第二新卒の転職の進め方|在職中に始める手順と短期離職の伝え方、企業が見る点

第二新卒の転職は、今の会社に籍を置いたまま、自己分析、応募書類、面接、退職の順に進めるのが基本です。国の調査でも、25〜29歳の転職者の72.6%が在職中に活動を始めていました。

若手の定着に取り組む企業では、採用前に仕事や職場を詳しく説明する動きが広がっています。面接は、こちらが確かめる場でもあるのです。

この記事では、在職中に進める5つの手順、在籍期間に合わせた辞めた理由の伝え方、未経験の職種に移る準備、採用する側が見ている点を整理します。

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目次

第二新卒の転職を取り巻く状況|中途採用で人手を補う企業が多く、早い離職も珍しくない

第二新卒は、一般に学校を卒業しておおむね3年以内に転職を考える人を指す言葉です。意味や既卒との違いは第二新卒とは?意味と既卒との違い、新卒枠への応募や企業が見る点に、何年目・何歳までが目安かは第二新卒はいつまで?何年目・何歳までの目安と、4年目以降の選択肢に譲り、ここでは動き出す前に知っておきたい状況を3つに絞ります。

  • 人手が足りない部門への手当てとして、最も多く選ばれているのは中途採用
  • 働く15〜34歳の4割強は、卒業後に初めて勤めた会社をすでに離れている
  • 若手の自己都合退職は、企業の側でも珍しい出来事ではない

人手不足への手当てで最も多いのは、中途採用の拡大

人手が足りない部門を抱えた事業所が最も多く選んでいる手当ては、中途採用です。 厚生労働省の労働経済動向調査(令和8年8月)によると、常用労働者30人以上の民営事業所で、正社員等の労働者が「不足」と答えた事業所は50%、「過剰」は3%。差し引いた過不足判断D.I.は+47ポイントでした。

同じ調査で、令和8年4〜6月期に人手が不足している部門があった事業所は81%、何らかの対応をした事業所は67%です。対応した事業所が選んだ中身(複数回答)は「中途採用の開始・拡大・強化」66%が最も多く、「新規学卒者の採用の開始・拡大・強化」49%、「業務の効率化の推進」42%、「在職者の労働条件の改善(賃金)」40%、「求人条件(募集賃金)の引き上げ」38%と続きました。複数回答のため、合計は100%になりません。

労働経済動向調査(令和8年8月)で、労働者が不足している部門等に対応した事業所の対応内容(複数回答、令和8年4〜6月期実績)。中途採用の開始・拡大・強化66%、新規学卒者の採用の開始・拡大・強化49%、業務の効率化の推進42%、在職者の労働条件の改善(賃金)40%、求人条件(募集賃金)の引き上げ38%。
労働経済動向調査(令和8年8月)で、労働者が不足している部門等に対応した事業所の対応内容(複数回答、令和8年4〜6月期実績)。中途採用の開始・拡大・強化66%、新規学卒者の採用の開始・拡大・強化49%、業務の効率化の推進42%、在職者の労働条件の改善(賃金)40%、求人条件(募集賃金)の引き上げ38%。

若手に限った数字ではないため、社会人経験の短い人を想定した求人かどうかは、応募資格に書かれた経験年数などで確かめてください。

働く15〜34歳の4割強は、最初の会社をすでに離れている

最初の職場を早くに離れるのは、珍しい動きではありません。厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)」(令和8年10月公表)によると、就職後3年以内の離職率は大学卒で31.2%、高校卒で36.9%でした。

厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査では、常用労働者5人以上の事業所で働く15〜34歳のうち、学校に在学していない人の42.7%が、卒業後に初めて勤めた会社にはもう勤めていませんでした。最初の会社を離れた経験は、働く若手のあいだで珍しいものではないのです。 卒業からの年数で区切っていないため、3年以内の離職率とは数え方が違う点に気をつけてください。

若手の自己都合退職は、企業にとっても身近な出来事

同じ令和5年若年者雇用実態調査で、過去1年間(令和4年10月〜令和5年9月)に若年労働者がいた事業所のうち、自己都合で辞めた若年労働者がいた事業所は40.9%。辞めた人の雇用形態(複数回答)で見ると、正社員が辞めた事業所が28.4%でした。

