平均年収は487万円|20代・30代・40代・男女別と国税庁・厚労省の違い

国税庁の最新の調査(令和7年分)では、日本の平均年収は487万円です。
ただ、年収が500万円以下の人は全体の6割を超えます。平均は一部の高い年収に引っぱられるので、平均を下回っていても、それが多くの人の実態に近いのです。
この記事では、20代・30代・40代の年代別や男女別、業種別の平均を並べたうえで、自分の年収と比べるときの見方まで整理します。
平均より高いか低いかが分かっても、次に何をすればいいかまでは見えてきません。いまの経験が転職市場でどう評価されるのか、つまり自分の市場価値は、転職エージェントを活用すれば無料で確認できます。
日本の平均年収は487万円|男女別と正社員・正社員以外
国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」で、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円でした。 押さえておきたいのは次の3点です。
- 平均給与は487万円で、5年連続の増加
- 男性は597万円、女性は342万円
- 正社員は559万円、正社員以外は210万円
| 区分 | 平均給与 | 前年比 | 人数 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 487万円 | 1.9%増 | 5,163万人 |
| 男性 | 597万円 | 1.7%増 | 2,934万人 |
| 女性 | 342万円 | 2.6%増 | 2,229万人 |
| 正社員(正職員) | 559万円 | 2.6%増 | 3,422万人 |
| 正社員(正職員)以外 | 210万円 | 1.6%増 | 1,305万人 |
487万円の内訳は、毎月の給料・手当が年間で412万円、賞与が75万円です。国税庁の報道発表資料は、平均給与が5年連続で増え、過去最高になったとしています。ただし平成25年分以前は推計の手法が異なる、という注記つき。対象となった人の平均年齢は47.3歳、平均勤続年数は12.5年でした。
男性と女性の差は255万円
男性597万円と女性342万円の差は255万円あります。ただ、この差には働き方の構成の違いも含まれています。1年を通じて勤務した人のうち正社員以外は、男性438万人に対して女性867万人と、女性のほうが2倍近く多いのです。
正社員どうしで比べると、男性623万円、女性444万円になります。 正社員以外では男性270万円、女性179万円。平均勤続年数も男性14.1年、女性10.4年と違うため、全体の平均の差は、雇用形態や勤続年数の構成の違いも含んだ数字として読む必要があります。
正社員は559万円、正社員以外は210万円
国税庁のいう「正社員(正職員)」は、就業規則などで正社員として扱われている人です。「正社員(正職員)以外」はパート・アルバイトなど、正社員として扱われていない人を指し、どちらにも役員は含まれません。
正社員以外の210万円は、パート・アルバイトなど働き方の異なる人をまとめて、1年分の給与をならした金額です。 時給の高さを比べた数字ではありません。人数は前年から49万人増えて1,305万人となり、前年より8万人減った正社員の3,422万人とは逆の動きでした。
参考:国税庁「令和7年分民間給与実態統計調査結果について」
参考:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」
年代別の平均年収|20代・30代・40代・50代
年代別に見ると、男性は55〜59歳の734.1万円まで上がり続け、女性は25〜29歳の382.7万円が最も高くなっています。 国税庁の令和7年分の統計表は5歳刻みで公表されているため、10歳刻みの平均は、各年齢階層の給与総額と人数をもとに編集部が計算しました。
- 20代は370.6万円で、前半と後半の差が大きい
- 30代は483.0万円で、後半に男女計が500万円を超える
- 40代は541.2万円、50代の570.1万円が年代別で最も高い
| 年代 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 370.6万円 | 399.5万円 | 336.8万円 |
