飲食店を辞めたいと感じたら|理由の切り分け方と辞める前にできること、退職の手続き

飲食店を辞めたいと感じたら、まず理由を4つに分けてみてください。長時間・休日、人手不足、立ち仕事やけが、給与のどれが重いかで、辞める前に打てる手が変わります。
意外と知られていないのが、働く人が常時10人未満の飲食店では、法律上の労働時間の上限が週40時間ではなく週44時間になる特例です。
この記事では、理由ごとの確かめ方と辞める前にできること、退職を申し出る時期と手続きまでを、公的な統計と条文で整理します。
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飲食店を辞めたい理由は、4つに分けると確かめやすい
「もう限界」という気持ちは、ひとかたまりで押し寄せてくるものです。けれど中身を分けると、自分の店で変えられることと、変えにくいことが見えてきます。飲食店の正社員・調理・ホールで働く人の悩みは、おおむね次の4つに分けられます。
- 長時間労働と休みの少なさ
- 人手不足で、シフトの穴や仕事が自分に集まる
- 立ち仕事、やけど、転倒といった体の負担とけが
- 給与と賞与が働き方に見合わない
| 理由 | 見分けるヒント | まず確かめること |
|---|---|---|
| 長時間・休日 | 休みが増えれば気持ちが軽くなる | 自分の店の所定労働時間と休日の決まり、実際の勤務時間の記録 |
| 人手不足 | 人が1人増えれば回ると感じる | 正社員とアルバイトの人数、欠員が出たときに誰が埋めているか |
| 体の負担・けが | 体の痛みや、ひやりとした場面が続いている | けがをしたときの報告の流れ、労災保険の手続き |
| 給与 | 同じ時間働くなら、もっと受け取れるはずだと思う | 毎月の給与と賞与の内訳、昇給の決まり方 |
どの理由が一番重いかで、店を変えれば済むのか、業界ごと変えたほうがいいのかが分かれます。 複数が重なっている人も多いはずなので、表の右の列を一つずつ確かめるところから始めてみてください。
同じ思いで実際に店を離れた人が、どのくらいいるのかも見ておきましょう。厚生労働省「令和7年雇用動向調査」(常用労働者5人以上の事業所が対象)によると、2025年1年間の宿泊業,飲食サービス業の一般労働者、つまりパートタイム労働者以外の常用労働者の離職率は21.5%でした。産業計の11.4%のおよそ1.9倍で、16の大産業のなかで最も高い値です。 入職率も24.4%と最も高く、出ていく人も入ってくる人も多い産業だと分かります。
前年からの動きも見ておきましょう。令和6年の同じ調査では、宿泊業,飲食サービス業の一般労働者の離職率は18.1%で、1年で3.4ポイント上がりました。一方、パートタイム労働者の離職率は29.9%から25.0%へ4.9ポイント下がっています。産業計の一般労働者は11.5%から11.4%でほぼ横ばいでした。


ただし、この区分には飲食店だけでなく旅館・ホテルなどの宿泊業も含まれます。また、離職率が示すのは辞めた人の割合で、辞めた理由までは分かりません。
参考:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要 2 産業別の入職と離職」
参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況 2 産業別の入職と離職」
長時間労働と休みの少なさは、まず店のルールを確かめる
労働時間が長い、休みが少ないと感じたら、感覚で判断する前に、法律の線と自分の店の決まりを並べてみましょう。押さえたいのは次の3点です。
- 法律が定める労働時間の上限は、原則として週40時間・1日8時間
- 働く人が常時10人未満の飲食店は、週44時間までの特例がある
- 休日は、毎週1回か、4週間を通じて4日以上が最低限
小さな飲食店には「週44時間」の特例がある
労働基準法第32条は、休憩時間を除いて週40時間・1日8時間を超えて働かせてはならないと定めています。ところが飲食店などの一部の業種では、規模が小さい場合に限り、上限が変わります。根拠は労働基準法施行規則の次の条文です。
