年収1000万円の職業一覧と到達ルート|平均が1000万円を超えるのは5職種

平均年収が1000万円を超える職業は、厚生労働省の統計では航空機操縦士や医師など5つだけです。それ以外の職業で1000万円に届いている人は、その職種の平均より上にいる人たちです。
意外に思えるかもしれませんが、公認会計士・税理士の平均も1000万円に届いていません。難関資格を取れば1000万円、という前提は統計と食い違うのです。
この記事では、高年収の職業と必要な条件、業種・役職・転職といった到達ルート、手取りに効いてくる850万円の壁までを整理します。
いまの職種と経験で、市場からどのくらいの年収を提示されるのか。統計の平均値を眺めるより、実際の求人を持つ転職エージェントに聞くほうが早く分かります。相談は無料です。
平均年収が1000万円を超える職業は、統計上5つしかない
厚生労働省の職種別統計に載る144職種のうち、年収換算で1,000万円を超えるのは5職種だけです。 令和7年賃金構造基本統計調査(職種)第1表に掲載された職種(小分類・産業計・企業規模10人以上の一般労働者)について、きまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与その他特別給与額を加えて編集部が年収換算しました。800万円以上に届いたのは、次の11職種です。
| 職種 | 年収換算(男女計) | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 航空機操縦士 | 1,632万円 | 1,655万円 | 799万円 |
| 医師 | 1,512万円 | 1,594万円 | 1,275万円 |
| その他の経営・金融・保険専門職業従事者 | 1,135万円 | 1,245万円 | 852万円 |
| 大学教授(高専含む) | 1,083万円 | 1,110万円 | 981万円 |
| 歯科医師 | 1,063万円 | 1,119万円 | 999万円 |
| 法務従事者 | 981万円 | 1,009万円 | 899万円 |
| 管理的職業従事者 | 967万円 | 980万円 | 863万円 |
| システムコンサルタント・設計者 | 889万円 | 933万円 | 770万円 |
| 大学准教授(高専含む) | 876万円 | 893万円 | 835万円 |
| 公認会計士,税理士 | 811万円 | 851万円 | 691万円 |
| 研究者 | 802万円 | 848万円 | 642万円 |
1000万円超の5職種に800万円台・900万円台の職種を足しても、144職種のうち11職種にとどまります。高年収の代表格としてよく名前が挙がる職業も、この11に入っていなければ、職種の平均としては1000万円に届いておらず、その中で上位に入った人が1000万円を超えているという構造になります。
この違いは、目指し方に直結します。1000万円を超える5職種のうち、航空機操縦士・医師・歯科医師の3つは国家試験や技能証明という入口があり、大学教授は大学設置基準に定められた教員資格が入口です。ただし入口を通ったあとの年収は勤務先や役職で変わるため、ここに並ぶ数字はあくまで職種全体をならした平均だと押さえておきたいところ。残る「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」は、名称のついた分類に収まらない専門職をまとめた区分なので、決まった入口があるわけではありません。それ以外の職業では、同じ職種の中で上位に立つ道筋を自分で設計する必要があります。
なお、1年を通じて勤務した給与所得者に占める1,000万円超の割合は6.6%(男性10.2%、女性1.8%)で、人数にすると339.5万人。前年の6.2%から上がりました。国税庁『令和7年分 民間給与実態統計調査』の給与階級別集計による数字です。年代別・男女別の内訳は年収1000万円の割合をまとめた記事で詳しく扱っています。

参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種別(e-Stat)」
参考:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」
年収1000万円を狙える職業と、必要になる条件
平均で1000万円を超える5職種のうち、入口がはっきりしている4つは、国家試験や技能証明、あるいは大学設置基準に定められた教員資格を通ることが前提になります。時間と学費という初期投資が大きい代わりに、職種としての平均年収が高い位置に置かれているのが共通点です。
| 職種 | 年収換算 | 就くまでの主な道のり |
|---|---|---|
| 航空機操縦士 | 1,632万円 | 操縦士の技能証明を取得。航空大学校、航空会社の自社養成、大学の操縦課程などが入口 |
