【代表者インタビュー】株式会社L by T 代表取締役社長 岡田 健史

経営支援×自社ブランドで描く、100年後の世界をリードするビジネスの形
メガベンチャー経営の最前線で培った20年の知見を武器に。コンサルティングとアスレジャーブランドの二刀流で挑む成長戦略
大手デジタルマーケティング企業に20年所属し、その中で経営の最前線に立ち、グループ執行役員や子会社COOを歴任してきた岡田 健史さん(以下、岡田さん)。今までのキャリアを通じて1,000社以上の支援先企業の成長を間近でみてきた経験から、「自分自身も事業をつくりたい」という思いが募り、2021年に株式会社L by Tを設立しました。
同社は、スタートアップから大手企業までの成長の過程で生じる課題に向き合い、その核心を見極めながら解決を支援するコンサルティング事業と、機能性とファッション性を両立するアスレジャーブランド「Engross」の2つを柱に展開しています。コンサルティング事業では、支援先の年商を30億円から120億円超へと押し上げた実績も。一方のEngrossは、海外で40〜50兆円規模に成長したアスレジャー市場を日本発で開拓するという挑戦です。
「100年後の世界をリードするビジネスを創造する」というミッションを掲げる岡田さんに、事業への思いとこれまでの歩みについて伺いました。
【プロフィール】

株式会社L by T
代表取締役社長 岡田 健史
趣味
旅行、食べ歩き、筋トレ
座右の銘
為せば成る
尊敬する人
柳井 正さん、佐藤 光紀さん
学生が読むべき本
「夢をかなえるゾウ」水野 敬也、「ゼロ」堀江 貴文
経営者におすすめの本
「ビジョナリー・カンパニー」ジム・コリンズ、「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」アンドリュー・S・グローブ
人生で一番熱狂したこと
L by T創業・Engross立ち上げ/40代での独立という挑戦そのものが「今まさに熱狂中」
経営視点で課題の核心を突く。戦略立案から実行まで一気通貫のコンサルティング

スタートアップから大手まで、成長の「詰まり」を解きほぐすパートナー
小川:御社の事業について教えてください。
岡田さん:当社は大きく2つの事業を展開しています。1つ目はコンサルティング事業です。スタートアップから大手まで、企業が成長する過程で直面する課題を捉え、そのセンターピンを特定して解決するパートナーとして支援を行っています。
具体的な領域は、新規事業開発、マーケティング、営業、組織開発と幅広く、戦略立案から実行・改善まで一気通貫で伴走する形をとっています。解決している課題としては、戦略の勝ち筋が描けていない、投資家の期待する時間軸で事業を伸ばせていない、事業開発のリソースが不足しているといった、成長企業が直面しやすいポイントが中心です。
外野からの指示出しではなく、当事者として中に入り込み、泥臭く一緒に走り抜く
小川:コンサルティング事業の強みについて教えていただけますか?
岡田さん:強みは3つあると考えています。1つ目は、経営的なアプローチで企業固有の課題を掘り下げ、センターピンを特定できることです。私自身も含め、メンバーは経営に近いレイヤーで仕事をしてきた人間が多いため、何が足りていないのか、どこを改善すべきかを経営的な観点から探り当てるスキルセットを持っています。
2つ目は、マーケターが多く在籍していることで、フルファネルで統合したマーケティングを設計し、実行まで落とし込める点です。広告やSNS、SEOといった個別施策のお手伝いはもちろん、より上流のブランディングや認知戦略の設計から対応できます。
3つ目は、大企業から上場前のスタートアップ、創業間もない企業まで、さまざまな成長ステージのクライアントに対して、組織化や拡大も含めた現実的な打ち手を提示できることです。
コンサルティングというと、外から綺麗な戦略を描いて指示を出すだけのイメージを持たれることもあります。しかし当社は、方向性を示すにとどまらず、クライアントの組織の中に入り込んで課題を一緒に解決していく「伴走型」のスタイルが特徴です。「外部に頼んでいる感覚がない」「社内のチームとして一緒に動いてくれる」――そうした声をいただけることが、当社の強みだと感じています。
年商30億円から120億円超へ。構造改革で成長を実現したコンサルティングの真価

