大卒の平均年収は約648万円|厚労省統計で見る年齢・男女・規模別と高卒との差

厚生労働省の令和7年の統計から年収に換算すると、大学卒の平均は約648万円です。
ただ、学歴だけで年収が決まるわけではありません。同じ大学卒でも、従業員1,000人以上の会社と10〜99人の会社の差は、男女計で見ると20代から50代のどの年齢階級でも、大学卒と高校卒の差より大きく開いているのです。
この記事では、年収換算の計算のしかたを確かめたうえで、年齢・男女・企業規模別の年収と、高卒・大学院卒との差、生涯賃金までを整理します。
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大卒の平均年収は約648万円|計算のしかたと統計の使い分け
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとに編集部が年収に換算すると、大学卒の平均は647.9万円、大学院卒は876.4万円です。 ニュースでよく見る国税庁の平均年収とは物差しが違うので、数字を見る前に次の3点を押さえておきましょう。
- 年収換算は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で計算した値
- 対象は常用労働者10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)
- 国税庁の民間給与実態統計調査は、学歴を調べていない
| 最終学歴 | 男女計 | 男性 | 女性 | 平均年齢(男女計) |
|---|---|---|---|---|
| 中学 | 439.1万円 | 469.9万円 | 328.1万円 | 50.0歳 |
| 高校 | 473.9万円 | 525.7万円 | 364.0万円 | 46.8歳 |
| 専門学校 | 489.7万円 | 541.2万円 | 434.8万円 | 43.7歳 |
| 高専・短大 | 514.8万円 | 624.8万円 | 460.4万円 | 44.6歳 |
| 大学 | 647.9万円 | 710.2万円 | 518.7万円 | 41.8歳 |
| 大学院 | 876.4万円 | 913.7万円 | 706.3万円 | 42.5歳 |
| 学歴計 | 545.6万円 | 610.7万円 | 437.1万円 | 44.4歳 |
※令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者・産業計・企業規模10人以上の民営事業所)の第1表から編集部が計算。千円単位の統計値から計算し、万円の小数第1位で四捨五入しています。学歴計には学歴不明の人も含みます。
大学卒の647.9万円は、学歴計の545.6万円より102.3万円高い水準です。ただし学歴ごとに平均年齢が違い、大学卒の41.8歳に対して高校卒は46.8歳。この表は年齢をそろえずに並べた数字なので、学歴による差は年齢階級をそろえて見るほうが実態に近づきます。


年収換算の計算式と、数字に含まれるもの
大学卒の場合、6月分のきまって支給する現金給与額は42万6,800円、前年1年間の年間賞与その他特別給与額は135万7,000円でした。42万6,800円×12+135万7,000円=647万8,600円で、約648万円という計算です。
きまって支給する現金給与額は、6月分として支払われた給与の総額。基本給や通勤手当などの手当に残業代も含み、税金や社会保険料を差し引く前の額面です。年間賞与その他特別給与額は、調査の前年1年間(令和6年1〜12月)に支払われたボーナスなどを指します。6月の1か月分を12倍しているので、あくまで年収の目安として読む数字です。
なお、結果の概況が見出しに使っている大学卒の賃金39万6,300円は、残業代などを除いた6月分の所定内給与額(月額)で、年収換算とは別の数字です。
国税庁の平均年収487万円は、学歴を調べていない
「平均年収487万円」は、国税庁「令和7年分民間給与実態統計調査」で1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与です。パート・アルバイトや役員も含む数字ですが、この調査が給与所得者について調べているのは性別・年齢・勤続年数・給与の金額などで、調査事項に学歴は入っていません。学歴別の平均年収を知りたいときは、最終学歴を調べている厚生労働省の賃金構造基本統計調査を使うことになります。
2つの統計は対象の範囲も金額の数え方も違うため、647.9万円から487万円を引いても意味のある差にはなりません。統計ごとの違いは平均年収は487万円|20代・30代・40代・男女別と国税庁・厚労省の違いで整理しています。
正社員に限ると668.3万円、大学院卒と合わせると672.7万円
