20代女性はスキルなしでも転職できる?統計で見る現実と会社の見極め方

スキルに自信がない20代女性でも、転職はできます。中途採用の選考で最も重視されているのは、経歴よりも仕事への意欲です。
よく「20代後半ではもう遅い」と言われます。ところが女性の転職入職率は20代前半より25〜29歳のほうが高く、20代でいちばん動いているのは後半の層なのです。
この記事では、20代女性の転職を統計で確かめたうえで、職種の選び方や産休・育休の実績を入社前に調べる手順、学び直しの費用を抑える制度まで整理します。
「スキルがない」という一言で選択肢を狭めてしまう前に、いまの経験がどの求人で通用するのかを外から見てもらう手があります。転職のプロへの相談だけなら費用はかかりません。
スキルなしの20代女性の転職を、統計で見るとどうなっているか
まず、同世代がどれだけ動いていて、動いた結果どうなっているかを数字で押さえます。
- 女性の転職入職率は25〜29歳が20代のピークで16.8%
- 20代の転職者は、賃金が減った人より増えた人のほうが多い
- 前職を辞めた理由の上位は労働条件と人間関係で、スキル不足ではない
動いているのは20代前半より、むしろ20代後半
令和6年の転職入職率は、女性が20〜24歳で14.3%、25〜29歳で16.8%でした。 厚生労働省の雇用動向調査(令和6年/常用労働者5人以上の事業所が対象)による数字で、男性の同じ年齢階級(13.4%、15.1%)を上回っています。「20代後半になったらもう遅い」という言い方をよく見かけますが、20代のなかで最も動いているのは25〜29歳の層。少なくとも「後半は例外的」という前提は成り立ちません。


転職した人の賃金は、増えた人のほうが多い
令和6年に転職した人のうち、賃金が「増加」したのは20〜24歳で50.5%、25〜29歳で46.3%です。 うち1割以上増えたのは、それぞれ38.5%と37.9%。この集計は男女計のため女性だけを取り出した割合ではありませんが、20代の転職が一律に条件を下げる動きではないことは読み取れるでしょう。
前職を辞めた理由は「スキル不足」ではない
25〜29歳の女性が前職を辞めた理由は、「その他の個人的理由」22.3%を除くと、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」15.2%と「職場の人間関係が好ましくなかった」14.0%が上位でした。 20〜24歳の女性では労働条件が13.6%、人間関係が9.8%。辞める理由の上位に、能力や経験に関する項目は並んでいません。


なお総務省統計局の労働力調査(詳細集計・2025年平均)では、女性の転職者数174万人に対し、転職等希望者数は509万人。転職等希望者は、転職を希望する人と、いまの仕事を続けながら別の仕事もしたいと考える追加就業希望者を合わせた数です。定義の違う2つの数字なので割り算で比べることはできませんが、仕事を変えたい・増やしたいと考えている女性の数は、過去1年間に実際に移った女性の数を大きく上回っています。
参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況 転職入職者の状況」
参考:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果」
採用する側が20代の中途採用で見ている項目
「スキルがないと選考に通らない」という不安は、採用側の調査を見ると少し形が変わります。
- 中途採用で最も重視されているのは職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神
- 職業経験は4割台、学歴・経歴は2割台にとどまる
- 「スキルがない」の正体は、言葉になっていない経験であることが多い
職業経験より、姿勢と伝え方のほうが見られている
厚生労働省の令和5年若年者雇用実態調査(令和5年10月1日現在/全国16大産業の常用労働者5人以上の事業所、有効回答7,867事業所)は、若年正社員の採用選考で重視した点を集計しています。中途採用者についての結果が次の表です。
| 採用選考にあたり重視した点 | 重視した事業所の割合 |
|---|---|
| 職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神 | 72.7% |
| コミュニケーション能力 | 66.9% |
| 業務に役立つ職業経験・訓練経験 | 42.3% |
※割合は、該当する若年正社員の採用選考をした事業所を100とした値です(複数回答)。
