コンサルはやめとけは本当か|7つの理由と向いている人の特徴

「コンサルはやめとけ」と言われる理由は、長い労働時間、成果を出し続けるプレッシャー、専門性が積み上がらない不安などに行き着きます。ただ、その言葉が自分に当てはまるかは別の話です。

意外にも、コンサルを含む産業区分の離職率は、産業全体より低い水準です。「すぐ辞める業界だから危ない」という前提は、公的な統計では裏づけが取れないのです。

この記事では、やめとけと言われる7つの理由を数字で検証し、向き不向きの分かれ目と、コンサルを雇う側の見方まで整理します。

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目次

コンサル業界の実像を、まず数字で押さえる

この記事で扱うコンサルは、戦略系・総合系・IT系のコンサルティングファームを中心に、経営の課題解決を業とする会社全般を指します。「やめとけ」の多くは体験談と伝聞で語られているもの。判断の土台として、公的統計で分かる範囲を先に押さえておきましょう。

  • コンサルを含む産業区分の離職率は、産業全体より低い
  • 所定内給与の水準は産業計を上回っている
  • 事業所は1か所あたり平均10人規模で、大手ファームだけが業界ではない

離職率の高さを理由にした「やめとけ」は、コンサルを含む産業区分の統計では裏づけが取れません。 厚生労働省の令和6年雇用動向調査(常用労働者5人以上の事業所から無作為に抽出した約15,000事業所が対象。調査対象数は14,867事業所)では、産業計の入職率14.8%・離職率14.2%に対し、「学術研究,専門・技術サービス業」は入職率12.5%・離職率11.1%。入職が離職を1.4ポイント上回っており、人が抜けていくというより増えている区分です。離職率が最も高いのは宿泊業,飲食サービス業の25.1%でした。

ただし、この数字をそのままコンサル業界の実態と読むことはできません。日本標準産業分類では経営コンサルタント業が大分類「学術研究,専門・技術サービス業」に属する一方、同じ区分には研究所や法律事務所、広告業も含まれるためです。雇用動向調査の産業別の集計からはコンサル単体の離職率は分からないため、コンサルを含む広い区分の傾向を示す参考値として扱うのが妥当でしょう。

賃金はどうでしょうか。令和6年賃金構造基本統計調査(令和6年6月分の賃金。常用労働者10人以上の民営事業所50,682事業所を集計)では、一般労働者の所定内給与額が男女計で月額330.4千円。「学術研究,専門・技術サービス業」は401.8千円で、金融業,保険業の410.6千円や情報通信業の391.0千円と並ぶ水準です。産業計より高い所定内給与が支払われている領域だという点は、統計でも確認できます。

よく言われること公的統計で分かること読むときの注意
離職率が高い業界だ学術研究,専門・技術サービス業の離職率は11.1%で産業計14.2%より低い研究所・法律事務所等を含む区分でコンサル単体ではない
給料はいいが命を削る同区分の所定内給与額は月額401.8千円で全体の330.4千円を上回る所定内給与のため残業代・賞与は含まない
大手ファームの世界だ経営コンサルタント業,純粋持株会社は17,521事業所・179,092人純粋持株会社との合算値。1事業所あたり約10.2人

事業所の姿もイメージとは違います。令和3年経済センサス‐活動調査によると、産業小分類「728 経営コンサルタント業,純粋持株会社」の事業所数は17,521、従業者数は179,092人。単純に割れば1事業所あたり約10.2人。民営事業所を従業者規模別に集計した別の統計表では、従業者1〜4人の事業所が7割強を占めており、少人数の事業者が数のうえでは中心です。

参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」
参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査 調査の概要」
参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」
参考:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査 産業別集計 サービス関連産業に関する集計 結果の概要」
参考:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査 産業横断的集計 第5-1表 産業(小分類)、従業者規模別民営事業所数」