一般労働者には、契約社員など正社員以外のフルタイムの人も含まれます。雇用形態別の表で正社員・正職員に絞ると、大学卒の年収換算は668.3万円(男性729.9万円、女性537.7万円)。大学卒の一般労働者の91.7%が正社員・正職員なので、全体の647.9万円との差は20.4万円にとどまります。
大学院卒も含めて「大卒」と考えるなら、2つを労働者数で重み付けして合わせた672.7万円が目安です。学歴不明の人も含めた一般労働者(推計約2,892万人)に占める割合は、大学卒が31.9%(約923万人)、大学院卒が3.9%(約113万人)でした。学歴は事業所が回答する最終学歴で、大学を出たあとに専門学校を卒業した人は「大学」に数えられます。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 雇用形態別 第1表 雇用形態、学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査で使用されている主な用語の説明」
参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(全国) Q&A」
参考:国税庁「民間給与実態統計調査」
参考:国税庁「令和7年分民間給与実態統計調査結果について」
年齢別に見る大卒の年収|20代前半の384.1万円から50代後半の880.4万円まで
大学卒の年収換算は、20〜24歳の384.1万円から55〜59歳の880.4万円まで、年齢階級が上がるごとに高くなります。 年齢による動きで押さえておきたいのは次の3点です。
- 55〜59歳の880.4万円が最も高く、20〜24歳の2.3倍
- 20代前半は、前年の賞与が少なく出やすい
- 新卒1年目の6月の賃金は、大学卒で26万2,300円
| 年齢 | 年収換算 | うち年間賞与 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 384.1万円 | 39.0万円 | 1.3年 |
| 25〜29歳 | 484.5万円 | 85.3万円 | 3.6年 |
| 30〜34歳 | 563.8万円 | 109.2万円 | 6.5年 |
| 35〜39歳 | 634.2万円 | 131.0万円 | 9.7年 |
| 40〜44歳 | 707.4万円 | 155.7万円 | 13.0年 |
| 45〜49歳 | 755.0万円 | 171.0万円 | 15.8年 |
| 50〜54歳 | 828.6万円 | 205.7万円 | 19.8年 |
| 55〜59歳 | 880.4万円 | 217.2万円 | 23.9年 |
| 60〜64歳 | 657.5万円 | 130.0万円 | 22.1年 |
| 65〜69歳 | 513.8万円 | 55.0万円 | 16.6年 |
| 70歳以上 | 474.5万円 | 39.5万円 | 18.1年 |
※大学卒・男女計。令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者・産業計・企業規模10人以上の民営事業所)の第1表から編集部が計算。19歳以下の大学卒は統計上の該当がありません。
40〜44歳で700万円を超え、55〜59歳の880.4万円が最も高い水準です。60〜64歳になると657.5万円で、55〜59歳より222.9万円低くなります。60歳を境に、年収換算の水準ははっきり切り替わるのです。


20代前半の年収換算は、賞与が少なく出やすい
20〜24歳の大学卒の年収換算384.1万円のうち、賞与は39.0万円です。統計の賞与は前年1年間の支給額なので、平均勤続年数1.3年の20代前半には、前年の一部しか在籍していなかった人が多く含まれると考えられます。 入社から数年たった25〜29歳では賞与が85.3万円になり、年収換算も484.5万円まで上がります。
20代の年収を比べるなら、月々の給与と賞与を分けて見るほうが実態に近づくでしょう。20代全体の年収を前半・後半や産業別に見るなら20代の平均年収が参考になります。
新卒1年目の6月の賃金は、大学卒26万2,300円・大学院卒29万9,000円
同じ調査の新規学卒者の集計では、大学卒の6月分の所定内給与額(残業代などを除く月額)は26万2,300円で、男性26万4,900円、女性25万9,700円でした。大学院卒は29万9,000円(男性30万1,200円、女性29万2,900円)と、大学卒より3万6,700円高くなっています。
ただし、これは年収ではなく月額です。4月に入社した人がその年に受け取る月給は4〜12月の9か月分で、賞与も会社ごとの支給時期や算定期間しだい。月額を12倍した数字は、1年目の年収の目安にはなりにくいと考えておきましょう。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 新規学卒者 第1表 新規学卒者の学歴別所定内給与額(e-Stat)」