上位に並ぶのは、職務経験そのものではなく仕事への向き合い方と伝え方に関わる項目です。 同じ調査で「業務に役立つ専門知識や技能」は34.8%、「学歴・経歴」は23.1%にとどまり、首位の72.7%との開きは3倍を超えます。もっとも、これを「経験は要らない」と読むのは行き過ぎでしょう。新規学卒者では職業経験を重視した事業所が14.7%まで下がり、中途採用の42.3%との差は大きいまま。経験は見られているものの、それだけで決まってはいないというのが数字の示すところです。


「スキルがない」ではなく「言葉になっていない」だけかもしれない
正直なところ、私たちも自分の仕事を短く説明しようとすると毎回つまずきます。経験の有無より、思い出す順番と並べ方の問題であることが多いのです。
社会人として1年でも働いていれば、業務で使った手順や自分なりの判断を、書き出せる材料として拾えることは多いものです。 「電話対応をしていた」で止めるか、「一次対応を担当し、担当者への引き継ぎ手順を自分で作った」まで書くかで、伝わる情報量は変わります。転職活動を始める前に、職務経歴書を1枚書いてみてください。日付順に業務を並べ、それぞれ「誰のために」「何を」「どうやって」を埋めると材料が出てきます。書き出しに詰まったら、自己PRが思いつかない人へ|エピソード探し方と書き方も参考にしてください。
未経験を採る会社が、入社後の育成に何を用意しているか
未経験の採用は「やる気を買う」話に見えがちですが、実際に成り立たせている会社は入社後の仕組みのほうを先に用意しています。
- 未経験の採用が続く会社には、働きながら技能を身につける仕組みがある
- 学べる仕組みと、ライフステージに合わせて働き方を変えられるかは別の論点
- 選考で重視される項目は、経歴の厚みだけに寄っていない
経営者への取材を重ねていると、「未経験の何を用意して採っているのか」は会社ごとにまるで違うと感じます。実際に採用している側の言葉を並べてみます。
デジタル人材の育成と派遣を手がけるコクー株式会社の代表取締役CEO 入江雄介氏によれば、同社は社員の9割がデジタル未経験者で、83%が女性という構成です。その構成を支えている仕組みを、こう説明しています。
同社の場合、未経験者が9割を占めても回るのは、採用時点の技能ではなく、入社後に技能を身につける仕組みのほうを会社が用意しているからです。 語られているのは学ぶ仕組みと働き方の2つで、片方だけでは続きません。応募先を見るときも、研修の有無と、勤務時間や勤務地を変えられるかを分けて確かめると、比べやすくなります。
人材紹介事業を手がける株式会社Branding Careerの代表取締役CEO 佐地良太氏は、選考で見られるものをこう話します。
若年者雇用実態調査は書類選考と面接を分けて集計していないため、この発言をそのまま裏づける数字はありません。ただ同じ調査で、業務に役立つ職業経験(42.3%)よりコミュニケーション能力(66.9%)を挙げた事業所が多かったことは、選考の重心が経歴だけに置かれていないことを示しています。
「事務職しかない」と決める前に見ておきたい選択肢
未経験からの転職先として、事務職は候補に挙がりやすい職種です。ただ選択肢はそこだけではなく、20代でどの仕事を選ぶかは、その後の収入の伸び方にも関わります。
- 一般事務の有効求人倍率は職業計を大きく下回り、応募が集中している
- 営業や販売サービスは、前職の日常業務を実績として書きやすい
- ITやWeb、医療・介護のほか、製造や施工管理、運輸にも未経験枠がある
事務は人気が集中しやすいことを織り込んでおく
事務職は勤務時間が読みやすく、未経験からの応募を受け付ける求人も一定数あります。その分、同じ理由で応募が集まりやすい職種でもあるのです。厚生労働省の一般職業紹介状況(職業安定業務統計)では、令和8年3月時点の有効求人倍率が職業計1.10倍だったのに対し、一般事務の職業は0.37倍でした(常用・パートを含む)。 事務的職業の全体で見ても0.44倍にとどまり、求人の数を求職者の数が上回っている状態です。


事務を志望すること自体に問題はありませんが、そこだけに絞ると応募先の母数が小さくなります。マイナビ転職やリクナビNEXTといった求人サイトで職種の条件を外して検索し、転職エージェントには「事務以外で、いまの経験が活かせる職種」も出してもらうと、比較できる求人の数が変わります。
未経験枠は、育成の中身を確かめてから判断する
接客や販売の経験がある人にとって、営業職は書類に書ける材料が多い移り先です。担当した客数、リピート率、店舗の売上への貢献など、前職の日常業務がそのまま実績の記述になります。中途採用の選考ではコミュニケーション能力を重視した事業所が66.9%で2位に入っており、接客で積んだ対人経験は、この項目に引きつけて説明できる材料になります。
IT関連職や医療事務、介護のほか、製造や施工管理、運輸の分野にも未経験からの枠があります。ただし「未経験歓迎」という言葉の中身は会社によって大きく違います。 研修が3か月あると書かれていても、修了後にどんな仕事が用意されているかまでは求人票から読み取れません。研修の期間、修了後に任される業務、独り立ちまでの目安期間の3点を面接で聞き、返ってくる答えの具体度で比べてみてください。