条文の「別表第一第十四号」は、労働基準法の別表で「旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業」と書かれている区分です。「常時十人未満の労働者を使用するもの」は、ふだん働いている人が10人に満たない事業場を指します。つまり、常時10人未満で営業している飲食店なら、週44時間までは法律の上限の内側です。 一方で1日8時間の上限は変わりません。


ここで読者の判断が分かれます。小さな店で週42時間ほど働いていても、それだけで法律違反とは言えません。逆に、人数の多い店やチェーンの大型店で同じ時間働いているなら、週40時間を超えた分の扱いを確かめる余地があります。自分の店が何人で回っているかは、アルバイトも含めて数えてみてください。
休日については、労働基準法第35条が「毎週少くとも一回」の休日を与えるよう定め、4週間を通じて4日以上の休日を与える場合はこの限りでないとしています。週休2日は法律の最低限ではなく、会社ごとの決まりです。 求人票や労働条件通知書に書かれた休日と、実際に取れている休日を見比べるのが先でしょう。
残業の上限の考え方は残業時間の平均と多い業界・少ない業界、上限45時間で整理しています。
勤務の記録は、自分の手元にも残す
始業と終業の時刻、休憩が実際に取れたかどうか、休日に呼び出された日。この3つを、店の勤怠とは別に、手帳やスマートフォンのメモへ毎日書き留めておきましょう。店長や本部に相談するときも、社外の窓口に持ち込むときも、具体的な数字があると話が進みます。
参考:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
人手不足のしわ寄せは、人数の少ない正社員などに集まりやすい
アルバイトが急に休んだ日、穴を埋めるのは誰か。飲食店の正社員がつらさを語るとき、この問いがよく出てきます。働く人の構成を統計で見ると、次のことが分かります。
- 宿泊業,飲食サービス業で働く人の78.12%はパートタイム労働者
- 一般労働者1人に対して、パートタイム労働者は約3.6人
- 構成そのものは、店を変えても大きくは変わりにくい
厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」(事業所規模5人以上)によると、宿泊業,飲食サービス業の常用労働者は452万8千人で、そのうちパートタイム労働者の比率は78.12%でした。調査産業計の31.31%と比べると、パートタイム労働者が働く人の大半を占める産業です。 人数で見ると、正社員などパートタイム以外の一般労働者が99万1千人、パートタイム労働者が353万7千人。一般労働者1人に対して、パートタイム労働者が約3.6人いる計算になります。


統計が示しているのは働く人の構成までで、一人ひとりの仕事量ではありません。それでも、少ない正社員などが多くのアルバイト・パートのシフトを組み、教え、欠員が出れば自分が入るという形になりやすい構成であることは読み取れます。
人手不足が「店の問題」か「業界の構造」かを分ける
同じ人手不足でも、店によって中身は違います。欠員がずっと埋まらないまま求人が出続けている店もあれば、繁忙期だけ人が足りない店もあるでしょう。見分けるときは、次の点を確かめてみてください。
- 欠員が出たとき、本部やほかの店舗から応援が来る仕組みがあるか
- アルバイトの採用を、店長以外の誰かが手伝っているか
- 正社員が休日に呼び出される頻度が、月に何回あるか
応援の仕組みや採用の支えがあるなら、店舗を移ることで負担が軽くなる余地があります。どの店でも正社員が穴を埋める前提で回っている会社なら、店を変えても同じことが起きやすいでしょう。正直なところ、私たちが取材で店舗ビジネスの経営者に話を聞いていても、正社員にどこまで負担を寄せないかは会社ごとの考え方がはっきり出る部分だと感じます。
立ち仕事・やけど・転倒は、飲食店で起きやすいけがの型
飲食店の仕事は、気持ちの負担だけでなく体に直接響きます。国の労働災害の統計からは、どんなけがが多いのかが具体的に分かります。
- 飲食店で休業4日以上の労働災害にあった人は、令和7年に5,896人
- 転倒、切れ・こすれ、高温・低温物との接触の3つで67.2%
