志望動機の書き方と例文|新卒・転職別の型、思いつかないときの考え方と文字数

志望動機は、「なぜこの会社か」という結論を最初に書き、そう考えるようになった経験、入社後にやりたいことの順に続けると伝わりやすくなります。
意外かもしれませんが、新卒の採用選考で「従順さ・会社への忠誠心」を重視した事業所は2割ほどです。会社に尽くす言葉より、仕事にどう向き合うかを書くほうが、採用する側の関心と重なりやすいでしょう。
この記事では、新卒・転職別の書き方と業界・職種別の例文、字数の調整、思いつかないときの材料の集め方まで紹介します。
志望動機は「理由・根拠・入社後」の順に、結論から書く
志望動機に書くことは、次の3つに絞れます。どれかが欠けると、読み手は「なぜうちなのか」を判断しにくくなるのです。
- なぜこの業界・この会社を選んだのか(理由)
- そう考えるようになった経験や、生かせる強み(根拠)
- 入社後にどんな仕事で、どう貢献したいか(将来)
| 書く順 | 書くこと | 書き方の目安 |
|---|---|---|
| ①結論 | この業界・この会社を志望する理由 | 冒頭の1文で言い切る |
| ②根拠 | そう考えたきっかけの経験、生かせる強み | 経験は1つに絞り、場面が浮かぶように書く |
| ③入社後 | 入社後に取り組みたい仕事と、貢献の仕方 | 会社の事業や仕事の中身とつなげる |
ジョブ・カードの様式が志望動機欄に添えている「企業を選んだ理由」と「仕事によって達成したい目標」は、この表の①と③にあたります。会社を選んだ理由と、仕事で実現したいこと。この2本が通っていれば、志望動機の骨組みはできています。 ②の根拠は、その2本を「この人は本当にそう考えていそうだ」と読み手に思わせるための裏づけです。
書き出しは「〇〇だから、貴社を志望します」と結論から
最初の1文には、志望する理由をそのまま書きます。「〇〇という点に惹かれ、貴社を志望します」「〇〇の仕事を通じて△△したいと考え、貴社を志望しました」といった形です。生い立ちや業界の説明から書き始めると、理由にたどり着く前に読み手の集中が切れてしまいかねません。
理由は1つに絞りましょう。魅力に感じた点を3つ並べるより、いちばん強い1つを書き、残りは面接で話すほうが、文章の軸がはっきりします。
根拠には、そう考えるようになった経験を1つだけ置く
次に、その理由を持つに至った経験を書きます。題材はアルバイトやゼミ、前職の仕事など何でも構いません。読み手に浮かんでほしいのは、そのとき何があり、自分がどう動き、何を感じたかという場面です。「接客を通じてコミュニケーション力を磨きました」と書くより、「常連のお客様の好みを記録し、次の来店時に提案するようにした」と書くほうが、同じ経験でもずっと具体的に伝わります。
締めは、入社後にやりたいことを会社の事業とつなげる
最後に、入社後にどんな仕事でどう貢献したいかを書きます。ここで差がつくのは、会社の事業や仕事の中身を調べた跡があるかどうか。「貴社で成長したい」で終えるより、「〇〇事業の営業として、△△に悩むお客様に提案できる人になりたい」と書くほうが、入社後の姿が読み手に浮かびます。
参考:厚生労働省 マイジョブ・カード「ジョブ・カード様式のダウンロード」
採用する側は、志望動機で「働く意欲」と「なぜうちか」を見ている
採用する側の関心は、次の3点にまとめられます。
- 新卒の採用選考で最も多く重視されているのは、職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神
- 従順さ・会社への忠誠心を重視する事業所は、2割にとどまる
- 経営者の言葉に共通するのは、本人の目標と会社とのつながりへの関心
新卒の選考では、8割近い事業所が職業意識や勤労意欲を重視している
厚生労働省が令和6年9月に公表した「令和5年若年者雇用実態調査」には、若手(34歳以下)を正社員に迎えた事業所が、採用選考で何を重視したかを複数回答で尋ねた結果があります。常用労働者5人以上の事業所を対象に、令和5年10月1日時点の状況を調べたものです。新規学卒者の採用選考をした事業所では、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が79.3%で最も多く、「コミュニケーション能力」74.8%、「マナー・社会常識」58.6%、「組織への適応性」53.2%と続きます。一方、「従順さ・会社への忠誠心」を挙げた事業所は20.1%でした。

