【代表者インタビュー】株式会社SILVER CORD 代表取締役社長 秋山 領祐

調理師からデジタルマーケティングの道へ。異色の経歴が生んだ「戦略から実行まで一気通貫のフルファネル伴走」支援
ゴールから逆算し、事業の全体像を変えていく。経営課題に寄り添うデジタルマーケティングの伴走者
デジタルマーケティングの支援を謳う会社は数多くある。しかし、SNS運用・サイト制作・SEO/AIO対策・広告運用といった個別施策にとどまらず、事業戦略やビジネスモデルの設計から関わり、経営課題そのものに向き合う会社はどれほどあるだろうか。
株式会社SILVER CORD代表取締役社長の秋山 領祐さん(以下、秋山さん)は、調理師学校を経てフレンチレストランで修行した後、デジタルマーケティングの世界へ転身。負債総額360億円規模の更生会社におけるWeb組織立ち上げを起点に、、複数の事業会社で経営に直結するマーケティング戦略の設計と実行を手がけてきた人物です。
19年にわたるキャリアの中で秋山さんが一貫して大切にしてきたのは、「ゴールから逆算して、今本当に必要なことを見極める」という姿勢でした。2024年に独立し、立ち上げたSILVER CORDでは、「パートナー型マーケティングチーム」として企業の事業成長に伴走しています。地方創生やAI活用にも強い関心を持つ秋山さんに、事業への思いと今後の展望を伺いました。
【プロフィール】

株式会社SILVER CORD
代表取締役社長 秋山 領祐
趣味
子育て、散歩
座右の銘
和敬静寂
尊敬する人
両親、孫 正義
学生が読むべき本
「7つの習慣」スティーブン・R・コヴィー、「思考は現実化する」ナポレオン・ヒル、「解像度を上げる」馬田 隆明
経営者におすすめの本
「論語と算盤」渋沢 栄一、「戦略コンサルのトップ5%だけに見えている世界」金光 隆志、「キーエンス笠性弱説経営」高杉 康成、「最高の結果を出すKPIマネジメント」中尾 隆一、「財務3表一体理解法」國貞 克則、「ベンチャーの作法」高野 秀敏、「まだ世にない、新しい価値を創造する。「ゼロイチ」の挑戦 vol.2」リスナーズ株式会社
人生で一番熱狂したこと
子どもたちの成長に触れたとき
事業戦略の上流から入り込む。点ではなく全体を俯瞰するデジタルマーケティング支援

経営課題から逆算して「今やるべきこと」を見極める
小川:まずは御社の事業について教えてください。
秋山さん:当社はデジタルマーケティングの伴走支援を行っている会社です。デジタルマーケティングと言っても領域は非常に広いのですが、私自身がもともと事業会社の中で経営課題から逆算して施策を考えてきた人間なので、SNSマーケティングやSEO/AIO対策、Web制作といった個別施策ではなく、事業の課題を解決するために何をすべきかという上流の部分から一緒に取り組む姿勢を大切にしています。
事業会社の中に入り込み、ビジネスモデルに合致する形でマーケティング戦略を組み立て、現場のオペレーションとして機能する流れをつくっていく。それが私たちのアプローチです。
上流の戦略設計から実行までを一気通貫で支援
小川:事業会社の中に入り込んで支援されるというのは、一般的なマーケティング会社とはかなりアプローチが違いますね。具体的な事例があれば教えていただけますか?
秋山さん:たとえば、松本にある数寄屋建築の技術を持つ工務店のケースがあります。高い技術力を持った職人がいるにもかかわらず、一般的な工務店と同じ仕事をしてしまっている状態でした。そこで、世界に向けたブランドをつくっていこうという提案から一緒に取り組んでいます。
また、経営が厳しい状態にある会社に対して、デジタルマーケティングだけではなく事業モデルそのものを一緒に設計し直すような支援も行っています。単にマーケティング施策を実行するだけでなく、事業戦略やコンサルティングの領域から入り、収益改善の施策の実行まで一気通貫でサポートしていくのが当社の特徴です。
調理師からの転身。3社の事業会社で培った「全体を俯瞰する力」