| 医師 | 1,512万円 | 医学部の6年課程を修了して医師国家試験に合格。その後2年以上の臨床研修 |
| 大学教授 | 1,083万円 | 大学設置基準が定める教授の資格(博士の学位と研究上の業績、准教授などの経歴など6つのいずれか)を満たすことが要件。助教・准教授を経て就く道もある |
| 歯科医師 | 1,063万円 | 歯学部の6年課程を修了して歯科医師国家試験に合格。その後1年以上の臨床研修 |
医師については、勤務先や役職による差も統計で確認できます。中央社会保険医療協議会『第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告』(令和7年実施・数値は令和6年度)によれば、一般病院の医師1人あたり平均は給料年額13,249,327円に賞与1,596,457円を加えた約1,485万円。同じ一般病院でも病院長は約2,587万円です。賃金構造基本統計調査の医師1,512万円と近い水準ですが、この2つは調査対象も集計の定義も異なるため、並べるときはおおよその照合と考えるのが安全です。そのうえで同じ調査の中を見ると、医師と病院長には1,100万円ほどの開きがあり、同じ「医師」でも施設内の立場で年収が変わることが読み取れます。
一方、高年収のイメージで語られやすい職業の実際の平均は、次のとおりです。
| 職種 | 年収換算(男女計) |
|---|---|
| 獣医師 | 681万円 |
| ソフトウェア作成者 | 578万円 |
| 薬剤師 | 567万円 |
| 保険営業職業従事者 | 541万円 |
| 看護師 | 525万円 |
先ほどの表に入った法務従事者981万円やシステムコンサルタント・設計者889万円も、平均では1000万円に届いていません。なかでも保険営業職業従事者は、男女計541万円に対して男性887万円、女性447万円と差が大きく開いています。統計から読み取れるのはこの開きの大きさまでで、背景に成果報酬の比率があるかどうかまでは確かめられません。それでも、平均値だけを見て「高年収の職業」と判断すると、同じ職種の中にある振れ幅を見落とすのは確かです。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種別(e-Stat)」
参考:厚生労働省「第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」
参考:国土交通省「パイロットになるには」
参考:e-Gov法令検索「大学設置基準」
高年収の職業に共通する3つの条件
統計だけを見ていると、高年収の仕事は「資格の有無」で決まるように見えます。実際に経営者への取材を重ねていると、報酬の高さを支えているのはもう少し泥くさい要素だと感じる場面が多くあります。共通していたのは次の3つでした。
- 資格そのものではなく、資格の使い方で単価が決まっている
- 他の人がやりたがらない量の行動を引き受けている
- 評価と報酬の決まり方が、会社として言語化されている
資格ではなく、資格の使い方が単価を決めている
難関資格を取れば1000万円、という前提は統計と食い違います。 令和7年賃金構造基本統計調査の年収換算で、公認会計士・税理士は男女計811万円と、平均では1000万円に届いていません。男性851万円に対し女性691万円と、同じ資格職の中でも160万円の開きがあります。
現場の感覚も同じ方向を向いています。Ydk日本橋税理士法人の代表社員・山口晴啓さんは、業界の実情をこう語ります。
資格は仕事を受けられる範囲を広げるものであって、単価を自動的に引き上げる装置ではありません。同じ資格を持っていても、扱う案件の単価と受注量で年収は倍近く変わると考えたほうが現実に合います。
他の人がやりたがらない量を引き受けている
年収が高い職種には、行動量そのものが報酬に組み込まれているものがあります。株式会社CINC Capitalの取締役 執行役員社長・阿部泰士さんは、M&A仲介の現場をこう説明しています。
同社の石松友典会長は、この行動量こそが高年収の理由だと述べています。報酬の水準は、担当する業務の希少性と負荷に対応しているという見方です。求人票の年収レンジだけを見て職業を選ぶと、この部分が見えないまま入社することになります。
評価と報酬の決まり方が言語化されている
同じ成果を出しても、それが給与に反映される会社とされない会社があります。株式会社あしたのチームの代表取締役社長・山本拓馬さんは、多くの企業が抱えていた状態を次のように振り返ります。
年収1000万円を目標に置くなら、職業の平均値と同じくらい、その会社の昇給ルールを確認する価値があります。 評価の回数、評価項目、昇給の決まり方を面接で聞いたときに具体的な答えが返るかどうかは、数年後の年収に効いてきます。
