【役員インタビュー】株式会社CockPitホールディングス 取締役 竹内 解

リファラル集客で描く新たな人材支援の形
リファラルのみで売上10億円―人材業界の常識を覆す「月曜日を豊かに」する挑戦
転職活動において、多くの人が人材紹介会社のサービスを利用する現代。しかし、その多くは広告やメディアを通じた集客に依存し、画一的なサービス提供にとどまっているのが現状です。
そんな中、広告費を一切かけることなく、完全リファラル(紹介のみ)で毎月100~120名の求職者を集め、創業4年で売上10億円を達成した企業があります。株式会社CockPitホールディングスです。
同社が掲げるミッション「1億2,000万人の月曜日を豊かにする」の背景には、従来の人材紹介業界に対する強い問題意識があります。人材業界未経験から起業し、リファラルという手法で業界の常識を覆し続ける同社取締役の竹内 解さん(以下、竹内さん)に、その想いと戦略について伺いました。
【プロフィール】

株式会社CockPitホールディングス
取締役 竹内 解
趣味
ゴルフ(最近は経営者の方々によく誘って頂きます)、筋トレ、ダイビング
座右の銘
これからがこれまでを決める
学生が読むべき本
「やんちゃであれ!仕事は最高のエンターテイメントだ」須田 将啓、田中 禎人
人生で一番熱狂したこと
今(日本の月曜日を豊かにする事業を行っているとき)
リファラルとの出会い―人材業界未経験からの必然的選択

知識がないからこそ生まれた独自の集客手法
小川:御社の事業について教えてください。
竹内さん:当社は人材紹介事業とフリーランス営業BPO事業(Business Process Outsourcing:業務の外部委託)を展開しています。最大の特徴は完全リファラルで毎月100~120名の求職者を集めていることです。
人材紹介事業においては、主に20代の営業職を中心としたホワイトカラーの転職とフリーランス支援を行っています。営業BPO事業では、フリーランスの営業担当者を企業に常駐(現在フリーランス営業マン260名)させる、いわばエンジニアSES(System Engineering Service:技術力や専門スキルを提供すること)の営業版のような支援をしています。
前期売上は約10.5億円。今期の目標は16億円で、来期は25億円としています。すべてリファラルで集めた人材による成果です。
競合の少ないニッチな領域での事業展開
小川:業界の中での御社のポジションや強みについて教えてください。
竹内さん:大枠では人材紹介会社全般と営業BPO会社が同じ市場にいますが、リファラルでの集客に特化している会社は多くありません。
人材紹介でいえば、プラットフォームやメディアなど集客経路によってそれぞれ異なる特徴がありますが、リファラルは競合の少ないニッチな領域です。営業BPOでも、当社は案件に対して人材が豊富にあるため、競合他社への支援も行っています。
必然から生まれた戦略―未経験だからこそのアプローチ

「知らなかった」からこそみつけた本質的価値
小川:リファラルに着目されたきっかけを教えてください。
竹内さん:もともと当社の創業メンバーには人材業界経験者が1人もいませんでした。人材紹介を始めるときに、一般的な集客方法を知らなかったというのが実情です。
ただ、これを強みとして伸ばそうと思ったのは、AIでは解決できない深い課題があると気づいたからです。AIが普及し便利な時代になっていますが、表面的な企業の課題と人の希望をマッチングするだけでは、真に最適な支援はできません。
本当に最適なマッチングは、双方の潜在的なニーズにあります。たとえば、表面上は目の前の経理業務の忙しさで悩んでいる人でも、本当の課題が人間関係やワークライフバランスにある場合があります。1時間程度の面談で深く掘り下げなければ、その人にとって納得のいくキャリアをみつけることは困難です。
情報が多いSNS普及時代だからこそ、人と人とのつながりを大切にするリファラルの価値が重要になると考えています。
深いヒアリングが生み出す本質的なキャリア支援
小川:具体的にはどのようなサポートをされているのでしょうか?
竹内さん:当社では東京都内や近郊であればオフィスに来ていただき、1時間程度、対面で面談を行います。「人生でどうなりたいのか」という考えから逆算して、職種や仕事内容をご紹介します。
その後、週1~2回のオンライン面談で一緒に伴走し、内定後も入社前に面談を実施。さらに半年~1年程度、定期的にコミュニケーションをとります。当社が関わることで、「転職して人生が良くなった」という人を少しでも増やしていきたいと思っています。最終的に転職をしなくても、相談して人生が豊かになれば、それで十分です。
人生観を変えた転機―東京海上日動からの転身

肩書きや条件にとらわれた就職活動からの学び
小川:竹内さんご自身の経歴について教えてください。
竹内さん:同志社大学で野球をしていた後、東京海上日動に入社しました。就職活動の軸は恥ずかしながら「大手企業で、収入が高い」というものでした。これは今振り返ると本当に失敗だったと感じています。
一般的に良いと言われているものに引っ張られすぎてはいけません。本当に大事にしたいものや優先したいことにしっかりとマッチしないと、いずれ辞めてしまうし、何のために働いているか分からなくなります。
本質的な価値観の追求
小川:一般的に良いと言われている条件だけで選んでしまうのではなく、働く上での動機が大事とのことですが、たとえば「人から認められたい」「他人から魅力的に思われたい」といった気持ちだけでは弱いのでしょうか?
竹内さん:いえ、そういった気持ち自体はとても自然で大切なものだと思います。ただ重要なのは、その根拠や定義です。見た目の良さや肩書きといった表面的な基準だけではなく、本質的にかっこいい人生を送れているかどうかが大切なんです。
「この会社に入れば魅力的に見られる」といった短絡的な判断ではなく、自分にとって「かっこいい人」とはどういう存在なのかを定義する必要があります。私たちも社内で「かっこいいセクシーな男とは」といったテーマで1on1を行うこともあります。これは代表がとても大切にしている概念です。
生き方やあり方があってこそ、人を惹きつける存在になれる。表面的な基準だけで選んだ結果では、本当の意味で魅力的にはなれないし、かっこいい人生にもつながらないと思います。
「感動される支援」を目指す組織文化

