ジョブホッパーとは?転職回数の実態と採用側の見方、回数が多いときの伝え方

ジョブホッパーとは、短い期間で転職を繰り返す人を一般に指す言葉で、法律上の定義はありません。何回から、何年未満の在籍からそう呼ぶという公的な基準もないのです。

実は、転職を6回以上重ねた人でも、半数を超える人が「今の職場で今後も働きたい」と答えています。回数が増えるほど働き続けたい人が減っていく、という形にはなっていません。

この記事では、公的な統計で見る転職回数の実態と採用する側の見方を確かめたうえで、回数が多いときの職務経歴書と面接での伝え方を紹介します。

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目次

ジョブホッパーとは|短い期間で転職を繰り返す人を指す言葉

ジョブホッパーという言葉の意味と、似た言葉との違いから整理します。ポイントは3つあります。

  • 法律上の定義はなく、何回・何年からという公的な基準もない
  • 対比で使われる「キャリアビルダー」との違いは、回数より転職のつながり方にある
  • 自己都合で辞めた転職者の17.1%は、辞めた理由の1つに「いろいろな会社で経験を積みたいから」を挙げている

ジョブホッパーは、英語の「job hopper」から来た言葉です。短い在籍期間で職場を次々に移る人を指し、日本では「入社してもまた早く辞めるのでは」という含みを持って使われることが少なくありません。自分の経歴がそう見られるのではと気にする人が多いのも、そのためでしょう。ただし、何回転職したら、何年で辞めたらジョブホッパーになるという決まりはありません。

公的な統計にも、ジョブホッパーという区分はありません。厚生労働省の令和7年転職者実態調査は、転職した人に、今の勤め先への転職を含めたこれまでの転職回数をたずねています。集計は「1回」「2回」「3回」「4回」「5回」「6回以上」の区分で行われ、何回から多いという線は引かれていないのです。

似た言葉と並べると、それぞれが経歴のどこに目を向けた呼び方なのかが分かります。

呼び方一般的な意味採用する側が確かめたいこと
ジョブホッパー短い在籍期間で転職を繰り返す人入社しても、また早く辞めないか
キャリアビルダー目的に沿って経験を積むために転職を重ねる人積んできた経験が、応募先で生きるか
転職回数が多い人在籍期間を問わず、転職の回数が多い人回数に見合う経験の中身があるか
短期離職入社から短い期間で辞めること同じ理由で、また辞めることにならないか

どれも本人が名乗る肩書きではなく、外から経歴を見た人がつける呼び方です。同じ5回の転職でも、移るたびに何を身につけに行ったのかを説明できれば、受け取られ方は変わります。

経験を取りに行くための転職は、統計にも表れています。令和7年転職者実態調査で、直前の勤め先を自己都合で辞めた人に理由を3つまで聞くと、「賃金が低かったから」25.5%、「会社の将来に不安を感じたから」25.2%、「満足のいく仕事内容でなかったから」24.7%が上位でした。そのなかで「いろいろな会社で経験を積みたいから」も17.1%を占めます。辞める理由は不満だけとは限らず、次の経験を求めて動く人も珍しくないのです。

参考:厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」
参考:政府統計の総合窓口 e-Stat「転職者実態調査(令和7年)第20表 直前の勤め先を自己都合により離職した具体的理由別転職者割合」

転職回数の実態|大企業に移った人にも6回以上は珍しくない

自分の転職回数は多いほうなのか、気になる人もいるでしょう。公的な統計からは、転職そのものがどれくらい一般的か、回数の多い人がどんな会社に移っているかが見えてきます。

  • 1年間に新たに雇われた人のおよそ3人に2人は、転職による入職
  • 従業員1,000人以上の企業に移った人でも、転職6回以上が15.6%いる
  • ただし採用された人の内訳であり、選考の通りやすさまでは分からない

まず、転職そのものがどれくらい一般的かを見ておきます。厚生労働省の令和7年雇用動向調査によると、常用労働者5人以上の事業所が2025年の1年間に新たに雇い入れた入職者は752万6,800人でした。このうち506万1,800人は、入職する前の1年間にどこかで働いていた転職入職者です。新卒者を含む未就業入職者は246万5,000人で、転職入職者のほうがはるかに多いのです。新たに雇われた人のおよそ3人に2人が、転職によって入った人だったことになります。 総務省の令和4年就業構造基本調査でも、過去5年間に前の仕事を辞めて今の仕事に就いた転職就業者は1246万人で、5年前より19万人増えていました。

