【代表者インタビュー】株式会社アトラスパートナーズ 代表取締役 杉浦 誠二

志を武器に、創業期の経営者を本気で支える
1000万円を投じてたどり着いた「経営は志がすべて」。創業期のブレイクスルーを伴走する経営コーチング
起業や独立を志す人が増える一方で、創業期は売上を1円つくることにさえ苦労する、もっとも過酷な時期でもあります。その0→1の時期に特化して伴走しているのが、株式会社アトラスパートナーズ代表取締役の杉浦 誠二さん(以下、杉浦さん)です。同社は「経営コーチング」と「ビジネスコミュニティ」を軸に、ベンチャーやスタートアップ、個人事業として歩み始めた経営者を支援しています。
杉浦さん自身、前職ではトップセールスとして活躍しながらも挫折や休職を経験し、独立後も1,000万円を超える自己投資を重ねながら長く伸び悩んだと言います。さまざまな壁にぶつかった末にたどり着いたのが、その人の「志(理念)」を軸に据えるという支援のかたちでした。
「経営は志がすべてだと思っています」と語る杉浦さん。100年後の日本をつくり、社会に経営者を輩出したいという思いの背景にある経営哲学と、仕事への向き合い方について伺いました。
【プロフィール】

株式会社アトラスパートナーズ
代表取締役 杉浦 誠二
趣味
家族(妻と子供)と過ごす時間
座右の銘
人の可能性を信じ、心に火をつける
尊敬する人
西野 亮廣 氏(キングコング)
学生が読むべき本
「夢と金」西野 亮廣
経営者におすすめの本
「0 Rei」さとうみつろう
人生で一番熱狂したこと
20年以上本気で打ち込んできたバスケットボール。そして今、起業して仲間と共に事業を創り上げているこの瞬間。
創業期の経営者を「志」で支える経営コーチング

1円の売上に悩む、もっとも大変な時期に伴走する
小川:杉浦さんが手がけている事業について教えてください。
杉浦さん:当社は主に2つの事業を展開しています。1つが「経営コーチング」、もう1つが「ビジネスコミュニティ」の運営です。どちらもターゲットは創業期で、ベンチャーやスタートアップ、個人事業として歩み始めた方々の0→1を支援しています。
経営コーチングは、端的に言えば創業期の売上をグロースさせるための支援です。年商で言えば、ほぼゼロの状態から3,000万円ほどまで、もっとも大変な時期を突き抜けるところをハンズオンで伴走します。創業期の方は、本当に1円の売上をつくることに悩むものなんです。そこに特化してサポートしているのが特徴です。
商品ではなく「人」を強みに変える
小川:創業期は経営資源が限られる中で、どのように差別化を支援していくのでしょうか?
杉浦さん:創業期はそもそも経営資源が乏しいので、商品やサービスそのもので差別化するのは難しいタイミングです。私自身がここで一番悩みました。では何で勝っていくのかと考えたとき、たどり着いたのが、その人自身の人となりや人生、ストーリーでした。それをしっかり言語化して武器にすれば、「あなただからこそ任せたい」と思ってもらえる。人そのものをビジネスの強みにしていこうと考えたんです。
だからこそコーチングの手法がもっともマッチしていました。その人のこれまでの人生やストーリーを聴いていく中で、どういう生き方やあり方をしたいのかという自分の軸をつくる。それを事業のミッション、ビジョン、バリューに落とし込んでいきます。そうすると、多くの方から共感され、応援される、エッジの効いた武器ができあがるんです。
言語化した志を、売上の仕組みまで落とし込む
小川:志を言語化したあとは、どのように売上へとつなげていくのですか?
杉浦さん:言語化したミッション、ビジョン、バリューを、事業のあらゆる場面に落とし込んでいきます。社員がいれば理念を浸透させ、共感してくれる人を採用するための戦略を考える。セールスの場面でも、その志を強みとして生かした導線をどうつくるかを設計します。そして最後はKGIとKPIを管理しながら伴走していく。ここまで一気通貫でやり切るのが、当社の経営コーチングです。
1000万円を投じても伸びなかった日々が教えてくれたこと