若手の退職が企業にとっても身近な出来事だからこそ、面接では、辞めた理由とあわせて、次の職場で続けられそうかが確かめられると考えておきましょう。辞めた事実を小さく見せるより、同じことが起きないと言える根拠を用意するほうに力を使いたいところです。 第二新卒の転職が「やめとけ」と言われる理由を統計で確かめたいときは、第二新卒はやめとけは本当?6つの理由を統計で確かめる|動く前の判断基準も参考にしてください。

参考:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8(2026)年8月)の概況」
参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)を公表します」
参考:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」

第二新卒の転職の進め方|在職中に進める5つの手順

第二新卒の転職は、次の5つの手順で進めます。在職中に動くなら1と2を並行させ、応募書類を早めに仕上げておくと、面接の日程を組むときに慌てずにすみます。

  • 自己分析で、転職で変えたいことを1つに絞る
  • 求人の探し方を組み合わせて、応募先を選ぶ
  • 応募書類で、短い在籍期間の中身を見せる
  • 面接で、辞めた理由と次にやりたいことをつなげる
  • 内定後に労働条件を書面で確かめ、退職を申し出る

この順番にも意味があるのです。とりわけ退職の申し出を内定と入社日が決まったあとにすれば、収入が途切れる期間をつくらずに次の職場へ移りやすくなります。

第二新卒の転職を在職中に進める5つの手順。1 自己分析:合わなかった点を仕事の中身・働く条件・人や組織の進め方に分け、次の職場で必ず変えたいことを1つに絞る。2 情報収集:求人サイト・転職エージェント・ハローワークを組み合わせて求人を比べる。3 応募書類:研修で覚えた業務や扱った件数、自分なりの工夫で短い在籍期間の中身を見せる。4 面接:辞めた理由と次にやりたいことをつなげ、配属や最初に担当する仕事を確かめる。5 内定・退職:労働条件を書面で確かめ、入社日が決まってから退職を申し出る。
第二新卒の転職を在職中に進める5つの手順。1 自己分析:合わなかった点を仕事の中身・働く条件・人や組織の進め方に分け、次の職場で必ず変えたいことを1つに絞る。2 情報収集:求人サイト・転職エージェント・ハローワークを組み合わせて求人を比べる。3 応募書類:研修で覚えた業務や扱った件数、自分なりの工夫で短い在籍期間の中身を見せる。4 面接:辞めた理由と次にやりたいことをつなげ、配属や最初に担当する仕事を確かめる。5 内定・退職:労働条件を書面で確かめ、入社日が決まってから退職を申し出る。

1. 自己分析:転職で変えたいことを1つに絞る

最初にやるのは、今の職場で合わなかったことを、次の職場選びに使える形に直す作業です。合わなかった点を「仕事の中身」「働く条件(時間・休み・給与)」「人や組織の進め方」に分けると、整理しやすくなります。

そのうえで、次の職場で必ず変えたいことを1つ、できれば満たしたい条件を2〜3つに絞りましょう。必ず変えたいことを1文で言えれば、求人を絞り込むときにも、面接で辞めた理由を聞かれたときにも、同じ答えを軸にできます。

2. 情報収集:求人の探し方を組み合わせる

求人の探し方は主に次の3つで、組み合わせると求人を比べやすくなります。

探し方できること向いている場面
マイナビ・リクナビなどの求人サイト自分で条件を入れて求人を探し、比べて応募する業界や職種ごとの求人の傾向をつかみたいとき
転職エージェント担当者が希望と経歴を聞いて求人を紹介し、書類や面接の準備、日程の調整を手伝う在職中で時間が限られるとき、経歴の見せ方に迷うとき
ハローワーク公的な窓口で求人を探し、職業相談を受ける地元の求人を探したいとき、対面で相談したいとき

転職エージェントの費用が気になる人もいるでしょう。転職エージェントは、職業安定法では厚生労働大臣の許可を受けた「有料職業紹介事業者」にあたり、求職者からの手数料について次のように定められています。

“
有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。ただし、手数料を求職者から徴収することが当該求職者の利益のために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、同項各号に掲げる場合に限り、手数料を徴収することができる。
職業安定法(昭和22年法律第141号)
第32条の3第2項
条文を見る

「前項」は、事業者が手数料を受け取れる場合を定めた第1項のこと。手数料を受け取る場面はあっても、求職者から取ることは原則として禁じられている、という意味です。ただし書の例外は職業安定法施行規則に定められていて、芸能家やモデルの職業への紹介と、科学技術者・経営管理者・熟練技能者の職業に一定額を超える賃金で就く人の紹介に限られています。事務や営業、販売といった職種の求人を紹介してもらう場面は、この例外にあたりません。

