タクシー運転手の将来性|運転手不足の実態とライドシェア・自動運転の影響

タクシー運転手の将来性を考える土台は、人が足りない状態がまだ続いていることです。法人タクシーの運転者は令和6年度で22万4,428人と、コロナ禍前の水準にはまだ戻っていません。
「仕事を奪う」と言われがちな日本版ライドシェアも、制度の上ではタクシー会社が運行の主体となり、足りない時間帯を補う仕組みです。
この記事では、運転者数・需要・制度の変化を国の資料で確かめ、それが働き方と収入にどう効くかを言える範囲で整理します。
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タクシー運転手の将来性は「不足」「需要」「制度」の3つで見る
将来性という言葉は広く、見る角度によって答えが変わります。公的な資料で確かめられるのは、次の3つです。
- 運転する人は、どれだけ足りていないのか
- 乗る人は、どこで増えているのか
- ライドシェア・自動運転・免許制度は、どこまで変わったのか
| 見る角度 | 資料で確かめられること | 資料からは言えないこと |
|---|---|---|
| 運転者の不足 | 年度ごとの運転者数と、入ってくる人の増減 | 何年後に不足が解消するか |
| 需要 | 輸送人員、訪日客数、1日1車あたりの営業収入の変化 | 地域ごとの将来の需要の大きさ |
| ライドシェア | 制度の位置づけと、導入された地域・台数 | 運転手の賃金がどう変わるか |
| 自動運転 | レベル4が走っている場所と、政府の目標 | タクシーが無人になる時期 |
将来性の記事でありがちな「10年後になくなる/安泰」という断定は、どちらも今の公的資料からは導けません。 私たちも調べ始める前は、自動運転の話がいちばん大きいのだろうと思っていました。実際に数字を並べてみると、足元で効いているのは運転者の数と需要の戻り方のほうでした。
タクシー運転手の不足はどこまで続いているか
運転手不足は、統計の上では「底は過ぎたが、戻り切っていない」状態です。押さえておきたいのは次の3点。
- 法人タクシーの運転者は令和4年度に底を打ち、2年続けて増えた
- それでも令和6年度は令和元年度の85.8%にとどまる
- 新卒・卒業後3年以内の乗務員は、前回調査から38.7%増えた
令和4年度を底に、2年続けて増えている
国土交通省調べの法人タクシーの運転者数は、令和元年度の26万1,671人から令和4年度の21万4,972人まで、3年で4万6,699人(17.8%)減りました。そこから令和5年度は21万7,161人、令和6年度は22万4,428人と2年続けて増え、底からの戻りは9,456人(4.4%)です(全国ハイヤー・タクシー連合会「運転者数の推移」、法人タクシーに限る)。


令和6年度の22万4,428人は、令和元年度の85.8%の水準です。 同じ資料をさかのぼると、ピークは平成16年度の38万1,943人で、減少はコロナ禍の前から長く続いてきました。全タク連自身も、労働力の高齢化が進むなかでドライバー不足の解消に取り組んでいると記しています。
入ってくる人は、若い層でも増えている
全タク連の調べでは、新卒者等(新卒者と卒業後3年以内の人)の乗務員は令和7年3月末現在で1,481名でした。前回調査の令和4年度から413名、38.7%の増加です。ただし東京が1,224名で総数の82.6%を占め、新卒者等が1人もいない県も19県あります。若い人の入職は増えていても、その多くは東京に集まっているのが実情です。 20代でこの仕事を選ぶ場合の二種免許の取り方や賃金は、タクシー運転手の20代の人数と、19歳からのなり方で詳しく見ています。
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「運転者数の推移」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2026 ドライバー不足の解消に向けて」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「令和6年度の新卒者等乗務員数の状況について」
タクシーの需要はどこで増えているか|訪日客・高齢化・地域の足
運転者が足りないだけでは、将来性は語れません。乗る人がいるかどうかも見ておく必要があります。需要の側で確かめられるのは次の4点です。