自己投資を重ねても、跳ね返りがなかった
小川:「志」をもっとも大切にされているのは、杉浦さんご自身の経験が背景にあるのでしょうか?
杉浦さん:そうですね。私は個人事業として始めてから6年ほど経営をしてきましたが、最初はまったく伸びませんでした。事業を加速させようと1,000万円ほどを投資し、出た利益も再投資し続けて、ほぼ手元に残らない状態でずっとやっていたんです。コンサルティングを受けたり、起業塾に入ったり、自己投資もし続けました。それでも跳ね返りがほとんどなく、心が折れそうなほど伸び悩んだ時期が続きました。
「なぜ売上を上げたいのか」という問い
小川:その状況は、どのように変わっていったのでしょうか?
杉浦さん:あるとき、知り合いを通じて出会った経営者の方から、こう問いかけられたんです。「そんなに売上を上げたいの?」「なぜ上げたいの?」、そして「逆に、なぜ上げたくないと思っているの?」と。
言われてみると、私は売上を上げたいと言いながら、明確な理由を持っていませんでした。世間体として、事業を伸ばすには売上が必要だ、という程度にしか考えられていなかったんです。突き詰めていくと、「結局、自分は何がしたいのか」「どう生きたいのか」というところに行き着きました。そこを見つめ直して言語化していったら、不思議といろいろな出会いや声が舞い込んできて、あれほど伸びなかった売上に、たくさんの仕事が入ってくるようになったんです。
お金へのマインドブロックを越えて
小川:自分を見つめ直していく中で、ほかに気づいたことはありましたか?
杉浦さん:お金を稼ぐこと自体へのマインドブロックが大きかったと気づきました。ガツガツ稼ぎにいくことへの抵抗感というか、どこか「お金は汚いもの」というイメージがあったんです。
自分自身が、さまざまな人にお金を払って騙されるような経験をしてきたからかもしれません。志や理念がないままだと、表面では「あなたの課題を解決します」と言っていても、本音の目的がお金になってしまう。そこが自分の中のハードルでした。だからこそ、志を軸に置くことの大切さを痛感したんです。
前職での挫折からみつけた「自分で生きていく力」

下から数えるほどの営業から、トップセールスへ
小川:そもそも、独立を志したきっかけはどのようなものだったのですか?
杉浦さん:きっかけはとてもシンプルで、生きていくために、自分の力で稼げるようになりたいと思ったことです。私は新卒で人材サービスの会社に入り、10年間勤めました。3年目でトップセールスになり、制作のディレクションも担当して、社内で何度か表彰も受けています。最初は営業成績が下から数えたほうが早いくらいでしたが、そこから伸びて、これからだというところまで来ていたんです。
順調なキャリアの途中で心が折れた
小川:順調にキャリアを重ねる中で、何が転機になったのでしょうか?
杉浦さん:あるとき、過去にクレームなどで取引が途絶えてしまった企業を、何百社と任されて開拓し直すミッションを担当することになりました。連絡が取れなくなった取引先に電話をかけ、飛び込みで訪ねていく。こちらに非がなくても怒られることもあり、精神的にもかなり負荷の大きいミッションでした。当初は1年だけと聞いていたので、その1年は覚悟を持って向き合っていたのですが、2年目も継続だと告げられたとき、心がポキッと折れてしまったんです。
休職して気づいた「自分の価値」
小川:その後、どのように立て直していったのですか?
杉浦さん:体にも不調が出ていて、妻から「さすがに休職したほうが良いんじゃない」と言われました。休むつもりはなかったのですが、病院へ行ったところ、うつ病と診断されました。
休んでいる間に気づいたのは、ある程度の規模の会社では、自分がいなくなっても変わらないということでした。大きな歯車の1つでしかない。もし転職するとなったとき、自分には何の価値があるのだろう、意外と生きていけないかもしれない、と痛感したんです。だからこそ、自分で生きていく力を身につけなければと危機感を持って、復職後に副業を探し始めました。
不動産投資の失敗からOEM事業へ
小川:最初から、今のような事業を手がけていたのですか?
杉浦さん:いえ、まったく違います。最初は不動産投資をやろうと思い、100万円ほどのコンサルティングを受けましたが、1円も稼げないまま終わってしまいました。実際に受けてみると、期待していたほど実践的な学びやサポートが得られず、このままさらに時間やお金を投じていくのは危ないと感じたんです。
その後、前職の仕事以外の時間でできることを探し、OEMの物販事業を始めました。これは今も当社の事業の1つとして続いています。ある程度稼げるようになってからは、その手法を教えるコンサルティングも手がけるようになりました。集客のためにSNSマーケティングやTikTokを学んだり、起業塾に入ったり。自分の事業を伸ばすために、足りない部分を外部から学び続けたんです。こうして事業への自己投資を重ねた結果、その累計は1,000万円ほどにのぼりました。
小川:借金をしてまで投資を続けるのは、簡単な決断ではなかったと思います。そこまでできた理由は何だったのでしょうか?
杉浦さん:変に頑固なところがあって、一度これと決めたことは、やり切るまで諦められない性格なんです。同期はみな辞めていきましたが、私はそこで10年勤めました。それに、仕事そのものが好きだったんです。OEMの物販と副業のコンサルティングをやりながらも、お金はないけれど生き生きできていました。その感覚が根底にあったから、続けてこられたのだと思います。。
「誰かの心に火をつける」という熱狂の源泉