職業安定法第32条の16第3項と同法の施行規則は、有料職業紹介事業者に、紹介で就職した人の数や、期間の定めのない雇用で就職した人のうち6か月以内に辞めた人の数(解雇などによる離職を除く)を、インターネットで提供することも義務づけています。紹介先で人が定着しているかは、相談先を選ぶ材料になります。

3. 応募書類:短い在籍期間の中身を見せる

在籍が1〜2年だと、職務経歴書に書くことがないと感じるかもしれません。それでも、材料は次のようなところに残っています。

  • 研修や配属後に覚えた業務と、使えるようになった道具やシステム
  • 1日や1か月あたりに扱った件数、担当した顧客や案件の数
  • 手順を変えた、ミスを減らした、引き継ぎ資料を作ったといった自分なりの工夫

在籍期間が短いほど、「何年いたか」より「何をどれだけやったか」を数字で見せる意味が大きくなります。 項目ごとの書き方や職種別の見本は、職務経歴書の書き方|4職種の見本とテンプレート、自己PRのコツと履歴書との違いにまとめました。履歴書の職歴欄には、入社と退職の年月をそのまま書いておきましょう。

4. 面接:辞めた理由と、次にやりたいことをつなげる

短い在籍期間で辞める理由は、面接で聞かれるものと考えておきましょう。手順1で決めた「次の職場で必ず変えたいこと」を軸に、応募先ならそれが実現できると考えた根拠までつなげて答えます。理由別の言い回しは転職理由の例文|面接と履歴書で使える理由別の伝え方、ネガティブな本音の言い換えで紹介しています。

一度ミスマッチを経験したからこそ、入社後の姿は具体的に確かめておきたいところ。たとえば、次のように聞くことができます。

  • 配属先と最初に担当する仕事は、いつ、どのように決まりますか
  • 入社後の面談や評価は、どのくらいの間隔で行われますか
  • 求人票の仕事内容のうち、入社してすぐに担当する範囲はどこまでですか

5. 内定・退職:労働条件を書面で確かめてから申し出る

内定が出たら、まず労働条件を書面で確かめます。仕事の内容、勤務地、賃金の内訳、試用期間の有無と条件は、求人票や面接で聞いた話と照らし合わせておきましょう。2024年4月からは、全ての労働契約の締結時に「就業場所・業務の変更の範囲」も明示する事項に加わりました。入社後に担当する仕事や勤務地がどこまで変わりうるかは、書面のこの欄で確かめられます。

退職の申し出は、入社日が決まってから行います。期間の定めのない雇用なら、民法第627条第1項により、解約を申し入れた日から2週間で雇用は終わります。ただ、引き継ぎや有給休暇の消化まで考えると、就業規則にある申し出の期限に合わせて早めに伝えるのが現実的でしょう。上司への切り出し方や引き止められたときの返し方は、退職の伝え方|上司への切り出し方・タイミング・理由と引き止めの断り方の例文で詳しく紹介しています。

参考:e-Gov法令検索「職業安定法」
参考:e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」
参考:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」
参考:e-Gov法令検索「民法」

在職中に進める?辞めてから進める?|転職者の統計で考える

在職中に動くか、先に辞めるかは迷いやすいところです。統計と制度から言えるのは、次の3点です。

  • 20代で転職した人の6〜7割は、在職中に活動を始めていた
  • 20代の転職者のおよそ半数は、離職期間なしか1か月未満で次の職場に移っている
  • 辞めてから探すなら、雇用保険の基本手当を受け取れるかを先に確かめる

20代で転職した人の6〜7割は、在職中に動き出していた

20代で転職した人の多くは、前の会社に籍を置いたまま活動を始めています。 厚生労働省の令和7年転職者実態調査は、常用労働者5人以上の事業所に令和6年10月から令和7年9月までに採用されたフルタイムの転職者を調べたものです。転職活動を始めた時期を年齢別に見ると、「直前の勤め先の離職前(在職中)に始めた」は20〜24歳で65.9%、25〜29歳で72.6%。「離職後に始めた」は29.6%と26.4%でした。

在職中に始めた人に絞ると、離職の「1か月以上3か月未満」前に始めた人がどちらの年代でも最も多く、20〜24歳で42.3%、25〜29歳で39.2%です。離職前1か月未満に始めた人は、20〜24歳の23.7%に対して25〜29歳では11.1%でした。

