二種免許の費用はいくら?取得ルート別の内訳と会社負担の条件

二種免許の取得費用は、教習所に払う教習料金と試験場に払う手数料の合計です。手数料は公表されていて、総額を左右するのは各校が独自に決める教習料金のほうです。

試験場で直接受ける一発試験は、1回で受かれば安く済みます。ただ、実際に普通二種を取った人のほとんどは教習所を経由していて、公表されている合格率もその卒業者を含んだ数字です。

この記事では、ルート別の費用の内訳と19歳から受けられる特例、タクシー会社の費用負担で確認したい条件を順に整理します。

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目次

二種免許の取得費用は総額いくらか|ルート別の内訳

二種免許を取る道は2つあり、どちらを選ぶかで費用の構造がまるごと変わります。

  • 指定自動車教習所を卒業してから試験場で学科試験を受けるルート
  • 教習所に通わず、試験場で技能試験から直接受験するルート
  • 免許証の受け取り方(従来の運転免許証/マイナ免許証/2枚持ち)による交付料の3区分
ルート公的に決まっている費用教習所でかかる費用総額の考え方
指定教習所を卒業する3,350円〜4,250円各校が設定する教習料金教習料金+3,350円〜4,250円
試験場で直接受験する9,000円〜9,900円+取得時講習30,300円原則なし39,300円〜40,200円+再受験分

※取得時講習の受講料は試験場ではなく、講習を実施する教習所等に払います。取得時講習の一部または全部が免除される人もいて、その場合は総額が下がります。

試験場に払う金額は、条件が同じなら誰が計算しても同じになります。 警視庁が公表している内訳では、指定教習所の卒業者が払うのは受験料1,800円と免許証交付料。直接試験場で受験する場合は受験料4,500円と試験車使用料2,950円に免許証交付料が加わり、これとは別に取得時講習受講料30,300円がかかります。交付料だけは令和7年3月24日の手数料改定で3通りになり、従来の運転免許証のみなら2,350円、マイナ免許証のみなら1,550円、2枚持ちなら2,450円。合計すると、指定教習所の卒業者は4,150円・3,350円・4,250円のいずれか、直接受験は9,800円・9,000円・9,900円のいずれかです。いずれも東京都の額で、2026年8月時点の警視庁ページの記載です。

いっぽうの教習料金には、公的に定められた基準がありません。金額は各校が独自に決めていて、所持している免許の種類、通学か合宿か、地域、繁忙期かどうかで変わります。同じ「普通二種」でも、どこで取るかによって数字が動くわけです。「二種免許はいくら」という問いに一つの答えが返ってこないのは、この部分に公的な物差しが存在しないためです。

正直なところ、私たちも金額を確かめようとするたびに、結局は複数校の見積もりを並べるところに行き着きます。

参考:警視庁「大型二種・中型二種・普通二種免許試験(指定教習所を卒業された方)」
参考:警視庁「大型二種・中型二種・普通二種免許試験(直接試験場で受験される方)」
参考:警視庁「マイナ免許証に伴う手数料改定」

二種免許とは|第二種運転免許の5種類と、必要になる運転

第二種運転免許とは、バスやタクシーのように、旅客を運送する目的で自動車を運転するときに必要な免許です。費用の話に入る前に、自分が取るべきものがどれなのかをはっきりさせておきましょう。

  • 第二種免許は大型・中型・普通・大型特殊・牽引の5種類
  • 必要になるのは「旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的」で運転するとき
  • 運転代行で客の車を運転する場合も普通第二種免許が必要
免許の種類主に運転する車代表的な仕事
大型第二種大型の旅客自動車路線バス、観光バス
中型第二種中型・準中型の旅客自動車マイクロバス、送迎バス
普通第二種普通自動車タクシー、ハイヤー、運転代行
大型特殊第二種大型特殊自動車該当する運行はきわめて限定的
牽引第二種牽引して旅客を運送する車該当する運行はきわめて限定的

道路交通法第84条第4項は、第二種免許を大型自動車第二種免許、中型自動車第二種免許、普通自動車第二種免許、大型特殊自動車第二種免許、牽引第二種免許の5種類と定めています。タクシー乗務を目指す人が取るのは普通第二種免許です。

