ハイヤーとタクシーの違いとは?料金・営業形態・法律上の区分を比較

ハイヤーとタクシーの違いは、運送の引受けを営業所だけで行うかどうかにあります。街で手を挙げて乗れるのがタクシー、営業所への予約でしか乗れないのがハイヤーです。
違いがさらに大きいのは運転手として働く場合で、ハイヤー運転者にはタクシーの拘束時間の上限が適用されず、労働時間は別のルールで管理されています。
この記事では、法律上の区分から運賃の決まり方、台数の差、運転手としての働き方の違いまでを順に整理します。
ハイヤーとタクシーは、同じ第二種免許の仕事でありながら、勤務時間の決まり方も給与の組み立ても別物です。どちらの働き方が自分に合うかは、求人を実際に見ている転職のプロに無料で相談できます。
ハイヤーとタクシーの違いを一覧で比較
まず全体像を押さえておきましょう。違いは大きく次の4点に集約されます。
- 運送の引受けを営業所だけで行うか、街頭でも行うか
- 運賃が時間制か、距離と時間のメーターか
- 料金の対象が「車庫を出てから戻るまで」か「乗車から降車まで」か
- 走っている台数の規模
| 比較する点 | タクシー | ハイヤー |
|---|---|---|
| 法律上の区分 | 一般乗用旅客自動車運送事業に使う自動車のうち、ハイヤー以外のもの | 同じ事業に使う自動車のうち、運送の引受けが営業所のみで行われるもの |
| 乗り方 | 流し、タクシー乗り場、配車アプリ、電話予約 | 営業所への事前予約のみ |
| 運賃の形 | 距離と時間を組み合わせたメーター運賃 | 時間制が基本 |
| 料金の対象 | 乗車から降車まで | 一般に車庫を出てから戻るまで |
| 契約の単位 | 1回の乗車ごと | 都市型ハイヤーは2時間以上、または1日を超える専属契約 |
| 車両 | 事業者が用意する営業車 | 一般に上級車種が使われる。許可の基準に車種や車格の要件は置かれていない |
| 主な利用場面 | 日常の移動、通院、深夜の帰宅など | 役員の送迎、接待、空港送迎、冠婚葬祭など |
| 台数 | 68,538両 | 8,650両 |
台数は関東運輸局管内の令和7年3月31日現在の集計です(関東運輸局「一般乗用旅客自動車運送事業の事業者数・車両数調べ」、患者等限定輸送事業を除く)。同じ許可のもとで走っていても、実際に街を走る台数は8倍近い開きがあります。
法律ではどう区別されているのか
どちらも道路運送法の同じ事業に属し、そのなかで「運送の引受けを営業所のみで行うかどうか」によって呼び分けられています。整理すると次の3階層です。
- 道路運送法が「一般乗用旅客自動車運送事業」という事業区分を定める
- タクシー業務適正化特別措置法が、その事業に使う自動車を「ハイヤー」と「タクシー」に分ける
- 運賃はどちらも原則として国の認可を受ける(一部の料金は届出)
道路運送法第3条は旅客自動車運送事業を分類し、一般乗用旅客自動車運送事業を「一個の契約によりロの国土交通省令で定める乗車定員未満の自動車を貸し切つて旅客を運送する一般旅客自動車運送事業」と定めています。この乗車定員は道路運送法施行規則第3条の2で11人とされているため、実質的には「11人未満の車を1件の契約で貸し切って運ぶ事業」を指します。ハイヤーもタクシーも、この定義のなかに収まります。
そのうえで、両者を分けているのがタクシー業務適正化特別措置法第2条です。
条文が基準にしているのは、車種でも料金でもなく「運送の引受けをどこで行うか」という一点です。 営業所だけで引き受ける車がハイヤーで、それ以外がタクシー。高級車を使っているからハイヤーになるわけではなく、街頭で客を乗せた時点でハイヤーの定義から外れる、という組み立てになっています。