20代で選ぶ職種は、その後の賃金の傾きにも関わる
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(令和7年6月分の所定内給与額/概況が集計対象とする常用労働者10人以上の民営事業所の一般労働者)による女性の賃金は次のとおりです。
| 年齢階級 | 女性の所定内給与額 |
|---|---|
| 20〜24歳 | 239.6千円 |
| 25〜29歳 | 268.8千円 |
| 45〜49歳・55〜59歳(ピーク) | 305.7千円 |
| 年齢計 | 285.9千円 |
20〜24歳を100とすると、女性のピークは127.6です。 男性はピークが55〜59歳の445.6千円で、同じ指数は181.4。女性のほうが賃金の上昇が緩やかであることが統計に表れています。この差は職種や勤続年数など複数の要因が重なった結果ですが、20代の時点で「この仕事は何年目にどこまで任されるのか」を面接で確かめておくと、選ぶときの材料が増えます。


参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について」
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」
産休・育休の実績は、入社前に制度で調べられる
「結婚や出産のあとも働き続けられるか」は、面接で聞きにくいと感じられがちな論点です。実際には、企業が公表している情報や国の認定制度から、応募前に相当のことが分かります。ライフイベントの予定があるかどうかにかかわらず、ここで公表されている数字は「人が辞めずに働き続けられている会社か」を測る指標として読めます。
- 2026年4月から、101人以上の企業に男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務づけられた
- 公表項目には男女別の育児休業取得率が含まれる
- えるぼし認定は、満たした評価項目の数で段階が分かれる
- 2025年10月から、3歳〜就学前の子を育てる社員への柔軟な働き方の措置が事業主の義務になった
女性活躍推進法の情報公表で、賃金差異と女性管理職比率が分かる
女性活躍推進法等を改正する法律が令和7年6月11日に公布され、2026年4月1日から施行されています。この改正で、これまで301人以上の企業に義務づけられていた男女間賃金差異の公表義務が101人以上の企業に拡大し、女性管理職比率の公表も101人以上の企業に新たに義務づけられました。 100人以下の企業では努力義務です。
| 企業規模 | 必ず公表する項目 | 加えて公表する項目数 |
|---|---|---|
| 101〜300人 | 男女間賃金差異・女性管理職比率 | 1項目以上 |
| 301人以上 | 男女間賃金差異・女性管理職比率 | 2項目以上 |
男女間賃金差異は「男性労働者の賃金の平均に対する女性労働者の賃金の平均」を割合で示すもので、全労働者・正規雇用労働者・非正規雇用労働者の区分での公表が必要です。加えて選ぶ項目には、男女の平均継続勤務年数の差異、男女別の育児休業取得率、有給休暇取得率、労働者の一月当たりの平均残業時間などがあります。産休・育休が実際に取られているかを知りたいなら、この「男女別の育児休業取得率」が直接の手がかりです。
厚生労働省のリーフレットには、情報公表の範囲そのものが女性活躍に対する姿勢を表すものとして求職者の企業選択の要素となる、という趣旨が明記されています。公表内容は各社の採用サイトのほか、厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースでも確認できます。
えるぼし認定とくるみん認定は、どの項目を満たしたかまで見る
えるぼし認定は、女性活躍推進法にもとづいて行動計画を届け出た企業のうち、取組の実施状況が優良な企業を厚生労働大臣が認定する制度です。評価項目は「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5つ。1〜2項目で1段階目、3〜4項目で2段階目、5項目すべてで3段階目となり、さらに水準の高いプラチナえるぼし認定もあります。継続就業の項目は、雇用管理区分ごとに見て、女性の平均継続勤務年数が男性の7割以上であること、または10事業年度前とその前後に採用された女性労働者の継続雇用割合が男性の8割以上であることの、いずれかに該当することが基準です。どちらも算出できない場合は、正社員の女性の平均継続勤務年数が産業ごとの平均値以上であることでも認められます。労働時間等の働き方の項目は、雇用管理区分ごとの法定時間外労働と法定休日労働の合計時間数の平均が、直近の事業年度の各月すべてで45時間未満であることが求められます。