第一種免許との違いは、車の大きさではなく「何のために運転するか」にあります。 同法第86条第1項は、旅客自動車を旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転しようとする者は第二種免許を受けなければならない、と定めています。つまり、自家用車で友人を乗せるだけなら一種免許で足り、運賃を受け取って人を運ぶ事業に使うなら二種免許が要る、という線引きです。

見落とされやすいのが運転代行。同法第86条第5項は、代行運転普通自動車を運転しようとする者は普通第二種免許を受けなければならない、と定めています。自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律第2条は、代行運転自動車を「代行運転役務の対象となっている自動車」、随伴用自動車を「代行運転自動車の随伴に用いられるもの」と区別しており、二種免許が求められるのは客の車を運転する側です。タクシーに乗る予定がなくても、運転代行の求人に応募するなら普通二種が要るという点は覚えておいて損がありません。

参考:e-Gov法令検索「道路交通法」
参考:e-Gov法令検索「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」

費用の内訳を項目別に見る

総額を比べるときは、見積書に並ぶ費目を同じ粒度にそろえる必要があります。

  • 教習所に払うのは、入校料・教習料金・検定料・卒業証明書の発行手数料など
  • 試験場に払うのは、受験料と免許証交付料。直接受験ならこれに試験車使用料が加わる
  • 取得時講習の受講料は、試験場ではなく講習を実施する教習所等への支払い
  • 検定に落ちたときの補修教習料や再検定料は各校の規定次第
費目金額支払先・根拠
入校料・教習料金・検定料など各校の設定(公的基準なし)指定自動車教習所
受験料(学科試験)1,800円試験場(警視庁の公表額)
免許証交付料2,350円/1,550円/2,450円試験場(同上。従来の運転免許証のみ/マイナ免許証のみ/2枚持ちの順)
教習所ルートの公的費用 合計4,150円/3,350円/4,250円同上

直接試験場で受験する場合は、次のように構成が変わります。

費目金額備考
受験料4,500円受験のたびに必要
試験車使用料2,950円受験のたびに必要
免許証交付料2,350円/1,550円/2,450円合格後に1回。免許証の受け取り方で変わる
取得時講習受講料30,300円未受講だと免許証は交付されない
合計40,100円/39,300円/40,200円再受験時は7,450円ずつ加算

警視庁の案内は、直接試験場で受験する人について「取得時講習を受講しなければ、運転免許証は交付されません」と明記しています。技能試験に合格しても、取得時講習の免除に当たる人を除けば、この講習を飛ばして免許が手に入ることはありません。いっぽう指定教習所の卒業者向けの案内には受験料と交付料しか記載がなく、取得時講習の受講料は求められていません。教習所に払う金額が高く見えるのは、この講習分と技能試験の免除が料金に含まれているためだと考えると、比較の見通しが立ちます。

もう一つ、見積もりの段階で影響するのが所持免許による差です。すでに持っている免許の種類で教習内容が変わるため、同じ「普通二種」でも人によって金額が違います。

参考:警視庁「大型二種・中型二種・普通二種免許試験(直接試験場で受験される方)」

一発試験は安いのか|確定する費用と、実際に選ばれている道

試験場に直接申し込むルートは、東京都で公表されている費用を合わせると4万円ほどです。金額だけを並べれば、教習所に通うより確かに安く見えます。ただ、それが自分にとって安いかどうかは別の問題です。

  • 取得時講習の免除がなく1回で受かれば、直接受験の費用は39,300円から40,200円で済む
  • 不合格のたびに受験料4,500円と試験車使用料2,950円が再度かかる
  • 実際に取得している人の多くは指定教習所を経由している

警察庁の運転免許統計 令和6年版によると、令和6年に指定教習所を卒業した人は普通二種が33,434人、大型二種が9,694人、中型二種が637人でした。同じ年の普通二種の運転免許試験合格者のうち、免許の失効後に再取得した人などを除いた34,544人を見ると、指定教習所の卒業者が32,808人で95.0%を占めます。技能試験を受けて合格した人は1,736人にとどまり、実際に取得している人のほとんどは教習所を経由しているのです。

