新卒で辞めたいと感じたら|1年目の離職率と、辞める前に確かめる5つのこと

新卒で入った会社を辞めたいと感じるのは、珍しいことではありません。令和7年3月に大学を出て就職した人の9.6%が、1年目のうちに最初の職場を離れています。
ただ、気持ちの出どころが配属や上司なのか、仕事そのものなのかで、打てる手は変わります。入社時に受け取った労働条件の書面が、その見極めの手がかりになることもあるのです。
この記事では、辞める前に確かめたい5つのことと、短期で辞めた場合の見られ方、辞めると決めたときの順番を整理します。
入社して間もない時期の「辞めたい」を、一人で抱えたまま結論を出す必要はありません。新卒1年目の経歴でどんな選択肢があるのかは、転職エージェントに相談すれば無料で確かめられます。
新卒1年目で辞める人はどれくらい?令和7年3月卒の大卒は9.6%
辞めたいと感じている自分が少数派なのかどうかは、公的な統計である程度つかめます。押さえておきたいのは次の3点です。
- 令和7年3月卒では、大学卒の9.6%、高校卒の16.1%が1年目に最初の職場を離れた
- 1年目の離職率は、令和2年3月卒からの6年分で大学卒が9〜12%台、高校卒が15〜17%台
- 20〜24歳の正社員では、今後の転職について「わからない」と答えた人が最も多い
厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」によると、令和7年3月に卒業して就職した人のうち、1年目(令和8年3月末まで)に最初の職場を離れた人の割合は、大学卒で9.6%、高校卒で16.1%、短大等卒で17.4%でした。大学卒では、就職した約45.9万人のうち約4.4万人が、1年目のうちに離職しています。 1年目で最初の職場を離れることは、統計の上でも例外とはいえない数なのです。
1年目の離職率を令和2年3月卒から並べると、大学卒は順に10.6%、12.3%、12.1%、11.0%、10.2%、9.6%。高校卒は15.1%、16.7%、17.9%、17.4%、16.7%、16.1%と、大学卒は9〜12%台、高校卒は15〜17%台で推移しています。令和6年3月卒と令和7年3月卒の値は令和8年6月時点で把握されたもので、今後の公表で変わる場合がある点は覚えておいてください。


就職後3年以内まで広げると、この記事を書いている2026年10月27日の時点で公表されている最新の数字は令和5年3月卒業者のもので、大学卒31.2%、高校卒36.9%でした(令和8年10月公表)。どちらの数字も、雇用保険の加入記録から新規学卒者とみられる人を推計して数えたものです。最初の職場を離れた人は、辞めた理由や次の仕事に就いたかどうかを問わず、離職者に含まれています。
辞めてはいないけれど、迷っている人も多い
離職率に表れるのは、実際に辞めた人だけです。厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査は、常用労働者5人以上の事業所で働く15〜34歳の正社員に、今の会社から今後転職したいと思うかをたずねています(令和5年10月1日時点)。20〜24歳の回答は「転職したいと思っている」35.0%、「転職したいと思っていない」27.6%、「わからない」36.6%でした。
最も多かったのは、どちらとも決めていない「わからない」という答えです。 今後の転職を決めかねている人は、この調査の20代前半の正社員の中で少数派ではありません。
参考:厚生労働省「新規学卒者の離職状況」
参考:厚生労働省「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」
参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)を公表します」
参考:厚生労働省「資料出所及び離職率の集計の考え方」
参考:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」
辞めたい理由は「人・場所」か「仕事そのもの」か
同じ「辞めたい」でも、どこから来ているかで次の一手が変わります。ポイントは次の3つです。
- 在籍1年未満で辞めた人の理由は、人間関係、労働時間、仕事が合わないの3つが上位
- 上司や配属先が理由なら、異動や担当替えで変わる余地がある
- 仕事そのものが理由なら、社内に別の道があるかを先に確かめる
令和5年若年者雇用実態調査は、卒業後に初めて勤めた会社を辞めた若年労働者に、辞めた理由を3つまで選んでもらっています。初めての会社に勤めた期間が「3か月〜6か月未満」だった人では、「人間関係がよくなかった」40.1%、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」32.5%、「仕事が自分に合わない」29.6%。「6か月〜1年未満」だった人では、同じ順に37.4%、32.4%、34.6%でした。このほか、「賃金の条件がよくなかった」が11.1%と15.2%、「健康上の理由」が13.8%と12.9%、「ノルマや責任が重すぎた」が13.3%と12.7%でした。3つまで選べる複数回答のため、割合を足すと100%を超えます。