20代の転職者のおよそ半数は、1か月もあけずに次の職場へ移っている

同じ調査では、前の勤め先を辞めてから今の勤め先に勤めるまでの期間も、年齢別に集計しています。「離職期間なし」と「1か月未満」を合わせると20〜24歳で46.9%、25〜29歳で53.2%と、20代の転職者のおよそ半数が1か月もあけずに次の職場に移っていました。 内訳は、20〜24歳が「離職期間なし」15.9%、「1か月未満」31.0%、「1か月以上2か月未満」21.5%、「2か月以上4か月未満」10.1%で、4か月以上は合わせて17.2%。25〜29歳は「離職期間なし」24.0%、「1か月未満」29.2%、「1か月以上2か月未満」11.2%、「2か月以上4か月未満」11.9%で、4か月以上は合わせて21.1%でした。

令和7年転職者実態調査で、直前の勤め先を離職してから今の勤め先に勤めるまでの期間を20〜24歳と25〜29歳で比べたグラフ。離職期間なし15.9%・24.0%、1か月未満31.0%・29.2%、1か月以上2か月未満21.5%・11.2%、2か月以上4か月未満10.1%・11.9%、4か月以上6か月未満2.8%・9.7%、6か月以上8か月未満5.2%・4.9%、8か月以上10か月未満3.5%・2.0%、10か月以上5.7%・4.5%。離職期間なしと1か月未満を合わせると20〜24歳46.9%、25〜29歳53.2%。
令和7年転職者実態調査で、直前の勤め先を離職してから今の勤め先に勤めるまでの期間を20〜24歳と25〜29歳で比べたグラフ。離職期間なし15.9%・24.0%、1か月未満31.0%・29.2%、1か月以上2か月未満21.5%・11.2%、2か月以上4か月未満10.1%・11.9%、4か月以上6か月未満2.8%・9.7%、6か月以上8か月未満5.2%・4.9%、8か月以上10か月未満3.5%・2.0%、10か月以上5.7%・4.5%。離職期間なしと1か月未満を合わせると20〜24歳46.9%、25〜29歳53.2%。

この短さと重なるのが、在職中に動き出した人の多さです。活動を始めた時期別の集計(全年齢)では、在職中に始めた人の66.7%が離職期間なしか1か月未満で次の職場に移っていたのに対し、辞めてから探し始めた人では次の職場に就くまで4か月以上かかった人が56.3%と半数を超えていました。休養や学び直しの時間も含む期間なので活動にかかった月数とは限りませんが、先に辞めるなら、収入のない期間を数か月単位で見込んでおく必要があると読めます。

在職中に進めるなら、面接は有給休暇や終業後の時間で受けられるよう、応募先と日程を相談します。やりとりに会社のパソコンやメールアドレスを使わない、といった線引きも最初に決めておきましょう。

辞めてから進めるなら、基本手当の受給資格を先に確かめる

心身の不調などで、先に辞めたほうがよい場合もあります。そのとき収入の支えになるのが雇用保険の基本手当ですが、入社から日が浅いと、受け取る条件を満たしていないことがあります。

“
基本手当は、被保険者が失業した場合において、離職の日以前二年間(中略)に、次条の規定による被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、この款の定めるところにより、支給する。
雇用保険法(昭和49年法律第116号)
第13条第1項
条文を見る

「被保険者期間」は雇用保険に入っていた期間のことで、離職日からさかのぼって1か月ごとに区切り、賃金の支払いの基礎になった日数が11日以上(または80時間以上)ある月を1か月として数える決まりです。入社して1年たたずに自己都合で辞めると、この「通算して12か月以上」に届かないことがあります。

ただし、体力の不足や心身の障害、病気・けがなど、正当な理由のある自己都合退職は「特定理由離職者」にあたり、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あれば受給資格を得られます。正当な理由のない自己都合退職では、7日間の待期に加えて給付制限があり、退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月です。過去5年間に、正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格の決定を受けている場合は3か月になります。病気やけがですぐに働けない間は受け取れませんが、30日以上働けない状態が続くときは、受給期間の延長を申請できます。