公表されている合格率は、技能試験を免除された指定教習所の卒業者を含んだ数字です。 同じ統計では普通二種の運転免許試験合格率は59.8%とされていますが、これは技能試験だけを切り出した合格率ではありません。直接受験者が技能試験に何回で受かるかを示した公的な数字はないため、回数を前提にした比較はできないのです。分かるのは、1回落ちるごとに7,450円ずつ積み上がることと、そのつど平日の日中に試験場へ通う必要があることの2点。3回落ちて4回目で合格すれば、試験場に払う額は取得時講習を含めて6万円台前半まで膨らみ、仕事を休んだ分の収入も減ります。ここまで含めたときに、教習所の料金が「技能試験を確実に通過するための費用」に見えるかどうかが分かれ目でしょう。

参考:警察庁交通局運転免許課「運転免許統計 令和6年版」

受験資格は21歳以上・通算3年以上|19歳から受けられる特例

費用を調べる前に、そもそも受けられるかどうかを確認しておきましょう。2022年5月の法改正で、条件は一段広がりました。

  • 原則は21歳以上で、大型・中型・準中型・普通・大型特殊免許の保有期間が通算3年以上
  • 受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上・保有期間1年以上で受験できる
  • 年齢の特例で取得した場合、21歳になるまで「若年運転者期間」が続く
区分年齢要件運転経験の要件
原則21歳以上大型・中型・準中型・普通・大型特殊免許の保有期間が通算3年以上
一定の乗務経験がある21歳以上同免許の保有期間が通算2年以上
特例教習を修了19歳以上同免許の保有期間が通算1年以上

ここでいう「第一種免許」は5種類に限られます。大型二輪・普通二輪・小型特殊・原付・牽引しか持っていない場合は、何年保有していても年数に入りません。

道路交通法第96条第5項第1号は、二種免許の受験資格を「21歳(政令で定める教習を修了した者にあっては19歳)以上の者」で、大型免許、中型免許、準中型免許、普通免許または大型特殊免許を現に受けており、その保有期間が通算して3年(政令で定める経験を有する者にあっては2年、政令で定める教習を修了した者にあっては1年)以上であることと定めています。この「政令で定める経験」を挙げているのが道路交通法施行令第34条第6項で、旅客自動車の運転者以外の乗務員として2年以上乗務した経験、または免許取得後に自衛官として自衛隊用自動車を2年以上運転した経験がこれにあたります。

この「政令で定める教習」が受験資格特例教習で、令和4年5月13日から適用されています。警察庁の資料によると、年齢要件の特例を受けるための課程は旅客自動車等の運転に必要な適性に関する座学や実車を含む7時限以上、経験年数要件の特例を受けるための課程は危険予測・回避能力に関する座学や実車を含む29時限以上とされています。費用の面で見ると、この特例教習の受講料は通常の二種教習とは別に発生する点に注意が必要です。

もう一つ知っておきたいのが、取得後の縛りです。年齢要件の特例で二種免許を取得した場合、21歳になるまでは「若年運転者期間」となり、この期間中の違反行為で点数の合計が3点以上になると、9時間の若年運転者講習を受けなければなりません。1回の違反行為だけで3点となった場合は、この対象から外れます。通知を受けたのに受講しなければ、特例で取得した免許は取り消されます。19歳で取れることと、19歳で取って問題ないかは別の話だと受け止めておきましょう。

参考:警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」
参考:e-Gov法令検索「道路交通法」

二種免許取得までの流れを8ステップで

指定教習所を経由する場合、手続きはおおむね次の順に進みます。

  • 受験資格の確認から見積もり、入校、学科・技能教習、卒業検定までが教習所での工程
  • 試験場で行うのは学科試験と免許証の交付。直接受験ならここに技能試験と取得時講習が入る
  • 東京の特定指定地域では、二種免許とは別に運転者登録試験
  1. 受験資格を確認する。21歳以上・保有期間通算3年以上か、特例教習を修了して19歳以上・1年以上に当てはまるかを見る
  2. 教習所を複数選び、見積もりを取る。所持免許を伝えたうえで、通学と合宿の両方の料金と、補修・再検定の保証条件まで聞く
  3. 入校手続きを行い、適性検査を受ける。基準は教習所と試験場で案内があるため、申込み前に確認しておく
  4. 学科教習と技能教習を受ける。旅客を乗せる前提の運転技術と、応急救護を含む講習が組まれる
  5. 卒業検定に合格し、卒業証明書を受け取る
  6. 住所地を管轄する運転免許試験場で学科試験を受ける。受験料は1,800円
  7. 合格したら免許証の交付を受ける。交付料は従来の運転免許証のみなら2,350円、マイナ免許証のみなら1,550円、2枚持ちなら2,450円
  8. 就業先が決まっている場合は、事業者側の手続きに進む

