事務の資格おすすめ7つ|求人で評価される資格と見分け方

事務職に資格は必須ではありません。ただ、応募者が多く書類で比べられやすい職種なので、学んだ量を目に見える形で示す材料になります。
もっとも、事務の求人がどれも狭き門というわけではありません。同じ事務でも、運輸・郵便事務のように求人の数が求職者の数を上回る職種もあります。
この記事では、事務の求人で名前を見かける資格7つを受験料と使いどころで比べ、取っても評価につながりにくい資格の見分け方まで整理します。
どの資格から手を付けるかは、応募したい求人が何を求めているかで決まります。狙っている求人で資格が実際に条件として書かれているのか、いまの経験でどこまで応募できるのかは、転職エージェントに登録すると無料で相談できます。参考書を買う前に、応募先の側から確かめてみてください。
事務の資格は必須ではない、それでも取る人がいる理由
資格がなくても事務職に就いている人は大勢います。それでも取る人が絶えないのは、次の3つの事情があるからです。
- 事務は求人の数に対して求職者が多く、書類の段階で比較されやすい
- 未経験でも、学んだ量を客観的な形で示せる材料になる
- 自分から学んでいる労働者は3人に1人にとどまり、学んだ記録が目立ちやすい
まず押さえておきたいのは、事務職の競争の厳しさです。 厚生労働省の一般職業紹介状況(職業安定業務統計)によると、令和8年3月時点で常用(パートを含む)の有効求人倍率は職業計1.10倍。これに対して事務的職業は0.44倍、そのなかの一般事務の職業は0.37倍でした。一般事務の職業の実数は、有効求人149,809人に対して有効求職者409,937人。パートを除くと一般事務の職業は0.32倍まで下がります。事務用機器操作の職業にいたっては、パートを含めても0.30倍、除くと0.23倍です。応募者が多い以上、書類は横並びで比べられます。
一方で、学び続けている人は多数派ではありません。厚生労働省の令和7年度能力開発基本調査(令和7年10月1日時点、個人調査は対象20,127人・有効回答率43.9%)では、自己啓発を行った労働者の割合は35.5%。前回調査より1.3ポイント低下しています。ただし、これは調査対象の事業所に属する労働者に聞いた数字で、求職中の応募者の学習状況までは調べていません。応募者にそのまま当てはまる保証はない参考値ですが、働きながら学んでいる人がおよそ3人に1人という水準は、学んだ記録を残す意味を考える材料になります。
| 場面 | 資格が働くこと | 資格だけでは届かないこと |
|---|---|---|
| 書類選考 | 学習の量と継続を、第三者の基準で示せる | 「その職場の仕事ができるか」の判断 |
| 面接 | 話の入口ができ、勉強の理由を聞いてもらえる | 経験者と同じ土俵での実務力の証明 |
| 入社後 | 用語や手順の理解が早く、教える側の負担が減る | 業務の流れや社内ルールへの適応 |
| 待遇 | 資格手当を設けている会社では加算の対象になる | 資格そのものによる昇給の保証 |
参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について」
参考:厚生労働省「令和7年度『能力開発基本調査』の結果を公表します」
事務職で評価される資格7つを3つの軸で比べる
資格を選ぶときは、名前の知られ方だけで決めないほうが動きやすくなります。次の7つを、求人票で見かける頻度、入社後に使う頻度、受験料の3つで並べました。
- MOS
- 日商簿記3級・2級
- 日商PC検定
- ITパスポート
- 秘書検定
- 第二種衛生管理者
- 医療事務系の試験
| 資格 | 区分 | 求人票で見かける頻度(編集部の目安) | 入社後に使う頻度(編集部の目安) | 受験料 |
|---|---|---|---|---|
| MOS | 民間試験 | 高い | 高い | 12,980円(一般レベル・一般価格) |
| 日商簿記3級・2級 | 商工会議所の検定 | 経理事務では高い | 経理事務では高い | 3級3,300円/2級5,500円 |
| 日商PC検定 | 商工会議所の検定 | 中くらい | 高い | 3級5,500円/2級7,700円 |
| ITパスポート | 国家試験 | 中くらい | 中くらい | 7,500円 |
| 秘書検定 | 民間試験 | 中くらい | 中くらい | 3級3,800円/2級5,200円 |
| 第二種衛生管理者 | 国家試験(免許) | 総務事務では中くらい | 選任されれば高い | 8,800円(学科試験) |
| 医療事務系の試験 | 民間試験 | 医療機関では高い | 高い | 試験により異なる |
頻度は編集部が求人の傾向から置いた目安で、業種や会社の規模によって変わります。受験料は各実施団体の公式サイトで2026年10月に確認した金額です。第二種衛生管理者の手数料は消費税法により非課税で、MOS、日商簿記、日商PC検定、ITパスポートは税込と明記されています。
MOS|WordとExcelを「使える」と示す