参考:政府統計の総合窓口 e-Stat「雇用の構造に関する実態調査(令和7年転職者実態調査)表番号26 性、年齢階級・最終学歴・直前の勤め先の産業・直前の勤め先の企業規模・直前の勤め先での職種・直前の勤め先での役職・直前の勤め先での就業形態・直前の勤め先を離職した理由・直前の勤め先を離職した後の現在の勤め先に勤務するまでの期間・企業規模・現在の勤め先での就業形態、直前の勤め先を離職する前の転職活動の有無、直前の勤め先を離職する前に転職活動を開始した時期階級別転職者割合」
参考:政府統計の総合窓口 e-Stat「雇用の構造に関する実態調査(令和7年転職者実態調査)表番号27 性、年齢階級・最終学歴・直前の勤め先の産業・直前の勤め先の企業規模・直前の勤め先での職種・直前の勤め先での役職・直前の勤め先での就業形態・直前の勤め先を離職した理由・直前の勤め先を離職する前の転職活動開始の有無・直前の勤め先を離職する前に転職活動を開始した時期階級・雇用保険の基本手当(失業手当)受給の有無・企業規模・現在の勤め先での就業形態、直前の勤め先を離職した後の現在の勤め先に勤務するまでの期間階級別転職者割合」
参考:e-Gov法令検索「雇用保険法」
参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
参考:ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
参考:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」

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短期離職の理由の伝え方|在籍期間で変わる「辞めた理由」

短期離職の理由は、どのくらい勤めたかによって伝え方を変えるのが近道です。押さえたいのは次の3点です。

  • 若手が初めての会社を辞めた理由の上位は、労働時間・休日、人間関係、賃金、仕事が合わない
  • 在籍3か月未満では人間関係、2〜3年では労働時間と賃金を挙げる人の割合が高い
  • 伝え方は、在籍期間に合わせて話の重心を変える

在籍期間によって、辞めた理由の顔ぶれは変わる

厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査は、15〜34歳の若年労働者のうち、卒業後に初めて勤めた会社を辞めた人に、その理由を3つまで選んでもらっています。上位は「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」28.5%、「人間関係がよくなかった」26.4%、「賃金の条件がよくなかった」21.8%、「仕事が自分に合わない」21.7%でした。複数回答のため、合計は100%を超えます。

勤めた期間で分けると、顔ぶれが変わります。在籍3か月未満で辞めた人では「人間関係がよくなかった」が52.3%と半数を超え、「仕事が自分に合わない」42.1%、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」40.8%が続きました。 「賃金の条件がよくなかった」は22.4%です。2年以上3年未満で辞めた人では「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」30.3%と「賃金の条件がよくなかった」30.0%が上位に並び、「人間関係がよくなかった」は23.1%、「仕事が自分に合わない」は18.8%でした。

令和5年若年者雇用実態調査で、初めて勤務した会社をやめた理由(3つまでの複数回答)を在籍3か月未満と2年以上3年未満で比べたグラフ。人間関係がよくなかった52.3%・23.1%、仕事が自分に合わない42.1%・18.8%、労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった40.8%・30.3%、賃金の条件がよくなかった22.4%・30.0%。
令和5年若年者雇用実態調査で、初めて勤務した会社をやめた理由(3つまでの複数回答)を在籍3か月未満と2年以上3年未満で比べたグラフ。人間関係がよくなかった52.3%・23.1%、仕事が自分に合わない42.1%・18.8%、労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった40.8%・30.3%、賃金の条件がよくなかった22.4%・30.0%。

参考:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」

在籍期間に合わせて、話の重心を変える

在籍期間が違えば、面接官が気にする点も、こちらが出せる材料も変わります。目安として整理すると次のとおりです。

在籍期間話の重心添えたい材料面接で確かめられやすいこと
半年未満入社前に思い描いていたことと実際の違いを1つに絞り、事実として短く話す研修や配属後に覚えたこと、違いに気づいてから試したこと今回の応募先について、何をどう確かめたか
半年〜1年半担当した仕事の中で見えた、向いていることと次に求めたいこと任された仕事の量、自分で変えた手順や工夫異動や相談など、社内で打てる手はなかったか
1年半〜3年積んだ経験と、次に伸ばしたい範囲数字で示せる実績、後輩の指導や任された役割経験を応募先でどう生かすか、条件面で何を変えたいのか

在籍が半年に満たない場合は、話せる経験が少ないぶん、次の会社を選んだ基準の具体さが問われます。たとえば「入社前は研修で基礎を固めてから配属されると理解していましたが、実際は初日から一人で担当を持つ形でした。今回は面接で、最初の3か月に誰から何を教わるのかを伺ったうえで応募しています」と話せば、事実と次の選び方が一続きになります(架空の例)。