この調査は選考全体で重視した点を聞いたもので、志望動機だけの評価を示す数字ではありません。ただ、会社に尽くす姿勢を示す言葉より、仕事にどう向き合うかを示す言葉のほうが、採用する側の関心と重なりやすいとはいえるでしょう。「御社のためなら何でもします」と書くより、「この仕事で何に挑みたいか」を書くほうが、意欲として受け取られやすくなります。
半数を超える事業所が挙げた「組織への適応性」は、志望動機でいえば「なぜこの会社か」の部分につながる項目でしょう。会社の事業や働き方を理解したうえで選んだことが伝われば、入社後にその組織で力を出す姿を想像してもらいやすくなるはずです。
経営者が「なぜうちなのか」に求めているのは、本人の目標とのつながり
統計に表れた「意欲」を、経営者はどんな言葉で語るのでしょうか。トライプレックス株式会社の泉拓磨社長は、これから入社する人に一番求めることを聞かれ、こう答えています。
会社を「手段」と語るのは失礼に思えるかもしれませんが、泉社長が求めているのは、むしろその形の答えなのです。
株式会社i-plugの直木英訓COOは、学生時代に落ちた社長面接で受け取った言葉を、こう振り返っています。
直木さんはこのあと、「自分がどんな人間になりたいのか、そしてなぜその会社で働きたいのか」を1週間かけて真剣に考えたといいます。先にあるのは「どうなりたいか」で、会社はその差を埋める場所です。 志望動機の「入社後」と「理由」は、この順に考えると組み立てやすくなります。
経験から志望が生まれた例も紹介しましょう。株式会社CBTソリューションズの野口功司社長は、資格試験を好きな日に受けられる仕組みを運営する同社に、ある社員が応募してきた経緯をこう語っています。
試験日と大会が重なったという個人的な出来事が問いになり、その問いに応えている会社の事業と結びついたわけです。根拠に置く経験は立派な実績でなくてよく、会社の事業とつながる問いを生んだ経験であれば、志望の理由として筋が通ります。
取材で経営者に話を聞いていると、「なぜこの事業をやるのか」を語るときほど言葉が具体的になると感じます。志望先の社長が何を語っているかを読んでおくと、「なぜこの会社か」を考える手がかりになるでしょう。創業の経緯や採用で大切にしていること、会社の行き先について経営者自身が語った言葉は、熱狂ベンチャーナビのインタビューで読めます。
志望動機が思いつかないときは、自分の経験から材料を出す
志望動機が思いつかないのは、書く材料がまだそろっていないだけ、ということが少なくありません。材料は自分の側と会社の側の両方から集めますが、まずは自分の側から始めましょう。
- やりたいことが決まっていなくても、志望動機は書ける
- ジョブ・カードの欄を順に埋めると、材料が並ぶ
- 気になった会社の「何が気になったのか」を書き出す
やりたいことが決まっていなくても、志望動機は書ける
私たちが経営者の学生時代の話を聞いていても、最初から目標がはっきりしていた人ばかりではありません。志望動機に書く「将来」は、職業人生をかけた夢である必要はなく、入社して数年のうちに「こんな仕事ができる人になっていたい」という具体的な姿があれば足ります。
その姿は、小さな手応えからでも見つかります。「人に何かを教えるのが好き」「数字を整理すると落ち着く」といった感覚も、なぜそう感じるのかをたどれば、志望の理由になる材料です。
ジョブ・カードの欄を順に埋めて、材料を書き出す
厚生労働省のジョブ・カードには、学生や就業経験のない人向けの「様式1-2 キャリア・プランシート」があります。その第3面には「価値観、興味、関心事項等」「強み等」「将来取り組みたい仕事や働き方等」「これから取り組むこと等」といった欄が並び、上から順に埋めると志望動機の材料がそろっていきます。
| 欄 | 書き出すこと | 志望動機のどこで使うか |
|---|---|---|
| 価値観、興味、関心事項等 | 大事にしたい価値観、興味・関心を持っていること | 業界・会社を選ぶ理由 |
| 強み等 | 自分の強み、弱みを克服するために努力していること | 根拠となる経験 |
| 将来取り組みたい仕事や働き方等 | やってみたい仕事や働き方、仕事で達成したいこと | 入社後にやりたいこと |
