フリーターから正社員になるには?年齢別の進め方と企業が見ている点

フリーターからでも、正社員を目指すことは十分にできます。厚生労働省の調査では、フリーターの応募を「評価にほとんど影響しない」と答えた事業所が68.1%を占めました。
意外なことに、フリーターを正社員として採用した事業所のうち、採用時に学歴・経歴を重視したのは1割に届きません。見られているのは、仕事への意欲やマナーといった働く姿勢のほうです。
この記事では、年齢別の進め方、正社員になる4つのルート、求人票の見極め方、フリーター期間の伝え方を順に整理します。
職務経歴書の書き方やフリーター期間の伝え方は、転職エージェントに登録すると無料で添削とアドバイスを受けられます。自己流で悩む時間を減らしたいなら、使えるものは先に使っておきましょう。
フリーターから正社員になれるのか|事業所の約7割は「評価に影響しない」
応募する側が思っているほど、企業はフリーターという経歴を気にしていません。統計から言えるのは次の3点です。
- 15〜34歳のフリーターへの評価は「ほとんど影響しない」が最も多い
- マイナス評価は35〜44歳になると約2倍に増える
- フリーターは珍しい立場ではなく、全国に136万人いる
厚生労働省の調査では、フリーターが正社員求人に応募してきた場合の評価として「評価にほとんど影響しない」を挙げた事業所が68.1%にのぼりました。 平成30年若年者雇用実態調査(対象:正社員を採用する予定があった事業所)で、応募者が15〜34歳の場合の回答です。マイナスに評価するは13.5%、プラスに評価するは3.1%でした。
| 応募者の年齢 | 評価にほとんど影響しない | マイナスに評価する |
|---|---|---|
| 15〜34歳 | 68.1% | 13.5% |
| 35〜44歳 | 54.9% | 26.0% |
同じ調査で35〜44歳の回答を見ると、マイナス評価が26.0%へ上がり、「影響しない」は54.9%へ下がります。年齢が上がるほど、フリーターであった期間そのものが説明を求められる材料に変わっていくと読めます。
数のうえでも、フリーターは特殊な立場ではありません。厚生労働省が総務省統計局「労働力調査(詳細集計)」をもとにまとめた資料によると、令和6年平均のフリーター数は136万人。内訳は15〜24歳が56万人、25〜34歳が80万人です(労働力調査のフリーターは15〜34歳の定義です)。平成17年の201万人からは大きく減っています。また、正規の仕事がないために非正規で働く不本意非正規雇用労働者は、令和6年で180万人。非正規雇用労働者に占める割合は8.7%です。25〜34歳では28万人で、同年代の非正規雇用労働者の12.7%にあたります。同じ資料では2024年の完全失業率が15〜24歳4.0%、25〜34歳3.4%と示されています。
参考:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」
参考:厚生労働省「若年者雇用対策の現状について」
フリーターの経歴より、企業が先に見ているもの
では企業は何を見ているのか。フリーターを正社員として採用した事業所が採用時に重視した点として学歴・経歴を挙げたのは7.9%にとどまり、上位を占めたのは働く姿勢に関する項目でした。
- 最多は職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神で68.7%
- マナー・社会常識、コミュニケーション能力が続く
- 学歴・経歴を挙げた事業所は7.9%
| 採用時に重視した点 | 割合 |
|---|---|
| 職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神 | 68.7% |
| マナー・社会常識 | 59.8% |
| コミュニケーション能力 | 52.5% |
| 組織への適応性 | 33.4% |
| 業務に役立つ専門知識や技能 | 19.9% |
| 業務に役立つ職業経験・訓練経験 | 17.5% |
| 体力・ストレス耐性 | 11.0% |
| 学歴・経歴 | 7.9% |
