就活はいつから始める?28卒・29卒の始め時を政府日程とインターンの扱いで判断

就活を始める時期の目安は、大学3年生の夏の少し前です。
早くに内々定が出る人もいますが、最終的に進む国内企業から内々定を受ける時期は、4年生の5月・6月が山になっています。国内企業を幅広く見ているなら、3年生の冬に決まっていないことは、それだけで出遅れを意味しません。
この記事では、28卒・29卒の政府の日程と先輩が実際に動き出した時期、採用につながるインターンシップの見分け方、学年や志望先ごとの始め時を整理します。
就活はいつから?目安は大学3年生の夏、ただし学年と志望先で変わる
最初に、いつ動き始める人が多いのかと、いま自分がどの卒業年次にあたるのかを確かめておきましょう。
- 先輩の多くは、大学3年生の7月からインターンシップに参加している
- 政府の日程上の「解禁」は3年生の3月だが、面接や内々定はそれより前に始まっている
- 2026年10月時点で、どの学年が何卒にあたり、日程が決まっているかは学年ごとに違う
多くの学生が動き出すのは、大学3年生の夏です。 内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」(2025年度)では、大学4年生がインターンシップと呼ばれるものに参加した時期は、大学3年生の7月から本格化していました。参加の前には応募と準備の期間が要るので、その少し前にあたる3年生の春から初夏が、多くの人にとっての始め時になります。大学院生の場合は、大学院1年生の7月から参加が本格化しています。
いま何年生で、何卒にあたるのか。2026年10月時点の対応と、政府の日程が決まっているかどうかを表にしました。
| 卒業予定 | 2026年10月の学年 | 政府の日程 | いまの位置 |
|---|---|---|---|
| 2027年3月卒(27卒) | 大学4年生 | 広報2026年3月1日・選考6月1日・正式内定10月1日以降 | 正式な内定日を過ぎた段階 |
| 2028年3月卒(28卒) | 大学3年生 | 広報2027年3月1日・選考6月1日・正式内定10月1日以降 | 秋冬のインターンシップの時期 |
| 2029年3月卒(29卒) | 大学2年生 | 未公表(政府が見直しを検討中) | 視野を広げる時期 |
| 2030年3月卒(30卒) | 大学1年生 | 未公表 | 学業と課外活動が中心の時期 |
この表は2026年10月9日時点の公表資料にもとづいています。年度が替わると学年がひとつずつ繰り上がり、29卒以降の日程は政府の見直しの結果で変わります。 4年制大学の場合の対応なので、短大・大学院・留学で卒業時期がずれる人は、自分の卒業予定年月で読み替えてください。
参考:内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査(令和7年度)」
参考:厚生労働省「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について」
政府の就職・採用活動日程|28卒は従来どおり、29卒以降は見直しを検討中
就活の「解禁日」と呼ばれるものは、政府が経済団体などに毎年要請している日程のことです。押さえておきたいのは次の4点。
- 28卒の日程は、広報3月・選考6月・正式内定10月で従来と変わらない
- 専門性の高い学生には、6月より前に選考へ進める例外がある
- 日程は法律ではなく要請で、守っていない企業もある
- 29卒以降の日程は見直しの検討中で、まだ公表されていない
28卒の日程は「3月広報・6月選考・10月内定」
政府は日程を「卒業・修了年度」で表します。2028年3月に卒業する28卒は、政府の表記では「2027年度卒業・修了予定者」。少し紛らわしいので、日付に直しておきます。
| 活動 | 政府の日程 | 28卒の場合 | 中身 |
|---|---|---|---|
| 広報活動 | 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降 | 2027年3月1日以降 | 採用を目的とした情報を学生に発信する。説明会など |
| 採用選考活動 | 卒業・修了年度の6月1日以降 | 2027年6月1日以降 | 面接など、採用のための実質的な選考 |
| 正式な内定 | 卒業・修了年度の10月1日以降 | 2027年10月1日以降 | 正式な内定を出す |
この日程は、就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議が令和7年12月26日に取りまとめ、令和8年3月24日に政府から経済団体などへ要請されたものです。2017年度の卒業生から、この「3月・6月・10月」の組み合わせは一度も変わっていません。 いま大学4年生の27卒も同じ組み合わせで、広報は2026年3月1日、選考は6月1日、正式な内定は10月1日以降でした。
専門性の高い学生には、6月より前の選考もある