| これから取り組むこと等 | 身につけたい職業能力と、その方法 | 入社後の成長の書き方 |
書きにくい欄は、マイジョブ・カードのサイトにある興味診断や価値観診断を手がかりにしてもよいでしょう。キャリアコンサルタントに相談しながら書くこともできます。経験の掘り起こし方は、自己PRが思いつかない人へ|エピソード探し方と書き方でも紹介しています。
参考:厚生労働省 マイジョブ・カード「ジョブ・カード様式のダウンロード」
参考:厚生労働省 マイジョブ・カード「はじめての方」
気になった会社の「何が気になったのか」を書き出す
会社の側から逆にたどる方法もあります。説明会や採用ページで「いいな」と感じた点を書き出し、それぞれに「なぜそう感じたのか」と2〜3回問いを重ねてみてください。「若手に仕事を任せる社風がいい」から「アルバイトで新人の教育を任されたとき、やりがいを感じたから」へ、さらに「人が育つのを近くで見るのが好きだから」へ。たどり着いた経験と価値観が、そのまま根拠と理由になります。
選考までの時期から逆算して準備を進めたい人は、就活スケジュール完全ガイド|27卒・28卒の流れを月別に解説もあわせて確認しておきましょう。
「なぜこの会社か」は、会社の公表情報で裏づける
結論の「なぜこの会社か」と締めの「入社後」は、会社について調べた事実で裏づけると、その会社にしか書けない志望動機になります。すべての会社を細かく調べる必要はなく、志望度の高い会社から次の順に、材料がそろうところまで当たれば十分です。
- 採用ページと会社サイトで、事業の「誰に何を」をつかむ
- 若者雇用促進法にもとづく職場情報で、入社後の成長を具体的にする
- 職種の中身はjob tag、会社どうしの比較はしょくばらぼで調べる
- 上場企業で迷ったときは、有価証券報告書も材料になる
採用ページと会社サイトで、事業の「誰に何を」をつかむ
最初に見るのは、会社サイトの事業紹介と採用ページです。マイナビ・リクナビなどの就職情報サイトにある企業ページや、説明会やインターンシップで社員から聞いた話も材料になります。そのうえで、「この会社は、誰に、何を、どうやって届けているのか」を1文で書いてみてください。結論の「なぜこの会社か」は、この1文から組み立てられます。
職場情報は、入社後の成長を具体的に書く材料になる
新卒の募集では、会社が職場の情報を提供する仕組みが、若者雇用促進法(青少年の雇用の促進等に関する法律)で定められています。第13条第1項の条文です。
「学校卒業見込者等」は卒業を控えた学生など、「青少年雇用情報」は採用の状況や研修の内容といった職場の情報を指します。第1項は「提供するように努めなければならない」という努力義務なので、採用ページや求人票に載せていない会社もあります。 それでも、続く第2項は、応募する人や応募しようとする人から求められたときは「提供しなければならない」と定めており、こちらは義務です。厚生労働省の案内では、説明会や面接の場なら、情報の提供を希望すると口頭で伝えれば足りるとされています。
| 分野 | 主な項目 | 志望動機での使い方 |
|---|---|---|
| 募集・採用に関する状況 | 直近3事業年度の新卒採用者数・離職者数、平均勤続年数 | 若手の定着を確かめる |
| 職業能力の開発・向上に関する取組の実施状況 | 研修・自己啓発支援・キャリアコンサルティング制度・社内検定等の有無と内容、メンター制度の有無 | 入社後に身につけたいことを書く |
| 企業における職場定着に関する取組の実施状況 | 月平均所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数、育児休業の取得状況、女性の役員・管理職の割合 | 希望する働き方とのずれを確かめる |
研修やメンター制度の中身が分かれば、「入社後は〇〇研修で基礎を固め、3年目までに△△を任される人になりたい」と、成長の道筋を会社の仕組みに沿って書けます。なお、この仕組みは新卒など「学校卒業見込者等」を対象にした募集が前提です。転職の場合は、しょくばらぼや会社の公表資料で確かめましょう。
参考:e-Gov法令検索「青少年の雇用の促進等に関する法律」
参考:厚生労働省「職場情報の提供制度」
職種の中身はjob tag、会社どうしの比較はしょくばらぼで調べる