コンサルが「やめとけ」と言われる7つの理由

離職率の通説が統計で裏づけられなかったとしても、働き方の負荷が語られる理由まで消えるわけではありません。実際に挙がる理由は次の7つです。

  • 稼働時間が読みにくく、長時間労働になりやすい
  • 成果で評価され、昇進できなければ席がなくなる
  • 華やかなイメージと、実際の作業の落差が大きい
  • 専門性が積み上がらないという不安が残る
  • 周囲のレベルが高く、劣等感を抱えやすい
  • 案件も配属も、自分では選びにくい
  • 提案しても、実行するかはクライアントが決める

稼働時間が読みにくく、長時間労働になりやすい

プロジェクト単位で働くため、繁閑の波が自分の裁量の外で決まります。 提案前や報告前に作業が集中し、山を越えれば落ち着くという周期の繰り返し。波の高さより、波が来る時期を自分で決めにくいところが負担になります。

成果で評価され、昇進できなければ席がなくなる

一般に、一定期間内に次の等級へ上がることを求める運用は、コンサルティングファームでは珍しくないとされます。 年功で積み上がる安心感を求める人には向きませんが、裏を返せば早い段階で責任のある役割に就ける構造でもあるのです。

華やかなイメージと、実際の作業の落差が大きい

戦略を描く仕事だと思って入ると、最初の数年は資料作成、議事録、データの突き合わせが中心になります。経営者と渡り合う場面は、その積み重ねの先にしか出てきません。 1年目から3年目に何をするのかは、入る前に具体的に聞いておきたいところ。

専門性が積み上がらないという不安が残る

案件ごとに業界も論点も変わるため、「何の専門家なのか」を説明しにくい時期が続きます。器用貧乏になるのではないかという不安は、経験者からよく聞く話です。 業界別・機能別のチームを置いて領域を絞る会社もあり、専門性の設計は会社ごとに差が出ます。

周囲のレベルが高く、劣等感を抱えやすい

採用の基準が高いぶん、入社後は「できる人が標準」の環境に置かれます。 比較の対象が常に身近にいる環境を、成長の材料と受け取るか、自信を削られる材料と受け取るか。ここは能力よりも性格の問題に近いでしょう。

案件も配属も、自分では選びにくい

アサインは会社の都合とプロジェクトの需要で決まり、希望を出せる仕組みがあっても必ず通るとは限りません。やりたいテーマがはっきりしている人ほど、この不確実性を負担に感じます。 直近1年で希望どおりのアサインになった割合まで踏み込んで聞いておくと、入社後のギャップが減ります。

提案しても、実行するかはクライアントが決める

どれだけ精緻に分析しても、実行するかを決めるのはクライアントです。自分の手で事業を動かした実感を求める人にとって、この距離感は物足りなさとして残ります。 事業会社側に移る人が一定数いる理由の一つも、ここにあると考えられます。

7つの理由は、ファームの類型で効き方が変わる

同じ「やめとけ」でも、どの類型のファームを指しているかで中身は変わります。一般に語られる傾向を並べると、7つの理由のうちどれが強く出るかに差があるのです。

類型案件の進み方求められること言われやすい「やめとけ」
戦略系短い期間で論点を詰める論理構成と仮説検証稼働の山が高く、昇進の要求水準も高い
総合系構想から実行まで長く伴走する業務・業界の知識と推進力案件の幅が広く、専門性が定まりにくい
IT系システム導入のプロジェクト単位業務とシステムの両面の理解開発の遅れがそのまま長時間労働になりやすい
シンクタンク調査・研究のサイクルが中心統計・政策・産業の分析提言までで、実行の手応えを得にくい
中小企業向け・独立系経営者に密着して継続支援経営全般と現場の実行支援少人数で担う範囲が広い

志望先がどの類型かで、確かめるべき点も変わります。 面接で直近の案件の期間と自分が担う工程を具体的に聞いておくと、7つの理由のうちどれが自分に効くのかが見えてくるでしょう。