くるみん認定は、次世代育成支援対策推進法にもとづく子育て支援の認定で、トライくるみん、くるみん、プラチナくるみんの区分があります。男性・女性の育児休業等取得率や労働時間が基準に含まれますが、認定基準は令和7年4月1日から改正されました。改正前の基準値のまま解説しているページを見かけることもあるので、水準を確かめるときは厚生労働省の「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて」から改正後のリーフレットにあたってください。どちらのマークも記載がなければ、厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で企業名から検索できます。
2025年10月から、柔軟な働き方の措置が義務になった
改正育児・介護休業法により、2025年10月1日から、事業主は3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に対して、次の5つのうち2つ以上の措置を選んで講じることが義務づけられました。
- 始業時刻の変更
- テレワーク等(月10日以上)
- 保育施設の設置運営等
- 就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇の付与(年10日以上)
- 短時間勤務制度
労働者は、会社が講じた措置のなかから1つを選んで利用する仕組みです。面接で「御社では2つ以上の措置としてどれを選ばれていますか」と聞けば、法令にもとづく質問として自然に確認できます。 制度の名前まで即答できる会社と言葉に詰まる会社とでは、運用の実態に差があると考えられます。
中小企業ならユースエール認定も手がかりになる
若者雇用促進法にもとづくユースエール認定は、若者の採用・育成に積極的で雇用管理の状況が優良な中小企業(常時雇用する労働者300人以下)を認定する制度です。直近3事業年度の新卒等正社員の離職率が20%以下、正社員の有給休暇取得率が平均70%以上または年間取得日数が平均10日以上、月平均所定外労働時間が20時間以下といった基準に加え、直近3事業年度で男性労働者の育児休業等取得者が1人以上、または女性労働者の育児休業等取得率が75%以上であることも要件です。 情報公表が努力義務にとどまる規模の会社を見るときの判断材料になります。認定企業は若者雇用促進総合サイトで検索できます。


参考:厚生労働省「女性活躍推進法が改正されました!」
参考:厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ えるぼし認定・プラチナえるぼし認定」
参考:厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて」
参考:厚生労働省「職場情報総合サイト しょくばらぼ くるみん認定・プラチナくるみん認定・トライくるみん認定とは」
参考:厚生労働省「柔軟な働き方を実現するための措置」
参考:厚生労働省「ユースエール認定制度」
求人票で確かめる欄と、避けたい募集の見分け方
求人票の書き方には法令上のルールがあります。ルールを知っていると、読み飛ばしていた欄が判断材料に変わります。


- 2024年4月から、業務と就業場所の「変更の範囲」の明示が加わった
- 明示された条件が事実と違えば、その場で契約を解除できる
- 「高額」「即日即金」を強調する募集には近づかない
転勤と職種変更の見込みは「変更の範囲」で読む
2024年4月1日施行の改正職業安定法施行規則により、労働者の募集にあたって明示すべき労働条件が追加されました。そのうち、この先の住まいや働き方の見通しに直結するのが「従事すべき業務の変更の範囲」と「就業場所の変更の範囲」の2つです。
「変更の範囲」とは、雇入れ直後にとどまらず、将来の配置転換など今後の見込みも含めた、契約期間中における変更の範囲を指します。つまり「事務職として採用されたが、数年後に別の職種や勤務地に移る可能性があるのか」を、応募前の求人票で確かめられるようになりました。 転勤の可能性は、住む場所や家族の予定と切り離せない条件です。この欄が空白だったり「会社の定める場所」とだけ書かれていたりする場合は、直近の数年で実際にどの範囲の異動が起きているかを面接で聞いておきましょう。
条件が事実と違ったときにできること
労働基準法第15条は、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できると定めています。入社してから話が違ったときに取れる手段が、法律として用意されているということです。 ただしこの手段を使うには、何が明示されていたかを示す材料が要ります。求人票やメールでの条件提示は、印刷するか画面を保存して残しておいてください。
「高額」「即日即金」の強調と、「女性歓迎」表記の読み方