厚生労働省は、職業情報の「job tag(職業情報提供サイト)」、求人情報の「ハローワークインターネットサービス」、職場情報の「しょくばらぼ(職場情報総合サイト)」の3つのサイトを連携させています。job tagでは、その仕事がどんなものか、就業するためにどうしたらよいか、労働条件の特徴などを調べられ、職種の中身と自分の経験の接点を探す手がかりになるでしょう。
しょくばらぼでは、企業の職場情報を検索して比べられます。同業の2〜3社を並べ、教育制度や新卒者の採用・定着状況などを比べてみてください。比べて初めて見える違いは、「なぜこの会社か」の1文にそのまま使えます。
参考:厚生労働省 しょくばらぼ「就職活動に役立つ3サイトを活用して自分に合う企業を見つけよう」
上場企業で迷ったときは、有価証券報告書も材料になる
ここまでの材料で書けるなら、有価証券報告書まで読む必要はありません。最後まで迷っている会社が上場企業なら、金融庁の電子開示システム「EDINET」で、会社名や証券コードから有価証券報告書を検索して読めます。読むのは「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の項目だけで足ります。 会社が自ら書いた「これから取り組む課題」は、入社後にどこで力を出したいかを考える材料になるでしょう。
参考:金融庁「EDINET」
参考:金融庁「記述情報の開示に関する原則」
新卒と転職で変わるのは、根拠に置く経験
型は新卒も転職も同じです。変わるのは、根拠に置く経験と、入社後の書き方のほうです。
- 新卒は、学業や課外活動、アルバイトの経験から根拠を取る
- 転職は、前職での業務と身につけた技能を根拠にする
- 転職では、転職理由と志望動機の筋を通す
| 項目 | 新卒 | 転職 |
|---|---|---|
| 根拠に置く経験 | ゼミ・研究、部活動・サークル、アルバイト、インターンシップ | 前職・現職で担当した業務、身につけた技能、仕事で出した結果 |
| 「なぜこの会社か」の軸 | 事業や仕事への関心と、自分の価値観との接点 | これまでの経験を広げたい方向と、応募先の事業との接点 |
| 入社後の書き方 | 何を身につけ、数年でどんな仕事を任されたいか | 経験をどの業務で生かし、入社直後からどう動くか |
| 気をつけたいこと | 「学ばせてほしい」だけで終わらせない | 転職理由と食い違わないようにし、前職の不満を書かない |
転職の志望動機で前職の経験を根拠に置くのは、採用する側の見方とも重なります。同じ令和5年の調査で、若手の正社員を中途採用し、その選考をした事業所のうち、「業務に役立つ職業経験・訓練経験」を重視したところは42.3%ありました。新規学卒者の選考で同じ項目を挙げた事業所は14.7%です。
新卒は、小さな経験でも「なぜそう動いたか」まで書く
新卒の志望動機では、経験の大きさより、その経験から何を考えたかのほうが志望の理由とつながります。アルバイトやゼミで「なぜそう動いたのか」「そこで何に気づいたのか」まで書ければ、入社後も同じように考えて動く人だと伝わります。
転職は、「前の仕事で何を感じ、次に何をしたいか」を一続きにする
転職の志望動機は、転職理由と一続きになっていることが前提です。前職で何に取り組み、何を感じたから、次はこの会社で何をしたいのか。この流れが通っていれば、面接で転職理由を聞かれても話が食い違いません。前職への不満は、「〇〇の業務で△△に関心を持ち、それを本業にできる貴社を志望した」と、次にしたいことの側から書き直しましょう。
業界・職種別の志望動機の例文|新卒・転職
業界・職種別に、5つの例文を紹介します。いずれも架空の例で、実在の会社や数値は使っていません。自分の経験と、志望先で調べた事実に置き換えて使ってください。
- 営業職の例文(新卒)
- 事務職の例文(転職・販売職から)
- ITエンジニアの例文(新卒)
- メーカーの品質管理の例文(新卒)
- 販売・サービス職の例文(転職・飲食店から)
営業職の例文|新卒
| 型 | 例文 |
|---|---|
| 結論 | 飲食店の予約や顧客管理を支えるサービスを通じて、店舗の働き方を変える仕事がしたいと考え、貴社を志望します。 |