2〜3年で辞めた人では、先の調査でも労働時間や賃金を挙げる割合が高くなっていました。その時間を何に使いたいのか、どんな成果をどう評価されたいのかまで添えると、条件だけで会社を選んでいるという印象を避けやすくなります。

人間関係が理由のときは、相手の人柄を評価する言い方を避け、指導の体制や相談できる相手がいなかったといった職場の状態として伝えます。体調を崩して辞めた場合も、病名や経緯をすべて話す必要はありません。いまは働ける状態にあることと、配慮してほしいことがあればその内容を、短く伝えれば足ります。

正直なところ、在籍期間の短さそのものより、辞めた理由と次の会社を選んだ理由がつながっているかのほうが、話を聞く側の記憶に残るものだと私たちは感じています。

未経験の職種に挑戦するときの進め方

第二新卒の転職では、職種を変えることを考える人もいるでしょう。未経験の職種に移るときに押さえたいのは次の2点です。

  • 前の職場の経験を、職種名ではなく「何ができるか」に分けて持っていく
  • 学び直すなら、教育訓練給付の受給条件を先に確かめる

経験を「何ができるか」に分けて持っていく

前の職場の経験を「営業をしていた」「事務をしていた」と職種名で語ると、応募先の仕事とのつながりが見えにくくなります。担当した仕事を「調べる」「まとめる」「説明する」「段取りを組む」「数字を管理する」といった動きに分けると、応募先でも使える部分が見つけやすくなるはずです。

応募書類や面接で経験を語るときは、職種名が一致するかどうかではなく、前の職場で身につけた動きのうち応募先でも使えるものから話し始めましょう。 入社後に覚えることを自分でどう学んでいくつもりかを添えると、受け入れる側も育て方を描きやすくなります。

学び直すなら、教育訓練給付の受給条件を先に確かめる

新しい職種に必要な知識を講座で身につけたい場合、厚生労働大臣が指定した講座なら、雇用保険の教育訓練給付を使える可能性があります。ただし、受け取るには雇用保険に入っていた期間の条件があり、卒業後3年以内の第二新卒は、ちょうどその境目にいるのです。

種類支給の目安初めて受け取る場合の加入期間
一般教育訓練受講費用の20%(上限10万円)1年以上
特定一般教育訓練受講費用の40%(上限20万円)。資格取得などをして1年以内に雇用されると50%(上限25万円)1年以上
専門実践教育訓練受講費用の50%(年間上限40万円)。資格取得などをして1年以内に雇用されると70%(年間上限56万円)2年以上

専門実践教育訓練は、令和6年10月以降に受講を始めた場合、70%の条件を満たしたうえで修了後の賃金が受講前より5%以上上がると、80%(年間上限64万円)まで上がります。2回目以降は、どの種類も加入期間3年以上が条件です。会社を辞めたあとに受講する場合は、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内であることも求められます。入社1年目の途中では一般教育訓練の条件にも届かないことがあるため、講座に申し込む前に、ハローワークで受給資格を照会しておくと確実です。 対象の講座は、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで探せます。

参考:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」
参考:厚生労働省「教育訓練給付金」

採用する側は、第二新卒のどこを見ているか

最後に、採用する側の目線を確かめておきましょう。統計と経営者の言葉から見えてくるのは、次の3点です。

  • 次の会社で、腰を据えて仕事に向き合えるか
  • 経験の長さより、仕事への向き合い方
  • 前の職場での経験を、新しい仕事にどう持ち込むか

企業の側も、若手に長く働いてもらうための手を打っています。厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査によると、常用労働者5人以上の事業所のうち、若年正社員の定着のための対策を行っている事業所は73.7%。その事業所が実施している対策(複数回答)を見ると、最も多い「職場での意思疎通の向上」59.7%に次いで、「採用前の詳細な説明・情報提供」が58.4%、「本人の能力・適性にあった配置」が55.6%、「労働時間の短縮・有給休暇の積極的な取得奨励」が52.9%、「教育訓練の実施・援助」が48.5%でした。複数回答のため、合計は100%を超えます。「採用前の詳細な説明・情報提供」は、平成30年調査の52.0%から6.4ポイント増えています。