勤めた期間が3か月未満だった人でも、上位はこの3つです。回答したのは、いまは常用労働者5人以上の事業所で働いている15〜34歳で、初めての会社を辞めた時期は人によって違います。それでも、1年未満で辞めた人の理由の上位は、人との関係、働く時間、仕事の中身という性質の違う3つでした。 自分の「辞めたい」がどれに近いかで、辞める前に試せることも変わってきます。
「人・場所」の問題か、「仕事」の問題かを分ける
切り分けに使える問いがあります。明日から別の部署で、別の上司のもとで同じ会社の仕事をするとしたら、続けたいと思えるかどうか。思えるなら、気持ちの出どころは人や場所にあります。思えないなら、仕事そのものか、会社全体の働き方に近いところに原因がありそうです。
| 気持ちの出どころ | よくある例 | 変わるきっかけ | 辞める前に確かめること |
|---|---|---|---|
| 人(上司・先輩) | 指導のしかたが合わない、相談できる相手がいない | 担当や指導役の変更、異動 | 人事や、上司のさらに上の立場の人に相談できるか |
| 場所(配属先・勤務地) | 希望と違う部署や勤務地に配属された | 次の人事異動、異動の希望 | 労働条件の書面にある「変更の範囲」と、異動の希望の出し方 |
| 仕事(業務の中身) | 担当している業務そのものに興味が持てない | 社内公募や職種の転換 | 就業規則や社内の制度に、職種を変える仕組みがあるか |
残業の多さや休日の少なさが理由のときは、勤怠を記録して社内外に相談でき、心身に不調が出ているなら、辞めるかどうかを決めるより前に休んでください。原因ごとの対処は仕事を辞めたいのは甘え?原因別の対処法|辞める前に試すことと辞めどきのサインで詳しく扱っています。
思いどおりでなかった配属を、経営者はどう受け止めたか
取材で会社員時代の話を聞いていると、最初の配属に納得していなかったと打ち明ける経営者にときどき出会います。株式会社バンクライトの笹島敦史社長は、銀行員として迎えた社会人1年目の配属を、こう振り返っています。
初めて担当したのは、年商3億円ほどのネジの製造会社でした。その社長から、会社が何をつくっているかではなく、どんな価値を届けているのかまで想像できるのが一流のバンカーだと問われ、そこから地域の中小企業に惚れ込んでいったと笹島社長は語っています。配属先への第一印象が、そのまま仕事の中身を言い当てるとは限らない、という一例です。
株式会社リオエンターテイメントデザインの竹林良太社長は、希望と違う職種を担当したときのことをこう話しています。
会社からは「営業もデザインも一人でこなすのは無理だ」と反対されたものの、1年間時間をもらえるなら成績を出すと約束し、1年後には利益率を向上させ、業務を効率よく進められるようになったと語っています。その成果が、のちに独立する決断を後押ししたといいます。担当の範囲を変えたいときは、何をいつまでに示すかを添えて会社に持ちかけるという方法もあるのです。
1人は配属先の仕事に意味を見つけ、もう1人は担当の範囲を自分から交渉して、のちに独立しました。どちらが正しいという話ではありません。会社員時代の迷いや、最初の配属をどう受け止めたかは、ほかの経営者もインタビューで語っています。
辞める前に確かめたい5つのこと
辞めるかどうかを決める前に、手元の書面と社内外の窓口で確かめておけることがあります。次の5つです。
- 労働条件の書面にある、就業の場所・業務と「変更の範囲」
- 異動や担当替えを、誰にどう相談できるか
- 試用期間中かどうかと、退職の申し出のルール
- 雇用保険に入っていた期間
- 会社の外で相談できる窓口
5つとも、会社に籍を置いたまま自分で確かめられるものです。 順に見ていきましょう。


① 労働条件の書面で、配属と「変更の範囲」を読む
入社時に受け取った労働条件通知書、または労働条件が書かれた雇用契約書を出してみてください。労働基準法は、会社が労働契約を結ぶときに労働条件を示すことを義務づけており、書面で示す項目の一つが就業の場所と従事する業務です。2024年4月からは、労働基準法施行規則の改正により、雇い入れ直後の就業場所・業務に加えて、その「変更の範囲」も示すことになりました。厚生労働省のリーフレットは、変更の範囲を「将来の配置転換などによって変わり得る就業場所・業務の範囲」と説明しています。
変更の範囲が広く書かれていれば、書面の上でも将来の異動が想定されているということです。反対に「変更なし」に近い書き方なら、職種や勤務地が変わることは想定されていない書き方だと読めます。いまの配属が書面のどこに当たるのかを確かめると、社内で異動を待つ意味があるかどうかの見当がつきます。