- タクシーの輸送人員は、長い減少のあとコロナ禍前に戻りつつある
- 東京の1日1車あたりの営業収入は、令和元年度の約1.2倍になった
- 訪日外客数は2025年に4,268万人を超え、2019年の約1.34倍
- 運転免許の自主返納(申請による取消)は、令和7年に43万5,067件
輸送人員は戻りつつあり、1台あたりの売上は伸びた
全タク連の「TAXI TODAY in Japan 2026」によると、令和6年度のタクシーの輸送人員は10億5,100万人、営業収入は1兆3,300億円でした。同じ資料は、自家用車の普及や人口減少などで長年にわたり需要は減少傾向にあり、コロナ禍で大きく落ち込んだあと、徐々にコロナ禍前の状況に戻りつつあると説明しています。
東京都(特別区・武三地区)の法人タクシーの日車営業収入(1日1車あたりの平均営業収入)は、令和元年度の5万1,181円が令和2年度に3万7,865円まで落ち、令和6年度は6万1,476円でした。令和元年度と比べて約1.2倍で、運転者が減ったまま1台あたりの売上が伸びている形です。 ただしこれは東京の数字で、運賃改定の時期も地域ごとに違うため、全国に同じ伸びがあるとは言えません。
訪日客と免許返納は、需要の下支えになりうる
日本政府観光局(JNTO)によると、2025年の訪日外客数は4,268万3,301人(確定値)で、2019年の3,188万2,049人の約1.34倍でした。全タク連は、インバウンドで増えた観光客などに対応するため、空港や駅のタクシー乗り場の改善を進めていると記しています。
もう一つの流れが高齢化です。警察庁「運転免許統計 令和7年版」によると、申請による運転免許の取消件数、いわゆる自主返納は令和7年に43万5,067件で、うち75歳以上が26万915件(60.0%)を占めました。車を手放した人の移動を誰が担うかは、地域の足の問題としてこれからも残ります。 とはいえ、返納した人がどれだけタクシーを使っているかを示す公的な統計は、今回の調べでは見当たりませんでした。需要の「下支えになりうる」と言えるのは、そこまでです。


参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2026 経営の現状」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2026 交通空白の解消に向けて」
参考:日本政府観光局(JNTO)「年別 訪日外客数, 出国日本人数の推移」
参考:警察庁交通局運転免許課「運転免許統計 令和7年版」
日本版ライドシェアは、タクシー運転手の仕事を奪うのか
将来性の不安としてよく挙がるのがライドシェアです。制度の中身を見ると、少なくとも今の形については次のように整理できます。
- 日本版ライドシェアは、タクシー会社が実施主体となって不足分を補う制度
- 市町村などが担う公共ライドシェアとは、目的も実施主体も違う
- 導入は149地域・1,009事業者・1万964台まで広がった
根拠は道路運送法第78条第3号
自家用車で有償の運送をすることは、道路運送法で原則として禁じられています。その例外を定めたのが第78条で、国土交通省は日本版ライドシェア(自家用車活用事業)を第3号にもとづく制度として創設しました。
「自家用自動車」は緑ナンバーではない一般の車、「有償で運送の用に供する」はお金を受け取って人を運ぶことです。条文が認めているのは「やむを得ない場合」に「地域又は期間を限定して」走らせることで、タクシーと同じように自由に営業できる仕組みではありません。
タクシー会社が運行し、足りない時間帯を埋める
国土交通省の資料によると、日本版ライドシェアは令和6年3月の創設で、タクシー事業者が実施主体となり、第1種運転免許を持ち所定の研修を受けたドライバーが自家用車を使って、タクシーが不足する時間帯に不足車両数の分を供給します。目的は「タクシーの輸送力供給の補完」です。
| 比べる点 | 日本版ライドシェア(自家用車活用事業) | 公共ライドシェア(自家用有償旅客運送) |
|---|---|---|
| 創設 | 令和6年3月 | 平成18年10月 |
| 目的 | タクシーの輸送力供給の補完 | 交通空白地等における移動手段の確保 |
| 実施主体 | タクシー事業者 | 市町村やNPO法人など |