| 30代 | 483.0万円 | 565.3万円 | 369.0万円 |
| 40代 | 541.2万円 | 666.2万円 | 373.8万円 |
| 50代 | 570.1万円 | 723.6万円 | 367.2万円 |
| 60代 | 441.8万円 | 560.8万円 | 281.7万円 |
5歳刻みで見ると、男性は20〜24歳の293.8万円から55〜59歳の734.1万円まで、2.5倍に伸びています。女性は25〜29歳の382.7万円が最も高く、その後は59歳まで357.1万〜377.0万円の幅で推移します。

20代の平均年収
20代の平均は370.6万円で、男性399.5万円、女性336.8万円です。20〜24歳は280.2万円で、男性293.8万円、女性265.4万円。25〜29歳になると425.0万円まで上がり、男性459.6万円、女性382.7万円となります。20代の前半と後半では、男女計で144.8万円の開きがあります。
なお、この平均の対象は1月から12月まで同じ勤め先で働いた人です。4月に入社した新卒1年目の人は、その年のこの平均には含まれません。
30代の平均年収
30代の平均は483.0万円で、男性565.3万円、女性369.0万円です。30〜34歳は461.9万円で、男性528.7万円、女性375.6万円。35〜39歳では男女計が502.7万円と500万円を超え、男性は597.7万円、女性は362.3万円でした。
30代の前半から後半にかけて、男性は69.0万円上がる一方、女性は13.3万円下がっています。 男女の差が大きく開くのが、この年代です。
40代の平均年収
40代の平均は541.2万円で、男性666.2万円、女性373.8万円です。40〜44歳は531.2万円で、男性647.8万円、女性370.1万円。45〜49歳は549.8万円で、男性682.6万円、女性377.0万円になります。
40代後半の男女差は305.6万円です。 男性の伸びが続く一方で、女性の平均は30代からほぼ同じ水準にとどまっています。
50代以降の平均年収
50代の平均は570.1万円で、男性723.6万円、女性367.2万円です。50〜54歳は567.6万円で、男性714.8万円、女性375.5万円。55〜59歳は573.1万円と年齢階層で最も高く、男性は734.1万円、女性は357.1万円でした。
60歳を過ぎると、男女とも平均は下がります。60〜64歳は481.1万円で男性612.5万円・女性306.8万円、65〜69歳は374.9万円で男性474.1万円・女性238.0万円、70歳以上は307.7万円で男性382.3万円・女性209.7万円です。
短時間労働者を除く厚労省の統計では、女性の賃金カーブも上向く
国税庁の年代別の数字は、正社員とパート・アルバイトなどを合わせた平均です。 短時間労働者を除いた一般労働者の月額賃金を集計した厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」では、女性の賃金は45〜49歳と55〜59歳の30万5,700円が最も高く、20〜24歳を100とすると127.6まで上がります。男性は55〜59歳の44万5,600円がピークで、同じく181.4です。
どこまでの働き方を含めるか、年収で見るか月給で見るかによって、年代別の線の形は変わります。2つの統計を並べると、女性の平均が年代でほぼ横ばいに見えるのは国税庁の数字のほうです。
参考:国税庁「民間給与実態統計調査結果 令和7年分 統計表」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
業種別・事業所規模別に見る平均年収
同じ平均年収でも、どの業種の、どの規模の事業所で働くかによって、100万円単位の差がつきます。 国税庁の令和7年分の統計から読み取れるのは、次の3点です。
- 業種別では、最も高い業種と最も低い業種で約3.1倍の差がある
- 事業所規模別では、10人未満と5,000人以上で149.6万円の差がある
- 規模による差は、毎月の給料より賞与で大きく開く
業種別の平均年収
1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与を、業種別に並べると次のとおりです。
| 業種 | 平均給与 | 給与所得者数 |
|---|---|---|