- アルバイト・パートも労災保険の対象になる
厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況」によると、飲食店で休業4日以上の労働災害にあった人は5,896人でした。会社が労働基準監督署に出す労働者死傷病報告をもとにした数字で、通勤中の事故と新型コロナウイルス感染症へのり患は含みません。令和6年の5,909人とほぼ同じ水準です。平成28年の4,791人と比べると1,105人多くなっています。
事故の型で見ると、最も多いのは転倒の1,862人で全体の31.6%。次いで切れ・こすれが1,061人(18.0%)、高温・低温物との接触が1,037人(17.6%)でした。この3つを合わせると3,960人で、飲食店の死傷者の67.2%を占めます。 動作の反動・無理な動作は599人、墜落・転落は353人です。


ほかの業種と比べると、飲食店らしさがよく見えます。小売業は死傷者が16,464人と飲食店の約2.8倍ですが、高温・低温物との接触は435人(2.6%)、切れ・こすれは952人(5.8%)にとどまりました。人数の規模が違っても、やけどと切り傷の人数は飲食店のほうが多いのです。
被災した人の年齢を見ると、19歳以下が757人、20〜24歳が910人で、24歳以下の1,667人が28.3%を占めます。若い人が多く働く職場であることも映した数字なので、若い人ほどけがをしやすいという意味ではありません。
アルバイトでも、仕事中のけがは労災保険の対象
厚生労働省は、パート・アルバイトの人も労災保険給付を受けられ、正規雇用の人と同じように給付されると案内しています。事業主との雇用関係があり賃金を受けていれば、働き方の名前は問いません。やけどや転倒で病院にかかるときは、仕事中のけがであることを伝え、店長に報告して労災の手続きを取ってもらいましょう。
床のすべり、油の扱い、包丁の置き場所。けがの原因が店の設備や手順にあるなら、それは辞める前に直せる可能性のある部分です。同じ場面でひやりとすることが続いているなら、日時と場所を書き留めて店長に伝えてください。立ち続けることによる腰や足の負担と、会社に求められているいすや休憩の決まりは、立ち仕事がきついのはなぜ?腰と足の負担と座り仕事への移り方で取り上げています。
参考:厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」
参考:厚生労働省「労働災害発生状況」
参考:厚生労働省「1-3 パート、アルバイトなどの非正規雇用でも、労災保険給付を受け取ることができるのでしょうか。正規雇用の場合と何か違いはあるのでしょうか。」
給与は、毎月の額と賞与などの特別給与を分けて見る
給与への不満は、「少ない」という一言でまとめずに、どこが少ないのかを分けると次の一手が見えてきます。
- 一般労働者の月平均の現金給与総額は、調査産業計の77.5%
- 毎月決まって支給される給与の差は約15%
- 賞与などの特別に支払われた給与は、調査産業計の半分以下
厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」で一般労働者の月平均の給与を見ると、宿泊業,飲食サービス業の現金給与総額は361,140円で、調査産業計の465,923円の77.5%でした。内訳を分けると、毎月決まって支給される給与は313,922円で調査産業計の368,111円の85.3%。賞与などの特別に支払われた給与は47,218円で、調査産業計の97,812円の48.3%にとどまります。 差額で見ても、毎月決まって支給される給与の差が54,189円、特別に支払われた給与の差が50,594円と、ほぼ同じ大きさです。


月平均の特別に支払われた給与は、1年間に支払われた賞与などを月ごとにならした値だと考えてください。毎月の給与明細だけを見ていると、この部分の差には気づきにくいものです。