実際の就業場所や業務が、書面に示された内容と違っていた場合については、法律に定めがあります。
「前項の規定によつて明示された労働条件」は、入社時に書面などで示された労働条件のこと。「即時に労働契約を解除することができる」は、申し出から日数を置かずに辞められるという意味です。会社に課されているのは労働条件を示す義務で、働く側に認められているのは辞める権利なので、使うかどうかは本人が決められます。 新卒で地元を離れて就職した人に関わるのが同じ条の第3項で、契約を解除した日から14日以内に帰郷するときに必要な旅費は、会社が負担しなければならないと定められています。
ただし、配属先が希望と違っていても、書面に書かれた就業場所・業務や変更の範囲の内側であれば、「事実と相違する」にはあたらない場合があります。説明と違うと感じたら、まず書面の記載と実際の違いを書き出し、判断に迷うときは後で紹介する総合労働相談コーナーで確かめてください。
② 異動や担当替えを、誰にどう相談できるか
配属や上司が理由なら、辞める前に異動や担当替えの道を探す価値があります。就業規則や社内の人事制度の資料に、自己申告制度や社内公募、定期的な人事面談の仕組みがないかを見てみましょう。直属の上司に言い出しにくい場合は、人事の担当者や、上司のさらに上の立場の人に相談する手もあります。
切り出すときは、「辞めたい」から入るより、「〇〇の仕事に関わりたいので、異動の希望はいつ、どうやって出せばよいですか」と、希望と手続きの形で聞くほうが話が具体的になります。手続きを聞いて「ない」と分かること自体も、辞めるかどうかを決める材料の一つです。
③ 試用期間中かどうかと、退職の申し出のルール
試用期間は、会社が本採用するかどうかを見極めるための期間です。厚生労働省の「確かめよう労働条件」が紹介する裁判例の考え方では、試用期間は解約権が留保された期間と解され、会社の側からの解約も、客観的に合理的な理由があり社会通念上相当とされる場合にだけ許されるとされています。
働く側から辞めるときは、試用期間中でも、労働契約の期間の定めの有無で考えます。労働契約はすでに結ばれているので、正社員のように期間の定めがない雇用なら、民法第627条第1項により、解約を申し入れた日から2週間がたつと雇用は終わります。就業規則に申し出の時期が決められていることもあるため、引き継ぎを円満に終えるためにも、あわせて確かめておきましょう。
会社の側も、試用期間だから自由に辞めさせられるわけではありません。労働基準法第20条は、解雇するときは原則として少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を払うことを会社に求めています。第21条は試用期間中の人をこの規定の対象から外しています。ただし、14日を超えて引き続き働いている人には、この例外は当てはまりません。
④ 雇用保険に入っていた期間を数える
辞めたあとに雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)を受け取るには、原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上必要です。1か月と数えるのは、賃金の支払いの基礎になった日数が11日以上か、時間数が80時間以上ある月です。特定受給資格者や特定理由離職者にあたる場合は、離職の日以前1年間に通算6か月以上あれば足ります。
4月に入社して1年がたつ前に辞めた場合、この12か月に足りないことがあります。 在職中に次の行き先を探すか、先に辞めるかを考えるときは、自分の加入期間を数えたうえで判断してください。どちらを選ぶかの決め方と、辞めたあとのお金の見通しは仕事辞めたいけど次がない|先に辞めるか在職中に探すかの決め方と辞めたあとのお金で詳しく整理しています。
⑤ 会社の外で相談できる窓口を知っておく
大学・大学院・短大・高専・専修学校などを卒業しておおむね3年以内なら、新卒応援ハローワークを使えます。全国56か所にあり、就職活動の支援だけでなく、就職後の定着支援として、仕事に関する悩みや不安の相談にも応じる窓口です。若者に長時間の過重な労働や賃金不払残業をさせている疑いのある企業についての相談も受け付けています。
職場のトラブルを相談したいときは、都道府県労働局や全国の労働基準監督署の中などに378か所ある総合労働相談コーナーも使えます。解雇、配置転換、いじめ・嫌がらせ、パワハラなど、あらゆる分野の労働問題が対象で、利用は無料、予約も要りません。専門の相談員がいない日時もあるため、出向く前に電話で確かめておくと確実です。配置転換も相談の対象に挙がっているので、配属をめぐる悩みを持ち込んでも構いません。
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」