| ドライバー | 第1種運転免許(所定の研修を受講) | 第1種運転免許(所定の講習を受講) |
| 導入実績 | 149地域・1,009事業者・10,964台(令和8年4月5日) | 681地域・865主体・6,307台(令和8年3月31日、交通空白型) |
導入実績は全タク連「TAXI TODAY in Japan 2026」によるものです。国土交通省は、導入前の2023年と導入後の2024年4月以降を月ごとに比べると、約8割から9割の時間帯で配車の申込みに車両を手配できた割合(マッチング率)が改善したとしています。
いまの日本版ライドシェアは、タクシー会社の外に競合ができる仕組みではなく、タクシー会社の中に「足りない時間帯だけの補助戦力」が加わる仕組みです。 一方で、ライドシェアの広がりが運転手の賃金や乗務の割り当てにどう影響したかを示す公的な統計は、今回の調べでは確認できませんでした。応募先が導入しているかどうか、導入している場合に乗務の割り当てがどう決まるかは、面接で聞いておくと判断材料になります。
参考:e-Gov法令検索「道路運送法」
参考:国土交通省「自家用車活用事業に係る営業区域ごとのタクシーの不足車両数を公表します」
参考:国土交通省 公共交通政策部門、物流・自動車局「日本版ライドシェア、公共ライドシェアの取組状況等」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2026 交通空白の解消に向けて」
自動運転レベル4は、どこまで来ているか
「自動運転でタクシー運転手はいらなくなる」という見方もあります。国の資料で確かめられる現在地は、次のとおりです。
- 運転者がいない自動運転(レベル4)は、2023年4月から制度上可能になった
- 実際に走っているのは、バスなど9か所(2025年11月時点)
- 政府目標は、2030年度に自動運転サービス車両1万台
走っているのは、決まったルートのバスなどが中心
道路交通法の改正で、運転者がいない状態での自動運転(特定自動運行)の許可制度が2023年4月に施行され、レベル4が制度上可能になりました。国土交通省の資料(令和8年1月)によると、2023年5月に福井県永平寺町で国内初のレベル4の移動サービスが始まり、その後、東京都大田区(羽田)、北海道上士幌町、三重県多気町、愛媛県松山市、長野県塩尻市、茨城県日立市、大阪市(万博)、千葉県柏市で運行が始まっています(2025年11月時点)。同じ資料はこれを、補助事業などによりレベル4のバス等が9か所で実装された、と整理しています。
つまり現時点のレベル4は、決まった区間を走るバスや小型の車両が中心で、街中を流して客を乗せるタクシーの形ではありません。
目標は1万台。ただしタクシーだけの数ではない
政府は、2027年度までに無人自動運転移動サービスを100か所以上で実現するという目標を掲げています(令和7年6月閣議決定)。さらに令和8年1月16日に閣議決定された第3次交通政策基本計画では、2030年度の自動運転サービス車両数を1万台とする目標が新たに置かれました。対象は全国のバスやタクシーなどの公共交通と、幹線輸送のトラックを合わせた車両です。
都市部のタクシーについては、警察庁の「令和7年度 自動運転の拡大に向けた調査研究報告書」(令和8年3月)が、近い将来に都内でのロボットタクシーの実装が見込まれていることを念頭に、個別の許可申請で警察と事業者が協議していくとの事務局の考えを載せています。都市部で無人のタクシーが走る準備は始まっていますが、何台が、いつから、どの地域で営業するかを示した公的な数字は、今回確認した資料にはありませんでした。


1万台という目標と令和6年度の法人タクシー運転者22万4,428人は、数えているもの(車両と人)も対象(バス・トラックを含むかどうか)も違うため、割り算をして「置き換わる割合」を出すことはできません。言えるのは、少なくとも今後数年の政府目標の規模では、タクシー運転手の仕事が全体として自動運転に置き換わる段階には見えない、というところまでです。
参考:国土交通省 物流・自動車局 技術・環境政策課「自動運転の普及・拡大に関する取組」
参考:警察庁「令和7年度 自動運転の拡大に向けた調査研究報告書」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「運転者数の推移」