では、転職の回数が多い人は、どんな会社に移っているのでしょうか。令和7年転職者実態調査で、今の勤め先の企業規模別に転職回数を見ると、次のようになります。

今の勤め先の企業規模転職1回(今回が初めて)転職6回以上平均転職回数
1,000人以上30.5%15.6%3.0回
500〜999人24.8%20.4%3.2回
300〜499人33.2%11.6%2.7回
100〜299人34.1%15.7%2.9回
50〜99人24.7%20.7%3.4回
30〜49人30.1%15.3%3.0回
5〜29人23.7%15.0%3.1回
全体28.6%16.7%3.1回

従業員1,000人以上の企業に移った人でも、転職6回以上は15.6%、平均は3.0回で、全体の3.1回とほとんど変わりません。 規模の大きな会社ほど回数の少ない人ばかりを採っている、という分布にはなっていないのです。今の職種別に見ても、管理的な仕事に就いた転職者の平均転職回数は3.3回で、6回以上が20.2%を占めました。

ただし、これは実際に採用された人の内訳です。応募した人のうち何割が選考を通ったかは分からないため、「回数が多くても必ず通る」と読むことはできません。統計から言えるのは、回数の多い人も企業の規模を問わず採用されているということまでです。

参考:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」
参考:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」
参考:政府統計の総合窓口 e-Stat「転職者実態調査(令和7年)第7表 転職回数別転職者割合及び1人当たりの平均転職回数」

採用する側が確かめたいのは「なぜ多いか」と「また辞めないか」

回数そのものに線がないなら、採用する側は何を見ているのか。公的な資料をたどると、手がかりは3つあります。

  • 転職者を採る理由では、どの職種でも「経験を活かし即戦力になるから」が上位に入る
  • 転職が多い応募者に確かめたいのは、多い理由と、またすぐ辞めないか
  • 「今の職場で今後も働きたい」と答えた人は、転職回数を問わず5割台

転職者に期待されているのは、経験をすぐ使えること

令和7年転職者実態調査の事業所調査で、転職者を採用した理由(3つまで)を職種ごとに見ると、管理的な仕事では「経験を活かし即戦力になるから」が60.7%、「専門知識・能力があるから」が50.2%でした。専門的・技術的な仕事でも、それぞれ64.1%、51.2%と半数を超えます。事務や販売、サービスなどの仕事では「離職者の補充のため」が最も多いものの、次に多いのはやはり「経験を活かし即戦力になるから」でした。職種を問わず、前の職場で積んだ経験を入社してすぐに使えることが、転職者を採る理由の上位に入っているのです。

今後3年間に転職者を採用する予定がある事業所は63.6%。そのうち40.0%が「転職者を優先して採用したい」と答え、「新規学卒者を優先して採用したい」の9.8%を大きく上回っています。

参考:厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」

転職が多いと、理由と「また辞めないか」を確かめられる

ハローワークの「職務経歴書の作り方」(令和8年5月発行)は、転職が多い人向けの記載例を載せ、採用担当者から問われることの例を2つ挙げています。なぜ転職が多かったのか。そして、採用しても早々にまた辞めてしまわないか。同資料はそのうえで、これまでの転職の前向きな面を説明しつつ、長く勤めたい気持ちを伝えるよう勧めています。前向きな面として例に挙がっているのは、次のような点です。

  • 転職を通じて、できることの幅が広がった
  • 勤め先ごとに実績を残してきた
  • いろいろな分野への興味があり、好奇心が強い

これまでの回数がいくつであっても、この3つは自分の経歴から言葉にできます。

参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」

「今の職場で今後も働きたい」人は、回数が多くても5割台

では、転職を重ねた人は本当にまたすぐ辞めたがっているのでしょうか。令和7年転職者実態調査の個人調査で、今後の転職希望を転職回数別に見ると、「今の職場で今後も働きたい」と答えた人は、転職1回で53.7%、2回で59.1%、3回で58.3%、4回で51.9%、5回で57.5%、6回以上で51.0%でした。転職者全体では55.1%です。6回以上の人でも半数を超え、回数が増えるほど働き続けたい人が減っていく形にはなっていません。 「機会があれば転職したい」も、1回の22.7%に対して6回以上は21.7%でした。