参考:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」
参考:厚生労働省「試用期間|裁判例|確かめよう労働条件」
参考:e-Gov法令検索「民法」
参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
参考:厚生労働省「新卒応援ハローワーク」
参考:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
新卒1年目で辞めると、次の会社からどう見られるか
短い在籍で辞めたら次がないのでは、と心配になる人もいるでしょう。統計から言えることと言えないことを分けると、次の3点になります。
- 20〜24歳で転職した人の45.2%は、直前の勤め先にいた期間が1年未満だった
- これは採用された人の内訳で、選考でどれだけ不利になるかを示す数字ではない
- 面接では、辞めた理由と、次の職場で続けられる根拠を聞かれると考えておく
厚生労働省の令和7年転職者実態調査は、常用労働者5人以上の事業所に令和6年10月から令和7年9月までに採用された転職者を調べたものです。ここでの転職者は、フルタイムで、期間の定めがないか1年以上の契約で雇われ、採用される前の1年間に別の会社で働いていた人を指します。20〜24歳の転職者が直前の勤め先にいた通算期間は、「6か月未満」22.3%、「6か月以上1年未満」22.9%、「1年以上2年未満」24.1%、「2年以上5年未満」25.7%、「5年以上10年未満」2.6%、不明2.3%で、「10年以上」は該当がありませんでした。


1年未満の2つを合わせると45.2%で、20代前半で転職した人の4割を超える人が、在籍1年未満で次の職場に移っています。
ただし、これは実際に採用された人の内訳です。在籍の短い人のうち何割が採用に至ったのか、選考でどの程度不利に扱われたのかは、この調査からは分かりません。今回確かめた公的統計の中にも、その点を直接示す数字は見当たりませんでした。統計で言えるのは、在籍1年未満で次の職場に移った20代前半の人が、転職者の中で少数ではないというところまでです。第二新卒の転職が「やめとけ」と言われる6つの理由を統計で確かめた内容は、第二新卒はやめとけは本当?6つの理由を統計で確かめる|動く前の判断基準にまとめました。
在籍期間が短いなら、面接で辞めた理由をたずねられることは前提にしておきましょう。前の職場で何が合わなかったのかを、人・場所・仕事のどれだったかまで言葉にし、応募先でそれをどう確かめたかを添えると、話が一続きになります。理由別の言い回しは転職理由の例文|面接と履歴書で使える理由別の伝え方、ネガティブな本音の言い換え、第二新卒として応募できる枠は第二新卒とは?意味と既卒との違い、新卒枠への応募や企業が見る点を解説で整理しています。
辞めると決めたときの順番
辞めると決めたあとも、その場の勢いで上司に伝えるのは待ってください。次の順で進めると、後で困る場面を減らせます。


- 体調を確かめる
- 辞めたい理由を書き出す
- 労働条件の書面と就業規則を確かめる
- 雇用保険の加入期間と生活費を確かめる
- 次の行き先の当たりをつけてから申し出る
最初は体調です。眠れない、食欲がない、朝になると体が動かないといった状態が続いているなら、辞めるかどうかの判断より先に、休むことと受診を優先してください。
次に、辞めたい理由を「人」「場所」「仕事」「働く時間」のどれに近いかで書き出し、次の職場で確かめることに置き換えます。人が理由なら指導の体制や相談先、場所が理由なら配属の決まり方、仕事が理由なら入社後に担当する業務の範囲、というように、応募先で聞く質問がそのまま決まっていきます。
3つ目は書面です。労働条件通知書と就業規則で、退職の申し出の時期と手続き、試用期間の定めを確かめます。期間の定めのない雇用なら、民法第627条第1項により申し出から2週間で雇用は終わりますが、就業規則の期限に合わせて伝えるほうが、引き継ぎに無理が出にくくなります。
4つ目はお金です。基本手当を受け取る原則の条件である被保険者期間12か月に届いているかと、次の職場が決まるまでの生活費を見積もっておきます。届いていないなら、在職中に次を探すほうが収入の途切れを防げます。
最後に、次の行き先の当たりをつけてから上司に申し出ます。辞める日を気持ちの限界で決めるのではなく、書面とお金を確かめたうえで決めると、次の一歩を選ぶ余裕が残ります。 上司への切り出し方や引き止められたときの返し方は、退職の伝え方|上司への切り出し方・タイミング・理由と引き止めの断り方の例文にまとめました。
参考:e-Gov法令検索「民法」
参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
新卒1年目の「辞めたい」に関するよくある質問
新卒1年目で会社を辞める人は、どれくらいいますか?