警察庁は、犯罪実行者の募集が通常のアルバイト募集のように見えても大きな特徴が2つあるとして、X等のSNSで「高額」「即日即金」「ホワイト案件」など「楽で、簡単、高収入」を強調すること、匿名性の高いアプリに誘導して個人情報を送信させ脅迫することを挙げています。急いでいるときほど条件の良い募集に目が向きますが、応募先の会社名・所在地・事業内容が確認できない募集は、それだけで避ける理由になります。
男女雇用機会均等法は、募集・採用や配置、昇進、職種の変更などについて性別を理由とする差別的取扱いを禁止し、第7条では身長・体重・体力や転居転勤を要件とすることを合理的な理由がない場合に禁じています。一方、職場に事実上生じている男女間の格差を解消する目的で女性のみを対象とする措置は、法違反とならない場合があります。認められるのはポジティブ・アクションに当たるとき、たとえば一の雇用管理区分において女性労働者の割合が4割を下回っているような場合に限られます。「女性歓迎」の表記が適法に成り立つのはこうした条件のもとなので、求人票の他の記述や会社の情報公表とあわせて読むと背景が見えてきます。
参考:厚生労働省「募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!」
参考:厚生労働省「労働基準法」
参考:警察庁「SNSなどで求人情報を探している方へ 犯罪実行者募集情報の特徴」
参考:厚生労働省 福井労働局「男女雇用機会均等法のポイント」
学び直しに使える制度は、在職中か離職後かで変わる
「資格を取ってから転職したい。でも受講料が出せない」という詰まり方をする人は多くいます。国の制度はハローワークが窓口ですが、どれを使えるかは自分がどの状態で動き出すかで決まります。
- 教育訓練給付は雇用保険の被保険者が対象で、在職中から使える
- 雇用保険の適用がなかった人や受給が終了した人には求職者支援制度がある
- どちらも支給要件期間や申請期限があるため、受講を決める前に確認しておく
| 動き出す時期 | 使える制度 | 主な要件と支給の水準 |
|---|---|---|
| 在職中(雇用保険の被保険者) | 教育訓練給付金(一般・特定一般・専門実践) | 支給要件期間は3年以上。初めて利用する場合は、一般と特定一般が1年以上、専門実践が2年以上。支給は一般が教育訓練経費の20%・上限10万円で、専門実践は最大80%・年間上限64万円まで区分によって幅がある |
| 離職後(雇用保険の適用がなかった、または受給が終了した) | 求職者支援制度 | 無料の訓練に加え、職業訓練受講手当として月10万円(通所手当などとあわせて職業訓練受講給付金)。本人収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下、原則として訓練実施日すべてに出席すること(やむを得ない理由を証明できる場合は8割以上の出席)などが要件 |
同じ講座を受けるにも、在職中に始めるほうが選べる制度は広くなります。 特定一般と専門実践の拡充分は、令和6年10月1日以降に受講を開始した方が対象です。申請期限は、一般と特定一般が訓練修了日の翌日から起算して1か月以内、専門実践が受講開始日から6か月ごとの期間の末日から起算して1か月以内。求職者支援制度は、給付金を受けずに訓練だけを受講する使い方もできます。
順番としては、先に求人を見てから受講を決めるほうが無駄が出ません。ただし、資格があれば必ず選考に通るわけでもないのです。令和5年若年者雇用実態調査では、中途採用で「業務に役立つ専門知識や技能」を重視した事業所は34.8%でした。資格は応募できる求人の幅を広げる手段であって、それ自体が採用を保証するものではないと考えておくほうが現実的でしょう。
参考:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」
参考:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
参考:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」
気になる会社のリアルを知るには
公的な情報公表や認定制度は、会社の外形を確かめる道具です。そのうえで残る「どんな人が、何を考えて働いているのか」は、経営者本人の言葉から読み取れます。
育成の仕組みや選考で見ているものを社長本人が語った記事は、熱狂ベンチャーナビの経営者インタビューで読めます。同じ質問を志望先の面接でぶつけたとき、どんな答えが返ってくるかを比べる材料になるはずです。
選考の準備を進めるなら、成長が早い人の特徴9選|共通点と今日からの行動とグループ面接でよく聞かれる質問と回答のコツもあわせてどうぞ。
20代女性のスキルなし転職に関するよくある質問
20代後半で未経験の職種に移るのは難しいですか?