| 根拠 | 居酒屋のアルバイトでは、電話予約を紙の台帳で管理していたため、二重予約が続いていました。店長に相談して予約の受け方を統一する表を作り、スタッフ全員で使うようにしたところ、取り違えがなくなりました。現場の小さな不便を解決すると、働く人もお客様も楽になります。この経験から、仕組みで店舗を支える仕事に関心を持ちました。 |
| 入社後 | 入社後は営業として店舗に足を運び、現場の困りごとを聞き出したうえで、サービスの使い方まで提案できる人になりたいと考えています。 |
アルバイト先で見た不便と、会社のサービスが解決している課題が1本の線でつながっている例です。
事務職の例文|転職・販売職から
| 型 | 例文 |
|---|---|
| 結論 | 販売の現場で身につけた数字の管理と調整の経験を、営業部門を支える事務の仕事で生かしたいと考え、貴社を志望します。 |
| 根拠 | 現職のアパレル店舗では、販売に加えて在庫の発注とシフトの作成を担当しています。売れ筋の欠品が続いていたため、週ごとの販売数と在庫数を表計算ソフトで一覧にし、発注の目安を店内で共有しました。その結果、欠品で販売の機会を逃すことが減りました。数字を整理して周りが動きやすくなる仕事に、販売とは違うやりがいを感じています。 |
| 入社後 | 入社後は営業事務として受発注や納期の調整を正確に進め、営業担当の方々がお客様への対応に時間を使える環境をつくりたいと考えています。 |
職種が変わる転職では、このように前職の経験から応募先でも生きる部分を取り出して書きます。
ITエンジニアの例文|新卒
| 型 | 例文 |
|---|---|
| 結論 | 使う人の業務を理解したうえでシステムをつくるエンジニアになりたいと考え、地域の企業向けに業務システムを開発している貴社を志望します。 |
| 根拠 | 文学部のゼミでアンケート調査を担当した際、手作業の集計に毎回数日かかっていました。独学でプログラミングを学び、集計を自動で行う仕組みを作ったところ、ゼミの仲間が分析に時間を使えるようになりました。作る前に、使う人が何に困っているかを聞いたことが、いちばん役に立ちました。 |
| 入社後 | 入社後は研修で開発の基礎を固め、お客様の業務を自分の言葉で説明できるエンジニアとして、長く使われるシステムづくりに携わりたいと考えています。 |
文系の学部でも、ゼミの課題をプログラムで解決した経験は根拠になります。「使う人の困りごとを聞いた」一文が、入社後の将来像につながっているのが要です。
メーカーの品質管理の例文|新卒
| 型 | 例文 |
|---|---|
| 結論 | 製品の品質を数字で支える仕事に携わりたいと考え、自動車部品を製造している貴社の品質管理職を志望します。 |
| 根拠 | 研究室の実験で、同じ条件のはずの測定結果が日によってばらつくことに悩みました。温度や試料の扱い方を記録して比べ、原因が試料の保管方法にあると突き止めてからは、結果が安定するようになりました。原因を一つずつ確かめていく作業は地道ですが、そこに大きなやりがいを感じました。 |
| 入社後 | 入社後は製造現場の方々と協力して不良の原因を探り、同じ問題を繰り返さない仕組みづくりに貢献したいと考えています。 |
研究の経験は、成果の大きさより、原因を突き止めるまでの手順を書くと仕事とつながります。
販売・サービス職の例文|転職・飲食店から
| 型 | 例文 |
|---|---|
| 結論 | お客様一人ひとりに合わせたもてなしを、より長い時間をかけて届けられる仕事がしたいと考え、地域の旅館を運営する貴社を志望します。 |
| 根拠 | 飲食店のホールでは、常連のお客様の好みや記念日をノートに記録し、次の来店時の料理や席の提案に生かしてきました。「覚えていてくれてうれしい」と言っていただくことが増えた一方で、食事の時間だけではできることに限りがあるとも感じるようになりました。 |
| 入社後 | 入社後はフロント業務を担当しながら、お客様の情報を共有する仕組みづくりにも関わり、また来たいと思っていただける宿づくりに貢献したいと考えています。 |
同じ接客でも、なぜこの業界なのかが書かれていれば、「どこでもよいのでは」と思われにくくなるでしょう。
志望動機の文字数と、履歴書・ES・面接での書き分け
志望動機の長さに、決まった基準はありません。書く場所の形式と、指定された字数に合わせて整えます。
- 履歴書は、欄の大きさとほかの項目との分け方で長さが決まる