平成30年若年者雇用実態調査で、フリーターを正社員として採用した事業所を100とした割合(複数回答、15〜34歳)です。専門知識や技能は19.9%、職業経験・訓練経験は17.5%にとどまりました。 調査が示しているのは項目ごとの割合までですが、この並び順からは「入る前に持っているもの」より「入ってからどう働きそうか」に重心があると読めます。
私たちが経営者に「どんな人を採りたいですか」と尋ねたとき、経歴やスキルの話から始まる回答はほとんど返ってきません。取材を重ねていると、この数字は現場の感覚とよく合っていると感じます。
経歴ではなく「学び続ける意欲」が評価される
コクー株式会社の代表取締役CEO・入江雄介氏は、活躍している社員像をこう語っています。
統計で最上位に来た「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」を、採用する側の言葉に置き換えるとこうなります。面接で問われているのは、これまで何をしてきたかよりも、これから学ぶ意思が具体的な行動として出ているかどうかです。
経験の有無より、仕事に対する考え方が合うか
株式会社アイランド・ブレインの代表取締役社長・鈴木徹氏は、採用の基準を次のように話しています。
会社の考え方に共感できるかどうかが判断材料になる以上、応募する側も「その会社が何を大事にしているか」を先に調べておくほうが有利になります。 会社サイトの理念やインタビュー記事を読んでから面接に行くだけで、答えられる質問の数は変わってくるでしょう。
同じ「未経験歓迎」でも育て方に会社差がある
freeks株式会社の代表取締役・篠竹将太朗氏は、未経験採用の実情についてこう述べています。
同じ「未経験歓迎」でも、研修の期間と、その後に用意される仕事は会社ごとに違います。求人票の言葉ではなく、研修の中身と配属後の仕事までを確認しないと、実態は見えません。
年齢で変わる進め方|20代前半・20代後半・30代
「何歳までなら正社員になれるのか」に、はっきりした境界線はありません。ただし雇用形態による賃金の差は、年齢が上がるほど連続的に開いていきます。
- 20代のうちは、前半から後半にかけての差の開き方が小さい
- 20代後半から30代前半にかけて、差が最も大きく開く
- 35歳以降も、差はさらに広がっていく
| 年齢階級 | 雇用形態間賃金格差(正社員・正職員=100) |
|---|---|
| 19歳以下 | 89.0 |
| 20〜24歳 | 83.2 |
| 25〜29歳 | 80.5 |
| 30〜34歳 | 71.9 |
令和6年賃金構造基本統計調査(令和6年6月分の賃金について同年7月に調査、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所50,682事業所を集計)の数値です。いずれも所定内給与額で、短時間労働者を含まない一般労働者どうしの比較にあたります。全体では正社員・正職員348.6千円に対し正社員・正職員以外233.1千円、格差は66.9。30〜34歳の実額では正社員308.5千円に対し正社員以外221.9千円でした。格差は35〜39歳で65.1、40〜44歳で60.7とさらに広がっていきます。5歳刻みの集計なので、「27歳の壁」「30歳の壁」のような特定の年齢の境目まではこの表から読み取れません。読み取れるのは、年齢階級が上がるほど差が開き、なかでも25〜29歳から30〜34歳にかけての開きが最も大きいことです。
| 年齢 | 置かれている状況 | 現実的な進め方 |
|---|---|---|
| 20代前半 | 賃金差が比較的小さく、育成前提の求人が最も多い | 職種を絞りすぎず、研修のある会社に幅広く応募する |
| 20代後半 | 賃金差は20代前半と大きくは変わらないが、同年代の正社員は経験を数年積んでいる | アルバイトでの役割を職務経験として言語化し、期限を決めて動く |
| 30代前半 | 20代より賃金差が大きく、わかものハローワークの対象(おおむね35歳未満)から外れる時期が近づく | 人手不足の業種と、正社員登用のある職場を軸に選ぶ |
年齢の上限が付いた求人を見かけるのは、法律の建て付けによるものです。労働者の募集・採用における年齢制限は平成19年10月1日から原則禁止されていますが、例外事由が6つ定められています。そのひとつが「期間の定めのない労働契約の対象として、長期勤続によるキャリア形成を図る観点から若年者等を募集・採用する場合」(労働施策総合推進法施行規則第1条の3第1項第3号のイ)。ほかに、定年年齢を上限とする場合、法令で年齢制限が義務づけられている場合、技能・ノウハウの継承のために特定の年齢層に限る場合などがあります。若い年齢で上限が切られている求人は、この長期育成の事由にあたると読めます。