運賃の決め方も共通しています。道路運送法第9条の3により、一般乗用旅客自動車運送事業者は運賃と料金を定めて原則として国土交通大臣の認可を受けなければならず、認可の基準は「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであること」などと定められています。旅客の利益に及ぼす影響が比較的小さいものとして国土交通省令で定める料金は届出で足りるとされていますが、会社が自由に値付けできる仕組みではない点は変わりません。厚生労働省のパンフレットも、ハイヤーを「各地方運輸局長(沖縄総合事務局長を含む。)からハイヤー運賃の認可を受けた自動車」と説明しています(厚生労働省「タクシー・ハイヤー運転者の労働時間等の改善基準のポイント」令和6年4月適用、p.14)。運賃が行政のチェックを通ってはじめて使えるものになるという点は、ハイヤーもタクシーも同じです。
参考:e-Gov法令検索「道路運送法」
参考:e-Gov法令検索「道路運送法施行規則」
参考:e-Gov法令検索「タクシー業務適正化特別措置法」
参考:国土交通省「一般乗用旅客自動車運送事業」
料金の決まり方は時間制と距離制で分かれる
引受け方が違えば、料金の測り方も変わります。押さえたいのは次の3点です。
- タクシーは乗車から降車までを距離と時間で測る
- ハイヤーは時間を単位に契約し、一般に車庫を出てから戻るまでが対象になる
- どちらの運賃も、事業者が勝手に決められるものではない
| 項目 | タクシー | ハイヤー |
|---|---|---|
| 運賃の基本 | 距離と時間を組み合わせたメーター運賃 | 時間制が基本 |
| 課金が始まる時点 | 乗客が乗車した時点 | 一般に車庫や営業所を出た時点 |
| 課金が終わる時点 | 乗客が降車した時点 | 一般に車庫や営業所へ戻った時点 |
| 最小の契約単位 | 1回の乗車ごと | 都市型ハイヤーは2時間以上、または1日を超える専属契約 |
| 運賃の決定 | 国の認可を受けた運賃 | 各地方運輸局長の認可を受けたハイヤー運賃 |
ハイヤーの料金が高く感じられる理由の大半は、料金の対象になる時間の長さにあります。 目的地まで乗客を運んでいる時間だけでなく、迎えに向かう時間も、待機している時間も、車庫へ戻る時間も同じ契約に含まれるためです。裏を返せば、複数箇所を回って各所で待機が発生するような行程では、待たせるたびに乗り換えるより見通しが立ちやすくなります。移動距離が長く待機がほとんどない行程ならメーター運賃のほうが収まる場合もあり、どちらが有利かは行程次第。実際の金額は各社が認可を受けた運賃によるため、見積りを取って比べるのが確実です。
参考:関東運輸局「自動認可運賃等について(ハイヤー)特別区・武三地区」
ハイヤーが流し営業をしない理由
「呼ばないと乗れない」のは各社の営業方針ではなく、法令にもとづく制約です。ハイヤーには次の3つのルールがかかります。
- 流し営業や駅待ちの禁止
- 運送契約の時間を細切れにして売る「切り売り」の禁止(都市型ハイヤーの場合)
- 発地と着地の両方が営業区域外になる運送の禁止
関東運輸局が都市型ハイヤー事業者向けに実施した講習会の資料は、「ハイヤーは、タクシーとは異なり、いわゆる流し営業や駅待ち等の営業は法令により禁止されています」と明記しています。空港などでの客引き行為についても、運送の引受けが営業所のみで行われるものに該当しないため道路運送法違反にあたる、としています(関東運輸局「都市型ハイヤー事業者 オンライン講習会」令和8年3月4日)。
都市型ハイヤーの定義そのものも、契約のしかたで縛られています。運送の引受けが営業所のみで行われることに加えて、1日を超える期間を単位とする書面の専属契約か、2時間以上の時間を単位として締結される運送契約のみで運送を行うものとされているためです(特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法施行規程 第2条第3号)。「2時間から」という受注単位は商習慣ではなく、告示に書かれた要件です。
この2時間を細分化して売る行為は、平成26年9月29日付けの自動車局旅客課長通達により、都市型ハイヤーを使用して行う事業において道路運送法第15条等に違反するものとして認められていません。配車アプリを介して2時間未満に切り分けて提供するケースが具体例として挙げられています。ハイヤーがタクシーと同じ土俵で短時間の移動を奪い合わない仕組みが、ここで担保されているわけです。