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 854.4万円 | 18.2万人 |
| 金融業,保険業 | 725.6万円 | 129.5万人 |
| 情報通信業 | 681.9万円 | 225.7万人 |
| 建設業 | 590.3万円 | 410.8万人 |
| 製造業 | 573.0万円 | 925.6万人 |
| 学術研究,専門・技術サービス業,教育,学習支援業 | 567.9万円 | 264.2万人 |
| 不動産業,物品賃貸業 | 512.5万円 | 127.7万人 |
| 複合サービス事業 | 509.5万円 | 106.8万人 |
| 運輸業,郵便業 | 482.5万円 | 306.4万人 |
| 医療,福祉 | 424.0万円 | 750.4万人 |
| 卸売業,小売業 | 413.4万円 | 818.7万人 |
| サービス業 | 401.7万円 | 782.7万人 |
| 農林水産・鉱業 | 393.7万円 | 49.2万人 |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 275.8万円 | 247.2万人 |
| 全業種 | 486.6万円 | 5,163.1万人 |
※統計表の千円単位を万円に換算しています。全体の平均487万円は、486.6万円の万円未満を四捨五入した値です。
最も高い電気・ガス・熱供給・水道業の854.4万円は、最も低い宿泊業,飲食サービス業の275.8万円の約3.1倍です。ただし電気・ガス・熱供給・水道業は給与所得者が18.2万人と少なく、国税庁もこの業種を例に挙げて、標本事業所数が非常に少ない箇所の計数は精度が低くなると注意書きしています。
見落としやすいのは、人数の偏りです。 働く人が多い製造業、卸売業,小売業、サービス業、医療,福祉の4業種は合わせて3,277.4万人と、全体の6割を超えます。このうち全業種の平均486.6万円を上回るのは、製造業の573.0万円だけでした。
業種は、働いている事業所ではなく、その事業所が属する企業の業種で分類されています。たとえば鉄道会社の不動産部門で働く人は、「運輸業,郵便業」に数えられる仕組みです。
事業所規模別の平均年収
事業所の従事員数別に見ると、1〜4人の事業所が380.4万円、5〜9人が413.5万円、10〜29人が453.6万円、30〜99人が454.5万円、100〜499人が476.0万円、500〜999人が509.6万円、1,000〜4,999人が556.2万円、5,000人以上が547.5万円でした。1,000人以上の2区分は、いずれも550万円前後です。

10人未満の事業所の397.9万円と、5,000人以上の547.5万円では149.6万円の差があります。 差の中身を見ると、毎月の給料・手当は10人未満が年間371.4万円、5,000人以上が436.0万円で、差は64.6万円。賞与は26.6万円と111.6万円で、85.0万円の差がついています。149.6万円の差のうち、半分以上は賞与で生まれているわけです。給料・手当に対する賞与の割合も、10人未満の7.2%に対して、5,000人以上は25.6%と大きく違います。
規模の小さい事業所では賞与の比重が小さいため、求人を比べるときは年収の総額だけでなく、月々の給与と賞与の内訳まで確かめておくと実態がつかみやすくなります。
もう1つ知っておきたいのは、事業所の数え方です。国税庁の調査は、給与の支払事務を行う単位を1つの事業所として数えます。令和3年に総務省統計委員会担当室の委託でまとめられた「賃金関連統計の比較検証に関する調査研究」は、本社で給与をまとめて支払う会社は拠点が複数あっても1つの事業所として扱われるため、この調査では規模の大きい事業所が相対的に多くなる傾向があると指摘しています。規模別の数字は、会社の大きさそのものより「給与を支払う単位の大きさ」として読むのが安全です。
参考:国税庁「民間給与実態統計調査結果 令和7年分 統計表」
参考:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」
参考:国税庁「民間給与実態統計調査(調査の概要・利用上の注意)」
参考:総務省「賃金関連統計の比較検証に関する調査研究 報告書」
国税庁と厚生労働省、平均年収はどちらの数字を見ればいい?