フレンチの修行からデジタルマーケティングの世界へ
小川:事業戦略の上流からここまで深く入れるというのは、秋山さんご自身の経験が大きいのだと思います。どのようなご経歴でこの道に至ったのでしょうか?
秋山さん:実は最初に通ったのは調理師学校でした。家業が旅館業だったこともあり、調理師の道に進んだのです。その後、フレンチレストランで修行していましたが、第一子を授かったことをきっかけに、別の道を考え始めました。
旅館のホームページを自分でつくっていた経験があったので、デジタルマーケティングの世界に飛び込むことを決意し、Webコンサルタントとして転身しました。
更生会社に飛び込み、Webチームをゼロから構築
小川:調理師からWebコンサルタントへという転身だけでも驚きですが、そこからさらにキャリアを広げていかれたのですね。
秋山さん:Webコンサルタントとして約3年働く中で、事業会社には「やったほうが良いと分かっているのにできない」現実があることに気づきました。なぜできないのかを知りたくて、あえて経営が厳しい更生会社に飛び込んだのです。
会社更生法が適用された会社ですから、すでに多くの人材が離れており、資金も限られている。しかし本当に事業成長に必要なものであれば提案を受け入れてもらえる環境でもありました。そこでWebチームをゼロから立ち上げ、宿泊事業を主軸に売上を数十億単位で大きく伸ばしていきました。
この更生会社での経験が、個別施策ではなく全体を俯瞰してビジネスモデルと紐づくマーケティング戦略を組み立てるという、今の自分のスタイルの原点になっています。
事業フェーズの異なる企業を渡り歩いてみえた共通課題
小川:更生会社での経験がスタイルの原点になったということですが、その後もさまざまな企業で経験を積まれたのですか?
秋山さん:その後は実績を買われる形で、SaaS系の教育企業ではプロダクト開発にも携わり、さらにプライム上場企業ではリブランディングからコーポレートサイト、オウンドメディア、コンテンツマーケティングまで一気通貫でマーケティングの環境を整えました。
合計で3社の事業会社を渡り歩きましたが、規模や事業フェーズは違っても、根本的な悩みは共通していると感じました。「戦略が描けない」「描けても実行する手がない」、あるいはその両方。この3つのどれかに集約されるのです。
現場で働く人にもっと成果を届けたい。独立を決意した思い

19年の経験を活かし、事業会社にフィットする支援を
小川:そうした共通課題を多くの現場でみてこられた中で、独立を意識するようになったきっかけは何だったのでしょうか?
秋山さん:さまざまな事業フェーズの企業を経験してきたので、それぞれの状況に合った施策を、戦略立案から実行まで一気通貫で支援したいという思いが強くなっていきました。デジタルマーケティングの領域は広く深くなっており、ビジネスモデルや会社の方向性にヒットする内容を、戦略も踏まえて実行まで一気通貫で行える人は少ないと感じていたことも大きいです。
直近のテーマであれば、AIエージェントの活用が非常にわかりやすい事例です。単純にツールを導入するだけであれば比較的容易ですが、AIエージェントに業務処理を自動で担わせる場合には、セキュアな環境整備や運用ルールの設計を行いながら、目的から逆算して収支改善につながる形で構築する必要があります。実際に海外では、APIキーの流出による情報漏洩事件も起きています。
一方で、こうした設計を担当者様だけで推進する場合、意思決定や実装までに時間を要するケースも少なくありません。このような場面においてこそ、外部パートナーとして伴走しながら、新たなビジネスチャンスを共に創出したいのです。
何より、現場で働く人にもっと成果を手にしてほしいという思いが強くありました。約19年間この領域に携わってきた経験を活かし、自分の手で価値を届けようと考えたことが、独立の大きな理由です。
想定以上の成果が出た瞬間に感じる喜び。ネガティブだからこそ人一倍頑張れる

お客様の成長が自分にとって最大の熱狂
小川:秋山さんがお仕事の中で一番熱狂を感じるのは、どのようなときですか?
秋山さん:関わったお客様に想定以上の成果が出たときです。一番つらいのは、結果がまだ出ない耐える時期だと思います。しかしその先で反響が出て、売上が伸び、組織が大きくなり、さらにご担当者が昇進するようなキャリアアップにつながったという話を聞くと、何よりも嬉しいですね。
理想の未来を信じているから、過渡期を乗り越えられる
小川:成果が出るまでの「耐える時期」というお話がありましたが、そうした大変な時期を乗り越えられる原動力は何なのでしょうか?
秋山さん:お客様には最初の段階で、解像度高く「こういう戦略が描けるのではないか」というお話をしています。ですから、それが実現した未来は必ず良い方向に向かうと信じているのです。
今がつらい時期であっても、それはゴールに向かう途中の通過点に過ぎない。「この先にはもっと良い未来が待っている」と自分自身が思えるからこそ、踏ん張ることができます。
小川:お話を聞いていると非常にポジティブな印象を受けますが、もともと前向きな性格だったのですか?
秋山さん:実はかなりネガティブな性格です。自分より優秀な人はたくさんいると思っているからこそ、人よりもっと頑張ろうという気持ちが生まれます。その結果としてお客様に価値を提供でき、描いた未来を実現できたときに報われる。その積み重ねが原動力になっています。
地方創生とAI活用。2つの軸で広がる事業の可能性