戦略なき成長を、再現性のある成長へ変える
小川:コンサルティング事業での具体的な成功事例を教えていただけますか?
岡田さん:代表的な事例の1つが、あるBtoCの女性向け商材を扱うメーカー様への支援です。このクライアントとは会社設立前から個人的に関わっており、6〜7年にわたるお付き合いになります。
当時の年商は約30億円で、主要商材は業界内でもトップポジションにいました。しかし、成長市場に競合が相次いで参入し、新規ユーザの獲得効率が悪化していたことに加え、1つの獲得チャネルに依存した構造で経営的に不安定な状態でした。端的に言えば、勢いで30億円までつくってきたものの、中長期の成長戦略が描けていなかったのです。
そこで私が入り、まず中長期の戦略策定に取り組みました。自社の業界内におけるUSP(Unique Selling Proposition:独自の強み)を整理し、ターゲットの解像度を上げてカスタマージャーニーを設計。コミュニケーションプランニングからクリエイティブメッセージまで落とし込みました。
次に、月間1億円以上の広告出稿に対してパートナーのサポートが十分でなかったため、コンペやオリエンシートの作成を通じてパートナーの見直しを行いました。さらに、事業会社側のマーケターがまだ若く、外部パートナーに対して対等に意見を言える状態ではありませんでした。そこで、社内マーケターの育成にも注力をしました。その結果、6〜7年を経て売上は120億〜130億円規模にまで成長しています。当時のメンバーの中には役員クラスに昇格した方もおり、業界でもレベルの高いマーケター集団に育ったと感じています。
日常とスポーツの境界を超える。アスレジャーブランド「Engross」の挑戦

トレーニング後、そのまま出かけられるウェアを
小川:もう1つの事業であるアパレルブランド「Engross」について教えてください。
岡田さん:アスレジャーファッションブランド「Engross(エングロス)」を展開しています。運動するときの機能性を備えながら、日常のファッションとしてもおしゃれに着られる二面性を両立するブランドです。特に30代から40代の男性をターゲットに、ラグジュアリー領域での高品質なアクティブウェアという位置づけで提供しています。
機能面では、伸縮性に優れた生地選びや接触冷感、汗の速乾性を取り入れるなど、トレーニング後に着替えなくてもそのまま日常を過ごせる設計にこだわっています。ファッション面でもシルエットのつくり込みやジッパー・金具の選定など、細部まで追求しています。
日本国内の工場で生産し、生地も国内から厳選して調達しています。Tシャツが1万5,000円弱、パーカーとロングパンツのセットアップで5万円程度と、ハイブランドほどではないものの、品質に見合った価格帯で展開しています。
海外で20兆円超の市場を、日本発で開拓したい
小川:どのような思いでこのブランドを立ち上げられたのですか?
岡田さん:理由はいくつかありますが、まず大きいのはアスレジャー市場のポテンシャルです。海外、特に北米ではアスレジャーの市場規模が40〜50兆円に達しており、日本でも推定3〜4兆円の市場があると言われています。コロナ禍以降、アパレルに求められる要素が変化し、ジムと日常がシームレスにつながるライフスタイルが広がっています。このアスレジャーというカルチャーを日本発で確立していきたいと考えました。
もう1つは、これまでのキャリアが支援側に偏っていたことへの思いです。前職の広告代理店や起業後のコンサルティング事業を通じてさまざまな企業を支援してきましたが、自分たちでも事業をつくりたいという気持ちがありました。手触り感のある、直接ユーザーに届けられるBtoCのビジネスをやろうと考えたとき、好きなアパレルとスポーツを掛け合わせた形が自然と浮かびました。それが「Engross」の原点です。
父の事業失敗と学生時代の悔しさ。仕事への原動力を生んだ2つの原体験

ビジネスの世界で力を証明したいという反骨心
小川:仕事への原動力は、どのようなところにあるのでしょうか?
岡田さん:根底にはどこか劣等感のようなものがあるのかもしれません。1つは、父が起業して失敗し、自己破産に至った経験です。大学時代の途中からは経済的に苦労した時期もありました。父がビジネスでそうした経験をしたからこそ、自分は仕事で成果を出したいという思いが強くなりました。
もう1つは、大学時代にイベントの企画運営をしていたときの経験です。スポンサー企業と関わる場面で、学生という立場から子ども扱いされ、悔しい思いをしたことがありました。自分のビジネス戦闘力はまだまだ足りない、もっと頑張って圧倒的な力をつけなければ社会では通用しないだろうという実感を得て、社会人になるタイミングで一気にアクセルを踏むことができたのだと思います。
セプテーニでの20年。成長し続けた先にみえた新たな挑戦