例外もあります。卒業・修了年度に入る直前の春休み以降に行われる、2週間以上の専門活用型インターンシップを通じて、高い専門的知識や能力があると判断された学生は、3月からの広報期間を短縮し、6月より前に採用選考へ移ることができます。
対象は、専攻を生かした長期のインターンシップに参加した一部の学生です。理系の学生や大学院生で、研究内容と近い仕事を志望している人は、この枠があることを知っておくとよいでしょう。
日程は法律ではなく「要請」
関係省庁連絡会議の「2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」は、この要請が企業の採用活動を法的に拘束するものではないと明記しています。経団連が自ら「採用選考に関する指針」を定めていたのは2017年度まで。2018年以降は政府が毎年、日程を決めて経済団体などに要請する形に変わりました。「経団連のルール」という言い方を見かけることがありますが、いまの日程を決めているのは政府です。
同じ文書は、日程と実態のずれも認めています。文部科学省が企業に行った調査では、広報活動を2月以前に始めた企業は約6割、採用選考を5月以前に始めた企業は約7割、5月以前に内々定を出した企業は約6割でした。日程は「この日まで何も起きない日」ではなく、「この日以降に本格化する目安」と受け止めるほうが実態に近いのです。


29卒以降の日程は、まだ決まっていない
いま大学2年生の29卒(政府の表記では2028年度卒業・修了予定者)から先の日程は、見直しの検討が始まっています。「考え方」は、2028年度(2029年3月)以降の卒業・修了予定者について、経済界や大学側と十分に議論を行い、実効性のある合意点を探りながら見直しの検討を進めると結んでいます。28卒向けの要請を取りまとめた2026年3月24日の記者会見でも、共生社会担当大臣を兼ねる黄川田内閣府特命担当大臣が、日程ルールの形骸化が指摘されていることを挙げ、2028年度以降の卒業生について見直しに向けた検討を行っていると述べました。
議論の場では、大学側の就職問題懇談会が、採用選考は学期中に行わず卒業・修了前年度の春休み以降の長期休業期間に行うべきだという考え方を示しています。経済界からは、中小企業では本来内定が出る10月1日の時点で必要な内定者数を確保できていないという指摘がありました。2026年4月と5月には、今後の就職・採用活動の在り方を議題に幹事会が開かれています。
2026年10月9日時点で、29卒の日程は公表されていません。 近年は、卒業の2年あまり前の11〜12月ごろに日程を取りまとめ、翌年の3〜4月ごろに要請する流れでした。28卒は令和7年12月に取りまとめ・令和8年3月に要請、27卒は令和6年12月に取りまとめ・令和7年3月に要請です。29卒の人は、決まるまでは28卒の日程を仮の目安にしつつ、内閣官房の公表を確認してください。
参考:就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議「2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」
参考:内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」
参考:内閣官房「就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議」
参考:内閣府「黄川田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和8年3月24日」
先輩たちはいつ動いたか|内閣府調査で見る実際の時期
日程と実態の差を、学生側のデータで確かめます。使うのは、内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」の2025年度調査(令和7年12月公表)。2026年3月に卒業・修了する予定だった大学4年生3,157名と大学院2年生1,258名、計4,415名の回答です。
- 最初の面接は2月までに約7割、最初の内々定は4月までに約7割
- インターンシップの参加者の7割超が、早期選考の案内を受けている
- 外資系や大企業は早めで、国内企業の就職先から内々定を受ける時期は4年生の5〜6月が山
面接も内々定も、3年生の冬から始まっている
最初の採用面接を受けた時期は、2月までに約7割、3月までに約9割でした。 政府の日程で採用選考が始まる6月を待たず、ほとんどの学生が3年生の年度内に一度は面接を経験しています。最初の内々定を受けた時期は3月が最も多く、累積で見ると次のとおりです。
| 節目 | 時期 | 累積の割合 |
|---|---|---|
| 最初の採用面接 | 2月まで | 約7割 |
| 最初の採用面接 | 3月まで | 約9割 |
| 最初の内々定 | 2月まで | 約4割 |
| 最初の内々定 | 4月まで | 約7割 |
| 最初の内々定 | 5月まで | 約9割 |