参考:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」
参考:ハローワークインターネットサービス「年齢制限該当事由について」
フリーターから正社員になる4つのルート
正社員になる方法は求人サイトへの登録だけではありません。順番として最初に確かめたいのは、今働いている職場です。
- まず今のアルバイト先に正社員登用の制度があるかを確認する
- 制度がなければ、求人サイト・転職エージェント・公的支援を並行して使う
- 入社前に相性を見たい場合は紹介予定派遣やトライアル雇用という選択肢もある
正社員以外の労働者を正社員へ転換させる制度がある事業所は59.9%で、割合は調査のたびに増えています。 令和5年若年者雇用実態調査(令和5年10月1日現在、有効回答7,867事業所)の数値です。制度がないと答えたのは36.9%でした。
| 調査年 | 正社員転換制度がある事業所の割合 |
|---|---|
| 平成25年 | 48.3% |
| 平成30年 | 53.4% |
| 令和5年 | 59.9% |
産業別では複合サービス事業87.8%、宿泊業・飲食サービス業70.4%、金融業・保険業69.9%の順に高くなっています。制度の有無を店長や上司に聞くだけなら費用も時間もかかりません。 今の仕事内容に不満がないなら、外に出る前に確かめておく価値があります。
正直なところ、ここを飛ばして求人サイトから始めてしまう人は少なくないのではないでしょうか。
| ルート | 向いているケース | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| 今の職場の正社員登用 | 仕事内容に不満がなく、勤務先に制度がある | 上司や店長に登用制度の有無と条件を確認する |
| 求人サイト・転職エージェント | 職歴なしから別の職種に移りたい | マイナビ・リクナビなどに登録し、転職エージェントにも相談する |
| 公的支援(わかものハローワーク) | 一人での就職活動に不安がある/おおむね35歳未満 | 最寄りの窓口で担当者を付けてもらう |
| 紹介予定派遣・トライアル雇用 | 入社前に職場との相性を見ておきたい | 派遣会社の紹介予定派遣枠やハローワークの求人を探す |
求人サイトと転職エージェントは役割が違います。マイナビ・リクナビのような求人サイトは自分で検索して応募する形、転職エージェントは担当者が求人を提案し、応募書類の添削や面接日程の調整まで引き受ける形です。職歴の書き方に迷いがあるなら、書類を人に見てもらえるエージェントを併用したほうが早く進みます。
使える公的制度|わかものハローワークと無期転換ルール
公的な支援は無料で使えます。名前だけ知っていても中身を知らない人が多いので、使える範囲を整理しておきましょう。
- わかものハローワークはおおむね35歳未満・正社員志望が対象で、担当者制の支援を受けられる
- 職業情報提供サイトのjob tagで、未経験の職業の中身を調べられる
- 同じ会社との有期契約が通算5年を超えると、無期労働契約への転換を申し込める
- 企業側にも、正社員化を後押しする助成金がある
わかものハローワークは、おおむね35歳未満で正社員就職を目指す人を対象に、担当者制の職業相談、応募書類の作成支援、模擬面接、セミナー、就職後の定着支援までを無料で提供する窓口です。 全国にわかものハローワーク21か所、わかもの支援コーナー・わかもの支援窓口199か所の計220か所が置かれています。一人での就職活動が続かないタイプの人ほど、担当者が付く仕組みは向いているでしょう。
やりたい仕事が決まらない段階なら、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」が使えます。500を超える職業について、その職業で行われる作業と必要なスキルが整理されており、経験のない仕事の中身を事前に読めます。