令和7年転職者実態調査で「今の職場で今後も働きたい」と答えた転職者の割合を転職回数別に示したグラフ。転職1回53.7%、2回59.1%、3回58.3%、4回51.9%、5回57.5%、6回以上51.0%で、転職者全体は55.1%。

ここで分かるのは調査時点の意向で、入社後に実際どれだけ勤めたかを追った数字ではありません。それでも、回数の多さと次の職場に腰を据えたい気持ちが両立しうることは読み取れます。今の勤め先を選んだ一番の理由を見ると、6回以上の人では「自分の技能・能力が活かせるから」が22.3%で最も多く、1回の人の14.4%を上回りました。転職を重ねた人のなかには、積んできた技能が生きるかどうかで次の職場を選んでいる人が少なくないのです。 採用する側が求める「経験を活かせること」と重なる部分であり、伝え方の土台になります。

参考:政府統計の総合窓口 e-Stat「転職者実態調査(令和7年)第32表 今後の転職希望別転職者割合」
参考:政府統計の総合窓口 e-Stat「転職者実態調査(令和7年)第30表 現在の勤め先を選んだ一番の理由別転職者割合」

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「ジョブホッパーの末路」は決まっていない|転職を重ねた経営者の言葉

「ジョブホッパーの末路」と調べると、収入が下がり続ける、どこにも採用されなくなる、といった強い言葉が並びます。統計と、実際に転職を重ねてきた経営者の言葉で確かめると、見えてくるのは次の3つです。

  • 転職で賃金が増えた人は42.2%、減った人は36.0%で、結果は人によって分かれる
  • 転職を重ねて経営者になった人のなかには、移るたびに取りに行ったものをはっきり語る人がいる
  • 経験をきちんと評価してくれる環境に出会えるかで、その先は変わる

令和7年転職者実態調査で、直前の勤め先と比べた1か月あたりの賃金総額の変化を見ると、増えた人は42.2%、変わらない人は20.9%、減った人は36.0%でした。3割以上増えた人が9.4%いる一方で、3割以上減った人も10.4%います。この集計は転職回数別には分けられていないため、回数が多い人ほど下がるとも上がるとも言えません。統計から言えるのは、転職の結果は人によって大きく分かれ、決まった末路があるわけではないということです。

参考:政府統計の総合窓口 e-Stat「転職者実態調査(令和7年)第16表 直前の勤め先と比較した現在の勤め先の1か月当たりの賃金総額の変化別転職者割合」

転職を繰り返しながら、経営者に必要な力を集めた

株式会社CBTソリューションズの野口功司社長は、子どものころから経営者を目指し、会社員時代は職場を移りながら必要な力を身につけてきたと話しています。

“
社会人になってからも、経営者に必要なスキルを意識的に身につけてきました。プログラマーからスタートし、その後は営業、マーケティングと経験を重ね、ほとんどの職場でMVPを取りました。自分なりに手応えもありましたし、そうした経験の積み重ねが自信にもつながっていったのだと思います。転職を繰り返しながら、スキルだけでなく、組織のあり方や人の価値観にも触れることができ、それらが今、経営者としての土台になっています。
株式会社CBTソリューションズ 代表取締役社長
野口 功司
インタビューを読む

プログラマーから営業、マーケティングへと職種をまたいでいても、「経営者に必要な力を集める」という目的で1本につながっています。職場ごとに成果を残してきたことが、回数の多さを経歴の厚みに変えているのです。

足りない力を決めてから、次の職場を選んだ

ASRIUMの大須賀琢真代表は、新卒でフィットネスのインストラクターとして働いたのち、起業を見据えて職場を移ってきました。

“
将来的に起業して自分で事業をする際、何が足りないかと考えたときに、自分を売る力と、人を採る、つまり採用力が足りないと思ったんです。まずは自分を売ろうと思って営業を選びました。(中略)そこである程度自分を売る力は身につけられたので、次は採用のスキルを学ぼうと考えて転職をし、博報堂のグループ会社でアルバイト・派遣・中途採用を担当をしました。
ASRIUM 代表
大須賀 琢真
インタビューを読む

営業の会社では飛び込み営業で結果を出し、次の会社では1,000人規模の会社の採用を担当したそうです。移る前に「次の職場で取りに行くもの」を決めていたからこそ、転職の理由がそのまま経歴の説明になっています。