- エントリーシートは、指定字数の8〜9割を目安にする
- 面接では、書いた結論を変えずに話し言葉で伝える
| 書く場所 | 志望動機の扱い | 長さの考え方 |
|---|---|---|
| 厚生労働省履歴書様式例 | 「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」の欄に書く | ほかの項目と分け合う前提で、欄の一部に収める |
| 新卒向けの標準的事項の参考例 | 「志望の動機」が独立した欄になっている | 欄の大きさいっぱいまで使える |
| エントリーシート | 企業が設問と字数を決める | 指定字数の8〜9割を目安にする |
| 面接 | 口頭で答え、深掘りの質問が続くこともある | 時間の指定がなければ結論から短く |
大学などの新卒者の応募書類に統一された様式はなく、厚生労働省は「新規大学等卒業予定者用標準的事項の参考例」にもとづく応募用紙か、「厚生労働省履歴書様式例」を推奨しています。様式例には、給料・職種・勤務時間・勤務地などの希望を書く「本人希望記入欄」が別に設けられているのです。条件の希望は本人希望記入欄に回し、志望動機欄は仕事の話に使いましょう。
参考:厚生労働省 公正採用選考特設サイト「事業主の皆様へ 採用選考の具体的な方法」
字数の指定があるときは、8〜9割を目安に書く
エントリーシートで「400字以内」のように字数が決められていれば、その8〜9割を目安に書くと、伝えたいことが足りない印象を与えにくくなります。決まりではなく、一般的な目安です。上限を超えると指示に沿っていないことになるため、字数は必ず収めましょう。
同じ志望動機を200字と400字で書き分ける
営業職の例文を、200字と400字に整えるとこうなります。200字では結論・根拠・入社後を1文ずつに絞っています。
200字以内の例(句読点を含めて172字)
「飲食店の予約や顧客管理を支えるサービスを通じて、店舗の働き方を変える仕事がしたいと考え、貴社を志望します。居酒屋のアルバイトで予約の受け方を統一する表を作り、二重予約をなくした経験から、仕組みで現場の不便を解決することにやりがいを感じました。入社後は営業として店舗の困りごとを聞き出し、サービスの使い方まで提案できる人になりたいと考えています。」
400字以内の例(句読点を含めて352字)
「飲食店の予約や顧客管理を支えるサービスを通じて、店舗の働き方を変える仕事がしたいと考え、貴社を志望します。居酒屋のアルバイトでは、電話予約を紙の台帳で管理していたため、聞き取りの漏れによる二重予約が続いていました。店長に相談して予約の受け方を統一する表を作り、スタッフ全員で使うようにしたところ、予約の取り違えがなくなりました。現場の小さな不便を解決すると、働く人もお客様も楽になります。この経験から、仕組みで店舗を支える仕事に関心を持ちました。説明会で、貴社の営業担当の方が導入後も店舗に通い、使い方の相談に乗っていると伺い、売って終わりにしない姿勢にも惹かれています。入社後は営業として店舗に足を運び、現場の困りごとを聞き出したうえで、貴社のサービスの使い方まで提案できる人になりたいと考えています。」
削るときは根拠の説明から、足すときは根拠の場面と会社で見聞きしたことから。 結論と入社後の1文は、どちらの長さでも残してください。
面接では、書いた結論を変えずに話し言葉で伝える
面接で志望動機を聞かれたら、書類に書いた結論を最初に話します。文章を丸暗記するより、結論・根拠・入社後の順番と要点だけを覚えておくほうが、自然な言葉で話せるでしょう。時間の指定がなければ結論から短く話し、続く質問で根拠を補えば十分です。
「同業の他社ではなく、なぜうちなのか」と掘り下げられることもあるので、比べた会社との違いは一言で答えられるようにしておくと安心です。集団面接で志望動機を聞かれたときの答え方は、グループ面接でよく聞かれる質問と回答のコツでも紹介しています。
伝わりにくい志望動機のNG例と、言い換え方
志望動機が伝わりにくいとき、内容そのものが間違っていることはあまりありません。多いのは、「なぜこの会社か」と「入社後に何をするか」のどちらかが抜けている書き方です。書いてしまいがちな5つのパターンと、言い換えの方向を並べました。
- どの会社にも言える理由で終わっている
- 待遇や福利厚生だけを理由にしている