雇用形態そのものの選択肢として、無期転換ルールも知っておきたいところです。同じ会社(同一の使用者)との有期労働契約が更新されて通算5年を超えたとき、労働者からの申込みによって無期労働契約に転換されます(労働契約法第18条、平成25年4月1日施行)。申込みがあれば使用者は承諾したものとみなされ、断ることはできません。正社員になるとは限りませんが、契約の終わりに怯えずに働ける状態はつくれるということです。
そして、企業の側にもフリーターを正社員にする理由があります。キャリアアップ助成金の正社員化コースでは、有期雇用労働者を正規雇用労働者へ転換した場合、重点支援対象者であれば中小企業80万円(40万円×2期)、大企業60万円(30万円×2期)が事業主に支給されます。重点支援対象者の要件の一つは「雇入れから3年未満で、過去5年間に正規雇用労働者であった期間が合計1年以下、かつ過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない」こと。フリーターとして働いてきた期間が、企業から見ると助成の対象要件になっている場合があるのです。
参考:厚生労働省「わかものハローワーク」
参考:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」
参考:厚生労働省「無期転換ルールについて」
参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「『キャリアアップ助成金』を活用して従業員を正社員転換しませんか?」
フリーターの採用実績がある業種から応募先を選ぶ
応募先を「おすすめ職種」の一覧から選ぶより、実際にフリーターを正社員として採用した実績がある業種から絞るほうが近道です。 業種によって、採用の実績には大きな開きがあります。
- 採用実績が最も高いのは宿泊業・飲食サービス業で41.0%
- 全産業計18.5%を上回るのは4業種で、多くは平均前後に集まる
- 入口が広い業種と、長く続けられる業種は一致するとは限らない
| 産業 | フリーターを正社員として採用した事業所の割合 |
|---|---|
| 宿泊業・飲食サービス業 | 41.0% |
| 生活関連サービス業・娯楽業 | 21.4% |
| 卸売業・小売業 | 19.3% |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 19.1% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 18.1% |
| 全産業計 | 18.5% |
| 鉱業、採石業、砂利採取業 | 3.1% |
平成30年若年者雇用実態調査(対象:全国の5人以上の常用労働者を雇用する事業所)で、過去3年間に正社員を採用する予定があった事業所のうち、フリーターからの応募があったのは25.4%、実際に採用したのは18.5%でした。宿泊業・飲食サービス業は応募49.9%・採用41.0%と突出しています。一方で医療・福祉13.2%、情報通信業12.5%、建設業11.0%は全産業計を下回ります。事業所規模別では1,000人以上が26.4%、5〜29人が18.1%でした。
注意したいのは、採用実績が多い業種と、自分が長く続けられる業種は同じとは限らない点です。 飲食や宿泊は入口が広い一方で、勤務時間帯や休日の取り方が生活に合うかは人によって分かれます。応募数が多い業種を出発点にしつつ、実際の仕事内容を調べたうえで決めましょう。営業職を検討するなら、不動産営業の仕事内容のように職種単位で具体像を確認しておくと、面接での質問も変わってきます。
フリーターから応募するとき、求人票のどこを見るか
「未経験歓迎」「学歴不問」と書かれていても、育てる体制があるかどうかは求人票の文言では分かりません。見るべきは言葉ではなく、聞いたときに具体的な答えが返ってくるかどうかです。
- 研修の期間と内容、配属後に相談できる相手がいるか
- 基本給と固定残業代の内訳が示されているか
- 社員数に対して募集人数が多すぎないか
- 1年目に任される仕事の範囲を説明できるか
- 年齢の上限がある場合、その理由を説明できるか
| 見る視点 | 確認すること | 注意したい反応 |
|---|---|---|
| 研修 | 何か月で何を学ぶか、配属後の相談相手 | 「研修あり」より先の説明が出てこない |