業種によって、平均給与は3倍以上違う
どの業種に身を置くかで、平均給与の水準は大きく変わります。 国税庁『令和7年分 民間給与実態統計調査』の業種別集計では、最も高い業種と最も低い業種で3倍を超える差がついています。
| 業種 | 平均給与 |
|---|---|
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 854.4万円 |
| 金融業,保険業 | 725.6万円 |
| 情報通信業 | 681.9万円 |
| 建設業 | 590.3万円 |
| 製造業 | 573.0万円 |
| 不動産業,物品賃貸業 | 512.5万円 |
| 医療,福祉 | 424.0万円 |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 275.8万円 |
全業種の平均は486.6万円。平均給与が854.4万円の業種で上位に入るのと、275.8万円の業種で上位に入るのとでは、1000万円までの距離がまったく違います。 業種別の平均はその業種で働く全職種をまとめた数字で、同じ職種どうしを比べたものではありません。それでも、業種によって土台の水準が違うことは読み取れます。
この486.6万円は、同じ調査の報道発表資料では487万円(男性597万円、女性342万円)と表記され、5年連続の増加として公表されています。いずれも1年を通じて勤務した給与所得者を対象にした集計で、1000万円は平均のおよそ2倍という位置づけになります。
職種以外で年収1000万円に届く2つのルート
職種と業種を変えるほかに、同じ会社の中で上がっていく道と、雇われない道があります。それぞれ統計で見える現実があります。
- 役職を上げるルートは、部長級でようやく1000万円圏に入る
- 公務員は本府省の室長級以上が1000万円圏で、母数は限られる
- 転職での賃上げは足元で過去最高水準にある
役職を上げるルートは、部長級で1000万円圏に入る
厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査の概況』第8表によれば、一般労働者のうち雇用期間の定めのない者の役職別賃金(所定内給与額)は月額で部長級63.58万円、課長級52.92万円、係長級39.92万円、非役職者31.05万円。部長級でも所定内給与を12倍して約763万円で、賞与と時間外手当を加えて初めて1000万円が視野に入ります。
年齢による頭打ちも同じ調査に表れています。男性の賃金がピークを迎えるのは55〜59歳の44.56万円、女性は45〜49歳と55〜59歳が同額の30.57万円で並びます。所定内給与だけを追う限り、年齢を重ねるほど上がり続けるカーブではありません。1000万円まで押し上げる要素は、年齢や勤続年数よりも職種・役職・勤務先の側にあると見たほうがよさそうです。
公務員は本府省の室長級以上が1000万円圏
人事院『令和8年 本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み』の国家公務員モデル給与例(改定前の現行水準)では、本府省課長(50歳)の年間給与が1,447.3万円、本府省局長1,938.6万円、事務次官2,523.9万円。本府省室長(40歳)も1,105.4万円で、1,000万円を超えます。一方で地方機関課長(50歳)は708.5万円、本府省課長補佐(35歳)は832.0万円です。
同じ国家公務員でも、本府省で室長以上の職に就くかどうかで年収の水準が大きく分かれます。 事務次官や局長等に適用される指定職俸給表の在職者は、人事院『令和7年国家公務員給与等実態調査』の第1表で979人(令和7年4月1日現在)。人数の規模感まで含めて見ておきたい数字です。
転職での賃上げは足元で過去最高水準
厚生労働省『令和6年 雇用動向調査結果の概況』(常用労働者5人以上の事業所を抽出)では、転職入職者のうち前職と比べて賃金が増加した人が40.5%で、前年より3.3ポイント上昇。うち「1割以上の増加」が29.4%を占めます。一方で「減少」も29.4%あり、転職が必ず賃上げにつながるわけではありません。
年齢差も明確です。賃金が増加した人の割合は20〜24歳で50.5%、25〜29歳で46.3%。40代後半まではおおむね4割台後半で並びますが、50〜54歳は39.0%、55〜59歳は27.4%、60〜64歳は13.6%まで下がります。転職で賃金が上がる人の割合が保たれているのは40代後半までで、50代に入ると景色が変わるというのが、統計に沿った読み方です。

社内での昇給環境も動いています。厚生労働省『令和7年「賃金引上げ等の実態に関する調査」』(常用労働者100人以上の民営企業対象)では、9〜12月の予定を含めて、1人平均賃金を引き上げた・引き上げる企業が91.5%、1人平均賃金の改定額は13,601円、改定率は4.4%でした。