年収で比べるなら国税庁の「民間給与実態統計調査」、職種や学歴、企業規模などの条件をそろえて月給を比べるなら厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を使います。 2つの統計は、数えている人の範囲も、数えているお金の範囲も違うからです。違いは次の3点に集約されます。
- 国税庁は年額、厚生労働省は6月分の月額
- 国税庁はパート・アルバイトや小さな事業所まで含む
- 対象をそろえると、2つの差はほぼなくなる
| 比べる点 | 国税庁「民間給与実態統計調査」 | 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 |
|---|---|---|
| 金額の単位 | 1年間の給与(年額) | 6月分の賃金(月額) |
| 含まれるお金 | 給料・手当と賞与の合計。通勤手当などの非課税分は含まない | 所定内給与額。残業代や休日出勤手当などは含まない。賞与は前年1年分を別に集計 |
| 対象になる人 | 民間の事業所で働く給与所得者。パート・アルバイトと役員を含み、公務員は含まない | 常用労働者。概況でいう「賃金」は短時間労働者を除く一般労働者の数字 |
| 事業所の範囲 | 従事員1人の事業所から | 概況の集計は常用労働者10人以上の民営事業所 |
| 最新の数字 | 平均給与487万円(令和7年分) | 一般労働者の賃金34万600円(令和7年6月分) |
| 公表の時期 | 令和7年分は令和8年9月 | 令和7年調査は令和8年3月 |
| 向いている使い方 | 日本全体の年収水準と、年代・男女・業種・事業所規模別の年収をつかむ | 職種・学歴・企業規模・都道府県などの条件をそろえて月給を比べる |
いちばん大きな違いは、年額か月額かです。 国税庁の給与は、1年間に支払われた給料・手当と賞与を合計した額。一方、厚生労働省の概況でいう「賃金」は6月分の所定内給与額で、残業代などの超過労働給与額を差し引いた、所得税などを控除する前の月額です。賞与は前年1年分を別に調べています。
もう1つの違いは、数える人の範囲です。国税庁はパート・アルバイトや役員も含め、従事員1人の事業所から集計します。厚生労働省の概況は常用労働者10人以上の民営事業所が対象で、「賃金」は短時間労働者を除いた一般労働者の数字です。
年収に直すと545.6万円。差は「誰を数えるか」で生まれる
厚生労働省の数字も、年収に近い形に直せます。e-Statで公開されている令和7年賃金構造基本統計調査の統計表では、一般労働者のきまって支給する現金給与額が月37万500円、前年の年間賞与その他特別給与額が100万9,600円です。きまって支給する現金給与額は残業代なども含んだ月々の給与なので、これを12倍して賞与を足すと545.6万円。編集部による概算で、男女別に同じ計算をすると次のようになります。
| 区分 | 国税庁 平均給与 | 国税庁 正社員の平均給与 | 厚生労働省 一般労働者の年収換算 |
|---|---|---|---|
| 男女計 | 487万円 | 559万円 | 545.6万円 |
| 男性 | 597万円 | 623万円 | 610.7万円 |
| 女性 | 342万円 | 444万円 | 437.1万円 |
年収に直した厚生労働省の数字は、国税庁の平均給与487万円より58.6万円高くなります。ところが国税庁の正社員の平均と並べると、かなり近い水準です。どちらかが間違っているのではなく、誰を数えているかの違いが数字の差になっていると考えられます。 総務省の委託調査研究「賃金関連統計の比較検証に関する調査研究」も、2つの調査は公表値に差があるものの、個票データで対象の属性をそろえると差はほぼ解消されたとし、公表値の差は調査対象と集計に使うサンプルの違いによるものとの見方を示しました。
ちなみに、民間の転職サービスなどが自社の登録者のデータから平均年収を出していることもあります。対象がそのサービスの登録者に限られるため、公的統計とは別の物差しとして読むのが安全です。
参考:国税庁「民間給与実態統計調査(調査の概要・用語の解説)」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類(e-Stat)」
参考:総務省「賃金関連統計の比較検証に関する調査研究 報告書」
自分の年収を平均と比べるときの3つの注意点
平均年収と自分の年収を並べる前に、その平均がどんな数字なのかを確かめておきましょう。ずれが生まれやすいのは、次の3点です。
- 平均は一部の高い給与に引き上げられる
- 平均給与は手取りではなく額面
- 対象は1年を通じて同じ勤め先で働いた人
平均は一部の高い給与に引き上げられる