なお、営業区域外旅客運送の禁止はハイヤーとタクシーに共通します。道路運送法第20条は、一般旅客自動車運送事業者に対し、原則として発地と着地のいずれもが営業区域外にある旅客の運送をしてはならないと定めています(路線を定めて行うものや、災害等の場合の但書は除きます)。
台数で見ると規模はここまで違う
数字で並べると、両者の位置づけがはっきりします。関東運輸局が公表する令和7年3月31日現在の集計は次のとおりです。
| 区分 | 東京の特別区・武三交通圏 | 関東運輸局管内の合計 |
|---|---|---|
| 法人タクシー | 306者・27,231両 | 1,298者・56,806両 |
| 個人タクシー | 8,761両 | 11,735両 |
| タクシー計 | 35,992両 | 68,538両 |
| ハイヤー計 | 327者・7,088両 | 8,650両 |
| うち都市型ハイヤー | 5,612両 | 6,823両 |
※出典の集計上、法人と個人の内訳の合計とタクシー計にはわずかな差があります。
関東運輸局管内でハイヤーはタクシーのおよそ8分の1、東京の特別区・武三交通圏に限っても5分の1程度です。 しかも管内のハイヤー8,650両のうち7,088両、およそ82%が東京の特別区・武三交通圏に集まっています。ハイヤーという働き方の求人が都市部に偏る背景が、ここから読み取れます。
業界全体の規模も見ておきましょう。全国ハイヤー・タクシー連合会の集計では、法人タクシーの車両数は平成19年度の222,522両から令和6年度は167,404両へ減少しています(ハイヤーと福祉輸送限定車両を除く数値)。一方で輸送人員は令和2年度の7億3,824万人を底に令和6年度は10億5,066万人、営業収入は令和2年度の9,074億円から令和6年度は1兆4,425億円まで戻りました。車両は減り、需要は戻っているという状態です。
参考:関東運輸局「一般乗用旅客自動車運送事業の事業者数・車両数調べ」
参考:全国ハイヤー・タクシー連合会「全国の事業者数及び車両数の推移」
参考:全国ハイヤー・タクシー連合会「輸送人員及び営業収入の推移」
ハイヤーとタクシーをめぐる4つの誤解
正直なところ、私たちも取材前の下調べを始めるまでは「黒塗りの車がハイヤー」くらいの理解でした。実際に条文を読むと、世間に流通しているイメージとはずれる点がいくつも出てきます。
| よくある誤解 | 実際のところ |
|---|---|
| 黒塗りの高級車がハイヤー | 車種で決まるものではなく、運送の引受けを営業所だけで行うかどうかで区分される |
| ハイヤーは法人の役員しか使えない | 法令上の要件は運送の引受けを営業所のみで行うことで、利用者を法人に限る定めは置かれていない。個人からの予約を受けるかどうかは各社の対応による |
| 空車のハイヤーは手を挙げれば乗れる | 流し営業や駅待ちは法令で禁止されている |
| タクシーとハイヤーは別々の許可事業 | どちらも一般乗用旅客自動車運送事業。同じ事業のなかの車両区分 |
外から見て最も分かりやすい違いは、車の見た目ではなく「どこで契約が成立しているか」です。 街頭で成立すればタクシー、営業所で成立すればハイヤー。この一点を押さえると、料金の形も営業のしかたも筋が通って見えてきます。
ハイヤー運転手とタクシー運転手は働き方がどう違うのか
利用する側の違いより差が大きいのが、運転手として働く場合の条件です。違いは次の5点に表れます。
- 労働時間の規制が別建てになっている
- 給与の組み立てが違う
- 必要な免許はどちらも同じ
- 求められる仕事の幅が違う
- タクシーからハイヤーへ移るキャリアがある
労働時間のルールが別建てになっている