一人ひとりへの真摯な向き合い方
小川:これまでの仕事で最も熱狂したエピソードを教えてください。
竹内さん:3年前まで私がすべての面談を担当していた時期がありました。月60面談ほど、毎日行っていましたが、一人ひとりに対して「面談をして良かった」と思ってもらえるような面談をしないと、お互いの時間が無駄になると考えていました。
ときには求職者の考え方について、間違っている部分があれば率直に指摘することもあります。仕事の枠組みだけでなく、人生の枠組みで仕事を考えることが重要だからです。
「感謝」ではなく「感動」を生み出す支援
小川:竹内さんが事業に対して、そこまで強い想いを持てる理由は何でしょうか?
竹内さん:人として、誰しも自分が誇れる仕事をするべきだと思っています。誇れる仕事とは、自信を持って体重をかけられる仕事です。これは人に感動を与えるスタンスでないと、働く側も支援される側も豊かになりません。
リファラルは誰かの大切な方のご支援がベースにあります。雑な対応をしてしまうと、紹介者に悪いし、目の前の人にも悪い。一人ひとりに向き合う積み重ねが今の売上につながっていて、これがカルチャーとしてなくなったときに会社は潰れると思っています。
当社では「感謝されるではなく、感動される支援であれ」を大切にしています。
急成長を支える独特な組織づくり

体育会系と自由の両立を目指すカルチャー
小川:会社の雰囲気や文化について教えてください。
竹内さん:当社は体育会系でありながら、自由と責任を大切にしたカルチャーを築いています。
たとえば、「自分やパートナーの誕生日は半日休暇をとって良い」「筋トレは2人以上なら勤務時間中に行ってもOK」「水曜日の16時半以降は基本的に仕事をしないで帰宅する」といった制度があります。また年間休日も120日以上あります。
ただし、土日も自発的に仕事に取り組む社員もいます。これは強制ではなく、働こうと思って働いているという感覚です。人生のために仕事をしているのであって、仕事のための人生ではありません。
豊富な経営ポジションでの挑戦機会
小川:成長環境や挑戦機会について教えてください。
竹内さん:当社は8月1日付けでホールディングス化を行い、2年以内に6社程度の買収を予定しています。既に1社は事業買収済みで、さらに2、3社の買収が進行中です。
16億円から25億円への成長には新たな事業の立ち上げが必要で、経営に関わる人材を5名採用する予定です。経営ポジションでの挑戦機会があり、本格的なホールディングス経営陣と仕事ができるのは貴重な経験になると思います。
「良いやつ」を重視する採用哲学

スキルより人間性を重視する採用基準
小川:入社する人に求めていることは何ですか?
竹内さん:スキルよりも、良いやつかどうか、当社の向き合い方に共感できるかを重視しています。一人ひとりに、そして事業や仲間にも体重をかけられるか。そして大事にできるか。そういった人としてのあり方や生き方を大切にした採用をしています。
人材業界の経験は全く問いません。未経験でも、第二新卒でも、新卒でも採用しています。
独自の採用プロセス
小川:どのような方法で人間性を見極めているのでしょうか?
竹内さん:面接だけでなく、採用前に時間を共有することを重視しています。たとえば、朝の筋トレに誘ったり、一緒にランチやカフェに行ったときの、ふとした瞬間での人間味をみています。
採用は主に代表が担当していますが、代表は本当に自由で、最近は農業も始めて「収穫」がスケジュールに入っているような人です(笑)。
業界変革への使命感―リファラルの普及を目指して

人材紹介業界への問題意識と解決策
小川:今後の展望について教えてください。
竹内さん:「リファラル」というものを広めていきたいというのが明確な目標です。
企業のリファラル採用比率を上げるための支援と、当社のようなリファラル人材エージェントの比率を上げることの2つの軸で考えています。多くの企業が「リファラル採用で入社したら10万円、20万円あげます」というアプローチをしていますが、お金では人は動きません。
リファラル採用をどう浸透させるか。社員のエンゲージメントを高めるためのCCO(カルチャー責任者)配置支援や、当社の早期退職防止のノウハウを活かした支援を展開していきたいと考えています。
一部では人材紹介に対する否定的なイメージもあります。当社のように一人ひとりの人生に向き合い、企業にも向き合っている真っ当な会社を増やしていきたいです。
この目標を実現するには、まず売上16億円、25億円という目標を達成し、社会的に認められ信用を得た上で、本当に世の中のためになる、採用のためになるリファラルを広めていきたいと思っています。
会社概要
| 会社名 | 株式会社CockPitホールディングス |
| HP | https://cockpit-tokyo.com/ |
| 設立 | 2019年5月1日 |
| 事業内容 | ・有料職業紹介(許可番号 13-ユ-313566) ・労働者派遣事業 (許可番号 派 13-316282) ・BPO・人材紹介・SEフリーランス斡旋 ・人材事業立ち上げ支援・ITスクール |
| 採用 | https://shine-parsnip-fd7.notion.site/CockPit-53a5c827a92a4e17922557073cb09afb |
※2025年7月23日時点の情報です。