運転手になる入口の制度は、どう変わったか
担い手を増やすための制度も、この数年で動きました。将来性を考えるうえで知っておきたいのは次の3つです。
- 二種免許は、特例教習を受ければ19歳から受験できる
- 普通二種の併記交付件数は、令和3年から約2.9倍に増えた
- 外国人がタクシー運転手として働く在留資格(特定技能)ができた
二種免許の入口が広がり、取る人が増えた
第二種免許の受験資格は、令和4年5月13日に見直されました。警察庁によると、特別な教習を修了すれば、19歳以上で普通免許等を受けていた期間が通算1年以上あれば受験できるようになりました。ただし年齢の特例で取った場合は、本来の受験資格の年齢(第二種は21歳)に達するまで若年運転者期間となり、違反の点数が一定以上になると講習の受講が義務づけられ、受けなければ免許が取り消されます。費用の相場や会社負担の条件は、二種免許の費用を取得ルート別にまとめた記事で整理しています。
取る人の数にも変化が出ています。警察庁「運転免許統計 令和7年版」によると、普通第二種免許を新たに免許証に加えた件数(併記交付件数)は、令和3年の1万1,065件から、令和5年2万3,349件、令和6年3万4,620件と増え、令和7年は3万2,385件でした(令和7年はマイナンバーカードへの記録件数を含みます)。令和7年は令和3年の約2.9倍です。 普通二種は運転代行などタクシー以外でも使う免許なので、取った人の全員がタクシー運転手になるわけではありません。


外国人材の受け入れは、始まったばかり
令和6年3月29日の閣議決定で、バス・タクシー・トラックの運転手を対象とする自動車運送業分野が、在留資格「特定技能」の対象に加わりました。タクシーで働くには、第二種運転免許の取得と、分野ごとの特定技能評価試験の合格などが必要です。
出入国在留管理庁の公表(令和8年7月末時点・速報値)では、自動車運送業分野の受入れ見込数2万2,100人に対し、特定技能1号の在留者数は703人、充足率は3.2%でした。この数字はバス・タクシー・トラックを合わせたもので、タクシーだけの人数は示されていません。少なくとも現時点では、外国人材が運転者数の動きを大きく左右する規模にはなっていません。
参考:警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」
参考:警察庁交通局運転免許課「運転免許統計 令和7年版」
参考:国土交通省「特定技能制度(自動車運送業分野)」
参考:出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」
変化は運転手の働き方と収入にどう効くか
ここまでの変化が、運転手一人ひとりの働き方と収入にどう効くのか。資料から言えることと言えないことを分けると、次のようになります。
- 運転者が足りない間は、未経験でも採用の入口は開きやすい
- 1台あたりの売上の伸びは、歩合給を通じて収入に効きうる
- 勤務シフトは、需要に合わせて組み替えが進んでいる
- 65〜69歳の年収は、製造業や卸売業・小売業を上回る
| 変化 | 資料から言えること | 資料からは言えないこと |
|---|---|---|
| 運転者不足 | 令和6年度の運転者数は令和元年度の85.8%で、採る側の需要は残っている | 自分の地域で何年先まで採用が続くか |
| 1台あたりの売上 | 東京の日車営業収入は令和元年度の約1.2倍 | 他の地域や、個人の手取りがどれだけ増えるか |
| 日本版ライドシェア | タクシー会社が主体の補完制度で、導入は1万台規模 | 運転手の賃金や乗務の割り当てへの影響 |
| 自動運転 | レベル4はバス等9か所。2030年度目標はバス・トラック込みで1万台 | タクシーが無人になる時期と規模 |
1台あたりの売上の伸びは、歩合給を通じて効きうる
タクシー運転手の給与は、売上に応じた歩合給を組み込む形が一般的。そのため東京のように1台あたりの売上が伸びた地域では、同じ時間を走っても収入が増える方向に働きます。給与の決まり方と都道府県別の年収は、タクシー運転手の年収を年齢別・都道府県別に整理した記事で詳しく扱っています。ただし売上の伸びがそのまま全員の収入増になるとは限りません。歩合率や足切りの設定は会社ごとに違うためです。入社前に給与の計算式や保障給をどう確かめるかは、タクシー転職で後悔しないために入社前に確かめる5つのことにまとめています。