試験場で直接受験する場合は、2から5までが「試験場での技能試験」に置き換わり、合格後に取得時講習30,300円を受けてから交付という順序になります。

なお、東京の特定指定地域でタクシー運転者として乗務するには、二種免許とは別に登録試験があります。公益財団法人東京タクシーセンターによれば、令和6年2月29日付の省令改正で東京地域の地理科目が廃止され、現在は「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」として、タクシー事業に係る法令、安全及び接遇を出題範囲に実施されています。対象は特別区、武蔵野市および三鷹市で、手数料は3,400円。二種免許の費用だけを見積もって「これで全部」と考えると、こうした地域ごとの手数料が抜け落ちます。

参考:公益財団法人東京タクシーセンター「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験について」

費用を抑える3つの方法

支払う総額を下げる手立ては、大きく3つに整理できます。

  • 見積もりを総額と保証範囲でそろえて比べる
  • 教育訓練給付制度が使えるか確認する
  • 会社の費用負担制度を使う

見積もりは「総額」と「保証の範囲」でそろえて比べる

料金表の見出しの金額だけを並べても比較になりません。入校料、教習料金、検定料、卒業証明書の発行手数料、教材費、送迎や宿泊にかかる費用まで含めた合計で見たうえで、補修教習と再検定がどこまで保証されるかを聞いてください。合宿は日程が固定される代わりに費用を抑えられる場合がありますが、まとまった休みが取れるかどうかが前提になります。

教育訓練給付制度が使えるか確認する

厚生労働省の教育訓練給付制度は、一定の条件を満たす人が指定講座を受講して修了した場合に、受講費用の一部が支給される仕組みです。基本の給付率は、一般教育訓練が受講費用の20%で上限10万円、特定一般教育訓練が40%で上限20万円、専門実践教育訓練が50%で年間上限40万円。ここに上乗せがあり、特定一般は資格を取得して就職すると50%・上限25万円、専門実践は資格取得と就職で70%・年間上限56万円、さらに賃金が5%以上上がると80%・年間上限64万円まで伸びます。ただし、自分が通おうとしている教習所の二種免許課程が指定講座に入っているかは、厚生労働省の検索システムで個別に確認する必要があります。 教習所の窓口でも「給付金の対象講座かどうか」を聞けるので、申込み前に確かめておきましょう。

教育訓練給付制度の3区分。一般は受講費用の20%・上限10万円、特定一般は40%・上限20万円(資格取得と就職で50%・上限25万円)、専門実践は50%・年間上限40万円(資格取得と就職で70%・年間上限56万円、賃金が5%以上上がると80%・年間上限64万円)。

参考:厚生労働省「教育訓練給付制度」

会社の費用負担制度を使う

タクシー会社では、入社を前提に二種免許の取得費用を会社が負担する制度を求人で見かけることが多くなっています。呼び方は会社によって養成制度、免許取得支援制度などさまざまで、負担の範囲や条件も一様ではありません。自己負担をゼロに近づけられる可能性がある反面、条件の確認を怠ると後から困ることがあります。

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タクシー会社の費用負担はどんな仕組みか|確認したい5つの条件

取材を重ねていると、制度の中身を自分の言葉で説明できる会社ほど、入社後の説明も具体的だと感じます。費用負担制度も同じで、聞けば聞くほど会社ごとの差が見えてきます。

  • 会社が費用を負担する背景には、運転者の減少と高齢化という構造がある
  • 「◯年以内に辞めたら違約金」という取り決めは労働基準法で禁止されている
  • 実務で見られるのは立替払いと返済免除の組み合わせと、その形をとった場合の注意点