「激務でメンタルが壊れる」はどこまで本当か

激務という言葉は使う人によって幅があります。法令と統計には、負荷を測るための客観的な線が引かれています。

  • 労災認定で使われる過労死ラインは月80時間から100時間の時間外労働
  • 時間外労働には罰則付きの上限規制があり、青天井は違法。ただし高度プロフェッショナル制度という例外がある
  • 月80時間超を経験した労働者は全産業で1.4%、コンサルを含む区分では0.4%
  • メンタル不調で休業・退職者が出た事業所は産業計13.5%、コンサルを含む区分は27.0%

労災認定の基準では、発症前1か月におおむね100時間、または発症前2か月から6か月間にわたって1か月あたり80時間を超える時間外労働が認められる場合に、業務と発症との関連性が強いと評価されます。令和3年9月の改正では、この時間に至らなかった場合でも、これに近い時間外労働を行っていたときは労働時間以外の負荷要因とあわせて総合評価する旨が明確化されました。

上限規制も押さえておきましょう。時間外労働は原則として月45時間・年360時間が上限で、特別条項を結んでも年720時間以内、休日労働を含む複数月平均80時間以内、同じく月100時間未満、月45時間を超えられるのは年6か月まで。違反には6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が定められています。例外は限られており、「コンサルだから何時間でも働かせてよい」という運用が許されるわけではありません。

時間外労働の上限規制。原則は月45時間・年360時間。特別条項を結んでも年720時間以内、休日労働を含む複数月平均80時間以内かつ月100時間未満、月45時間を超えられるのは年6か月まで。違反は6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金。

ただし、高度プロフェッショナル制度が適用された場合だけは、労働基準法の労働時間・休憩・休日・深夜の割増賃金に関する規定が適用されません。この制度の対象業務には、顧客の事業の運営に関する重要事項を調査・分析して助言するコンサルタントの業務が含まれています。 適用には年収1,075万円以上であること、労使委員会の決議、本人の同意、年間104日以上の休日確保措置といった要件がそろう必要があり、自分に適用されているかどうかは労働条件通知書と就業規則で確認できます。

実際の負荷はどうか。厚生労働省の令和7年労働安全衛生調査(常用労働者10人以上の民営事業所から抽出した約14,000事業所・労働者約18,000人が対象)では、過去1年間に1か月の時間外・休日労働が80時間を超えた月があった労働者は1.4%。同調査の統計表で産業別に見ると、コンサルを含む「学術研究,専門・技術サービス業」は0.4%でした。メンタルヘルス不調で連続1か月以上休業または退職した労働者がいた事業所は13.5%、労働者ベースでは休業0.6%・退職0.2%でした。強い不安・悩み・ストレスを感じる事柄がある労働者は67.5%にのぼり、内容は「仕事の量」39.5%、「仕事の失敗、責任の発生等」39.5%、「対人関係」32.9%の順です。

ただし、メンタルヘルス不調で休業・退職者が出た事業所の割合を産業別に見ると、コンサルを含む「学術研究,専門・技術サービス業」は27.0%で産業計の2倍でした。 情報通信業の37.4%に次ぐ水準。事業所の規模が大きいほどこの割合は高くなる調査(1,000人以上で92.9%、10〜29人で6.8%)なので単純比較はできませんが、コンサルを含む区分が低い側ではないことは押さえておきたいところです。

先に挙げた67.5%は、全産業を合わせた集計値です。 重い負荷はコンサルだけの話ではない、と読むことはできます。とはいえ産業別に見れば、コンサルを含む区分はメンタル不調の面で高い側でした。業界を避ければ回避できる性質のものではなく、量と責任をどう扱うかという問題として考えるほうが現実的でしょう。

参考:厚生労働省「脳・心臓疾患の労災認定基準 改正に関する4つのポイント」
参考:厚生労働省「働き方改革特設サイト 時間外労働の上限規制」
参考:厚生労働省「高度プロフェッショナル制度の概要」
参考:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査 実態調査 の概況」
参考:厚生労働省「令和7年労働安全衛生調査(実態調査)統計表 個人調査 第4表」