ここが制度上の最大の差です。厚生労働省の改善基準告示は、「ハイヤー運転者には、その勤務の実態を踏まえ、タクシー運転者に適用される拘束時間、休息期間等の規定は適用されません」と明記しています。ハイヤー運転者に適用されるのは、36協定を締結するにあたって時間外労働を限度時間(1か月45時間・1年360時間)を超えない時間に限ること、臨時的な特別の事情がある場合でも1年960時間を超えない範囲内とすること、勤務終了後に一定の休息期間を与えること、という別のルートです。
対してタクシー運転者には、勤務形態ごとに細かい上限が置かれています。
| 項目 | タクシー運転者(日勤) | タクシー運転者(隔日勤務) | ハイヤー運転者 |
|---|---|---|---|
| 1か月の拘束時間 | 288時間以内 | 262時間以内。特別な事情がある場合に労使協定があれば年6か月まで270時間 | 規定の適用なし |
| 1回あたりの拘束時間 | 1日13時間以内。延長する場合も15時間が上限 | 2暦日22時間以内、かつ2回の平均で1回21時間以内 | 規定の適用なし |
| 休息期間 | 継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らない | 継続24時間以上を基本とし、22時間を下回らない | 勤務終了後に一定の休息期間 |
| 時間外労働の上限 | 自動車運転の業務として1年960時間以内 | 同左 | 36協定で1年960時間以内 |
タクシーは「1か月と1回あたりの拘束時間」で管理され、ハイヤーは「年間の時間外労働」で管理されます。 制度の骨格そのものが違うため、「ハイヤーのほうが勤務が安定している」という説明も、実際には規制のかかり方の違いから来ています。もっとも、告示は最低限の枠組みであり、実際の勤務シフトは会社ごとに設計されます。応募先の実態は募集要項と面接で確かめてください。
参考:厚生労働省「タクシー・ハイヤー運転者の労働時間等の改善基準のポイント」
給与の組み立てが違う
先に断っておくと、賃金構造基本統計調査の職種分類ではハイヤー運転者も「タクシー運転者」に含まれ、ハイヤー運転手だけを取り出した平均年収は公表されていません。 求人や解説記事で見かける「ハイヤーは年収◯◯万円」という数字は、個々の会社の募集条件や書き手の推計で、業界全体の平均を示すものではないのです。ここでは統計で確かめられる範囲を示します。
全国ハイヤー・タクシー連合会が令和8年5月にまとめた令和7年賃金構造基本統計調査の分析によると、タクシー運転者の年間賃金推計額は4,508,200円(対前年比8.7%増)で、全産業平均の5,455,600円との差は947,400円です。ただし同資料自身が、賃金制度の性質が違うため平均賃金のみで単純に比較することには留意が必要だと断っています。
差の中身を見ると構造がよく分かります。年間賞与はタクシー運転者が197,800円、全産業が1,009,600円。同じ資料は、年功賃金制では固定給が勤続とともに上がるのに対し、歩合給制度では最低賃金が保障として機能するにとどまり売上水準に応じて賃金が変動する、と説明しています。タクシーの賃金は月々の売上と連動して動き、賞与で積み上がる部分は小さいのです。 一般にハイヤーは固定給の比率が高い設計とされますが、これも先の労働時間規制の違いと同じ根から来ています。時間単位の長い契約で稼働する車と、1回ごとの乗車を積み上げる車とでは、売上の立ち方が違うからです。
成果や市況で年収が動く仕事という点では、証券会社の営業職の仕事内容と年収とも共通する部分があります。給与表の見方に迷ったときは、固定部分と変動部分をそれぞれ数字で確認するのが基本です。
参考:全国ハイヤー・タクシー連合会「『令和7年賃金構造基本統計調査』によるタクシー運転者の現況」
参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 役職・職種一覧表」
必要な免許はどちらも第二種免許