自分の場合を確かめるなら、源泉徴収票の年間の支払金額と、給与明細の総支給額の12か月分を並べてみてください。差がおおよそ賞与などの分にあたります。賞与の支給実績、昇給の時期と決まり方を就業規則や賃金規程で確かめ、分からなければ店長や人事に聞きましょう。昇給や賞与の決まり方を説明してもらえるかどうかは、その会社で給与が上がる見込みを測る手がかりになります。 年齢ごとの賃金の伸び方は、飲食から転職するには?店長経験の伝え方と転職先で詳しく扱っています。
辞める前にできること:店舗異動・シフトの相談・社外の窓口
理由が分かったら、辞める前に試せることを順に当たってみましょう。飲食店で使いやすいのは次の3つです。
- チェーンなら、店舗や業態、本部への異動を相談する
- シフトと休みの組み方を、記録をもとに具体的に相談する
- 社内で動かないときは、社外の窓口を使う
店舗異動や業態の変更を相談する
複数の店舗を持つ会社なら、辞める前に異動を相談する道があります。人手の足りている店、深夜営業のない店、ランチ中心の業態、セントラルキッチンや本部の仕事。同じ会社の中でも、働き方はかなり変わります。人間関係や特定の店舗の忙しさが理由なら、異動で解決する可能性は十分あるでしょう。
店長として残業代が出ない扱いになっていて、それが辞めたい理由なら、その扱いが法律に合っているかを先に確かめる価値があります。判断の材料は店長の転職|名ばかり管理職の判断基準でまとめています。
シフトと休みは、記録をもとに具体的に相談する
「休みが少ない」と伝えるより、「先月は休日が4日で、うち2日は呼び出された」と伝えるほうが、相手は動きやすくなります。連休を月1回取りたい、閉店後の作業を交代制にしたいなど、具体的な形で希望を出してみてください。
入社のときに示された労働条件と実際が違うなら、記録はさらに大事になります。労働基準法第15条第2項は、明示された労働条件が事実と違う場合、働く人はすぐに労働契約を解除できると定めています。
社内で動かないときは、総合労働相談コーナーへ
店長や本部に相談しても変わらないときは、社外の窓口を使えます。総合労働相談コーナーは都道府県労働局や労働基準監督署の中などに378か所あり、予約不要・無料で相談できます。
厚生労働省「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、令和7年度に寄せられた総合労働相談は1,198,010件。そのうち会社と働く人のあいだのトラブルにあたる民事上の個別労働関係紛争の相談は277,053件でした。相談内容別では、いじめ・嫌がらせが55,614件で最多、次いで自己都合退職が38,386件です。辞めることをめぐる相談も、公的な窓口には数多く寄せられているのです。 なお、1回の相談が複数の内容にまたがる場合は、それぞれの内容に計上されています。
参考:厚生労働省「「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します」
参考:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
辞めると決めたら:退職の申し出は、法律では2週間が線
辞めると決めたら、退職の申し出と手続きの順番を押さえておきましょう。人手不足の店ほど引き止められやすいので、法律の線を知っておくと落ち着いて話せます。
- 正社員など期間の定めのない雇用は、申し出から2週間で終了する
- 契約期間のある雇用は、ルールが別になる
- 「辞めるなら罰金」という約束は、労働基準法で禁じられている
- 有給休暇の残りと、退職後に必要な書類を確かめておく
期間の定めのない雇用は、申し出から2週間で終わる
退職の申し出について、民法は次のように定めています。
「雇用の期間を定めなかったとき」は、契約期間の決まっていない正社員などの働き方を指します。「解約の申入れ」は、ここでは働く人から会社に辞めると伝えることです。期間の定めのない雇用なら、辞めると伝えた日から2週間がたてば、会社が認めるかどうかにかかわらず雇用は終わる、というのが条文の定めです。 同じ条の第2項と第3項は、会社の側から申し入れる場合について定めた項にあたります。
就業規則に「1か月前までに申し出る」などの定めがある場合もあります。後任探しやシフトの組み直しに時間がかかるのも事実なので、就業規則を確かめたうえで、引き継ぎの期間も含めて退職日を相談するのが現実的でしょう。切り出し方や伝える順番は退職の伝え方|上司への切り出し方・タイミングで例文つきで紹介しています。