令和5年若年者雇用実態調査で、若年正社員の定着のための対策を行っている事業所が実施している対策(複数回答)。職場での意思疎通の向上59.7%、採用前の詳細な説明・情報提供58.4%、本人の能力・適性にあった配置55.6%、労働時間の短縮・有給休暇の積極的な取得奨励52.9%、教育訓練の実施・援助48.5%。
令和5年若年者雇用実態調査で、若年正社員の定着のための対策を行っている事業所が実施している対策(複数回答)。職場での意思疎通の向上59.7%、採用前の詳細な説明・情報提供58.4%、本人の能力・適性にあった配置55.6%、労働時間の短縮・有給休暇の積極的な取得奨励52.9%、教育訓練の実施・援助48.5%。

入社前のすれ違いを減らそうと取り組む事業所の割合が増えている以上、面接で仕事や配属について具体的に尋ねることは、相手の取り組みにも沿った行動と言えます。

取材で経営者に若手の採用について聞いていると、経歴の長さより、話しぶりから伝わる仕事への向き合い方に関心を寄せる人が多いと感じます。採用する側の考えが表れている言葉を3つ紹介します。

次の会社で、腰を据えられるか

株式会社日本M&Aセンターの中村健太執行役員は、M&Aは1件の成約に半年から1年以上かかることもある仕事だと前置きしたうえで、入社する人に求めることを次のように語っていました。

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なんとなく経験して成長できそうだから2、3年入ってみるかという感覚では、お互いに何も得られずに終わってしまう可能性があります。もちろん、長く一緒に働いてくれたら嬉しいです。しかし、それ以上に大切なのは、一定期間しっかりと腰を据えて真剣に向き合い、この仕事を通じて得られる成長や達成感をしっかり掴んでほしいということです。
株式会社日本M&Aセンター 執行役員
中村 健太
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業界の事情が色濃い話ですが、第二新卒にとっては耳の痛い指摘でもあるでしょう。次の会社で何を身につけるまで続けたいのかを自分の言葉で言えるようにしておくと、短い在籍期間への不安に正面から答えられます。

経験の長さより、仕事への向き合い方

株式会社ふらここの原英洋社長は、人を選ぶときに何を見ているかを、次のように説明しています。

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私たちは人を選ぶとき、その人がどんな経験を持っているかよりも、どのように物事に向き合うかを重視しています。向き合う姿勢があるけれどもスキルがない人と、スキルはあるけれど向き合う姿勢に欠ける人、どちらを選ぶかといえば、私たちは基本的に前者を採用する方針です。スキルは後から習得できますが、物事に真摯に取り組む姿勢は簡単には身につかないものだからです。
株式会社ふらここ 代表取締役
原 英洋
インタビューを読む

向き合い方は言葉で主張するより、前の職場で何を試し、どう工夫したかという事実で伝えるほうが届きやすくなります。

前の職場での経験を、新しい仕事に持ち込めるか

未経験からコンサルタントを目指す人を採用しているキュリオシティ株式会社の金田隼人社長は、その狙いをこう語っていました。

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「事業の現場を知っている人材」が、コンサル業界で本当の意味で価値を発揮できると考えているからです。(中略)事業会社での実務経験を経て、「これからコンサルとして成長したい」という強い意思を持つ人こそが、長期的に信頼されるプロフェッショナルになれると考えているんです。
キュリオシティ株式会社 代表取締役CEO
金田 隼人
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職種を変える転職でも、前の職場で現場を見てきた経験を評価の材料にする会社がある、ということです。3人の言葉はそれぞれの会社の考え方で、どの会社にも当てはまるわけではありません。

熱狂ベンチャーナビでは、経営者本人に、どんな人と働きたいか、若手に何を任せているかを聞いています。応募先の経営者が何を大事にしているかを知っておくと、面接で話す中身も選びやすくなるはずです。

経営者インタビューを読む|熱狂ベンチャーナビ

参考:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」

第二新卒の転職に関するよくある質問

第二新卒の転職活動は、辞める何か月前から始める人が多いですか?

厚生労働省の令和7年転職者実態調査では、在職中に活動を始めた20代の転職者のうち、離職の1か月以上3か月未満前に始めた人が最も多くなっています。 割合は20〜24歳で42.3%、25〜29歳で39.2%でした。対象は、常用労働者5人以上の事業所に令和6年10月から令和7年9月までに採用されたフルタイムの転職者です。分かるのは活動を始めた時期で、内定までにかかった期間ではありません。

参考:政府統計の総合窓口 e-Stat「雇用の構造に関する実態調査(令和7年転職者実態調査)表番号26 性、年齢階級・最終学歴・直前の勤め先の産業・直前の勤め先の企業規模・直前の勤め先での職種・直前の勤め先での役職・直前の勤め先での就業形態・直前の勤め先を離職した理由・直前の勤め先を離職した後の現在の勤め先に勤務するまでの期間・企業規模・現在の勤め先での就業形態、直前の勤め先を離職する前の転職活動の有無、直前の勤め先を離職する前に転職活動を開始した時期階級別転職者割合」

入社1年未満で辞めても、失業手当(基本手当)は受け取れますか?