参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査で使用されている主な用語の説明」
高卒・専門卒・高専短大卒・大学院卒と比べた大卒の年収
大学卒と高校卒の年収換算の差は、20〜24歳では25.2万円ですが、55〜59歳では348.8万円まで広がります。 学歴による差を年齢階級ごとに見ると、次の3点が分かります。
- 大学卒と高校卒の差は、55〜59歳までは年齢階級が上がるごとに広がる
- 20〜24歳では、賞与だけ見ると高校卒のほうが多い
- 大学院卒と大学卒の差は、40代以降の各年齢階級で200万円を超える
| 年齢 | 高校卒 | 大学卒 | 大学院卒 | 大学卒と高校卒の差 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 358.9万円 | 384.1万円 | 376.2万円 | 25.2万円 |
| 25〜29歳 | 403.3万円 | 484.5万円 | 566.6万円 | 81.2万円 |
| 30〜34歳 | 446.0万円 | 563.8万円 | 710.0万円 | 117.8万円 |
| 35〜39歳 | 486.1万円 | 634.2万円 | 807.6万円 | 148.1万円 |
| 40〜44歳 | 501.2万円 | 707.4万円 | 962.6万円 | 206.2万円 |
| 45〜49歳 | 524.8万円 | 755.0万円 | 1,051.1万円 | 230.2万円 |
| 50〜54歳 | 544.6万円 | 828.6万円 | 1,085.9万円 | 284.0万円 |
| 55〜59歳 | 531.6万円 | 880.4万円 | 1,123.2万円 | 348.8万円 |
| 60〜64歳 | 440.0万円 | 657.5万円 | 964.6万円 | 217.5万円 |
※男女計・20〜64歳。令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者・産業計・企業規模10人以上の民営事業所)の第1表から編集部が計算。差は表の値どうしで計算しているため、千円単位の統計値から直接計算した場合と0.1万円ずれることがあります。
55〜59歳では、大学卒の880.4万円は高校卒の531.6万円の1.66倍です。差348.8万円の内訳を見ると、月々の給与を12倍した部分の差が226.6万円、賞与の差が122.2万円。差のおよそ35%は、賞与の違いから生まれています。


20代前半は、賞与だけ見ると高校卒が上回る
20〜24歳で比べると、6月の月々の給与は大学卒28万7,600円、高校卒25万4,500円で、大学卒のほうが3万3,100円高くなっています。一方で、前年1年間の賞与は大学卒39.0万円に対して高校卒53.5万円。平均勤続年数が大学卒1.3年、高校卒3.1年と違い、前年の賞与の受け取り方に差が出ていると考えられます。
高校卒は大学卒より4年ほど早く働き始めるため、同じ年齢なら勤続年数が長くなりがちです。差が20代で小さく30代以降に開くのは、入社時期の違いも重なった結果と読めるでしょう。高校卒からの転職で学歴がどの場面で効くのかは、高卒の転職は不利?学歴が効く場面と効かない場面を公的データで整理で扱っています。
大学院卒と大学卒の差は、40代以降で200万円を超える
大学院卒の年収換算は年齢計で876.4万円と、大学卒を228.5万円上回ります。年齢階級別の差は、25〜29歳で82.1万円、45〜49歳で296.1万円。20〜24歳だけは大学院卒が大学卒を7.9万円下回りますが、この年代の大学院卒は平均勤続年数0.5年、人数も約2万人にとどまります。大学院卒の一般労働者は約113万人で、大学卒の8分の1ほどの規模です。
専門学校卒(489.7万円)と高専・短大卒(514.8万円)は、年齢計で高校卒と大学卒の間に入ります。どの学歴の差にも、職種や役職、勤め先の規模の構成の違いが含まれており、同じ仕事をしている人どうしを学歴だけ変えて比べた数字ではありません。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
男女別に見る大卒の年収|年齢計の差191.5万円には年齢構成の違いも含まれる
大学卒の年収換算は男性710.2万円、女性518.7万円で、差は191.5万円です。 ただ、同じ年齢階級どうしで比べると、差の大きさは年代によってかなり違います。
- 同じ年齢階級で比べた差は、20〜24歳の16.0万円から50〜54歳の260.2万円まで広がる