参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」
参考:人事院「令和8年 本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」
参考:人事院「令和7年国家公務員給与等実態調査報告書」
参考:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」
参考:厚生労働省「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査」
年収1000万円の手取りと、850万円で効いてくる壁
額面が1000万円に届いても、手取りが同じペースで増えるわけではありません。 手取りは税・社会保険料・各種控除の組み合わせで決まりますが、伸びを鈍らせる要因のうち代表的なものが次の3つです。
- 給与所得控除は年収850万円で上限に達する
- 課税所得900万円以上で所得税率が33%に上がる
- 年間給与800万円超の層が所得税の7割超を負担している
給与所得控除は850万円で上限に達する
給与収入から差し引ける給与所得控除は、収入が増えるほど額も増えますが、給与等の収入金額が8,500,001円以上になると1,950,000円で頭打ちになります。国税庁タックスアンサーNo.1410(令和8年4月1日現在法令等)に定められた仕組みです。850万円を超えた分は、控除が増えないまま課税対象になっていきます。
課税所得900万円以上で税率が33%に上がる
所得税は超過累進課税で、課税される所得金額が6,950,000円から8,999,000円までは税率23%(控除額636,000円)、9,000,000円から17,999,000円までは税率33%(控除額1,536,000円)です。さらに18,000,000円から39,999,000円までは40%、40,000,000円以上は45%へ上がります。国税庁タックスアンサーNo.2260(令和8年4月1日現在法令等)に示された税率表による区分になります。増えた分に対して3分の1が所得税として引かれる領域に入るわけです。
手取り額は扶養家族の数、社会保険料、居住する自治体によって変わるため、額面に対する割合を一律の目安として示すことはできません。実額は、額面から所得税・住民税・社会保険料を引いた後の数字を源泉徴収票と自治体の税額通知で確認するのが確実です。
高所得層が所得税の大部分を負担している
国税庁『令和7年分 民間給与実態統計調査』第21表によれば、1年を通じて勤務した給与所得者のうち年間給与額800万円超は650万人で12.6%。その一方で、この層が納めた税額は9兆2,225億円にのぼり、同じ集計対象の税額全体の71.4%を占めます。額面が上がるほど、増加分に占める税の割合が大きくなる構造が数字に表れています。
生活実感の目安として、総務省統計局『家計調査報告(家計収支編)2025年平均』では、二人以上の世帯のうち勤労者世帯(平均世帯人員3.20人、平均有業人員1.81人、世帯主の平均年齢51.0歳)の実収入が1か月平均653,901円、可処分所得が532,408円。年換算すると実収入は約785万円です。ただしこちらは世帯全員の収入を合計した額で、先ほどの1,000万円超6.6%は個人の給与額の話。物差しが違うので、並べて眺めるときは分けて考えたいところです。
参考:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」
参考:国税庁「タックスアンサー No.1410 給与所得控除」
参考:国税庁「タックスアンサー No.2260 所得税の税率」
参考:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均」
高年収の現場にいる人の話を読む
統計は職業を横に並べて比べるのに向いていますが、その仕事が日々どう回っているかまでは教えてくれません。正直なところ、私たちも取材に行くまでは「M&A仲介は年収が高い仕事」という程度の理解しか持っていませんでした。実際に話を聞くと、報酬の水準はその裏側にある行動量や責任と対応していると分かります。
熱狂ベンチャーナビでは、税理士法人やM&A仲介など、報酬の高い仕事の現場にいる経営者にも話を聞いています。どれくらいの行動量や責任がその報酬と釣り合っているのかは、会社ごとの話を読むと具体的に見えてきます。志望先に同じ質問をしたとき、どこまで具体的な答えが返るかを比べる材料にしてください。
年収の全体像から確認したい方は、年代別・男女別に見た1000万円到達者の割合もあわせてどうぞ。
年収1000万円の職業に関するよくある質問
資格なしで年収1000万円は狙えますか?