契約社員のように期間の定めのある雇用では、ルールが変わります。民法第628条は、やむを得ない事由があるときは直ちに契約を解除できるとしていますが、その事由が自分の過失で生じたものなら相手に損害賠償の責任を負うとも定めています。労働基準法第137条は、1年を超える期間の契約を結んだ人が、契約の初日から1年を過ぎたあとはいつでも退職を申し出られると定めています。ただし、一定の事業の完了までの契約や、高度な専門知識を持つ人などの契約は除かれます。自分の契約に期間があるかは、労働条件通知書で確かめてください。
「辞めるなら損害賠償」と言われたら
人手が足りない店で辞めると伝えると、「シフトに穴が空いたら損害を払ってもらう」と言われることがあるかもしれません。労働基準法第16条は、会社が労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額をあらかじめ決めておく契約をしたりすることを禁じています。「辞めたら罰金○万円」のような取り決めは、この条文で禁止されているものです。 ただし、実際に生じた損害の請求そのものまで禁じた条文ではありません。言われて困ったときは、やり取りを記録したうえで総合労働相談コーナーに相談してください。
有給休暇と退職後の書類を確かめる
退職を申し出る前に、有給休暇の残日数を確かめておきましょう。労働基準法第39条にもとづく年次有給休暇は、正社員だけでなく、条件を満たすアルバイト・パートにも付与されます。最終出勤日と退職日を分けて設定すれば、残りを消化する余地が生まれます。
退職後には、雇用保険の手続きに使う離職票、次の職場に出す源泉徴収票などが必要になります。在職中の業務の種類や地位、賃金などを証明してほしいときは、労働基準法第22条により、請求すれば会社は遅滞なく証明書を交付しなければなりません。辞めたあとの収入の見通しは、仕事辞めたいけど次がない|辞めたあとのお金で確かめられます。


参考:e-Gov法令検索「民法」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
飲食の仕事を続けるか、業界を変えるか
理由を分けて試すことを試したら、最後に残るのは「店を変えるか、業界を変えるか」という問いです。
- 人間関係や特定の店舗の忙しさが理由なら、同じ業界の別の会社で解決する余地がある
- 長時間労働や人手不足が会社全体の運営の仕方から来ているなら、会社を変える意味がある
- 立ち仕事や深夜の勤務そのものが合わないなら、業界を変える選択肢も入ってくる
飲食で積んだ経験は、思っている以上に持ち出せます。シフト作成、アルバイトの採用と教育、原価の管理。どれも他業界の言葉に置き換えられる仕事です。転職先の候補と経験の書き方は、飲食から転職するには?店長経験の伝え方と転職先を求人倍率つきで整理にまとめています。
店舗を伸ばしてきた会社の経営者が、現場の人に何を任せ、どう支えているのかは、熱狂ベンチャーナビの経営者インタビューで本人の言葉として読めます。次の職場を選ぶときに、どんな会社なら同じ理由で辞めずに済むかを考える材料になるはずです。
飲食店を辞めたいときに関するよくある質問
飲食店で働く人の離職率は、どのくらいですか?
厚生労働省「令和7年雇用動向調査」(常用労働者5人以上の事業所)によると、2025年1年間の宿泊業,飲食サービス業の一般労働者の離職率は21.5%で、産業計の11.4%のおよそ1.9倍でした。 16の大産業のなかで最も高い値で、前年の18.1%から3.4ポイント上がっています。パートタイム労働者の離職率は25.0%でした。この区分には旅館・ホテルなどの宿泊業も含まれ、離職率からは辞めた理由までは分かりません。
参考:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要 2 産業別の入職と離職」
参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況 2 産業別の入職と離職」
飲食店を辞めるときは、何日前に伝えればいいですか?