| 給与の内訳 | 固定残業代を除いた基本給、対象時間数と金額 | 「みなし残業代込み」とだけ書かれている |
| 募集人数 | 社員数に対する採用予定数、増員か欠員補充か | 社員数に近い人数を毎年募集し続けている |
| 仕事の中身 | 1日の流れ、1年目に任される範囲 | 「やる気次第」「人による」で具体が出ない |
| 年齢の上限 | 上限を設けている理由 | 長期育成以外の説明が出てこない |
若者雇用促進法に基づく指針では、固定残業代を採用する場合、募集要項に固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法、固定残業時間を超える分に割増賃金を追加で支払う旨の3点を明示することが求められています。3点のうち1つでも欠けている求人は、条件面の説明が丁寧でない可能性を含んでいるとみておきましょう。
面接で聞きにくいと感じる項目もあるかもしれません。ただ、研修の中身や仕事の範囲を尋ねるのは、入社後に働く姿を具体的に考えている証拠でもあります。前半で見たとおり、企業が最も重視しているのは職業意識と勤労意欲。聞くこと自体がマイナスに働く場面は多くないはずです。
参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。」
応募書類と面接で、フリーター期間をどう説明するか
フリーター期間の説明は、隠すのではなく事実として組み立てるほうがうまくいきます。押さえるのは「何をしていたか」「そこで身についたこと」「次の仕事でどう使うか」の3点です。
- 期間の事実を先に言い切り、言い訳から始めない
- アルバイトでの役割を、業務として書ける言葉に置き換える
- 志望動機を「安定したいから」だけで終わらせない
アルバイトの経験は、書き方次第で職務経験として通用します。シフト作成、新人への指導、発注や在庫の管理、クレーム対応、売上の集計。いずれも会社の中では業務として存在するもので、「アルバイトだから書けることがない」という前提を外すところから始めるのが実際的です。 応募書類の作り方に迷ったら、履歴書のAI作成はバレるのかで、書類作成でやってよいことと避けたいことを確認しておくとよいでしょう。
志望動機については、「雇用が安定するから」という本音を出発点にしても構いません。そのうえで、なぜその会社なのか、入ってから何を身につけたいのかまで続けられるかどうかが分かれ目になります。前半で紹介した経営者の言葉のとおり、見られているのは学び続ける意思が行動になっているかどうか。未経験の職種を志望するなら、job tagなどでその仕事の作業内容を調べたうえで話すだけでも、答えの具体性は変わります。
社長の言葉で、応募先の育て方を知る
統計は全体の傾向を示すものであり、応募先を決めるのは最後は個々の会社です。求人票では分からない部分は、経営者本人が語った記事から読み取れます。
熱狂ベンチャーナビでは、経験の有無にかかわらず人を採り、育てている会社の経営者に話を聞いています。どんな姿勢を見ているのか、入社後にどんな研修や仕事を用意しているのかは、会社ごとにかなり違います。志望先に同じ質問を投げたとき、どんな答えが返ってくるかを比べる材料にしてください。
選考の準備を進めるなら、グループ面接でよく聞かれる質問と回答のコツと面接中の飲み物マナー、入社後を見据えるなら成長が早い人の特徴9選もあわせてどうぞ。
フリーターから正社員に関するよくある質問
フリーターから正社員になれるのは何歳までですか?
何歳までという一律の上限が、法律で決まっているわけではありません。 労働者の募集・採用における年齢制限は平成19年10月1日から原則禁止されており、上限年齢を設けられるのは「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から若年者等を募集・採用する場合」などの例外に限られます。ただし平成30年若年者雇用実態調査では、応募者が15〜34歳のときにフリーター歴を「マイナスに評価する」事業所は13.5%だったのに対し、35〜44歳では26.0%へ上がりました。年齢階級ごとの集計なので何歳が境目かまでは分かりませんが、一般に、動き出しが早いほど選択肢は多いと考えてよいでしょう。
参考:ハローワークインターネットサービス「年齢制限該当事由について」
高卒や職歴なしでも正社員になれますか?