就職氷河期の偶然の出会いから始まったキャリア
小川:新卒で入社されたセプテーニでのキャリアについて教えてください。
岡田さん:大学を卒業して営業職でセプテーニに入社しました。就職氷河期だったこともあり苦労した就職活動でしたが、振り返ればセプテーニとの出会いは縁だったと感じています。実は一度選考で落ちているのですが、就職活動の終盤でもう一度募集が出ているのをみつけ、電話をして再挑戦させてもらいました。
入社後は営業からスタートし、金融特化の合弁会社の立ち上げに参画したり、広告運用やメディアバイイング、マーケティングなど、広告代理店のバリューチェーンを一通り経験しました。30代前半で最も売上が大きい主要事業の執行役員となり、その後取締役に就任、子会社の立ち上げにも携わるなど、20年間でさまざまなチャレンジの機会をいただきました。
後半の4年間は、マンガやアニメのコンテンツプラットフォームを展開するグループ会社でCOOとして経営全般を統括しました。
組織が大きくなるほど感じた、自分の本質的価値への問い
小川:20年間在籍されたセプテーニを離れ、独立を決断された背景を教えてください。
岡田さん:組織が大きくなることは喜ばしいことですが、同時にジレンマも生まれます。社内の調整にリソースを割かなければならず、本来、顧客や市場という「外」に向けたい熱量を「内部」に消費してしまう感覚がありました。「自分の本質的な価値を、本当に100%発揮しきれているのだろうか」。そう自問自答したとき、会社の看板を外し、もう一度「個」として市場という荒波に立ちたいと思いました。顧客と血の通った関係を築きながら本質的な成長を創り出したい。そう考えたことが、独立のきっかけです。
支援先の成長と、メンバーの覚醒。限界を突破した瞬間こそが最高の「熱狂」

想定を超える成果が出たとき、この仕事をしていて良かったと思う
小川:これまでのお仕事の中で、最も熱狂した瞬間はどのようなときでしたか?
岡田さん:1つは、支援先の企業が成長角度をグッと上げて輝いていく瞬間を支えられたときです。お客様から評価していただけることは、大きなやりがいにつながっています。
もう1つは、一緒に働いてきたメンバーが想定以上の成果を出してくれたときです。前職では累計で数千人、直属の部下だけでも500人ほどのメンバーと仕事をしてきました。
自分1人の成果には限界がありますが、メンバーそれぞれが力を発揮して、期待値をはるかに超える結果を出してくれたときの喜びは格別です。当時のメンバーが今、別の会社で活躍していたり、前職で昇格していたりする姿をみると、あの熱狂の時代を一緒につくってきた戦友として、心から誇りに思います。
最後は自分がやり切るという覚悟「ラストマン」の意識を持つ人と、まだ見ぬ未来をつくりたい

最後は自分がやり切るという覚悟を
小川:これから入社する方に求めることは何ですか?
岡田さん:私が大切にしている言葉に「ラストマン」があります。最後に自分しかいないとなったら、自分で考え、自分で決断するしかありません。事業が急成長するほど、上司に正解を求めるのではなく、自ら答えをつくり出し、やり切らなければならない場面が増えていきます。間違っても良いし、転んでも構わない。ただ、最終的に自分が責任を持って這い上がり、やり抜くという覚悟を持った熱い方と一緒に働きたいですね。
日本発のアスレジャーブランドを世界へ。売上100億円規模の企業を見据える。
小川:今後の展望について教えてください。
岡田さん:コンサルティング事業においては、「100年後の世界をリードするビジネスを輩出する」というミッションの実現を目指しています。当社の支援先がグローバルに進出し、ユニコーン企業へと成長していく。そのような存在を輩出していきたいと考えています。
Engrossのアパレル事業に関しては、日本発でアスレジャーブランド・アスレジャーカルチャーを確立することが当面の目標です。その先には、アジアや世界への進出も見据えています。
会社全体としては、1つの通過点として、売上100億円、営業利益で数十億円規模の企業を目指しています。上場やM&Aなど形はまだ決まっていませんが、かつてメガベンチャーを牽引し、その景色をみた経験があるからこそ、自分の会社でもう一度その高みへ、いや、それ以上のステージへと到達したいという思いがあります。
会社概要
| 会社名 | 株式会社L by T |
| HP | https://lbyt.co.jp |
| 設立 | 2021年3月 |
| 事業内容 | ・コンサルティング事業 ・スポーツアパレル事業 ・店舗開発プロデュース事業 |
※2026年3月23日時点の情報です。