マイクロソフト製品の操作技能を認定する民間試験です。一般レベル(スペシャリスト)の受験料は12,980円、学割価格は9,680円(いずれも税込)。Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど科目ごとに分かれており、1科目ずつ受けられます。事務の仕事は文書作成と表計算が土台になるため、入社後に使う頻度がもっとも高い資格の一つと言えます。
ただし、合格そのものより「関数やピボットテーブルで何をしたか」を語れるかどうかが選考では効きます。取得後は、練習で作った集計表や自動化の工夫を説明できるようにしておきましょう。
日商簿記3級・2級|お金の流れを扱う事務の入口
商工会議所が実施する検定で、受験料は3級3,300円、2級5,500円(税込・2024年4月1日施行分から)。経理や会計の事務では、募集要項に「日商簿記2級以上」と条件が書かれることがあります。3級は仕訳と決算書の読み方までを扱うため、一般事務でも請求書や経費精算の意味が分かるようになります。
経理事務を狙うなら2級まで、一般事務なら3級で十分に会話が成り立ちます。 どちらもネット試験方式があり、受験機会が多いのも進めやすい点でしょう。
参考:商工会議所の検定試験「2024年度からの『商工会議所検定試験』の受験料に関するお知らせ」
日商PC検定|文書とデータを「仕事の形」で作れるか
同じく商工会議所の検定で、3級5,500円、2級7,700円、Basic 4,400円(税込)。WordやExcelの操作に加えて、ビジネス文書として体裁が整っているか、データをどう集計して伝えるかまでが問われます。操作の正確さを測るMOSに対して、こちらは使い道の設計寄り。すでにMOSを持っている人が次の一歩に選ぶと、重複が少なくなります。
参考:商工会議所の検定試験「2024年度からの『商工会議所検定試験』の受験料に関するお知らせ」
ITパスポート|事務職でも通用する国家試験
情報処理の促進に関する法律第26条第1項にもとづき、経済産業大臣が行う情報処理技術者試験の一区分です。受験手数料は7,500円(消費税込み)、試験時間は120分。IPAの発表では、令和7年度の応募者は307,266人、実際に受験した人は271,352人。合格者は132,012人で、受験者に対する合格率は48.6%でした。社会人の応募者のうち非IT系企業に勤める人が179,995人と大多数を占めており、IT業界の人だけが受ける試験ではありません。
事務でもクラウドサービスや社内システムを扱う場面が増えています。情報セキュリティや契約、経営の基礎までが出題範囲に入るため、業務全体の言葉が分かるようになる資格です。
参考:e-Gov法令検索「情報処理の促進に関する法律」
参考:IPA「令和7年度『iパス(ITパスポート試験)』の年間応募者数等について」
参考:IPA「ITパスポート試験 受験要領」
秘書検定|来客・電話・文書の「型」を身につける
実務技能検定協会が実施する民間試験で、敬語の使い分け、来客応対、文書の体裁といった事務の周辺業務を体系的に扱います。受験料は3級3,800円、2級5,200円、準1級6,500円、1級7,800円。社会人経験が浅い人ほど、独学では埋めにくい部分を短期間で補えます。
2級までは筆記のみ、準1級以上は面接試験が加わります。新卒や第二新卒で応募するなら2級、応対の場面が多い職種を狙うなら準1級という選び方が現実的でしょう。
第二種衛生管理者|総務事務で役割が見えやすい国家免許
労働安全衛生法第12条は、政令で定める規模の事業場ごとに、免許を受けた者などから衛生管理者を選任することを事業者に義務づけています。労働安全衛生規則第7条で定められているのは、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任すること、常時50人以上200人以下の事業場では1人を置くことなど。規則が列挙する農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業・運送業・医療業などの業種では第一種などが必要ですが、それ以外の業種の事業場は第二種衛生管理者免許でも選任できます。
学科試験の手数料は8,800円(公益財団法人安全衛生技術試験協会)。総務や人事の事務で、資格が社内の具体的な役割に直結する数少ない例です。受験には実務経験などの要件があるため、まず受験資格を確認しましょう。
参考:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
参考:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
参考:公益財団法人安全衛生技術試験協会「試験手数料」
医療事務系の試験|働ける場所を広げる
医療機関の受付やレセプト業務に対応した民間試験が複数あります。代表的なのは、一般財団法人日本医療教育財団の医療事務技能審査試験。合格すると「メディカルクラーク」の称号が付与される試験で、昭和49年度からの50年で総受験者数は171万人を超えています。病院やクリニック、調剤薬局の求人では、資格名が募集要項に書かれることが少なくありません。