- 「学ばせてほしい」と受け身で終わっている
- 会社の規模や安定性を理由にしている
- 自己PRと同じ内容になっている
| 伝わりにくい書き方 | 伝わりにくい理由 | 言い換えの方向 |
|---|---|---|
| 「貴社の理念に共感しました」で終わる | 理念のどこに、なぜ共感したかがなく、どの会社にも書ける | 共感した一語を挙げ、そう感じた自分の経験を添える |
| 「福利厚生が充実しているから」 | 条件は他社とも比べられ、仕事への意欲が見えない | 制度を使って何に挑みたいかまで書く |
| 「成長できる環境で学ばせていただきたい」 | 受け身に読まれやすく、会社に何を返すのかが見えない | 身につけたいことと、それで何をしたいかをセットにする |
| 「業界最大手で安定しているから」 | 会社の説明になっていて、自分が選んだ理由が書かれていない | その安定を支える事業や仕事の、どこに惹かれたかを書く |
| 自己PRと同じ内容を書く | 強みの説明だけでは「なぜこの会社か」に答えていない | 強みは根拠の1文にとどめ、会社とのつながりに字数を使う |
待遇や制度に惹かれたことは、仕事とつなげて書く
研修制度や休暇の取りやすさに惹かれるのは自然なことで、隠す必要はありません。ただ、制度の名前だけを並べると、その制度があればどの会社でもよいように読めてしまいます。「休暇が取りやすいから」ではなく、「長く働ける環境で、〇〇の専門性を時間をかけて深めたい」と書けば、制度が意欲の裏づけに変わるのです。
「学ばせてほしい」は、学んだことで何を返すかまで書く
「貴社で学ばせていただきたい」は、謙虚な気持ちから出てくる言葉でしょう。身につけたいことと、それで会社やお客様に何を返したいかをセットにすると、同じ気持ちが意欲として伝わります。
志望動機の書き方に関するよくある質問
志望動機と自己PRはどう違いますか?
志望動機は「なぜこの会社か」、自己PRは「自分は何ができるか」を伝えるものです。 厚生労働省のジョブ・カードのエントリーシート様式でも、2つは別の欄に分かれています。同じエピソードを使っても構いませんが、自己PRでは強みの中身を、志望動機ではその強みを応募先のどの仕事に生かすかを中心に書き分けましょう。
志望動機は複数の会社で使い回してもいいですか?
根拠に置く経験は使い回せますが、「なぜこの会社か」と「入社後」の部分は会社ごとに書き直してください。 社名を入れ替えても通じる文章は、読み手にもそう伝わります。比べたときに見つかった「この会社にしかない点」を1つ、結論の1文に入れましょう。
第一志望ではない会社の志望動機はどう書けばいいですか?
志望順位を書く必要はありません。 書くのは、その会社のどこに惹かれ、入社したら何をしたいか。応募を決めた以上、どこかに理由はあるはずです。まずは惹かれた点を1つ言葉にしてみてください。調べていくうちに、志望度が変わることもあります。
志望動機をAIで作ってもいいですか?
下書きや言い回しの見直しに使う方法はありますが、材料は自分で用意する必要があります。 AIは、あなたの経験も、志望先で見聞きしたことも知りません。材料がないまま作ると、どの会社にも当てはまる文章になりがちです。最後は、面接で自分の言葉として話せるかで確かめましょう。応募書類の個人情報を入力する前に、サービスの情報の扱いも確認してください。
まとめ
志望動機は、「なぜこの業界・この会社か」を結論として最初に書き、そう考えるようになった経験を根拠に置き、入社後にどう貢献し成長したいかで締めると伝わりやすくなります。根拠の材料は、新卒なら学業や課外活動、アルバイト、転職なら前職での業務です。思いつかないときは、ジョブ・カードの欄を順に埋めて自分の材料を出し、採用ページや職場情報、しょくばらぼで会社の側の材料を集めてみてください。
字数を調整するときも、結論と入社後の1文は残し、根拠の説明で長さを合わせましょう。
志望動機の伝わり方は、言い回しの上手さより、自分で確かめた材料がどれだけ入っているかで変わる、と私たちは感じています。新卒の方は、書き上げた志望動機を学校のキャリアセンターで読んでもらうのも一つの方法です。
すでに働いていて転職先を探している方なら、応募先ごとの志望動機づくりや面接対策を、転職エージェントに無料で手伝ってもらう方法もあります。