ハイヤーだから上位の免許が要る、ということはありません。どちらも旅客を運ぶ営業運転のため、普通第二種免許が必要です。取得の入口は令和4年5月13日に広がりました。第二種免許の受験資格は本来21歳以上かつ普通免許等の保有3年以上ですが、ここに受験資格特例教習という別ルートが加わっています。年齢要件を19歳以上に下げる課程は座学と実車を含む7時限以上、経験年数要件を保有1年以上に下げる課程は29時限以上と定められており、19歳・保有1年で受験するには両方の課程を修了する必要があります。ただし本来の年齢に達するまでは若年運転者期間となり、この間に違反行為をして合計点数が3点以上になると(1回の違反行為で3点となった場合は除きます)、9時間の若年運転者講習の受講が義務づけられます。受講しなければ、特例で取得した免許は取り消されます。
採用する側の事情も数字に出ています。警察庁の運転免許統計(令和6年版・種類別運転免許現在数)によると、第二種免許の現在数は令和2年末の1,883,382件から令和6年末は1,689,554件へ、4年で193,828件減りました。複数種類を持つ人はそれぞれの欄に計上される延べの数字ですが、減少の傾向ははっきり出ています。そのなかで普通第二種免許だけは令和2年の56,943件から令和6年は136,453件へ増えています。同じ統計の併記交付件数でも、普通第二種は令和2年の12,121件から令和6年は34,620件へ伸びました。新たに普通第二種を取る人が増えているのは読み取れますが、統計が示すのは件数の推移までなので、受験資格の見直しがどこまで寄与したのかまでは分かりません。法人タクシーの運転者数も平成16年度の381,943人をピークに令和4年度の214,972人まで落ち込み、令和6年度は224,428人と持ち直しました。免許の延べ数が減るなかで、事業者は取得支援を含めた条件で人を集めています。
参考:警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」
参考:警察庁交通局運転免許課「運転免許統計 令和6年版」
参考:全国ハイヤー・タクシー連合会「運転者数の推移」
求められる仕事の幅が違う
タクシーは不特定多数の乗客を1回ごとに運ぶ仕事で、地理の知識と回転の速さ、需要のある場所を読む力が売上に直結します。ハイヤーは特定の相手と長い時間を過ごす仕事のため、時間どおりに着ける経路の組み立て、車内での立ち居振る舞い、業務上知り得たことを外に出さない姿勢が求められます。どちらが上ということではなく、評価される軸が違うと考えるのが実態に近いでしょう。
タクシーからハイヤーへ進む道もある
一般に、タクシーで経験を積んでからハイヤーへ移る流れがあります。営業所での受注が前提のハイヤーは車両数そのものが少なく、募集の枠も限られるためです。技能で階段を上がっていく仕事の設計としては、美容師のキャリアパスのような職種と発想が近い部分があります。私たちが職種の記事をつくるときも、同じ職種名のなかに複数の道が隠れているケースには何度も出会ってきました。不動産営業の仕事内容のように仲介・賃貸・管理で中身が分かれる職種とも、その点は重なります。求人票の職種名だけで判断せず、どの区分の仕事なのかを確かめておきたいところです。
同じ職種名の内側にどんな道があるかは、実際に会社を率いている人の話が早いところもあります。熱狂ベンチャーナビの経営者インタビューでは、評価や育成の設計を社長自身の言葉で読めます。
ハイヤーとタクシーの違いに関するよくある質問
ハイヤーは個人でも利用できますか?
ハイヤーの要件は運送の引受けをどこで行うかで組み立てられており、利用者を法人に限る定めは置かれていません。条件は、運送の引受けが営業所のみで行われることと、都市型ハイヤーの場合は2時間以上の時間を単位とする運送契約か1日を超える書面の専属契約によることです。契約の形が満たされていれば、申し込む側が個人か法人かは要件になっていません。ただし個人からの予約を受け付けるかどうかは各社の対応によるため、事前に営業所へ確認してください。
ハイヤーに迎車料金はかかりますか?