コンサルに向いている人と、向いていない人

やめとけが当てはまるかは、業界の性質と自分の性格の組み合わせで決まります。同じ環境でも、伸びる人と消耗する人に分かれるのはこのためです。 分かれ目は能力ではなく、次の6場面をどう受け取るかにあります。

  • 仕事の受け取り方と、日々の予定の立て方
  • 評価のされ方と、学習の進め方
  • 周囲との比較と、成果を実感する場面
場面向いている人向いていない人
仕事の受け取り方答えのない問いを面白いと感じる手順が決まっていないと動きにくい
予定の立て方繁閑の波を前提に生活を組める毎日同じリズムで働きたい
評価への納得成果で判断されることを受け入れられる年次や勤続で積み上がるほうが安心できる
学習の姿勢未知の業界を自分で調べて追いつける体系立てて教わってから動きたい
他者との比較優秀な人の近くにいることを歓迎できる比較され続けると自信を失いやすい
成果の実感提案が採られる過程そのものに手応えを持てる自分の手で最後まで動かしたい

右の列に多く当てはまっても、能力が低いという話にはなりません。向き不向きは優劣ではなく、環境との相性の問題です。

新卒・第二新卒・未経験、段階別に見る「やめとけ」

同じ「やめとけ」でも、キャリアのどの段階にいるかで意味が変わります。自分の段階に当てはまる話かどうかを切り分けて読みましょう。

  • 新卒は、教育の中身と最初の3年で任される仕事を確認する
  • 第二新卒・未経験の中途は、前職の経験がどの案件で使われるかを確認する
  • 30代以降は、入社後に求められる役割の水準を確認する

新卒でコンサルを選ぶとき

新卒への「やめとけ」の中身は、事業会社の実務を知らないまま助言する側に回ることへの懸念です。現場の肌感がないまま資料の中だけで考える癖がつくと、提案が机上のものになりやすいという指摘には一定の説得力があります。 一方、若いうちに複数の業界と経営課題に触れられる環境は他で得にくいもの。分かれ目は、研修の内容と最初の3年で任される仕事が具体的に説明されるかどうかです。

第二新卒・未経験から中途で入るとき

未経験の中途では、前職の業界知識や職種経験がどの案件で使われるかが焦点になります。接続点がないまま入ると、周囲との差を年次ではなく能力の差として受け取ってしまい、消耗が早くなります。 面接で「私の前職の経験は、どの領域の案件で活きますか」と聞き、具体的な案件名やチーム名が返ってくるかを見てください。

30代以降に転じるとき

30代以降は、入社時点の等級に応じてチームを率いる役割が期待されます。分析の実務に加え、クライアントとの折衝や若手の育成まで含む仕事になるという理解が必要。求められる役割の水準を入社前に握れているかどうかが、ミスマッチの分かれ目になります。

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コンサルを辞めた後、キャリアは狭まるのか

辞めた後の選択肢は、在籍中に何を担当したかで決まります。職務経歴書に書けるのは会社の名前ではなく、担当した業界・論点と、そこで出した結果です。

代表的なものとしてよく挙がる進路は、事業会社の経営企画や事業開発、成長企業の幹部候補、投資・M&Aアドバイザリー、独立といったところ。短期間で新しい業界に追いついた経験や、経営層に説明して意思決定に持ち込んだ経験は、いずれの進路でも説明しやすい材料になります。隣接領域としてM&A業界の年収・仕事内容を見比べておくと、出口の相場感がつかみやすくなるでしょう。

顧客はコンサルの何に落胆するのか

「やめとけ」にはもう一つの読み方があります。コンサルになるのをやめとけ、ではなく、コンサルを雇うのをやめとけ、という発注側の声です。取材で経営者と話していると、外部の支援に一度は落胆した経験を持つ方が想像以上に多いと感じます。顧客が何に失望するのかを知ることは、自分がこの仕事で価値を出せるかを判断する材料になります。