狙えます。 令和7年賃金構造基本統計調査の年収換算では、管理的職業従事者が967万円、システムコンサルタント・設計者が889万円と、資格が必須でない職種でも高い水準にあります。ただし平均で1000万円を超えていない以上、同じ職種の中で上位に入ることが前提。手がかりは2つで、成果が報酬に反映される仕組みを持つ会社を選ぶことと、平均給与の高い業種に身を置くことです。
20代・30代で年収1000万円に届く人はいますか?
います。 国税庁の令和7年分の調査では、1年を通じて勤務した給与所得者のうち年間給与1,000万円超は6.6%。年齢ごとの内訳はこの集計表には出ていないため、年代別の割合は年収1000万円の割合をまとめた記事で確認してください。ただし厚生労働省『令和6年 雇用動向調査結果の概況』では、転職で賃金が増加した人の割合が20〜24歳50.5%、25〜29歳46.3%あるのに対し、60〜64歳では13.6%まで下がります。年功で待つより、成果報酬型の職種や高賃金業種へ早い段階で移るほうが到達は早くなりそうです。
女性が年収1000万円を目指せる職業は何ですか?
平均で1000万円を超えているのは、女性では医師の1,275万円だけです。 令和7年賃金構造基本統計調査の年収換算(産業計・企業規模10人以上の一般労働者)による数字です。次いで歯科医師999万円、大学教授981万円、法務従事者899万円と、1000万円の手前に複数の職種が並びます。1年を通じて勤務した女性給与所得者のうち1,000万円超は1.8%(39.7万人)で、男性の10.2%とは開きがあります。なお、航空機操縦士のように女性の推計労働者数が数百人規模の職種は年による振れが大きいため、単年の平均値だけで判断しないほうが安全です。
高年収の職業に就けば手取りも比例して増えますか?
比例はしません。 給与所得控除は給与収入8,500,001円以上で1,950,000円が上限となり、それ以上は収入が増えても控除が増えないためです。所得税も課税所得9,000,000円から17,999,000円までは税率33%の区分に入ります。国税庁『令和7年分 民間給与実態統計調査』第21表では、1年を通じて勤務した給与所得者のうち年間給与800万円超にあたる12.6%が、同じ集計対象の税額全体の71.4%を負担しています。額面が増えるほど、増加分のうち手元に残る比率は下がっていく仕組みです。
年収1000万円の職業に転職すれば必ず年収は上がりますか?
上がるとは限りません。 厚生労働省『令和6年 雇用動向調査結果の概況』では、転職入職者のうち賃金が増加した人は40.5%(うち1割以上の増加が29.4%)である一方、減少した人も29.4%います。職種の平均年収が高くても、入社時の等級や経験の評価によって提示額は変わります。求人票のレンジ上限ではなく、自分の経験でどこに位置づけられるかを事前に確認しておくことが現実的です。
まとめ
年収1000万円に届く職業は確かにありますが、平均で1000万円を超える職種は144のうち5つだけ。航空機操縦士、医師、大学教授、歯科医師と、分類上まとめられた「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」を外れると、「職種の平均」ではなく「その職種で上位に入れるか」という問いに変わります。到達のルートは、資格職に入る道、平均給与の高い業種へ移る道、成果が報酬に反映される会社で上位を取る道、そして役職を上げる道に整理できます。手取りの面では、給与所得控除が850万円で頭打ちになり、課税所得900万円以上で税率が33%に上がるという制度の壁も知っておきたいところです。
取材で高年収の人に話を聞いていて毎回感じるのは、年収の数字そのものを目標にしていた人が少なかったことです。単価を上げる、量をこなす、成果を評価してもらえる場所に立つ。その積み重ねの結果として1000万円という数字が付いてきた、という語り口のほうが印象に残っています。職業一覧から選ぶ前に、いまの自分の経験がどの職種・どの業種で高く評価されるのかを知るほうが、遠回りに見えて近道になります。
自分の経験が市場でいくらの値札を付けられるかは、実際の求人を扱う人に聞くのが確実です。