国税庁の令和7年分の給与階級別分布で、最も人数が多いのは300万円超400万円以下の799万人で、全体の15.5%。次いで400万円超500万円以下の792万人、15.3%です。人数を低い順に積み上げると、500万円以下の人が全体の62.3%を占めます。平均の487万円は、ちょうど真ん中の人の給与を表しているわけではありません。
平均を押し上げているのは、人数は少なくても金額の大きい層です。 年間給与が1,000万円を超える人は全体の6.6%ですが、受け取っている給与の合計は、給与総額の20.4%にのぼります。いずれも国税庁の統計表の人数と給与総額から、編集部が計算した割合です。
平均は全員の給与の合計を人数で割った値で、低い順に並べて真ん中にくる人の値を中央値といいます。高い給与の人が一部にいても中央値は動きにくい、という点が平均との違いです。国税庁の調査結果に、中央値は載っていません。1,000万円を超える人の割合を年代別・男女別に知りたい場合は、年収1000万円は30代の何%?年齢・男女別の割合も参考になります。
平均給与は手取りではなく額面
国税庁のいう給与は、1年間に支払われた給料・手当と賞与の合計で、給与所得控除の前の収入金額です。通勤手当などの非課税分は含みません。所得税や住民税、社会保険料が差し引かれる前の、いわゆる額面の数字です。
比べるときは、給与の振込額ではなく、源泉徴収票の「支払金額」を使います。 国税庁の源泉徴収票の記載要領によると、支払金額はその年中に支払いが確定した給与等の金額で、源泉徴収税額や社会保険料等の金額とは別の欄に記載されます。毎月の振込額を12倍した数字を平均と並べると、自分の年収を実際より低く見積もることになるでしょう。
対象は1年を通じて同じ勤め先で働いた人
平均給与487万円の対象は、1月から12月まで同じ勤め先に勤め、12か月分の給与を受け取った人です。年の途中で入社した人や転職した人は、その勤め先では「1年未満勤続者」として別に集計されます。転職した年の年収は、そもそも平均と同じ物差しに乗りにくいと考えておきましょう。
掛け持ちの扱いにも注意が必要です。この調査は事業所が支払った給与に着目して集計するため、2か所以上から給与を受け取っている人は、それぞれの事業所で別々の給与所得者として数えられます。主な勤め先以外から受け取る給与を独立した給与所得者とみなした「乙欄適用者」を除くと、平均給与は496万円です。
参考:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」
参考:国税庁「民間給与実態統計調査結果 令和7年分 統計表」
参考:国税庁「【記載要領】給与所得の源泉徴収票」
平均と比べたあとに見ておきたい、給与の伸び方と市場価値
平均と比べて分かるのは、いまの自分の位置までです。そこから先を考えるときは、次の2つを見ておくと判断の材料が増えます。
- その仕事や会社で、年齢とともに給与がどう伸びるか
- 自分の経験に、社外でいくらの値段が付くか
私たちが経営者に給与の話を聞くと、金額そのものより「どう上がっていくのか」に話が向かうことが少なくありません。
伸び方は仕事や会社によって違う
国税庁の令和7年分の年代別の平均で、男性の給与が55〜59歳までに20〜24歳の2.5倍になるのは、あらゆる仕事をならした線での話です。仕事によっては、スタートの水準が高くても、その後の伸びが緩やかなこともあります。看護師として働いたのち、営業職を経て起業した株式会社ARIAの宮崎大輔社長は、看護師の給与をこう振り返っています。
いまの年収が平均より高いか低いかと同じくらい、5年後、10年後にどう変わる仕事なのかを確かめておく価値があります。 求人を比べるときは、入社後の昇給の仕組みや、同じ職種で数年働いた社員の給与例を面接で聞いてみてください。
参考:国税庁「民間給与実態統計調査結果 令和7年分 統計表」
自分の値段は、社外の物差しで確かめないと見えにくい
給与が社内の基準だけで決まっていると、自分の経験が市場でいくらに当たるのかは見えにくくなります。株式会社ガトラボの村田駿社長は、SES業界のエンジニアが置かれがちな状況をこう語っています。
平均年収は社会全体の物差しで、市場価値は自分の経験に付く値札です。 社外での値段を知るには、マイナビ・リクナビの求人票で同じ職種・同じ経験年数の年収レンジを見比べる、転職エージェントに経歴を伝えて評価を聞く、といった方法があります。評価される働き方そのものに目を向けたい人は、成長が早い人の特徴9選もあわせて読んでみてください。
熱狂ベンチャーナビでは、経営者本人に会い、事業への思いや社員への任せ方、評価の決め方などを聞いています。求人票の年収欄だけでは分からない、会社ごとの考え方を知る材料にしてください。
平均年収に関するよくある質問
日本の平均年収はいくらですか?