なぜ会社が費用を負担するのか

国土交通省関東運輸局が令和7年3月にまとめた資料によると、法人タクシーの運転者数は平成27年度の29.6万人から令和4年度には20.9万人まで減っています。登録実施機関別の運転者証交付数で見ても、(一社)全国ハイヤー・タクシー連合会の集計で令和6年7月31日時点の239,508人と、令和2年比の充足率は84.9%、平均年齢は60.9歳です。人が足りず、しかも高齢化している。この状況で未経験者を採ろうとすれば、免許の取得費用を会社が持つのは採用の前提条件になります。 求人広告を出して応募を待つより、免許費用を負担して未経験者を迎えるほうが確実だという判断が働いている、と読むこともできるでしょう。

参考:国土交通省関東運輸局「タクシー事業の概要や事故の状況等について」令和7年3月
参考:国土交通省「タクシー乗務員数の推移」

「◯年以内に辞めたら違約金」は法律で禁止されている

労働基準法第16条は、使用者は労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない、と定めています。同法第17条では、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならないとも定められています。

つまり、「3年以内に退職したら違約金30万円」という形の取り決めは、そのままでは法律上できません。実務では、会社が費用をいったん立て替えて貸し付け、一定期間勤務したら返済を免除する形をとる例が見られます。 ただし、貸付という形をとっていれば必ず適法になるわけではありません。返済の負担が重く、実質的に退職の自由を縛るものと評価されれば、同じく問題になり得るからです。だからこそ、書面がどう書かれているかを入社前に自分の目で読んでおいてください。判断に迷う内容があれば、労働基準監督署や労働相談の窓口に確認するという手もあります。

参考:e-Gov法令検索「労働基準法」

入社前に確認したい5つの条件

確認することなぜ見るのか聞き方の例
負担の範囲教習料金だけか、受験料・交付料・宿泊費まで含むかで自己負担が変わる「会社が負担するのはどこまでで、自分で払うのは何ですか」
免除までの勤務期間期間の長さと起算日で拘束の実感が変わる「返済が免除されるのは、いつから数えて何年ですか」
途中退職時の扱い残額の計算方法が日割りか一括かで金額が大きく違う「期間の途中で辞めた場合、いくらをどう返す計算になりますか」
書面の有無と内容口頭の説明と契約書の文言がずれていることがある「貸付の契約書を、入社前に見せていただけますか」
取得中の待遇教習期間の給与・雇用形態・社会保険の開始時期は会社ごとに違う「免許を取っている期間の給与と、社会保険の加入時期を教えてください」

5項目とも、答えを渋る会社がいけないという話ではありません。その場で具体的に答えられるかどうかが、制度として運用されているかの手がかりになります。 「うちは全額負担です」で説明が終わる会社と、負担範囲と免除条件を一つずつ言える会社とでは、入社後に確認しなければならないことの量が変わってきます。

いま普通二種の取得者が増えている

費用を検討している人にとっては、「まわりも動いているのか」も判断材料になるはずです。統計を見ると、普通二種だけが突出して増えています。

  • 令和6年末の第二種免許保有者は全体で1,521,032人、前年比1.4%減
  • そのなかで普通二種は32.9%増
  • 指定教習所の卒業者数は令和5年から2年続けての伸び
免許の種類令和5年末令和6年末
大型第二種782,694人765,936人
中型第二種657,597人619,203人
普通第二種100,561人133,643人

※2種類以上の運転免許を保有する人は上位の免許の欄に計上されているため、大型二種・中型二種の保有者も普通二種の範囲を運転できます。

警察庁の運転免許統計 令和6年版によると、第二種免許の保有者は全体で1,521,032人。前年比では全体が1.4%減っているなかで、普通二種を最上位の免許として持つ人は32.9%増えています。指定教習所の卒業者数は、普通二種が令和4年の12,338人、令和5年の22,280人、令和6年の33,434人と2年続けて大きく伸びました。増加が始まったのは令和6年の制度変更より前、令和5年の時点です。