ただし、この分野は試験そのものの入れ替わりがあります。長く代表格とされてきた診療報酬請求事務能力認定試験は2025年12月の第63回で終了し、実施していた公益財団法人日本医療保険事務協会も令和8年3月31日に解散しました。名称が似た試験も多いため、実施団体がいまも試験を続けているか、受験者数と試験範囲はどうかを確認してから申し込むほうが安全です。
参考:一般財団法人日本医療教育財団「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)」
参考:公益財団法人日本医療保険事務協会「お知らせ・更新情報」
取っても評価につながりにくい資格の見分け方
同じ「事務向け」とうたわれていても、選考で効くものと、履歴書の行が1つ増えるだけのものがあります。判断は次の3つの手順で進めてください。
- 試験の根拠になる法律や所管省庁があるかを確かめる
- 実施団体と受験者数、試験の歴史を調べる
- 自分が応募したい求人票の言葉と結びつくかを見る
国家試験かどうかは、法令に試験の根拠が書かれているかで確かめられます。 ITパスポートは情報処理の促進に関する法律第26条、衛生管理者は労働安全衛生法第12条というように、条文で位置づけられています。e-Gov法令検索で法律名と条文を引けば、誰でも数分で確認できるものです。一方でMOSや秘書検定、医療事務系の多くは民間試験にあたります。民間だから価値がないという話ではなく、MOSのように実務での使用頻度が高い試験もあります。確かめたいのは「誰が、どんな基準で認定しているか」がたどれるかどうかです。
次に見るのは実施団体と受験者数。設立して間もない団体が単独で運営し、受験者数を公表していない試験は、採用担当者が名前を知らない可能性があります。履歴書に書いても説明から始めることになり、限られた面接時間を使ってしまいます。
最後に、応募したい求人票の言葉と結びつくかを確認しましょう。経理事務の求人に「日商簿記2級以上」とあれば簿記、Excelでの集計業務が並んでいればMOSや日商PC検定というように、求人票が求めている作業に対応する資格から選ぶのが遠回りになりません。 正直なところ、資格の勉強を始めてから応募先を考える順番だと、せっかく取った資格が使われないまま終わることがあります。
採用する側は、事務の応募者の何を見ているのか
資格の話は、どうしても受ける側の視点に偏ります。採用する側が何を見ているのかは、経営者本人の言葉から読むのが早道です。
- 資格の名前より、その資格の先で何ができるかを見ている
- 未経験を前提にしたうえで、学び続けられるかどうかを重く見ている
- 中小企業ほど、事務が担当する業務の範囲は広くなりやすい
デジタル人材の育成と派遣を手がけるコクー株式会社の代表取締役CEO・入江雄介氏は、事業が生まれた背景をこう説明しています。
企業が求めているのは資格の名前ではなく、事務の範囲を少し超えて手が動く状態です。 同社では社員の9割がデジタル未経験からスタートしているといいます。入口は未経験に開かれていて、そこから学びを重ねられるかどうかが見られているということ。資格は、その学びを目に見える形にする手段という位置づけになります。
人事評価制度のコンサルティングと運用支援を手がける株式会社あしたのチームの代表取締役社長・山本拓馬氏は、社員に求める姿勢をこう話します。
同社が支援するのは社員数100名以下の中小企業が中心で、人事の専任者がおらず、経理のマネージャーが採用を兼務しているような会社も少なくないといいます。事務職として入っても、担当が1つの業務にとどまらない職場は珍しくありません。知識を更新し続けられるかどうかは、事務の応募者にもそのまま当てはまる観点です。
取材を重ねていると、「資格を持っていたから採用した」という話はほとんど聞きません。聞くのは、勉強を続けた理由や、その資格を仕事でどう使うつもりかを語れたかどうか。資格は入口を開ける鍵であって、面接の答えそのものではないのです。
未経験から事務を目指すなら、資格の前に見ておきたいこと
未経験から事務職を狙うときは、資格を選ぶ前に事務という職種の中身を分解しておくと、応募先の幅が変わります。
- 同じ「事務」でも、有効求人倍率は職種によって大きく違う
- 事務従事者は職業のなかで最も人数が多く、正社員の割合も低くない
- 在宅で働ける可能性は、他の職種と比べて高い部類に入る
一般事務だけを見て「事務は狭き門」と結論づけるのは早すぎます。 厚生労働省の同じ統計(常用・パートを含む、令和8年3月)では、一般事務の職業が0.37倍だったのに対し、運輸・郵便事務の職業は2.96倍、外勤事務の職業は2.71倍、生産関連事務の職業は1.37倍。求人の数が求職者を上回っているのは、この3つです。1倍には届かないものの、会計事務の職業は0.60倍、営業・販売関連事務の職業は0.97倍と、一般事務よりは求職者1人あたりの求人が多くなります。事務とひとくくりにせず、業務内容で絞り込んで求人を探すと、見え方が変わってきます。