タクシーの迎車料金にあたるものが、ハイヤーでは料金の考え方そのものに組み込まれています。一般にハイヤーは車庫や営業所を出た時点から戻るまでを対象に時間制で計算するため、迎えに向かう時間も契約時間に含まれるのです。運賃は各地方運輸局長の認可を受けたものが適用されるので、実際の計算方法は依頼先の運賃表で確認するのが確実です。
タクシーとハイヤーで必要な運転免許は違いますか?
どちらも第二種免許が必要で、車種による違いはありません。第二種免許は21歳以上かつ普通免許等の保有3年以上が本来の受験資格ですが、受験資格特例教習を修了すれば要件が下がります。年齢要件を19歳以上に下げる課程は7時限以上、経験年数要件を保有1年以上に下げる課程は29時限以上で、19歳・保有1年で受験するには両方の修了が必要です。本来の年齢に達するまでは若年運転者期間として、違反行為の合計点数が3点以上になると(1回の違反行為で3点となった場合は除きます)若年運転者講習の受講が義務づけられます。
都市型ハイヤーとそれ以外のハイヤーは何が違いますか?
都市型ハイヤーは、運送の引受けが営業所のみで行われることに加えて、1日を超える期間を単位とする書面の専属契約か2時間以上の時間を単位とする運送契約のみで運送を行うものを指します。特定地域や準特定地域における事業の適正化に関する告示で定義されており、関東運輸局管内のハイヤー8,650両のうち6,823両が都市型ハイヤーです(令和7年3月31日現在)。契約時間を細分化して提供する行為は道路運送法第15条等に違反するものとされています。
ハイヤーとタクシーの仕事は今後どうなりますか?
需要の面では回復が続いています。全国ハイヤー・タクシー連合会の集計では、輸送人員は令和2年度の7億3,824万人から令和6年度は10億5,066万人、営業収入は9,074億円から1兆4,425億円まで戻りました。制度面では、タクシーが不足する地域・時期・時間帯に限って自家用車で運送を行う自家用車活用事業(日本版ライドシェア)が始まっています。この事業のドライバーは第一種免許でも要件を満たせば従事できる一方、タクシー事業の運転者は第二種免許と運転者登録が必要で、事業用自動車を使う点が変わりません(東北運輸局資料・令和6年11月時点)。ハイヤーはさらに営業所での引受けと時間単位の契約が前提となるため、性格の違う仕事として残ると見るのが自然でしょう。
参考:東北運輸局「日本版ライドシェア(自家用車活用事業)について」
まとめ
ハイヤーとタクシーの違いは、運送の引受けを営業所だけで行うかどうかという一点から始まります。タクシー業務適正化特別措置法第2条がそう定義しているためで、車種でも料金でもありません。そこから、流し営業や駅待ちができないこと、一般に車庫を出てから戻るまでを対象とする時間制の運賃といった実務上の違いが生まれ、都市型ハイヤーではさらに2時間以上または1日を超える専属契約という受注単位が加わります。関東運輸局管内の台数はタクシー68,538両に対してハイヤー8,650両で、規模の差もはっきりしています。
運転手として働く場合は、労働時間の規制が別建てである点が最も大きな違いです。タクシー運転者には1か月と1回あたりの拘束時間の上限がかかり、ハイヤー運転者にはその規定が適用されず36協定による年960時間の枠で管理されます。給与も、歩合の比重が大きいタクシーと固定の比重が高いとされるハイヤーとで組み立てが分かれます。編集部として資料を読み進めていて感じたのは、制度の形がそのまま働き方の形になっている業界だという点でした。免許はどちらも第二種免許で入口は同じなので、あとはどちらの働き方が自分に合うかという話に絞られるはずです。
働き方の向き不向きが見えてきたら、次は実際の求人で条件を並べて比べる段階になります。