その令和6年には、2つの変化も重なっています。1つは、令和6年4月に始まった自家用車活用事業、いわゆる日本版ライドシェアです。国土交通省の資料では、タクシー事業者の管理のもとで、タクシーが不足する地域・時期・時間帯に地域の自家用車と一般ドライバーを活用する仕組みとされ、ドライバー教育や運行管理、運送責任はタクシー事業者が負うと整理されています。市町村やNPO法人が担う公共ライドシェア(自家用有償旅客運送)も同じ資料に載っており、こちらのドライバー要件は第一種運転免許の保有と大臣認定講習の受講等とされています。もう1つが、東京地域の地理試験が令和6年2月29日付の省令改正で廃止されたことです。二種免許を必要としない働き方が生まれた令和6年にも、普通二種の取得者は増え続けました。 業界の入口が広がったことの表れとして読めます。

参考:警察庁交通局運転免許課「運転免許統計 令和6年版」
参考:国土交通省「地域交通における『担い手』『移動の足』不足への対応方策のカタログ」令和6年8月

二種免許の費用に関するよくある質問

二種免許は一発試験なら安く取れますか?

1回で合格すれば安くなります。 東京都で試験場に直接申し込む場合、受験料4,500円と試験車使用料2,950円に免許証交付料を足した額が9,800円・9,000円・9,900円のいずれか。これに取得時講習受講料30,300円を加えた39,300円から40,200円が、取得時講習の免除がなく1回で合格した場合の費用です。幅があるのは、従来の運転免許証・マイナ免許証・2枚持ちのどれを選ぶかで交付料が変わるため。ただし不合格のたびに受験料と試験車使用料の合計7,450円が再度かかり、そのつど平日に試験場へ出向くことになります。公表されている合格率は技能試験を免除された指定教習所の卒業者を含む数字で、技能試験だけを切り出した合格率は示されていないため、回数を前提にした損得の計算はできません。失効後の再取得などを除いた令和6年の普通二種の運転免許試験合格者34,544人のうち、95.0%が指定教習所の卒業者だという点も、判断の材料になるはずです。

参考:警視庁「大型二種・中型二種・普通二種免許試験(直接試験場で受験される方)」
参考:警視庁「マイナ免許証に伴う手数料改定」

会社が費用を負担してくれた場合、途中で辞めたら返さないといけませんか?

契約の形によって変わります。 労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり損害賠償額を予定したりする契約を禁じています。そのため「3年以内の退職で違約金いくら」という取り決めはできません。一般には、会社が費用を貸し付けて一定期間の勤務で返済を免除する形が取られており、期間内に辞めた場合は貸付金の残額を返すことになります。ただし、貸付という形をとってさえいれば必ず適法になるというものではありません。返済の負担が実質的に退職の自由を縛るものと評価されれば、同じく問題になり得ます。金額の計算方法が日割りなのか一括なのか、起算日はいつなのかは会社ごとに違うため、契約書を入社前に読んで確認してください。

参考:e-Gov法令検索「労働基準法」

19歳でも二種免許は取れますか?

受験資格特例教習を修了すれば取れます。 道路交通法第96条第5項は、原則として21歳以上で、大型・中型・準中型・普通・大型特殊免許の保有期間が通算3年以上であることを求めています。ただし政令で定める教習を修了した場合は、19歳以上・保有期間1年以上で受験できるという定めです。この特例教習は令和4年5月13日から適用され、警察庁の資料では年齢要件の課程が7時限以上、経験年数要件の課程が29時限以上とされています。注意したいのは取得後で、年齢の特例で取得した場合は21歳になるまで若年運転者期間となり、この間の違反行為で点数の合計が3点以上になると9時間の若年運転者講習が義務づけられます。1回の違反行為だけで3点となったときは対象外です。通知を受けて受講しなければ、特例で取得した免許が取り消されるのです。

参考:警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」

二種免許は運転代行の仕事にも必要ですか?

客の車を運転する側は普通第二種免許(または大型・中型第二種免許)が必要です。 道路交通法第86条第5項が、代行運転普通自動車を運転しようとする者は普通第二種免許を受けなければならないと定めています。同条第6項により、大型第二種免許または中型第二種免許を受けている人も代行運転普通自動車を運転できます。自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律第2条では、客の車である代行運転自動車と、それに随伴する随伴用自動車が区別されており、二種免許が求められるのは前者を運転する場合です。タクシー以外にも二種免許が活きる仕事があるという意味で、取得を検討するときの選択肢に入れておくとよいでしょう。

参考:e-Gov法令検索「道路交通法」

教育訓練給付金は二種免許の教習にも使えますか?