いずれも公務員・教職員志望者を除いた集計で、2月・3月は卒業・修了前年度、4月・5月は卒業・修了年度の月です。一方で、始まりが早くなったぶん、終わるまでの期間は長くなっています。就職活動に「9ヶ月間程度以上」かかった学生が約5割で、最も多い回答でした。
インターンシップの後に、選考の案内が届く
インターンシップと呼ばれるものに参加した学生は約7割。そのうち5日以上のプログラムを経験した人は40.1%で、前年の34.6%から増えています。参加したプログラムが採用のための実質的な選考を含んでいたと答えた割合も、前年の53.7%から58.6%に上がりました。


参加後に企業からどんなアプローチを受けたかを見ると、「早期選考の案内」が73.5%、2025年2月以前に開かれた「採用説明会・セミナーに参加した」が58.0%、2025年5月以前に行われた「採用試験、面接等を受けた」が52.3%です。夏や冬のインターンシップが、そのまま早期の選考の入口になっている企業は少なくありません。


外資系や大企業は早め、国内企業の就職先は4年生の5〜6月が山
早く決まる傾向は、どの企業にも同じように当てはまるわけではありません。同じ調査で、最終的に就職を予定している企業から内々定を受けた時期を見ると、国内企業のうちベンチャー企業以外では5月、ベンチャー企業では6月が最も多い回答でした。外資系企業は3月以前が約5割と、国内企業より早い傾向です。企業規模別では、最初の内々定が3月だった割合は10,000人以上の規模で約2割と、ほかの規模より高くなっています。
最初の内々定が早く出る人がいる一方で、最終的に進む国内企業から内々定を受ける時期は、4年生の5月・6月が山になっています。 ベンチャー企業を含め、国内企業を幅広く視野に入れている人にとって、3年生の冬に決まっていないことは、それだけで出遅れを意味しません。ベンチャー企業がどんな会社を指すのかは、ベンチャー企業とは?意味・定義を簡単に|中小企業との違いと働き方の特徴で整理しています。
参考:内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査結果について(概要)」
インターンシップは4つのタイプ|採用につながるのはタイプ3・4
「就活を始める」と言っても、参加するプログラムの種類で意味が変わります。文部科学省・厚生労働省・経済産業省は、経団連と大学関係者でつくる「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」の整理を受けて、学生のキャリア形成支援の取組を4つのタイプに分けました。
- インターンシップと呼べるのはタイプ3とタイプ4だけ
- 企業が採用に学生情報を使えるのは、5つの条件を満たしたタイプ3など
- インターンシップに参加していなくても、本選考には応募できる
| タイプ | 名称 | 目的 | 就業体験 | 対象・期間 | 採用への学生情報の利用 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | オープン・カンパニー | 個社・業界の情報提供・PR | 基本的に伴わない | 年次不問。単日など超短期 | 使えない |
| 2 | キャリア教育 | 教育 | 任意 | 年次不問。授業や産学協働プログラムなど | 使えない |
| 3 | 汎用的能力・専門活用型インターンシップ | 自分の能力の見極め、評価材料の取得 | 必須 | 学部3・4年、修士1・2年の長期休暇。5日間以上または2週間以上 | 3月以降は広報、6月以降は選考に使える |
| 4 | 高度専門型インターンシップ(試行) | 自分の能力の見極め、評価材料の取得 | 必須 | 博士課程のジョブ型研究インターンシップなど | 採用活動の開始以降に使える |
採用に使えるタイプ3は、5つの条件を満たしたものだけ
タイプ3として学生情報を採用に使えるのは、5つの条件をすべて満たしたプログラムです。1つ目は就業体験で、必ず就業体験を行い、実施期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てること。2つ目は指導で、職場の社員が学生を指導し、終了後に学生へフィードバックを行うこと。3つ目は期間で、汎用的能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上です。4つ目の時期は、大学の正課などを除き、学部3年・4年または修士1年・2年の長期休暇(夏休み・冬休み・入試休み・春休み)に行うこと。5つ目の情報開示は、募集要項などにプログラムの趣旨や就業体験の内容、取得した学生情報を採用活動の開始以降に活用する旨などを記載し、ホームページなどで公表することです。


条件を満たしたタイプ3でも、得た情報を使える時期は決まっています。3年生の2月末までに行ったタイプ3の情報は、あらかじめ趣旨を示していれば、3月以降は広報活動に、6月以降は採用選考に使えます。 タイプ1・2で企業が得た情報は採用活動に使えない、というのが産学協議会の整理です。応募するときは、募集要項に採用活動での情報の扱いが書かれているかを見ると、そのプログラムの位置づけが分かります。