評価される環境に出会えるかで、結果は変わる

株式会社Ballistaの中川貴登社長は、スタートアップでデジタルマーケティングの事業に携わったのち、転職を経て起業しました。収入の変化を、こう振り返っています。

“
たとえば、私自身、スタートアップ時代は年収250万円、ボーナスも5万円しかありませんでしたが、転職し経験を積み重ねる中で、年収は1500万円まで増えました。もちろん年収だけがすべてではありませんが、精一杯努力をした結果ではあります。ただ、この経験を通じて強く感じたのは、自分はたまたま適切に評価される環境に巡り合えたからこそ成長し、その分の対価を得たということです。
株式会社Ballista 代表取締役社長
中川 貴登
インタビューを読む

中川社長自身が「たまたま」と言い添えているとおり、これは一人の経験です。統計でも賃金が増えた人と減った人がどちらもいるように、転職が収入を上げてくれる保証はありません。だからこそ、次の職場が経験をどう評価する会社なのかを、入る前に確かめておく意味があります。

経営者の経歴をうかがっていて私たちが驚かされるのは、転職の数ではありません。どの移動にも、次の職場で何を得るのかという目当てがあり、それを迷わず言葉にできることのほうです。会社員時代にどう動き、何を持ち出してきたのか。ほかの経営者の歩みも、インタビューで読めます。

経営者インタビューを読む|熱狂ベンチャーナビ

転職回数が多いときの伝え方|職務経歴書と面接で使える型

これまでの職歴はそのままでも、見せ方は選べます。準備の順番は次の4つです。

  • 書く前に、経歴を「移った理由」と「持ち出したもの」で一覧にする
  • 職務経歴書は「略歴」「職務ごとの経歴」「仕事への姿勢」で組み立てる
  • 面接では、軸、つながり、今回の応募、長く働ける根拠の順に話す
  • 在籍が短かった職歴も省かず、1行で位置づける

ここで紹介する例はいずれも架空のもので、勤め先や期間は書き方を示すために設定しています。

書く前に、経歴を一覧表で棚卸しする

最初に、これまでの勤め先を1枚に並べます。担当した業務だけでなく、「その職場から持ち出したもの」と「次に移った理由」を同じ行に書くのがポイントです。並べてみると、ばらばらに見えた転職のあいだに共通する軸が見えてきます。

【架空の例】4社を経験し、カスタマーサクセス職に応募する人の一覧表

時期・勤め先担当持ち出したもの次に移った理由
1社目(1年2か月)人材紹介会社法人営業新規開拓の進め方提案の幅を広げたかった
2社目(8か月)広告代理店営業アシスタント提案資料の作り方補助業務が中心で、担当顧客を持てなかった
3社目(2年6か月)業務ソフト開発会社インサイドセールス商談を数字で管理する習慣導入後のお客様にも関わりたかった
4社目(現職・1年9か月)業務ソフト開発会社カスタマーサクセス解約理由の分析と改善提案担当製品の事業が縮小することになった

この例なら、4社を通じて続いているのは「お客様と長く付き合う仕事に近づいていく」流れです。軸が見つかれば、2社目の8か月のような短い在籍も、流れの中の一歩として説明できます。 「持ち出したもの」の欄が埋まらなければ、自己PRが思いつかない人へ|エピソード探し方と書き方で紹介しているエピソードの拾い方が使えます。学生向けの記事ですが、経験から材料を探す手順は転職でも変わりません。

職務経歴書は「略歴」「職務ごとの経歴」「仕事への姿勢」で組み立てる

ハローワークの「職務経歴書の作り方」は、転職が多い場合の記載例として、仕事の種類ごとにまとめるキャリア式の職務経歴書を載せています。その例には取得資格の欄もありますが、組み立ての軸になるのは次の3つの欄です。

欄役割書くこと
略歴移ってきた流れを最初に見せる何を身につける目的で、どう移ってきたかを3〜4行で
職務ごとの経歴会社名ではなく、仕事の中身で読ませる職務ごとに通算の期間、担当、できるようになったこと
仕事への姿勢これまでとこれからをつなぐ転職してきた目的と、応募先で腰を据えて取り組みたいこと

記載例の略歴にまとめられているのは、技術の幅を広げるために、勤め先で扱う加工技術を身につけるたびに転職してきた経緯。仕事への姿勢の欄では、資格も取れたので今後は一つの職務に専心し、技術の幅広さより深さを追求したいと述べ、応募先で長く勤める意思で結んでいます。転職してきた理由と、これからは腰を据えたい理由が、同じ一つの文脈で語られているのが要です。