制度上使える場合がありますが、講座ごとの指定を確認する必要があります。 厚生労働省の教育訓練給付制度は、一般教育訓練で受講費用の20%・上限10万円、特定一般教育訓練で40%・上限20万円、専門実践教育訓練で50%・年間上限40万円が支給される仕組みです。特定一般と専門実践には上乗せがあり、資格を取得して就職するなどの条件を満たすと、特定一般は50%・上限25万円、専門実践は70%・年間上限56万円まで伸びます。専門実践では、さらに受講前より賃金が5%以上上がると、80%・年間上限64万円になります。支給の対象になるのは厚生労働大臣が指定した講座に限られるため、通おうとしている教習所の二種免許課程が指定講座かどうかを、検索システムか教習所の窓口で確かめてください。あわせて、雇用保険の被保険者期間などの受給要件も満たす必要があります。

参考:厚生労働省「教育訓練給付制度」

まとめ

二種免許の費用は、公表されている部分と各校が決める部分に分けて考えると見通しが立ちます。公表されているのは試験場に払う手数料で、東京都の場合は指定教習所の卒業者が3,350円から4,250円、直接受験なら9,000円から9,900円に、免除がなければ取得時講習30,300円が加わる形。幅があるのは、令和7年3月24日の手数料改定で免許証交付料が従来の運転免許証・マイナ免許証・2枚持ちの3通りになったためです。各校が決めるのは教習料金のほうで、こちらには公的な基準がなく、所持免許・通学か合宿か・保証の範囲によって変わります。だからこそ、複数校の見積もりを総額でそろえて比べる作業が要るのです。

自己負担を抑える道としては、教育訓練給付制度の指定講座かどうかを確認すること、そしてタクシー会社の費用負担制度を使うことの2つ。後者を選ぶなら、負担の範囲、免除までの勤務期間、途中退職時の計算方法、書面の有無、取得中の待遇の5点を入社前に聞いておきましょう。「◯年以内に辞めたら違約金」という取り決めは労働基準法第16条で禁じられているため、契約の形が貸付なのか、免除の条件がどう書かれているかを自分の目で読むことが身を守ります。

正直なところ、費用の総額を1円まで先に確定させる方法はありません。私たちが会社を調べるときも、結局は「答えが具体的に返ってくるか」を手がかりにしています。制度の中身を数字で説明できる会社は、入ってからの説明も具体的です。働く場所を選ぶ目線をもう少し広げたいなら、熱狂ベンチャーナビの経営者インタビューで、経営者が制度や育成をどんな言葉で語っているかを読み比べてみてください。

免許にかかる費用の全体像がつかめたら、次は「どの会社なら条件が合うか」を並べて比べる番です。

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小川莉奈のアバター

編集者

小川 莉奈 - 熱狂ベンチャーナビ編集部

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看護師から一般企業へ就職。その後株式会社デジマケに入社。自身の転職経験を元に新卒~若手の転職者にわかりやすい情報をお届けします。

西畑大樹のアバター

監修者

西畑大樹 - 熱狂ベンチャーナビ運営責任者

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新卒で証券会社に入社。その後、不動産・マーケティング・SaaS企業と4社の経験を経て独立。
学生時代は無人島のインターンや創業2か月目の会社でインターン生として2年勤務。
学生時代から新卒就活領域のメディア運営やキャリアコンサルタントを行っていた経験を元に業界や企業理解が深まるインタビュー記事や就活や転職に役立つ情報をお届けします。

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ファクトチェック

秋山翔一 - 熱狂ベンチャーナビ編集責任者

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新卒で商社に入社。その後WEBマーケティング支援を行う会社に転職。その後、繊維メーカーの役員を経て株式会社デジマケを創業。
年間500記事以上の監修を行っております。採用側の視点でサービスのファクトチェックや記事内容を精査しています。

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執筆者情報

熱狂ベンチャーナビ編集部はインターンシップ・新卒就活・転職経験者で編成されております。20代~30代の幅広い年齢・職種やキャリアを持つメンバーが在籍しているため、就活・転職の苦しかった経験や成功体験を元に求職者に役立つ情報を発信いたします。

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