- 大学卒の働き手に占める女性は、20〜24歳で50.2%、55〜59歳で19.4%
- 女性の大学卒も、55〜59歳の680.3万円まで年収換算が上がる
| 年齢 | 男性 | 女性 | 男女の差 | 大学卒に占める女性の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 392.2万円 | 376.2万円 | 16.0万円 | 50.2% |
| 25〜29歳 | 508.4万円 | 458.4万円 | 50.0万円 | 47.7% |
| 30〜34歳 | 607.9万円 | 496.0万円 | 111.9万円 | 39.4% |
| 35〜39歳 | 685.0万円 | 527.1万円 | 157.9万円 | 32.2% |
| 40〜44歳 | 763.2万円 | 582.2万円 | 181.0万円 | 30.8% |
| 45〜49歳 | 817.0万円 | 596.9万円 | 220.1万円 | 28.1% |
| 50〜54歳 | 890.6万円 | 630.4万円 | 260.2万円 | 23.8% |
| 55〜59歳 | 928.7万円 | 680.3万円 | 248.4万円 | 19.4% |
| 60〜64歳 | 673.0万円 | 565.3万円 | 107.7万円 | 14.3% |
| 年齢計 | 710.2万円 | 518.7万円 | 191.5万円 | 32.5% |
※大学卒・20〜64歳と年齢計。令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者・産業計・企業規模10人以上の民営事業所)の第1表から編集部が計算。女性の割合は、同じ年齢階級の大学卒の一般労働者(推計人数)に占める女性の割合。差は表の値どうしで計算しています。
20〜24歳では男女の差が16.0万円と小さく、新卒1年目の6月の賃金も男性26万4,900円、女性25万9,700円で5,200円の差にとどまります。差は50〜54歳の260.2万円まで年齢階級が上がるごとに開き、55〜59歳では248.4万円でした。
年齢計の差が191.5万円と大きく見えるのは、女性の大学卒が若い年代に多いことも影響しています。 大学卒の一般労働者に占める女性の割合は20〜24歳で50.2%と半数を占める一方、55〜59歳では19.4%です。平均年齢も男性43.8歳、女性37.6歳と6.2歳違います。年収換算の低い若い年代の比重が大きいぶん、女性の年齢計は低めに出るわけです。


女性の大学卒の年収換算は、20〜24歳の376.2万円から55〜59歳の680.3万円まで、年齢階級が上がるごとに高くなっています。一方で、同じ年齢階級の男女の差には、職種や役職、勤続年数(大学卒の平均で男性13.9年、女性8.7年)の違いも含まれます。統計で確かめられるのは差の大きさまでで、その理由までは分かりません。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 新規学卒者 第1表 新規学卒者の学歴別所定内給与額(e-Stat)」
企業規模別に見る大卒の年収|1,000人以上と10〜99人で222.7万円の差
大学卒の年収換算は、企業規模1,000人以上で756.1万円、100〜999人で596.2万円、10〜99人で533.4万円です。 1,000人以上と10〜99人の差は222.7万円で、大学卒と高校卒の年齢計の差174.0万円より大きくなります。規模による違いのポイントは次の3点です。
- 新卒の6月の賃金の差は月3万1,000円、55〜59歳の年収換算の差は384.9万円
- 賞与は1,000人以上が180.5万円、10〜99人が87.3万円
- 男女計では、20〜59歳のどの年齢階級でも大学卒どうしの規模の差が高校卒との差を上回る
| 年齢 | 1,000人以上 | 100〜999人 | 10〜99人 | 1,000人以上と10〜99人の差 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 410.1万円 | 367.4万円 | 344.0万円 | 66.1万円 |
| 25〜29歳 | 542.3万円 | 455.8万円 | 417.6万円 | 124.7万円 |
| 30〜34歳 | 638.9万円 | 536.8万円 | 476.7万円 | 162.2万円 |
| 35〜39歳 | 741.3万円 | 586.4万円 | 525.6万円 | 215.7万円 |
| 40〜44歳 | 840.3万円 | 644.9万円 | 565.7万円 | 274.6万円 |
| 45〜49歳 | 899.8万円 | 701.3万円 | 603.7万円 | 296.1万円 |