【架空の例】先ほどの一覧表の人が書く場合

欄記入例
略歴人材紹介会社で法人営業を経験したのち、提案力を磨くため広告代理店で営業支援に従事。担当顧客を持てる環境を求めて業務ソフト開発会社に移り、インサイドセールスを担当。導入後のお客様にも関わるため同業の会社に移り、現在はカスタマーサクセスを担当。
職務ごとの経歴法人営業・営業支援(通算1年10か月):新規開拓、提案資料の作成/インサイドセールス(2年6か月):商談数の管理と受注率の改善/カスタマーサクセス(1年9か月):担当企業の利用状況の分析、解約理由に基づく改善提案
仕事への姿勢営業から導入後の支援までを経験し、お客様と長く付き合う仕事を自分の軸と定めました。今後はカスタマーサクセスに専念し、担当するお客様の継続利用を数年単位で支える力を深めたいと考えています。

略歴の文章をAIに整えてもらうと、転職の理由が誰にでも当てはまる言い回しになってしまうことがあります。AIを使うときの注意点は履歴書のAI作成はバレる?見抜かれない書き方のコツにまとめているので、仕上げる前に目を通してみてください。

参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」

面接では、軸、つながり、今回の応募、長く働ける根拠の順に話す

面接で「転職の回数が多いですね」と言われたら、1社ずつ辞めた理由を並べるより、先に軸を一言で示すほうが伝わります。話す順番は次の4段です。

順番話すこと一覧表の例なら
1. 軸転職を通じて向かってきたものお客様と長く付き合う仕事に近づいてきた
2. つながりそれぞれの職場で身につけたこと新規開拓、提案資料、商談の数字管理、解約理由の分析
3. 今回の応募なぜこの会社なのか担当企業を数年単位で受け持つ体制がある
4. 長く働ける根拠今回は何を確かめて選んだか1人あたりの担当社数と評価の基準を、選考の中で確認した

【架空の例文】面接で話す1分程度の例

聞かれたこと例文
転職の回数が多いですねこれまで4社を経験してきましたが、振り返ると、お客様と長く付き合う仕事に少しずつ近づいてきた転職でした。最初の会社では法人営業として新規開拓を経験し、次の会社では提案資料の作り方を身につけました。ただ、2社目は補助業務が中心で担当のお客様を持てず、8か月で離れています。応募の段階で担当業務の範囲を聞いておかなかったのは、自分の落ち度だったと考えています。3社目からは業務ソフトの会社でインサイドセールスとカスタマーサクセスを担当し、解約の理由を分析して改善を提案する仕事にやりがいを感じました。御社ではカスタマーサクセスが担当企業を数年単位で受け持つと伺い、担当社数や評価の基準も選考の中で確認させていただきました。この環境なら腰を据えて力を伸ばせると考え、応募しています。

「次こそ長く働きます」と意気込みを伝えるより、今回は何を確かめて選んだのかを話すほうが、長く働ける根拠として伝わります。 短く離れた職場について聞かれたら、事情を一文、そこから学んだことを一文で返せば十分でしょう。担当社数や評価の決まり方は、マイナビやリクナビの募集要項に書かれていることもありますし、転職エージェント経由の応募なら、担当者を通じて事前に聞ける場合もあります。

在籍が短かった職歴も、省かずに1行で位置づける

職歴が多いと、短く辞めた会社は書かずにおきたくなるかもしれません。ハローワークの「応募書類の作り方」(令和8年5月発行)は、履歴書の職歴は勤務先への入社と退社の経歴を古い順に書くのが基本だとしています。派遣社員や契約社員、アルバイトなどの場合は、雇用形態を()書きで添える書き方も載っているので、正社員としての転職と区別して読んでもらえるでしょう。在籍期間は職務経歴書の年月にも表れるもの。1社を省けば、その間の空白を面接で説明することになります。短い在籍は隠すより、1行で位置づけてしまうほうが、聞かれても落ち着いて答えられます。

参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「応募書類の作り方」

ジョブホッパーに関するよくある質問

ジョブホッパーは、何回転職したらそう呼ばれますか?