地方企業が抱える「新しい一歩を踏み出せない」という課題
小川:ネガティブだからこそ頑張れるというのは意外でもあり、すごく納得もできます。今後、会社として特に力を入れていきたい領域はありますか?
秋山さん:2つの軸があります。1つはマーケティング全般に幅広く関われることと、お客様のビジネスモデルに合致した施策を実行していくというAI経営全般に関わる支援です。
もう1つは、地方創生に強い関心があります。デジタルマーケティングの仕事は首都圏に集中しがちですが、地方の企業にこそ力を発揮すべきだと考えています。特に製造業を中心に、コロナ禍で大手からの受注が突然止まり、新規事業をつくりたくても自社の技術をどう商品化し、どうプロモーションすれば良いか分からない。そうした企業が一歩を踏み出せるよう、伴走していきたいと考えています。
AI経営が当たり前になる時代に備えて
小川:地方創生ともう1つの軸として、AIの活用にも力を入れていきたいとのことですが、具体的にはどのような取り組みをされていますか?
秋山さん:AIの時代は、私がデジタルマーケティングの世界に入った頃の状況と非常に似ていると感じています。今このタイミングでAIを学び始めれば、新人であっても経営者と対等に話ができます。しかし、AIの専門性だけを持った人ではなく、企業のビジネスの背景を理解したうえで「こういう活用ができる」と提案できる人材のほうが重宝されると考えています。
現在は、マーケティングのフロー全体にAIを組み込む実験をパートナー企業と進めています。たとえば、基幹データをAIにセキュアな環境で読み込ませ、改善のヒントを見出すような使い方です。今すぐ完璧にはできなくても、少しずつ環境を整えていくことが、少子高齢化の時代における生産性向上には不可欠だと考えています。
「想像を具現化する」。価値観を共有できる仲間と歩みたい

思いの一致が何よりも大切な採用基準
小川:今後は社員の方を増やしていく予定もあると伺いました。これから一緒に働く方に、一番求めていることは何ですか?
秋山さん:一番は、大事にしたい価値観が一致しているかどうかです。ここがずれると、お互いに不幸になってしまいます。
具体的には、地方創生への共感や、お客様に対して誠実であること、そして「当たり前を当たり前以上にやる」というマインドです。中小企業では、当たり前のことを当たり前にやること自体が難しい現実があります。その中で、自ら道をつくり、未来を切り拓いていこうという姿勢を持った人と一緒に働きたいと考えています。そして、一緒に働く仲間がしっかりと報われる環境をつくっていくことも、経営者としての大切な責任だと思っています。
ゴールから逆算し、お客様にとって本質的な提案を
小川:価値観の一致を大切にされているのですね。その価値観の根底にある、お客様と接するうえで大切にされていることについても聞かせてください。
秋山さん:目標を共有することです。ここがぶれると、自己満足で終わってしまいかねません。ご担当者はもちろん、その上長や社長など、すべてのレイヤーに対して意識を合わせながら、その会社にとって意味のある活動に自分が向き合えているかを常に確認しています。
当社が大切にしているのは、「想像を具現化する」ということです。思っているだけで終わるのではなく、良いと信じることを現実に変えていく。たとえお客様が「AIをやりたい」とおっしゃっても、本質的にはチラシのほうが効果的かもしれない。固定観念にとらわれず、ゴールから逆算してお客様にとって本当に必要なことを提案する。その姿勢を貫いていきたいと思っています。
AI経営の時代に向けて。「人が未来をつくる」という信念を胸に

共創の精神で企業の事業成長に寄り添い続ける
小川:最後に、今後の展望について聞かせてください。秋山さんが描いている未来のビジョンとは、どのようなものですか?
秋山さん:近い将来、AI経営は当たり前になると思います。しかし、すぐに実現できる企業は多くありません。AI人材が育っていない、データの整備ができていない、セキュアな環境が整っていないなど、課題は山積しています。
少子高齢化で人が減っていく時代だからこそ、生産性を上げるための基盤づくりは避けて通れません。マーケティングという枠にとどまらず、AI経営の文脈から企業をサポートできる存在になっていきたいと考えています。
改めて感じるのは、AIが進化しても未来をつくるのは人だということです。テクニックだけではなく、「何のためにやるのか、どうやって実現するのか、誰と実現するのか」を大切にしながら、お客様と共に未来をつくっていく。その共創の精神をこれからも大事にしていきたいと思います。
会社概要
| 会社名 | 株式会社SILVER CORD |
| 設立 | 2024年1月 |
| 事業内容 | デジタルマーケティング支援 |
※2026年3月25日時点の情報です。