ただし、先に見たとおり、参加したプログラムの58.6%は「実質的な選考を含んでいた」という回答でした。整理された枠組みと、現場で起きていることには差があると考えておいたほうが安全でしょう。
インターンシップに参加しなくても、本選考には応募できる
産学協議会の2021年度報告書は、タイプ1〜4はキャリア形成支援の取組で採用活動そのものではなく、学生は改めて採用選考のためにエントリーする必要があると整理しています。インターンシップに参加できる学生は就活をする人の一部であり、就職先のインターンシップに参加した経験がなくても採用選考へのエントリーは可能だ、とも明記しました。インターンシップに行けなかったことで、その会社の本選考の扉が閉じるわけではないのです。
参考:文部科学省・厚生労働省・経済産業省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」
参考:文部科学省「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります」
参考:採用と大学教育の未来に関する産学協議会「2021年度報告書 産学協働による自律的なキャリア形成の推進」
学年別|2026年10月のいま、何から始めるか
ここからは、2026年10月時点の学年ごとに、いま手をつけることを整理します。月ごとの細かな流れは就活スケジュール完全ガイド|27卒・28卒の流れを月別に解説にまとめているので、あわせて確認してください。


- 大学3年生(28卒)は、冬・春休みのプログラムと3月の広報開始に備える時期
- 大学2年生(29卒)は、タイプ1・2で業界や仕事を広く見る時期
- 大学1年生は、学業と課外活動を優先してよい
- 大学4年生(27卒)でまだ決まっていない人にも、選択肢は残っている
大学3年生(28卒):3月の広報開始まで、あと5か月足らず
28卒の広報活動の開始は2027年3月1日。2026年10月から数えると、5か月を切っています。夏のインターンシップに参加しなかった人も、冬休みと春休みはタイプ3の実施時期にあたります。秋のうちに志望する業界の冬・春のプログラムを調べ、応募の締め切りを手帳に書き出しておきましょう。 マイナビ・リクナビなどの就職情報サイトでは、3月より前の募集が「インターンシップエントリー」「プレエントリー」といった名前で、本選考のエントリーとは分けて扱われています。夏に参加した人は、そこで受けたフィードバックを、3月以降のエントリーシートや面接で話せる形に整えておく時期です。
大学2年生(29卒):タイプ1・2で、仕事の種類を知る
2年生のうちに参加できるのは、主にオープン・カンパニーとキャリア教育です。タイプ3は学部3年・4年の長期休暇に行うことが条件なので、2年生向けのプログラムは、仕組みの上では採用選考とは切り離されています。
産学協議会の報告書は、大学入学以降、学業の妨げにならない範囲でタイプ1やタイプ2に参加することが大切だとし、タイプ3・4や就活に参加する年次になってから自分のキャリアを考え始めると、選択の幅を狭める懸念があると述べています。2年生の就活は、選考の準備ではなく、世の中にどんな仕事があるかを知る段階と考えてください。 日程が決まっていない学年なので、公表があったら学年の表に当てはめ直しましょう。
大学1年生:急がなくてよい
1年生が参加できるのも、年次を問わないタイプ1・2です。授業や課外活動、アルバイトの中で「何をしていると時間を忘れるか」を意識しておくだけでも、3年生になってからの材料になります。
大学4年生(27卒):まだ決まっていなくても、道は残っている
27卒は2026年10月1日の正式な内定日を過ぎました。まだ決まっていない人も、焦りすぎる必要はありません。厚生労働省と文部科学省の調査では、2026年3月に卒業した大学生の4月1日時点の就職率は98.0%でした。就職率は、就職を希望した人のうち実際に就職した人の割合です。
国は、未就職のまま卒業した人に、新卒応援ハローワークの就職支援ナビゲーターと大学の就職相談員が連携して支援を続けるとしています。事業主に対しても、既卒者が卒業後少なくとも3年間は「新卒枠」に応募できるよう周知を進めています。 まずは大学のキャリアセンターに、秋以降も募集を続けている企業の情報を聞いてみましょう。
大学院生・理系:専門を生かす枠を確認する
修士課程の人は、修士1年が「卒業・修了前年度」にあたります。タイプ3は修士1年・2年の長期休暇が実施時期で、2週間以上の専門活用型インターンシップには、6月より前に選考へ進める例外があります。研究の山場と長期休暇が重なる人は、指導教員と相談しながら参加の時期を選んでください。
参考:厚生労働省「令和8年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します」
参考:採用と大学教育の未来に関する産学協議会「2021年度報告書 産学協働による自律的なキャリア形成の推進」