国税庁の令和7年分の調査で487万円です。 1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与で、男性は597万円、女性は342万円でした。前年比1.9%の増加で、5年連続で増えて過去最高となっています。税金や社会保険料を引く前の額面の数字で、パート・アルバイトを含み、公務員は含みません。
20代・30代・40代の平均年収はいくらですか?
20代は370.6万円、30代は483.0万円、40代は541.2万円です。 国税庁の令和7年分の5歳刻みの統計から、給与総額と人数をもとに編集部が計算しました。男性は20代399.5万円、30代565.3万円、40代666.2万円。女性は20代336.8万円、30代369.0万円、40代373.8万円です。
平均年収の手取りはいくらですか?
一律には決まりません。 国税庁の平均給与487万円は、所得税・住民税・社会保険料などを差し引く前の額面です。差し引かれる額は、扶養家族の有無や加入している健康保険などによって変わります。自分の額面と平均を比べるなら、源泉徴収票の「支払金額」を使ってください。
公務員の給与は平均年収に含まれますか?
含まれません。 国税庁の民間給与実態統計調査は民間の事業所に勤務する給与所得者が対象で、国家公務員や地方公務員は対象外です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査も、概況で示される数字は常用労働者10人以上の民営事業所が集計の対象となっています。
転職サイトの平均年収と国税庁の数字が違うのはなぜですか?
集計の対象が違うためです。 転職サービスなどが公表する平均年収には、そのサービスの登録者のデータから出したものがあり、公的統計とは対象者が異なります。国税庁の487万円は、パート・アルバイトや役員も含め、1年を通じて勤務した民間の給与所得者の平均です。どの集団の平均なのかを確かめてから比べると、数字の違いに振り回されずに済みます。
まとめ
日本の平均年収は、国税庁の令和7年分の調査で487万円でした。男性597万円、女性342万円、正社員559万円、正社員以外210万円。年代別では男性が55〜59歳の734.1万円まで上がり続け、女性は25〜29歳の382.7万円を最高に、50代までほぼ横ばいで推移します。業種別では電気・ガス・熱供給・水道業の854.4万円から宿泊業,飲食サービス業の275.8万円まで約3.1倍。事業所規模別では10人未満と5,000人以上で149.6万円の差があり、その半分以上が賞与の差でした。
平均年収の数字を読むときは、まずどの統計の数字なのかを確かめてください。年収で比べるなら国税庁、職種や学歴などの条件をそろえて月給を比べるなら厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。自分の年収と並べるときは源泉徴収票の支払金額という額面どうしで比べ、平均が一部の高い給与に引き上げられていることも頭に置いておきましょう。
正直なところ、平均年収のニュースを見るたびに、私たちもつい自分の数字と並べてしまいます。それでも経営者への取材を重ねるうちに、気にするべきなのは平均との差より、その先でどう伸びるのか、自分の経験にどんな値段が付くのかだと感じるようになりました。
平均との差がつかめたら、次はいまの経験が転職市場でいくらと評価されるのかを確かめてみてください。