株式会社アトラスパートナーズ 代表取締役の杉浦誠二氏は、自身が受けたコンサルティングをこう振り返っています。

“
最初は不動産投資をやろうと思い、100万円ほどのコンサルティングを受けましたが、1円も稼げないまま終わってしまいました。
株式会社アトラスパートナーズ 代表取締役
杉浦 誠二
インタビューを読む

同じ記事で杉浦氏は、志や理念がないまま支援に入ると「表面では『あなたの課題を解決します』と言っていても、本音の目的がお金になってしまう」とも語っています。報酬が先に立つ構造は、支援する側の内側から見ても危ういということでしょう。

支援する側の自己規定も参考になります。ハンザ・アドバイザーズ株式会社 代表取締役の福島貴将氏は、アドバイザーという立場を次のように説明します。

“
アドバイザーという名称は、ともすると上から目線に聞こえるかもしれません。しかし私たちは、M&Aという専門分野においてノウハウと経験を一時的に提供しているに過ぎません。
ハンザ・アドバイザーズ株式会社 代表取締役
福島 貴将
インタビューを読む

一時的に提供しているに過ぎない、という認識があるかどうかで提案の作り方は変わります。株式会社LANY 代表取締役の竹内渓太氏も、支援の質を分けるのは現場感だと述べています。

“
事業会社の経験があるからこそ、お客様が実際に動かせる提案ができますし、お客様の中に入ってコミットすることができる。
株式会社LANY 代表取締役
竹内 渓太
インタビューを読む

動かせる提案かどうか。この一点が、顧客から見た良し悪しを分けています。 立派な資料が納品されても、社内に実行する人と時間がなければ何も変わりません。

経営者には、有料のコンサルティング以外の選択肢もあります。国が全国47都道府県に設置しているよろず支援拠点は、中小企業・小規模事業者が何度でも無料で経営相談できる窓口で、令和6年度の相談対応件数は717,618件。経営コンサルタントとして唯一の国家資格である中小企業診断士も、中小企業支援法にもとづき経済産業大臣が登録する制度です。有料の支援は、こうした公的な選択肢と比べられたうえで選ばれているのです。

参考:中小企業基盤整備機構「令和6年度よろず支援拠点相談等実績」
参考:中小企業基盤整備機構「よろず支援拠点」
参考:中小企業基盤整備機構「J-Net21 中小企業診断士」

コンサルという仕事のリアルは、当事者の言葉から読む

匿名の掲示板やSNSでは、極端な体験ほど拡散されます。判断材料にするなら、名前と会社を明かして語っている人の言葉のほうが確度は高いはずです。

熱狂ベンチャーナビでは、コンサルティングを手がける会社の経営者にも、名前と会社を明かしたうえで話を聞いています。支援する側から見た仕事の手応えや、仕組みを入れても成果につながりにくい現実まで、匿名の書き込みでは見えない輪郭がそこにあります。面接で同じ話題を振ったとき、どんな答えが返ってくるかを比べる材料にしてください。

経営者インタビューを読む|熱狂ベンチャーナビ

コンサルはやめとけに関するよくある質問

コンサルは本当に離職率が高いのですか?

コンサル単体の離職率は、厚生労働省の雇用動向調査の産業別集計からは分かりません。 同調査の令和6年分では、経営コンサルタント業を含む「学術研究,専門・技術サービス業」の離職率は11.1%で、産業計の14.2%を下回っています。ただしこの区分には研究所や法律事務所、広告業なども含まれるため、コンサル業界だけの数字としては扱えません。個別のファームの定着状況は、面接で直近3年の入退社の状況を尋ねて確かめるのが確実です。

参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」

コンサルの激務は法律的に問題ないのですか?