自分の始め時を決める4つの判断軸
学年の目安が分かっても、ちょうどよい始め時は人によって違います。次の4つを当てはめると、自分は早めに動くべきか、落ち着いて進めてよいかが見えてきます。
- 志望先の種類
- 長期休暇の予定
- 専門性を生かしたいか
- やりたいことの決まり具合
| 判断軸 | 早めに動きたいケース | 急がなくてよいケース |
|---|---|---|
| 志望先の種類 | 外資系や大企業を第一に考えている | ベンチャー企業を含め、国内企業を幅広く視野に入れている |
| 長期休暇の予定 | 3年生の夏・冬の休みが空いている | 留学や研究、部活の大会が休みと重なる。前後の休みで調整する |
| 専門性 | 専攻を生かした仕事に就きたい。専門活用型の枠を狙う | 文系・理系を問わず、職種から広く考えたい |
| やりたいこと | 業界がほぼ決まっていて、その業界の選考が早い | まだ決まっていない。まずタイプ1で広く見る |
志望先の種類は、先に見た内閣府調査の内々定時期の差が根拠です。長期休暇の予定はタイプ3の実施時期の条件から、専門性は専門活用型インターンシップの例外から考えています。どの軸でも「急がなくてよい」側に当てはまるなら、3年生の秋から動き始めても十分に間に合う人は多いでしょう。
やりたいことが決まっていなくても、動き出してかまわない
「やりたいことが決まってから始めよう」と考えて、動き出しが遅れる人は少なくありません。新卒採用の担当として年間延べ2,000人ほどの学生と話してきたという、株式会社Branding Careerの佐地良太代表は、こう振り返っています。
madoguchi株式会社の取締役COO・福士雅也さんは、大手志向だった学生時代に、早めに動いた理由をこう語っています。
福士さんはその後、少人数で実務に関われる会社で働きながら、3年生の途中からは大手の就活も並行し、4年生の4月に進む先を決めています。早く動くことの価値は、早く内定を取ることより、比べる材料を早く持てることにあるのかもしれません。 経営者の取材を重ねていると、私たちも「最初から答えを持っていた人」より「動きながら答えを見つけた人」の話を聞くことのほうが、ずっと多いと感じます。
早く始めすぎないために|学業との両立と、保護者が知っておきたいこと
早く動くことには、見落とされがちな負担もあります。
- 就活の早期化・長期化で、授業との重なりが増えている
- 内定と引き換えに他社の選考をやめさせる「オワハラ」には相談先がある
- 保護者は、日程の仕組みと相談先を知っておくと支えやすい
学業との重なりと、長期化の負担
「考え方」によれば、文部科学省の大学向け調査で、約9割の大学等で学生が就職活動のために授業などを欠席している状況がうかがえるといいます。採用面接と授業・ゼミ・研究の時期が重なるという相談も増えています。始まりが早まるほど活動期間は延び、先の調査では約5割が9ヶ月間程度以上かかっていました。
始め時を前倒しするなら、何をやめるかも同時に決めておくと、学業と就活の両方が中途半端になるのを防げます。 長期休暇の予定と、授業の多い学期の予定を並べて、選考に使える時間を先に見積もっておきましょう。
オワハラを受けたときの相談先
内閣府の2025年度調査で、オワハラを受けたことがあると答えた学生は8.3%でした。内容は「内々定を出す代わりに他社への就職活動をやめるように強要された」が約6割と最も多くなっています。政府は2027年度卒の要請でも、内定や内々定を条件に他社の就職活動をやめるよう学生に強要しないことを、経済団体などに求めました。困ったときは都道府県労働局やハローワークでも学生からの相談を受け付けており、大学のキャリアセンターと事例を共有する連携も進められています。内定を辞退するときの伝え方は、内定辞退メールの例文|電話での伝え方と承諾後に辞退するときの注意点で紹介しています。
保護者が知っておきたいこと
保護者の世代と比べると、いまの就活は始まりが早く、期間も長くなっています。「解禁は3月だからまだ大丈夫」と考えていると、子どもが3年生の夏にはすでに動いていることに驚くかもしれません。一方で、「考え方」は内定辞退を抑えるための「オワハラ」や「オヤカク」を、学生の職業選択の自由を妨げる行為として挙げています。保護者が企業から内定承諾の確認を求められたときは、本人の意思を確かめるのが先です。
時期の早い遅いで子どもを急かすより、どの業界のどんな会社を見ているのかを聞くほうが、本人にとって役に立つ会話になるはずです。
参考:就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議「2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」
参考:内閣府「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査結果について(概要)」
就活をいつから始めるかに関するよくある質問
就活を大学3年生の3月から始めるのは遅いですか?