勤務の組み方は、朝の需要に合わせて変わりつつある
全タク連は、大都市部などで深夜中心に組んでいた勤務シフトを、朝の時間帯もカバーするシフト(16時出庫翌10時帰庫など)に変える取り組みを進めていると記しています。夜だけでなく朝の通勤・通院の需要まで拾う形で、運転手にとっては選べる勤務の形が変わってくる可能性があります。
年齢を重ねても続けやすい仕事であることは数字にも出ている
全タク連が令和7年の数値として示した年齢階級別の年間推計額では、65〜69歳のタクシー運転者は379.05万円でした。同じ年齢の製造業368.42万円、卸・小売業360.92万円、社会福祉・介護358.56万円、宿泊・飲食業305.75万円を上回り、建設業472.64万円を下回ります。


70歳以上になると社会福祉・介護(360.02万円)がタクシー運転者(347.59万円)を上回るため、「高齢になるほど有利」と一般化はできません。それでも、60代後半で他の主な産業と並ぶ水準を保っている点は、長く働く前提で将来性を考える人には一つの材料になるでしょう。
取材で経営者の話を聞いていると、人が足りない業界ほど「何歳まで、どんな形で働けるか」を会社ごとに具体的に設計している印象があります。
自分がこの働き方に合うかどうかは、タクシー運転手に向いてる人の特徴を整理した記事もあわせて確かめてみてください。
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2026 ドライバー不足の解消に向けて」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2026 交通空白の解消に向けて」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2026 経営の現状」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「運転者数の推移」
参考:国土交通省 公共交通政策部門、物流・自動車局「日本版ライドシェア、公共ライドシェアの取組状況等」
参考:国土交通省 物流・自動車局 技術・環境政策課「自動運転の普及・拡大に関する取組」
タクシー運転手の将来性に関するよくある質問
タクシー運転手の仕事は、10年後もなくなりませんか?
10年後を言い切れる公的な資料はありませんが、今の政府目標の規模では、全体が自動運転に置き換わる段階には見えません。 国土交通省の資料では、運転者がいないレベル4の自動運転が実装されているのはバス等の9か所(2025年11月時点)で、政府目標は2030年度に自動運転サービス車両1万台です。この1万台はバス・タクシー等の公共交通と幹線輸送トラックを合わせた数で、令和6年度の法人タクシー運転者は22万4,428人います。都内でのロボットタクシーの実装を見込んだ準備は警察庁の報告書にも出ているため、都市部から変化が始まる可能性は見ておいたほうがよいでしょう。
参考:国土交通省 物流・自動車局 技術・環境政策課「自動運転の普及・拡大に関する取組」
参考:警察庁「令和7年度 自動運転の拡大に向けた調査研究報告書」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「運転者数の推移」
タクシー運転手はなぜ不足しているのですか?
運転者の減少が長く続いたうえに、コロナ禍の時期に大きく減ったためです。 国土交通省調べの法人タクシーの運転者数は、平成16年度の38万1,943人をピークに減り続け、令和元年度の26万1,671人から令和4年度の21万4,972人までの3年でさらに17.8%減りました。令和6年度は22万4,428人と2年続けて増えていますが、令和元年度の85.8%にとどまります。全タク連は、労働力の高齢化が進むなかで人材確保に取り組んでいると記しています。
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「運転者数の推移」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2026 ドライバー不足の解消に向けて」
日本版ライドシェアが広がると、タクシー運転手の給料は下がりますか?