学歴によって正社員の割合に差はあるものの、働いている高卒者のうち6割超が正社員です。 令和5年若年者雇用実態調査(対象:在学していない15〜34歳の若年労働者)によると、正社員の割合は中学34.0%、高校63.5%、専修学校(専門課程)70.8%、高専・短大68.7%、大学87.3%、大学院81.0%でした。別の調査になりますが、平成30年若年者雇用実態調査では、フリーターを正社員として採用した事業所が採用選考で重視した点のうち、学歴・経歴を挙げたのは7.9%でした。学歴だけで合否が決まるわけではない、と読める材料の一つでしょう。ただし会社や職種によって求める条件は異なるため、応募先ごとの要件は個別に確認してください。

参考:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」
参考:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」
フリーター期間が長いと不利になりますか?
期間そのものより、年齢が上がることの影響のほうが数字にはっきり表れています。 平成30年若年者雇用実態調査では、15〜34歳の応募者について「評価にほとんど影響しない」が68.1%を占めた一方、35〜44歳ではその割合が54.9%へ下がり、マイナス評価が26.0%へ上がりました。賃金面でも、雇用形態間の格差は19歳以下89.0から30〜34歳71.9へと広がります(令和6年賃金構造基本統計調査、正社員・正職員=100)。期間の長さを気にして動けないままでいるほうが、条件は厳しくなっていくと考えられます。
資格を取ってから応募したほうがいいですか?
必須とは言えません。 平成30年若年者雇用実態調査で、フリーターを正社員として採用した事業所が重視した点のうち「業務に役立つ専門知識や技能」は19.9%、「業務に役立つ職業経験・訓練経験」は17.5%でした。上位を占めたのは職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神68.7%、マナー・社会常識59.8%、コミュニケーション能力52.5%です。資格の勉強で応募を先送りするより、応募と並行して学ぶほうが時間の使い方としては合理的でしょう。業務独占資格が必要な職種は例外なので、志望する職種の要件は先に確認してください。
正社員になると収入はどれくらい変わりますか?
若年層の月収分布を見ると、正社員と正社員以外では分布の山がずれています。 令和5年若年者雇用実態調査(令和5年9月支給分、15〜34歳)では、正社員で最も多い層は「20万円〜25万円未満」の33.2%、正社員以外で最も多い層は「10万円〜15万円未満」の23.5%でした。25万円以上は正社員で41.4%、正社員以外で11.8%です。正社員以外には短時間勤務の人も含まれるため、差には労働時間の違いも含まれます。主な収入源についても、正社員は「自分自身の収入」72.2%に対し、正社員以外は「親の収入」42.8%が最多でした。なお令和6年雇用動向調査によると、転職入職者の賃金は前職と比べ増加40.5%、減少29.4%、変わらない28.4%。転職すれば必ず増えるわけではない点は押さえておきましょう。
参考:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」
参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」
まとめ
フリーターから正社員を目指すとき、最初に外したい思い込みは「経歴で落とされる」というものです。平成30年若年者雇用実態調査では、15〜34歳の応募者について68.1%の事業所が「評価にほとんど影響しない」と回答し、採用時に重視した点の最多は職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神の68.7%、学歴・経歴は7.9%でした。一方で、35〜44歳ではマイナス評価が26.0%へ上がり、雇用形態間の賃金格差も年齢とともに開いていきます。急ぐ理由があるとすれば、経歴の長さではなく年齢のほうです。
進め方は、今のアルバイト先の正社員登用制度を確かめるところから。制度がある事業所は59.9%まで増えています。制度がなければ、マイナビ・リクナビなどの求人サイトと転職エージェント、おおむね35歳未満ならわかものハローワークを並行して使い、未経験歓迎の求人は研修の中身と給与の内訳まで確認する。取材を重ねていると、未経験から人を採る会社ほど「どう育てるか」を具体的に語れると感じます。裏を返せば、その具体性が返ってこない会社は候補から外してよい、ということでもあるでしょう。
応募先を並べて比べる段階まで来たら、自分ひとりで探すより、求人を持っている相手に条件を伝えて出してもらうほうが早く進みます。