| 50〜54歳 | 1,005.9万円 | 753.7万円 | 623.8万円 | 382.1万円 |
| 55〜59歳 | 1,033.3万円 | 790.2万円 | 648.4万円 | 384.9万円 |
| 60〜64歳 | 734.6万円 | 617.3万円 | 602.4万円 | 132.2万円 |
| 年齢計 | 756.1万円 | 596.2万円 | 533.4万円 | 222.7万円 |
※大学卒・男女計・20〜64歳と年齢計。企業規模は、勤め先の企業全体の常用労働者数。令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者・産業計・民営事業所)の第1表から編集部が計算。差は表の値どうしで計算しています。
入口の差は月3万1,000円、50代後半には年384.9万円
新規学卒者の6月の賃金(所定内給与額)は、大学卒で1,000人以上が27万3,400円、100〜999人が25万4,100円、10〜99人が24万2,400円。1,000人以上と10〜99人の差は3万1,000円です。年収換算で見ると、この差は20〜24歳の66.1万円から、50〜54歳で382.1万円、55〜59歳で384.9万円まで開いていきます。
差を広げているのは月々の給与だけではありません。年齢計の賞与は1,000人以上の180.5万円に対して10〜99人は87.3万円と2倍以上の開きがあり、年収換算に占める賞与の割合も23.9%と16.4%で違います。規模の小さい会社の求人を比べるときは、年収の総額より、月給と賞与の内訳を確かめるほうが実態をつかみやすいでしょう。 ベンチャーなど規模の小さい会社の年収の見方は、ベンチャー企業の年収は低い?規模別の統計とオファーで確かめる内訳で詳しく扱っています。
大学卒どうしの規模の差は、高校卒との差より大きい
男女計で見ると、20〜24歳から55〜59歳までのどの年齢階級でも、大学卒どうしの規模の差(1,000人以上と10〜99人)は、大学卒と高校卒の差(企業規模計)を上回ります。 40〜44歳を例にとると、規模の差は274.6万円、学歴の差は206.2万円です。60〜64歳だけは、規模の差132.2万円が学歴の差217.5万円を下回りました。


男性に限ると、1,000人以上で働く高校卒の年収換算は、20〜59歳の各年齢階級で10〜99人で働く大学卒を上回ります。40〜44歳では668.7万円と598.6万円です。女性では25〜29歳以降、10〜99人で働く大学卒のほうが高くなります。
正直なところ、学歴より勤め先の規模による差のほうが大きいという結果は、私たち編集部にとっても意外でした。規模の差には産業や職種の構成の違いも含まれるため、大きな会社に入れば年収が上がると言い切れるわけではありません。それでも、学歴だけで年収の見通しを決めてしまわないほうがよい、ということは読み取れます。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 新規学卒者 第1表 新規学卒者の学歴別所定内給与額(e-Stat)」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
大卒の生涯賃金は男性2億6,280万円|JILPTの試算と前提
労働政策研究・研修機構(JILPT)の「ユースフル労働統計2025」は、大学卒が60歳まで正社員で働いた場合の生涯賃金を、男性2億6,280万円、女性2億990万円と試算しています。 2026年10月時点で公開されている最新版で、2024年の賃金構造基本統計調査をもとにした、退職金を含まない額です。読むときのポイントは次の3点になります。
- 高校卒との差は男性4,720万円、女性5,200万円
- 同じ会社に勤め続ける場合、男性の差は3,300万円
- 勤め先の規模による差が、学歴による差を上回る場合がある
| 最終学歴 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 高校卒 | 2億1,560万円 | 1億5,790万円 |
| 大学卒 | 2億6,280万円 | 2億990万円 |
| 大学院卒 | 3億2,380万円 | 2億6,250万円 |
※ユースフル労働統計2025の表21-1(2024年)から、高校卒・大学卒・大学院卒を抜き出して掲載。学校を卒業してただちに就職し、60歳で退職するまでフルタイムの正社員(雇用期間の定めのない正社員・正職員)を続ける場合で、同じ会社に勤め続けるとは限りません。退職金は含みません。
生涯賃金は「いまの年齢別の賃金」を足し合わせた試算
