読み手に届きます。
厚生労働省の若年者雇用実態調査を3回分比べると、新卒の採用選考でコミュニケーション能力や柔軟な発想を重視する事業所が増え、学歴・経歴を重視する事業所は減っていました。部活もアルバイトも、授業や資格の勉強も、書き方しだいで十分な題材になります。
ガクチカがないと感じたら、すごい経験を探すのをやめて、続けたことや工夫したことを書き出してみてください。書き上げたガクチカは、大学のキャリアセンターの職員や友人など第三者に読んでもらうと、自分では気づかない伝わりにくさが見つかります。
正直なところ、ガクチカは就活のために探すものというより、自分が何を大事にしてきたかを確かめる作業に近い、と私たちは考えています。
卒業後に別の道を考えはじめたときや、働きながら次の仕事を探すときには、プロに無料で相談できる窓口もあります。