受け取れない場合があります。 雇用保険法第13条により、基本手当を受け取るには、原則として離職の日以前2年間に、賃金の支払いの基礎になった日数が11日以上(または80時間以上)ある月が通算12か月以上必要です。入社1年未満で自己都合退職をすると、この条件に届かないことがあります。病気やけがなど正当な理由のある自己都合退職で特定理由離職者にあたる場合は、離職の日以前1年間に6か月以上あれば受給資格を得られます。自分が当てはまるかは、ハローワークで確かめてください。

参考:e-Gov法令検索「雇用保険法」
参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」

転職エージェントを使うのに費用はかかりますか?

転職エージェント(有料職業紹介事業者)が求職者から手数料を取ることは、職業安定法第32条の3第2項で原則として禁じられています。 例外は同法の施行規則で、芸能家やモデルの職業への紹介と、科学技術者・経営管理者・熟練技能者の職業に一定額を超える賃金で就く人の紹介に限られています。事務や営業、販売といった職種の求人を紹介してもらう場面は、この例外にあたりません。

参考:e-Gov法令検索「職業安定法」
参考:e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」

職務経歴書に書ける実績が少ないときは、何を書けばいいですか?

大きな成果がなくても、扱った件数や担当した数、自分で変えた手順は書けます。 研修や配属後に覚えた業務、使えるようになったシステム、1日や1か月あたりの処理件数、作った資料などが材料です。在籍期間が短いほど、「何をどれだけやったか」を具体的に示すほうが経験の中身が伝わります。

未経験の職種に移るために、資格の講座を受けたほうがいいですか?

応募したい求人が資格や知識を条件にしているかを先に確かめ、必要なら講座を検討する順番が無理のない進め方です。 厚生労働大臣が指定した講座なら、雇用保険の教育訓練給付を使える場合があります。初めて受け取るときに必要な雇用保険の加入期間は、一般教育訓練と特定一般教育訓練が1年以上、専門実践教育訓練が2年以上です。

参考:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」

まとめ

第二新卒の転職は、今の会社に籍を置いたまま、自己分析、求人の情報収集、応募書類、面接、内定後の労働条件の確認と退職の申し出、の順で進めるのが基本です。令和7年転職者実態調査では、フルタイムで転職した人のうち20〜24歳の65.9%、25〜29歳の72.6%が在職中に活動を始めていました。先に辞めるなら、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上という、基本手当の原則の受給資格を確かめておきましょう。

辞めた理由は在籍期間で変わります。令和5年若年者雇用実態調査では、初めての会社を在籍3か月未満で辞めた15〜34歳の若年労働者の52.3%が人間関係を挙げていました。伝えるときは在籍期間に合わせて話の重心を変え、次の会社を選んだ基準までつなげてください。

私たちが取材で感じるのは、採用する側が知りたいのは辞めた経緯の良し悪しより、その人がこれから何に腰を据えるつもりかだということです。在職中に手順を踏んで動けば、面接で確かめる側に回る余裕も生まれます。

在職中の限られた時間で応募先を絞り込むなら、経歴を伝えたうえで候補の求人を出してもらい、比べながら選ぶ進め方もあります。

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編集者

小川 莉奈 - 熱狂ベンチャーナビ編集部

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看護師から一般企業へ就職。その後株式会社デジマケに入社。自身の転職経験を元に新卒~若手の転職者にわかりやすい情報をお届けします。

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西畑大樹 - 熱狂ベンチャーナビ運営責任者

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新卒で証券会社に入社。その後、不動産・マーケティング・SaaS企業と4社の経験を経て独立。
学生時代は無人島のインターンや創業2か月目の会社でインターン生として2年勤務。
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秋山翔一 - 熱狂ベンチャーナビ編集責任者

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新卒で商社に入社。その後WEBマーケティング支援を行う会社に転職。その後、繊維メーカーの役員を経て株式会社デジマケを創業。
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