正社員など期間の定めのない雇用なら、民法第627条第1項により、辞めると伝えた日から2週間で雇用は終わります。 就業規則に1か月前などの定めがある場合は、引き継ぎやシフトの都合も含めて退職日を相談するのが現実的です。契約社員など期間の定めのある雇用では、やむを得ない事由がある場合の民法第628条や、1年を超える契約の初日から1年を過ぎた後の労働基準法第137条など、別のルールが適用されます。
人手不足を理由に辞めさせてもらえないときは、どうすればいいですか?
期間の定めのない雇用なら、民法第627条第1項により、辞めると伝えた日から2週間がたてば雇用は終わります。 伝えた日付が残るよう、メールや書面でも申し出ておくと安心です。「辞めたら罰金」のように違約金や損害賠償額をあらかじめ決める契約は、労働基準法第16条で禁じられています。社内で話が進まないときは、全国378か所の総合労働相談コーナーに予約不要・無料で相談できます。令和7年度の民事上の個別労働関係紛争の相談のうち、自己都合退職に関するものは38,386件ありました。
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
参考:厚生労働省「「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します」
アルバイトでも、仕事中のやけどや転倒は労災になりますか?
なります。 厚生労働省は、パート・アルバイトの人も労災保険給付を受けられ、給付は正規雇用の人と同じだと案内しています。令和7年の労働災害の統計では、飲食店で休業4日以上の労働災害にあった5,896人のうち、転倒が1,862人、切れ・こすれが1,061人、高温・低温物との接触が1,037人でした。仕事中のけがで病院にかかるときは、その旨を伝え、店長に報告して手続きを取ってもらいましょう。
参考:厚生労働省「1-3 パート、アルバイトなどの非正規雇用でも、労災保険給付を受け取ることができるのでしょうか。正規雇用の場合と何か違いはあるのでしょうか。」
参考:厚生労働省「労働災害発生状況」
小さな飲食店で週44時間働くのは、違法ではないのですか?
常時10人未満の労働者で営業している飲食店なら、週44時間・1日8時間までは法律の上限の内側です。 労働基準法施行規則第25条の2第1項が、旅館、料理店、飲食店などのうち常時10人未満の事業場について、週40時間の原則にかかわらず週44時間まで働かせることができると定めています。1日8時間の上限は変わりません。10人以上の店なら原則どおり週40時間が上限なので、自分の店がアルバイトも含めて何人で回っているかを数えてみてください。
まとめ
飲食店を辞めたいと感じたら、理由を長時間・休日、人手不足、立ち仕事やけが、給与の4つに分けて確かめてみてください。令和7年雇用動向調査では、宿泊業,飲食サービス業の一般労働者の離職率は21.5%と産業計の約1.9倍。毎月勤労統計では働く人の78.12%がパートタイム労働者で、飲食店の労働災害は転倒、切れ・こすれ、高温・低温物との接触の3つで67.2%を占めました。常時10人未満の飲食店では週44時間までの特例があり、店のルールを知ってから判断するほうが確かです。
辞める前には、店舗異動、記録をもとにしたシフトの相談、総合労働相談コーナーという順に手があります。辞めると決めたら、期間の定めのない雇用は民法第627条第1項により申し出から2週間で終わり、「辞めたら罰金」という取り決めは労働基準法第16条で禁じられています。
参考:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要 2 産業別の入職と離職」
参考:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」
参考:厚生労働省「労働災害発生状況」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」
参考:e-Gov法令検索「民法」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
私たち編集部は、飲食の現場を離れたいという気持ちを、根性が足りないからだとは考えていません。理由を分けて確かめたうえで出した結論なら、続けるにしても辞めるにしても、次の職場選びで同じ迷いをくり返しにくくなるはずです。
続けるか移るかを決める前に、飲食で積んだ経験がどんな求人で評価されるのかを一度確かめておくと、判断の材料が増えます。