ライドシェアが運転手の賃金に与えた影響を示す公的な統計は、今回の調べでは確認できませんでした。 制度の位置づけとしては、道路運送法第78条第3号にもとづき、タクシー事業者が実施主体となって、タクシーが不足する時間帯に不足分の車両を補うものです(国土交通省、令和6年3月創設)。全タク連によると導入は149地域・1,009事業者・10,964台(令和8年4月5日)。気になる場合は、応募先がライドシェアを導入しているか、導入している場合に運転手の乗務の割り当てがどう決まるかを面接で確認してください。
参考:e-Gov法令検索「道路運送法」
参考:国土交通省 公共交通政策部門、物流・自動車局「日本版ライドシェア、公共ライドシェアの取組状況等」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「TAXI TODAY in Japan 2026 交通空白の解消に向けて」
自動運転タクシーは、いつから走り始めますか?
国内で無人のタクシーが営業を始める時期を示した公的な数字は、今回確認した資料にはありませんでした。 運転者がいない自動運転(レベル4)は2023年4月から制度上可能になり、2025年11月時点ではバス等が9か所で実装されています。警察庁の「令和7年度 自動運転の拡大に向けた調査研究報告書」(令和8年3月)は、近い将来に都内でのロボットタクシーの実装が見込まれていることを前提に、許可の手続きで警察と事業者が協議していく考えを示しています。
参考:国土交通省 物流・自動車局 技術・環境政策課「自動運転の普及・拡大に関する取組」
参考:警察庁「令和7年度 自動運転の拡大に向けた調査研究報告書」
今から未経験で始めても遅くありませんか?
運転者が足りていない今は、未経験でも入口が開いている時期です。 法人タクシーの運転者数は令和6年度で令和元年度の85.8%にとどまり、第二種免許は令和4年5月13日から、特例教習を修了すれば19歳以上・普通免許等の保有期間が通算1年以上で受験できるようになりました(年齢の特例で取った場合は、21歳になるまで若年運転者期間の扱いがあります)。全タク連の調べでは、新卒者と卒業後3年以内の乗務員は令和7年3月末に1,481名で、前回調査(令和4年度)から38.7%増えています。ただしそのうち82.6%は東京で、地域によって状況は大きく違います。
参考:警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「令和6年度の新卒者等乗務員数の状況について」
参考:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「運転者数の推移」
まとめ
タクシー運転手の将来性を公的な資料で確かめると、足元の答えは「人が足りない状態が続き、乗る人は戻りつつある」です。法人タクシーの運転者は令和4年度の21万4,972人を底に増えたものの、令和6年度は22万4,428人で令和元年度の85.8%。東京の1日1車あたりの営業収入は令和元年度の約1.2倍になり、2025年の訪日外客数は2019年の約1.34倍でした。
制度の変化も、今のところ運転手を置き換える方向ではありません。日本版ライドシェアは道路運送法第78条第3号にもとづき、タクシー会社が足りない時間帯を補う仕組みです。レベル4の自動運転はバス等の9か所で、2030年度の目標1万台もバスやトラックを含んだ数です。一方で、ライドシェアが賃金に与える影響や、都市部の無人タクシーがいつ・どれだけ走るかは、まだ資料からは言えません。
正直なところ、「将来性があるか」という問いには、地域と会社によって答えが変わる、としか言いようがないと感じました。だからこそ、応募先がライドシェアをどう使っているか、勤務シフトをどう組んでいるか、何歳までどんな形で働けるかを具体的に聞いてみてください。仕事を任せる側がどんな言葉で働き方を説明しているかは、熱狂ベンチャーナビの経営者インタビューでも読み比べられます。
業界の先行きが見えてきたら、次は自分の経歴でタクシーとほかの仕事のどちらにどんな選択肢があるかを並べてみる段階です。