統計上は、20代後半のほうが前半より多く転職しています。 厚生労働省の令和6年雇用動向調査では、女性の転職入職率は20〜24歳14.3%に対して25〜29歳16.8%でした。ただし中途採用では「業務に役立つ職業経験・訓練経験」を重視する事業所が42.3%あり、新規学卒者の14.7%とは差があります。前職の経験と応募先の業務の重なりを説明できるかどうかが、実務上の分かれ目になるでしょう。
資格を取ってから転職したほうがいいですか?
資格を取れば必ず有利になるとは言えません。 令和5年若年者雇用実態調査では、中途採用の選考で「業務に役立つ専門知識や技能」を重視した事業所は34.8%で、職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神の72.7%とは開きがあります。応募の要件として資格が必要な職種を狙うなら先に取る意味がありますが、そうでなければ在職中に活動を始め、必要だと分かった段階で教育訓練給付金を使って学ぶ順番も選べます。
産休・育休が取りやすい会社かどうかは、面接で聞いてもいいですか?
公表が義務づけられている項目については、聞くこと自体に問題はありません。 2026年4月から、常時雇用する労働者が101人以上の企業には男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務づけられ、選択項目には男女別の育児休業取得率があります。公表内容を先に見ておき、「公表されている育児休業取得率について、実際の運用を教えてください」と尋ねると、確認したい点が具体的に伝わります。
転職活動は在職中に始めたほうがいいですか?
収入が途切れないという点では、在職中に始めるほうが選択の幅は広がります。 総務省統計局の労働力調査(詳細集計・2025年平均)では、女性の転職等希望者は509万人、実際の転職者は174万人。転職等希望者には、いまの仕事を続けながら別の仕事もしたいと考える追加就業希望者も含まれますが、働きながら情報を集めている段階の人が相当数いることに変わりはありません。在職中なら教育訓練給付金の対象にもなりやすく、条件が合わなければ見送る判断もしやすくなるでしょう。一方で、心身の状態が優先される場面もあります。無理を続ける前提で予定を組む必要はありません。
まとめ
スキルの有無で分けた統計はありませんが、20代女性の転職そのものは、統計で見るかぎり例外的な行動ではありません。女性の転職入職率は25〜29歳が16.8%で20代のピーク、男女計で見ると転職した20代の半数近くが賃金を増やしています。中途採用の選考で最も重視されているのは職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神の72.7%で、学歴・経歴の23.1%とは3倍以上の差。経歴が薄いことは、選考の入口を閉ざす条件ではないのです。
ライフイベントと両立できるかどうかも、公表されている数字から確かめられます。2026年4月から101人以上の企業に義務づけられた男女間賃金差異と女性管理職比率の公表、選択項目に含まれる男女別の育児休業取得率、えるぼし認定とくるみん認定、2025年10月から義務になった柔軟な働き方の措置。学び直しの費用も、在職中なら教育訓練給付金、離職後なら求職者支援制度で下げられます。
取材で若手の話を聞いていると、後から「あれが分かれ目だった」と語られるのは、たいてい派手な決断ではありません。求人票の一行を面接で確かめたとか、公表資料をひとつ見に行ったとか、そのくらいの動きだったりします。
自分の経験がどの求人で通用するのかは、求人データを持つ相手に見てもらうと早く分かります。