職種としての規模も押さえておきましょう。総務省統計局の令和4年就業構造基本調査によると、有業者6,706.0万人のうち事務従事者は1,454.9万人。分類不能の職業を除いた構成比では22.3%にあたり、職業大分類のなかで最多です。男性581.4万人、女性873.5万人という内訳でした。働き方の面でも、事務職には数字に表れやすい特徴があります。
| 思い込み | 統計が示していること |
|---|---|
| 事務は非正規が中心 | 事務従事者の64.6%が正規の職員・従業員(令和4年) |
| 事務の求人はどれも少ない | 運輸・郵便事務や外勤事務のように、求人が求職者を上回る領域がある |
| 事務は在宅では働けない | テレワーク実施率は31.4%。全体の19.1%を上回り、専門的・技術的職業従事者の32.2%に次ぐ2位 |
資格取得の費用を抑える3つの公的制度
受験料に加えて講座代がかかると、数万円から十数万円の出費になります。国の制度を使えるかどうかで、負担はかなり変わります。
| 制度 | 受けられる支援 | 主な要件 |
|---|---|---|
| 教育訓練給付金 | 一般教育訓練は受講費用の20%(上限10万円)。特定一般教育訓練は40%(上限20万円)で、資格を取得して修了後1年以内に雇用されると50%(上限25万円)。専門実践教育訓練は50%(年間上限40万円)で、資格取得と雇用により70%(年間上限56万円)、賃金上昇の要件も満たすと80%(年間上限64万円)。専門実践は最大3年が支給対象(法令上最短4年の訓練は4年目分の追加支給の場合あり) | 雇用保険の加入期間が一般・特定一般は3年以上(初めて利用する場合は1年以上)、専門実践は3年以上(初回は2年以上)。離職者は離職日の翌日から受講開始日までが1年以内 |
| ハロートレーニング | 受講料は原則無料(テキスト代は自己負担) | 公共職業訓練は主に雇用保険を受給している求職者、求職者支援訓練は主に雇用保険を受給できない求職者が対象 |
| 求職者支援制度 | 職業訓練受講手当 月10万円、通所手当(月上限42,500円)、寄宿手当(月10,700円) | 本人収入が月8万円以下、世帯収入が月30万円以下、世帯の金融資産300万円以下、訓練実施日すべてに出席(やむを得ない理由で欠席した場合でも8割以上の出席)、過去6年以内に同じ給付金を受けていないこと など |
給付率は令和6年10月1日以降に受講開始する場合に適用される内容です。対象講座かどうかは講座ごとに指定されているため、申し込む前にハローワークで支給要件照会を受けておくと確実になります。 受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受けている場合は支給されない点にもご注意ください。
3つは横並びの選択肢ではなく、後ろの2つには重なりがあります。ハロートレーニングのうち、雇用保険を受給できない人が主な対象になるのが求職者支援訓練で、その訓練を受ける人が収入や資産の要件を満たしたときに、求職者支援制度の給付を受けられるという関係です。
ハロートレーニングの受講は、ハローワークでの求職申込み、訓練の受講申込み、選考試験、受講あっせんという4つの手順で進みます。パソコン・簿記・医療事務など、事務に直結するコースが用意されています。
参考:厚生労働省「教育訓練給付金」
参考:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」
参考:厚生労働省「ハロートレーニングについて知る」
参考:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
取った資格を、選考でどう伝えるか
資格の欄に名前を書くだけで終わると、勉強した時間が半分しか伝わりません。伝え方は3つに分けて用意しておきましょう。
- 取った理由を、応募先の業務と結びつけて話す
- 学習の過程で作ったものを具体例として出す
- 勉強を続けた期間と方法を数字で言えるようにする
もっとも聞かれるのは「なぜその資格を取ったのか」です。 「事務職に必要だと思ったから」で止めず、「請求書の処理と月次の集計を任される求人が多かったので、まず簿記3級から始めました」というように、求人票の言葉と自分の行動をつなげて答えると、目的を持って動ける人という印象になります。
学習の過程で作った成果物も材料になります。MOSの勉強でExcelの関数を覚えたなら、家計や部活動の集計表を自分で作った経験を添えてみましょう。ITパスポートなら、勉強して初めて理解できた社内システムの仕組みが話のネタになります。資格そのものではなく、資格を取る過程で何ができるようになったかを語るのが、経験の少なさを補う近道です。
書き方の型は自己PRが思いつかない人へ|エピソード探し方と書き方で整理しています。応募書類の作り方に迷ったら履歴書のAI作成はバレる?見抜かれない書き方のコツもあわせてどうぞ。
事務の資格に関するよくある質問
事務職に資格は必要ですか?