影響を与えられたときに、一番のやりがいを感じる
小川:このメディアは「熱狂」がテーマなのですが、杉浦さんにとって仕事の面白さや熱狂はどこにありますか?
杉浦さん:これは明確で、誰かに影響を与えられたときに、一番やりがいを感じます。誰かの心に火をつけるような仕事をしたい。それが自分の生き方として大切にしている部分です。
OEMの物販は、基本的には1人で完結する事業です。もちろん事業としての面白さはありましたが、自分にとっては、そこで得た経験やノウハウを人に伝え、関わった人たちを支援していく過程に、より大きなやりがいを感じました。この停滞し続けた日本社会を動かしていくような優秀な経営者が、どんどんあふれていったら良い。そんなイメージを持っています。
仕事を楽しめない人を1人でも減らしたい
小川:「経営者を輩出する」というミッションには、どのような思いが込められているのでしょうか?
杉浦さん:前職で部下や周りの人をみていて、仕事を楽しめず、ただ生きるために働いている人が多いと感じていました。もっと仕事は面白いのに、ともったいなく思っていたんです。
一方で、その中から副業などに挑戦しようとする人が出てきても、知識や経験がまだ浅い段階につけ込まれ、せっかくの挑戦の芽を摘まれてしまうことがあります。休みの日まで頑張ろうとしている人の芽が摘まれてしまうのは、本当に良くない。
自分にも子どもがいるので、子どもが大きくなったときに、仕事は楽しくて素敵だと思える社会であってほしい。挑戦している人が一番大変な時期を乗り越え、社会のためになることをやってくれる。そういう人が増えれば、日本はもっと良くなるはずです。自分が苦しい経験をしてきたからこそ、ノウハウやテクニックだけでは抜け出せない人に、ブレイクスルーのきっかけを与えられると思っています。
一人で戦う孤独をなくすビジネスコミュニティ

つくる場がないなら自分でつくるしかない
小川:もう1つの事業であるビジネスコミュニティも、そういった思いから生まれたのでしょうか?
杉浦さん:そうですね。正直に言うと、ビジネスコミュニティは構造上あまり儲かりませんし、労力もかかります。それでもやっているのは、創業期の0→1は1人で戦っていても孤独で、たくさんの人脈が必要だからです。
志を持ち、頑張ろうとしている経営者一人ひとりが主役になって、挑戦する者同士が応援し合える。そんな場が世の中にないのなら、つくるしかないと思って始めました。
これから挑戦する経営者へ。経営は志がすべて

99%うまくいかない中で、最後にものを言うもの
小川:これから挑戦する経営者に向けて、メッセージをお願いします。
杉浦さん:私はいつも、経営は志がすべてだと言っています。経営はなかなかうまくいくものではなく、99%はうまくいかないことの連続だと思うんです。
その壁をどう乗り越えてブレイクスルーするかとなったとき、最後にものを言うのは、自分の信念から来る志です。どれだけ強い気持ちを持ち、日々の行動に熱量を注げるか。突き詰めれば、そこに尽きると思います。
だからこそ、ビジネスをやるなら志をしっかり持ってほしい。そして、その志を自分のためだけでなく、社会のために使ってほしいんです。日本はとても良い環境なのに、幸福度は低い。小さな影響でも良いから、世の中に与えていく。そんな気持ちで取り組む人が増えたら嬉しいですね。
心を震わせて生きる
小川:杉浦さんが、生き方として大切にされていることはありますか?
杉浦さん:私の結婚式で、司会者がこう言ってくれたんです。「人生は、どれだけ長く生きたかではない。どれだけ心を震わせられたかが大事だ」と。この言葉を、今でも仕事をするうえで大切にしています。
当たり前に日常があっても、明日どうなるかは分かりません。人生は長いようで短く、長く生きることさえ叶わない人もたくさんいます。でも、たとえ時間は限られていても、心を震わせるような生き方はできる。私はそういう人生を歩みたいし、出会う人たちにも、その考えが一人でも多く伝わったら嬉しいと思っています。
会社概要
| 会社名 | 株式会社アトラスパートナーズ |
| HP | https://atlas-partners.co.jp |
| 設立 | 2026年1月 |
| 事業内容 | ・経営コーチング ・ビジネスコミュニティ運営 ・OEM事業 |
| 採用情報 | https://note.com/atlas_saiyo |
※2026年5月14日時点の情報です。