JILPTの生涯賃金は、1人の人が実際に受け取った総額を調べたものではありません。年齢階級別のきまって支給する現金給与額を12倍して年間賞与等を加えた各年齢の賃金を、入職年齢(高校卒18歳、大学卒22歳、大学院卒24歳)から60歳まで足し合わせています。現在の年齢別の賃金がそのまま続くと仮定した計算で、これから働く人が将来受け取る額の予測ではありません。
大学卒は高校卒より4年遅く働き始めますが、それでも生涯賃金は男性で4,720万円、女性で5,200万円多くなります。60歳で退職金を受け取り、平均的な引退年齢までフルタイムの非正社員として働く場合まで含めると、男性の大学卒は3億3,950万円、高校卒は2億7,530万円。学費などの進学にかかる費用は、どちらの試算にも差し引かれていません。


同じ会社に勤め続ける場合と、勤め先の規模で変わる額
同じ会社で60歳まで正社員を続ける「同一企業型」で計算すると、男性は大学卒2億8,970万円、高校卒2億5,670万円で、差は3,300万円。女性は大学卒2億3,940万円、高校卒1億9,110万円で、差は4,830万円です。
企業規模別では、男性の大学卒が1,000人以上で3億130万円、100〜999人で2億5,030万円、10〜99人で2億1,420万円になります(転職する場合は同じ規模の企業へ移ると仮定)。男性の高校卒が1,000人以上で働く場合の2億5,570万円は、100〜999人や10〜99人で働く大学卒を上回ります。 女性でも、1,000人以上で働く高校卒の1億8,300万円が、10〜99人で働く大学卒の1億7,570万円を上回る結果でした。
参考:労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2025 ―労働統計加工指標集―」
参考:労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2025 21 生涯賃金など生涯に関する指標」
大卒の平均年収と自分の年収を比べる前に確かめたい3つのこと
統計の数字と自分の年収を並べるときは、計算の物差しと比べる相手をそろえる必要があります。確かめておきたいのは次の3点です。
- 自分の年収も同じ計算式にそろえる
- 大学卒の平均は、真ん中の人の賃金より6万円あまり高い
- 同じ学歴・年代の中の位置が分かったら、求人で値段を確かめる
自分の年収も同じ計算式にそろえる
年収換算と比べるなら、ふだんの月の給与明細の総支給額(基本給・手当・残業代・通勤手当を含み、税金や社会保険料を引く前の額)を12倍し、前年1年間に受け取った賞与の額面を足します。振込額(手取り)で計算すると、自分の年収を低く見積もることになるので注意してください。 比べる相手も、同じ学歴・年齢階級・企業規模の数字を選ぶと、ずれが小さくなるでしょう。
大学卒の平均は、真ん中の人の賃金より6万円あまり高い
大学卒の所定内給与額(残業代などを除く6月分の月額)は、平均39万6,300円に対して中位数33万5,000円で、6万1,300円の差があります。中位数とは、賃金の低い人から順に並べたときにちょうど真ん中にくる人の値のこと。55〜59歳では平均52万9,100円、中位数48万2,300円です。平均を下回っているからといって、同じ大学卒の真ん中より下にいるとは限りません。
ここで挙げた中位数は月額なので、年収換算とは直接比べられない点にも気をつけたいところです。中央値と平均の違いは、年収の中央値はいくら?平均との違いと20代・30代・40代・男女別の目安で詳しく整理しています。
同じ学歴・年代の中の位置が分かったら、求人で値段を確かめる
統計で分かるのは、同じ学歴・年齢の人の中でのおおまかな位置までです。いまの経験が社外でいくらと評価されるのかは、平均とは別の物差しで確かめる必要があります。マイナビ・リクナビで同じ職種・同じ経験年数の募集を年収帯ごとに並べてみる、転職エージェントに職務経歴を見せて提示されそうな幅を聞いてみる、という2つの方法が手軽です。
経営者への取材でも、給与の話題になると、学歴より「何を任せ、どう評価するか」が語られることのほうが多いと私たちは感じています。熱狂ベンチャーナビの経営者インタビューでも、社員に何を任せ、評価や給与をどう決めているのかを本人に聞いています。履歴書の学歴欄ではなく、その会社が何を見て人を評価しているのかを知る材料にしてみてください。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 第3表 学歴、年齢階級、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値(e-Stat)」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査で使用されている主な用語の説明」
大卒の平均年収に関するよくある質問
大卒の平均年収はいくらですか?