必須ではありません。 一般事務の募集で特定の資格を応募条件にしている会社は多くなく、実務経験や基本的なパソコン操作が先に見られます。ただし厚生労働省の統計では、常用(パートを含む)の有効求人倍率が職業計1.10倍に対して一般事務の職業は0.37倍(令和8年3月)。応募者が多い分だけ書類で比較されるため、学んだ記録を持っていることが差になり得ます。経理事務や医療事務のように、募集要項で資格が指定される領域もあります。
事務の資格で国家資格にあたるものはありますか?
ITパスポートと衛生管理者が代表例です。 ITパスポートは情報処理の促進に関する法律第26条にもとづき経済産業大臣が行う情報処理技術者試験の一区分、衛生管理者は労働安全衛生法第12条にもとづく都道府県労働局長の免許です。一方、MOSや秘書検定、医療事務系の多くは民間試験にあたります。国家試験かどうかはe-Gov法令検索で条文を引けば確認できるため、迷ったら試験名と根拠法をセットで調べてみてください。
未経験から事務職に転職するなら、どの資格から始めればよいですか?
応募したい求人票に出てくる言葉から逆算するのが現実的です。 Excelでの集計業務が並ぶ求人ならMOSや日商PC検定、請求書や経費精算が中心ならまず日商簿記3級、医療機関を狙うなら医療事務系の試験というように、業務と対応させて選びます。手順としては、勉強を始める前に希望する勤務地と雇用形態で求人を検索し、複数の求人に共通して出てくる作業と資格名を書き出すところから。書き出しに一度も出てこない資格は、少なくともいま狙っている求人には効きにくいと判断できます。
資格を取れば年収は上がりますか?
資格そのものが昇給を保証するものではありません。 資格手当を設けている会社では月額の加算対象になることがありますが、金額も対象資格も会社ごとに異なります。募集要項や面接で「資格手当の対象資格と金額」を確認するのが確実です。年収に効くのは、資格を通じて任される仕事の範囲が広がった結果であることが多く、取得した後にどの業務へ手を挙げるかのほうが影響します。
資格取得の費用に使える公的な支援はありますか?
教育訓練給付金、ハロートレーニング、求職者支援制度の3つがあります。 教育訓練給付金は指定講座の受講費用の20%から、条件を満たす場合は最大80%まで支給されます(令和6年10月1日以降に受講開始する場合)。上限額は一般教育訓練が10万円、専門実践教育訓練が年間40万円から64万円です。ハロートレーニングは受講料が原則無料で、テキスト代のみ自己負担。雇用保険を受給できない場合は求職者支援制度で月10万円の職業訓練受講手当を受けられることがあります。いずれも要件があるため、受講申込みの前にハローワークで確認してください。
まとめ
事務の資格は、持っていれば採用されるものではなく、応募者が横並びで比べられる場面で学んだ量を示す材料です。MOSと日商PC検定は入社後の使用頻度が高く、日商簿記は経理事務の入口、ITパスポートと第二種衛生管理者は法令に根拠のある国家試験。どれを選ぶかは、応募したい求人票に出てくる作業から逆算するのが確実です。受験料や講座代は、教育訓練給付金やハロートレーニング、求職者支援制度で軽くできる可能性があります。
そして一般事務の有効求人倍率が0.37倍でも、運輸・郵便事務は2.96倍。事務という言葉をひとくくりにせず、業務内容で探し直すだけで見える求人は変わります。多くの経営者に話を聞いてきて感じるのは、採用の場で最後に効くのは資格の数ではなく、勉強した理由を自分の言葉で言えるかどうかだということ。同じ問いに経営者がどう答えているかは、熱狂ベンチャーナビの経営者インタビューで読めます。
資格を選ぶ前に、いまの自分がどんな求人に応募できるのかを知っておくと、勉強の方向が決まります。