厚生労働省「新規学卒者の離職状況」では、令和7年3月卒業者のうち、1年目(令和8年3月末まで)に最初の職場を離れた人は大学卒で9.6%、高校卒で16.1%、短大等卒で17.4%でした。 この値は令和8年6月時点で把握されたもので、今後の公表で変わる場合があります。就職後3年以内では、2026年10月27日時点で最新の令和5年3月卒業者で、大学卒31.2%、高校卒36.9%です。いずれも、辞めた理由や次の仕事の有無を問わず数えた割合です。
参考:厚生労働省「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」
参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)を公表します」
試用期間中でも会社を辞められますか?
辞められます。試用期間中でも労働契約はすでに結ばれているため、期間の定めがない雇用なら、民法第627条第1項により、解約を申し入れた日から2週間で雇用は終わります。 会社の就業規則に申し出の時期が定められていることもあるので、あわせて確かめてください。会社の側も、試用期間だからといって自由に解雇できるわけではなく、14日を超えて働いている人を解雇するときは、原則として労働基準法第20条の予告などの手続きが必要です。
参考:e-Gov法令検索「民法」
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
配属先が入社前の説明と違うときは、すぐに辞められますか?
入社時に書面などで示された労働条件と実際が違う場合、労働基準法第15条第2項により、労働者は即時に労働契約を解除できます。 2024年4月以降に結ばれた労働契約なら、就業場所・業務とあわせて、その「変更の範囲」も示す決まりです。配属先が希望と違っていても、書面に書かれた範囲の内側なら、事実と相違するとはいえない場合があります。まず書面の記載と実際の違いを確かめ、判断に迷うときは総合労働相談コーナーに相談してください。
参考:e-Gov法令検索「労働基準法」
参考:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」
新卒1年目で辞めると、転職で不利になりますか?
どの程度不利になるかを直接示す公的統計は、今回確かめた範囲では見当たりません。 厚生労働省の令和7年転職者実態調査で、常用労働者5人以上の事業所に令和6年10月〜令和7年9月に採用された20〜24歳の転職者を見ると、直前の勤め先にいた期間が1年未満だった人は45.2%でした。ただしこれは採用された人の内訳です。在籍が短いほど辞めた理由は聞かれるので、何が合わなかったのかと、次の職場で同じことが起きないと考える根拠を説明できるようにしておきましょう。短期離職の理由を在籍期間ごとにどう伝えるかは、第二新卒の転職の進め方|在職中に始める手順と短期離職の伝え方、企業が見る点で紹介しています。
辞めたいと感じたとき、会社の外で相談できる窓口はありますか?
大学・大学院・短大・高専・専修学校などを卒業しておおむね3年以内なら、新卒応援ハローワークで就職後の悩みや不安を相談できます。 全国56か所に置かれ、長時間の過重な労働や賃金不払残業が疑われる企業についての相談も受け付ける窓口です。職場のトラブルについては、全国378か所の総合労働相談コーナーが、配置転換やいじめ・嫌がらせ、パワハラなどの相談に無料・予約不要で応じています。
参考:厚生労働省「新卒応援ハローワーク」
参考:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
まとめ
新卒で辞めたいと感じるのは珍しいことではなく、厚生労働省「新規学卒者の離職状況」では、令和7年3月卒業者の大学卒の9.6%、高校卒の16.1%が1年目に最初の職場を離れています(令和8年6月時点)。令和5年若年者雇用実態調査では、常用労働者5人以上の事業所で働く20〜24歳の正社員の36.6%が、今後の転職について「わからない」と答えていました。迷っていること自体は、おかしなことではありません。
辞める前には、気持ちの出どころが人・場所・仕事のどれにあるのかを分け、労働条件の書面にある就業場所・業務と「変更の範囲」、異動の相談先、試用期間と退職の申し出のルール、雇用保険の加入期間、社外の相談窓口を確かめてください。令和7年転職者実態調査では、採用された20〜24歳の転職者の45.2%が直前の勤め先に1年未満しかいませんでしたが、選考でどう見られるかまでは統計から分かりません。辞めた理由と次の職場で続けられる根拠を、自分の言葉で話せるようにしておくことが備えになります。
私たち編集部は、入社1年目で辞めたいと感じることを、根性や向き不向きだけで片づける必要はないと考えています。取材で出会った経営者の中にも、最初の配属に納得できない時期を経て、自分の仕事の意味を見つけた人がいました。大切なのは急いで答えを出すことより、気持ちの出どころを確かめてから選ぶことでしょう。
参考:厚生労働省「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」
参考:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」
参考:厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」
続けるにしても辞めるにしても、新卒1年目の経歴で応募できる求人を一度見ておくと、判断の材料が増えます。