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」から編集部が年収に換算すると、大学卒は647.9万円(約648万円)です。 6月分のきまって支給する現金給与額42万6,800円を12倍し、前年1年間の賞与135万7,000円を足した計算値で、対象は常用労働者10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)です。男性は710.2万円、女性は518.7万円、大学院卒は876.4万円でした。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
大卒と高卒の年収はどのくらい違いますか?
年齢によって大きく違い、令和7年賃金構造基本統計調査から計算した年収換算の差(一般労働者・男女計)は、20〜24歳で25.2万円、55〜59歳で348.8万円です。 年齢計では大学卒647.9万円、高校卒473.9万円で174.0万円の差ですが、高校卒の平均年齢が5.0歳高いため、年齢階級をそろえて比べるほうが実態に近づきます。差には職種や役職、勤め先の構成の違いも含まれています。高卒側の年齢別・男女別の数字は高卒の平均年収にまとめています。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
大卒の初任給はいくらですか?
令和7年賃金構造基本統計調査では、大学卒の新規学卒者の6月分の所定内給与額は26万2,300円です。 男性26万4,900円、女性25万9,700円で、大学院卒は29万9,000円でした。残業代などを除く月額で、常用労働者10人以上の民営事業所で働く一般労働者の集計です。企業規模別では1,000人以上の27万3,400円と10〜99人の24万2,400円で、3万1,000円の差があります。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 新規学卒者 第1表 新規学卒者の学歴別所定内給与額(e-Stat)」
大卒の生涯賃金はいくらですか?
労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2025」の試算では、男性2億6,280万円、女性2億990万円です。 学校を卒業してただちに就職し、60歳までフルタイムの正社員を続けた場合の退職金を含まない額で、2024年の賃金構造基本統計調査による推計です。高校卒は男性2億1,560万円、女性1億5,790万円でした。現在の年齢別の賃金を足し合わせた試算で、将来受け取る額を予測したものではありません。
参考:労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2025 21 生涯賃金など生涯に関する指標」
大卒の正社員の平均年収はいくらですか?
令和7年賃金構造基本統計調査の正社員・正職員の数字から編集部が年収に換算すると、大学卒は668.3万円です。 男性は729.9万円、女性は537.7万円。常用労働者10人以上の民営事業所で働く一般労働者のうち、正社員・正職員に限った計算値です。大学卒の一般労働者のうち91.7%が正社員・正職員にあたります。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 雇用形態別 第1表 雇用形態、学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 第1表 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)」
まとめ
大卒(大学卒)の平均年収は、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査から年収に換算すると647.9万円、大学院卒は876.4万円でした。国税庁の平均年収487万円は学歴を調べていないため、学歴別に見るときは、きまって支給する現金給与額×12+前年の賞与という計算で厚生労働省の統計を使うのが基本です。年齢別では55〜59歳の880.4万円が最も高く、高校卒との差は20〜24歳の25.2万円から55〜59歳の348.8万円まで広がります。
男女の差は年齢計で191.5万円ですが、20〜24歳では16.0万円で、女性の大学卒が若い年代に多いことも年齢計の差を大きく見せています。企業規模別では1,000人以上と10〜99人で222.7万円の差があり、男女計では20〜59歳のどの年齢階級でも、大学卒どうしの規模の差が高校卒との差を上回りました。JILPTの試算による60歳までの生涯賃金は、男性2億6,280万円、女性2億990万円です。
学歴は年収の見通しを考える材料の1つですが、統計を並べてみると、どの規模の会社でどんな仕事を任されるかで変わる部分のほうが大きいと私たちは感じています。平均との差に一喜一憂するより、いまの自分が同じ学歴・年代のどのあたりにいて、次にどこを目指せるのかを確かめてみてください。
同じ大卒の中で、いまの経験にどのくらいの年収が提示されそうかまで分かれば、平均との差の受け止め方も変わってきます。