時間外労働には罰則付きの上限規制があり、「コンサルだから対象外」という業種の例外はありません。 原則は月45時間・年360時間で、特別条項を結んでも年720時間以内、休日労働を含めて複数月平均80時間以内・月100時間未満、月45時間を超えられるのは年6か月まで。違反した場合は6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象となります。例外があるとすれば業種ではなく業務と年収で決まる高度プロフェッショナル制度で、対象業務にコンサルタントの業務が含まれ、年収1,075万円以上などの要件を満たすと労働時間の規定が適用されなくなります。裁量労働制の場合は上限規制が残り、労働時間の状況の把握と健康確保措置も使用者の義務として残るのです。

参考:厚生労働省「働き方改革特設サイト 時間外労働の上限規制」
参考:厚生労働省「高度プロフェッショナル制度の概要」

コンサルを何年で辞めるのが一般的ですか?

一般的な年数を示す公的な数字はなく、ファームや職位によって差があります。目安として語られやすいのは、次の等級に上がる区切りや担当領域が固まる時期。年数より、職務経歴書に書ける論点と成果がそろったかどうかで判断するほうが現実的でしょう。 短期間で辞めた場合、その理由は次の選考で必ず問われます。

匿名掲示板やSNSの「やめとけ」は信じてよいですか?

極端な体験ほど拡散されやすいという偏りを前提に読んでください。 匿名の投稿は、投稿者の職位、在籍時期、担当した案件が分からないまま結論だけが流通します。同じファームでもチームによって働き方が違うため、一つの体験談を業界全体の話として受け取ると判断を誤ります。公的統計で全体の傾向をつかみ、個別の会社は面接で確かめる。この二段構えが現実的です。

コンサルの仕事はAIに置き換わりますか?

情報の整理や資料の作成といった作業は、すでに自動化が進んでいる領域。一方で、顧客との対話からしか得られない数字の裏側にある想いや状況まで読み解いて伴走する部分は、当面は人が担う領域として残ると考えられます。作業が減るぶん、顧客と対話して意思決定に持ち込む部分の比重が上がっていくのでしょう。

まとめ

「コンサルはやめとけ」と言われる理由は、稼働の波、成果主義、イメージとのギャップ、専門性への不安、周囲との比較、アサインの不確実性、実行を決めるのは顧客だという構造の7つに整理できます。ただし、その根拠としてよく挙がる離職率は、コンサルを含む「学術研究,専門・技術サービス業」という広い区分で見るかぎり、産業計を下回っていました。時間外労働には罰則付きの上限規制があり、月80時間超を経験した労働者は全産業で1.4%、コンサルを含む区分では0.4%でした。ただしこれも広い区分の値で、コンサル業界だけの水準までは分かりません。強いストレスを感じる労働者は全体で67.5%にのぼり、負荷はコンサルだけの問題ではないという見方は成り立ちます。個別のファームがどうかは、面接で直近の残業時間の実績を尋ねて確かめるほかありません。

正直なところ、編集部でも取材前は「コンサル=激務」という漠然としたイメージを持っていました。実際に話を聞くと、語られていたのは働く時間の長さより、顧客の事業を動かせたかどうかという手応えの話だったのです。やめとけが自分に当てはまるかは、業界の平均ではなく、答えのない問いに向き合う時間を面白いと感じられるかで決まります。気になる会社があるなら、この記事の7つの理由を持って面接に臨み、経営者インタビューで語られている内容と見比べてみてください。

自分に向いているかを確かめるには、実際にどんな求人が出ているのかを並べて見るのが早道です。

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編集者

小川 莉奈 - 熱狂ベンチャーナビ編集部

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看護師から一般企業へ就職。その後株式会社デジマケに入社。自身の転職経験を元に新卒~若手の転職者にわかりやすい情報をお届けします。

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西畑大樹 - 熱狂ベンチャーナビ運営責任者

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新卒で証券会社に入社。その後、不動産・マーケティング・SaaS企業と4社の経験を経て独立。
学生時代は無人島のインターンや創業2か月目の会社でインターン生として2年勤務。
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