大企業や外資系を第一に考えているなら遅めですが、間に合わないわけではありません。 内閣府の2025年度調査では、最初の採用面接を2月までに受けた学生が約7割いました。一方で、最初の内々定は4月までに約7割、5月までに約9割と、4年生の春にかけても決まっていきます。ベンチャー企業に就職予定の学生は、その企業から内々定を受けた時期が6月という回答が最も多くなっています。3月から始めるなら、志望する業界の選考時期を先に調べ、早い業界から順に動きましょう。
インターンシップに参加しないと不利ですか?
参加しなくても本選考には応募できますが、早期選考の案内を受ける機会は減ります。 産学協議会の報告書は、就職先のインターンシップに参加した経験がなくても採用選考へのエントリーは可能だとしています。ただ、参加者の73.5%が早期選考の案内を受けていたのも事実です。行けなかった場合は、3月以降の説明会や本選考で取り返せばよいと考えてください。
大学1・2年生から就活を始めたほうがいいですか?
選考の準備としてではなく、仕事を知る機会として始めるのはよい方法です。 1・2年生が参加できるのは主にオープン・カンパニーとキャリア教育で、企業はそこで得た情報を採用に使えません。学業や課外活動の妨げにならない範囲で、興味のある業界の説明会に1つ参加してみるところから始めましょう。
29卒の就活ルールはいつ決まりますか?
2026年10月9日時点では、29卒(2028年度卒業・修了予定者)の日程は公表されていません。 政府は見直しの検討を進めているとしています。近年は11〜12月ごろに取りまとめ、翌年の3〜4月ごろに経済団体などへ要請する流れでした。決まるまでは28卒の日程を仮の目安にし、内閣官房の公表を確認してください。
卒業してからでも新卒として応募できますか?
応募できる企業はあります。 厚生労働省は、若者雇用促進法に基づく指針を踏まえ、既卒者が卒業後少なくとも3年間は「新卒枠」に応募できるよう事業主への周知を進めています。未就職のまま卒業した人にとっては、新卒応援ハローワークも相談先のひとつです。
参考:厚生労働省「令和8年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します」
まとめ
就活を始める時期の目安は、大学3年生の夏の少し前です。インターンシップへの参加は3年生の7月から本格化し、最初の面接は2月までに約7割、最初の内々定は4月までに約7割が経験しています。28卒の政府の日程は、広報2027年3月1日・選考6月1日・正式内定10月1日以降で、従来と変わりません。29卒以降は見直しの検討中で、2026年10月時点では未公表です。
採用に学生情報を使えるのは、就業体験や期間など5つの条件を満たしたタイプ3などに限られ、インターンシップに参加しなくても本選考には応募できます。外資系や大企業を目指すなら早めに、ベンチャー企業を含めて国内企業を幅広く視野に入れるなら4年生の春以降の選考も見込んで、自分の始め時を決めてください。
正直なところ、「いつから始めるか」よりも「何を比べて決めるか」を早めに持てた人のほうが、納得して進む先を選べている、と私たちは感じています。日程は毎年確認し、学年が上がったら、この記事の表を自分の卒業年次で読み直してみてください。
すでに社会に出ていて、新卒のときの会社選びを見直したいと考えている方は、転職エージェントに無料で相談して、いまの経験で選べる求人を確かめる方法もあります。