決まった回数はありません。 法律上の定義も公的な基準もなく、言葉を使う人によって線の引き方は変わります。厚生労働省の令和7年転職者実態調査でも、転職回数は1回から6回以上までの区分で集計されているだけで、何回から多いとは示されていません。ハローワークの「職務経歴書の作り方」が、転職が多い場合に採用担当者から問われる例として挙げているのは、なぜ転職が多かったのか、採用してもすぐにまた転職しないかという点です。

ジョブホッパーとキャリアビルダーは何が違いますか?

一般に、ジョブホッパーは短い在籍で転職を繰り返す人、キャリアビルダーは目的に沿って経験を積むために転職を重ねる人を指します。 どちらも法律や統計で定められた言葉ではなく、回数で分けられるものでもありません。分かれ目になるのは、移るたびに得たものと、それが次の仕事にどう生きたのかを説明できるかどうかです。令和7年転職者実態調査では、自己都合で辞めた転職者の17.1%が、理由の1つに「いろいろな会社で経験を積みたいから」を挙げていました。

転職回数には、派遣やアルバイトの経験も数えますか?

数え方に決まりはありませんが、厚生労働省の転職者実態調査では、学生アルバイトと1か月未満の臨時的な仕事を除いて数えるよう案内しています。 個人票では「これまでの転職回数(今の勤め先への転職を含む)」をたずね、注記で除く仕事を示しているのです。応募書類については、ハローワークの「応募書類の作り方」が、学業期間中のアルバイトは通常は職歴に書かないこと、派遣社員や契約社員、アルバイトなどは雇用形態を()書きで添える方法を紹介しています。雇用形態が分かるように書いておけば、読む側も経歴の流れをつかみやすくなります。

参考:厚生労働省「令和7年転職者実態調査(個人票)」

転職回数が多いと、書類選考で落ちやすくなりますか?

書類選考の通過率と転職回数の関係を示した公的な統計は見当たらず、一概には決められません。 手がかりになるのは採用された人の内訳です。令和7年転職者実態調査によると、従業員1,000人以上の企業に転職した人のうち、転職6回以上の人は15.6%を占めていました。応募した人のうち何割が通ったかは、この数字からは読み取れません。書類では回数より経験の中身が先に読まれるよう、略歴と職務ごとの経歴で流れを見せておきましょう。

ジョブホッパーの末路は悲惨だと聞きますが、本当ですか?

統計で見る限り、転職を重ねた人に決まった末路があるわけではありません。 転職者全体の賃金の変化を令和7年転職者実態調査で見ると、1か月あたりの賃金が増えた人は42.2%、減った人は36.0%と、結果は人によって分かれていました。転職6回以上の人の51.0%は、調査時点で「今の職場で今後も働きたい」と答えています。その先は回数だけで決まるものではなく、次の職場で何を積み、どう評価されるかによっても変わります。入社してから早く成果を出したいなら、成長が早い人の特徴9選|共通点と今日からの行動で紹介している習慣も試してみてください。

まとめ

ジョブホッパーは、短い期間で転職を繰り返す人を一般に指す言葉で、法律上の定義も、何回からという公的な基準もありません。令和7年雇用動向調査では新たに雇われた人のおよそ3人に2人が転職入職者で、令和7年転職者実態調査では、従業員1,000人以上の企業に移った人でも転職6回以上が15.6%いました。6回以上の人の51.0%が今の職場で今後も働きたいと答えており、回数の多さと腰を据えたい気持ちは両立しうるものです。

採用する側が転職者に期待しているのは、経験を活かして早く戦力になることです。回数が多いときは、経歴を「移った理由」と「持ち出したもの」で並べ直してみてください。職務経歴書では略歴と職務ごとの経歴で流れを見せ、面接では軸、つながり、今回の応募、長く働ける根拠の順に話していきましょう。短い在籍も省かず、1行で位置づけておけば十分です。

経営者の歩みを聞いてきた私たち編集部は、転職の回数がその人の価値を決めるとは考えていません。移るたびに何を取りに行ったのか、次の職場で何を続けたいのか。その2つに自分なりの答えがあれば、回数は経歴を語る材料の一つになると感じています。

これまでの経歴でどんな求人に応募できるか、回数をどう伝えればよいかは、外から見てもらうと整理しやすくなります。

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編集者

小川 莉奈 - 熱狂ベンチャーナビ編集部

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看護師から一般企業へ就職。その後株式会社デジマケに入社。自身の転職経験を元に新卒~若手の転職者にわかりやすい情報をお届けします。

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