【代表インタビュー】株式会社SOKKIN 代表取締役CEO 本間 亮平

最先端のマーケティング知識を全企業へ、真の実力を引き出す
企業の野望に寄り添い、日本のマーケティング競争力を底上げする―。代表取締役CEO本間 亮平(以下、本間さん)が率いる株式会社SOKKINは、マーケティングを軸に教育・人材マッチング・メディア事業・人材紹介を包括的に展開する「マーケティング総合支援企業」だ。
大手WEB広告代理店出身のトップマーケターたちが最前線で培ったテクノロジーと実務経験を武器に、大企業から中小企業のマーケティングに付随関連する課題を解決する。その挑戦の根底には、日本企業の成長に貢献したいという熱い思いがある。
プロフィール

株式会社SOKKIN
代表取締役CEO 本間 亮平
趣味
ゴルフ、波乗り、ダイエット、仕事
尊敬する人
奥さん、藤田 晋さん
座右の銘
常時不完全、常時挑戦
学生が読むべき本
「日本人の誇り」藤原 正彦
経営者におすすめの本
「最高の勉強法」安川 康介
人生で一番熱狂したこと
同じ志をもった仲間と感動を分かち合えたこと
マーケティングに付随関連する課題について「入り口から出口まで支援する」

西畑:御社が展開されている事業について教えてください。
本間さん:私たちは、広告代理事業(SOKKIN AGENT)、マーケターのマッチング事業(SOKKIN MATCH)、マーケター育成事業(SOKKIN ACADEMY)、そしてメディア事業(SOKKIN MEDIA)の4つを展開しています。それぞれが連携することで、より効果的なマーケティング支援を実現できる仕組みになっています。
マーケティングに付随関連する課題について「入り口から出口まで」を一貫してサポートできるのが、私たちの強みです。広告代理店業にとどまらず、教育や人材マッチングなどマーケティングに付随関連する事業を包括的に支援し、クライアントと継続的に関わりながら、企業のマーケティングを長期的に強化・支援しています。
西畑:御社の広告代理事業の強みについて教えてください。
本間さん:私たちの事業の強みは、大手WEB広告代理店出身のトッププレイヤーが直接マーケティング支援を行う点にあります。それにより、大手企業だけでなく、中小企業においても質の高いマーケティング支援を可能にしています。広告運用だけでなく、事業計画を達成するためのマーケティング戦略から入り込みますので、足元はもとより中長期的なパートナーシップを実現できる状態にあります。
西畑:マーケター育成事業(SOKKIN ACADEMY)を立ち上げた経緯について教えてください。
本間さん:前提として現在、日本には約380万社の企業が存在していると言われている中で、マーケターは約2万人しか存在していないと言われています。つまり、そもそも企業数に対してマーケター人口が足りていないのです。その中で戦略・戦術の両方ができる優秀なマーケターはわずか400〜500名程度といわれており、彼らの次のキャリアは、多くの場合、外資のメディア系企業か独立起業してしまいます。
つまり大手企業においてもですが、特に中小企業においては彼らのようなマーケターを採用することは、とても困難であるのが現状です。そこで私たちはこの課題を解決するため、実務を知っている我々が、受講者が実務を実行できるよう設計した、実務に基づくマーケティングeラーニングサービス「SOKKIN ACADEMY」を立ち上げました。インプットだけでなく、アウトプットとOJTを高速で組み合わせることで優秀なマーケターの育成を支援し、優秀なマーケター人口を増やそうと考えたのです。
まずは企業のマーケティング部門を対象に適切なマーケティング知識・実行力を持ち、自社でマーケティング活動が行える状態、また広告代理店を活用しているところは、相互に良い効果を生み出せる状態を構築していきたいと考えています。

西畑:「SOKKIN ACADEMY」では、どのようなマーケティング教育を行っているのですか?
本間さん:「SOKKIN ACADEMY」では「実務に活かせるマーケティング人財育成サービス」として、インプット・アウトプットをするだけでなく、OJTまでを取り入れることで知識、スキルの定着化を行っています。
また講義内容も「実務に活かせる」をテーマに、概念や目的だけでなく、ケーススタディや講師が実際にどの様に実務に落としていたかオペレーション、経験談、注意事項やフォーマットを用いて解説しています。
これにより、受講者は単なる理論や知識だけではなく、実践で通用するスキルを身につけることができます。企業のマーケティング部門は広告代理店との関係をより強固かつ意味あるものにすることができ、より戦略的に相乗効果を生むことができると考え、より精度の高い最適なマーケティング施策を判別して実行することが可能になると考えています。
西畑:マーケターのマッチング事業(SOKKIN MATCH)を立ち上げた経緯について教えてください。
本間さん:広告代理事業だけでは、約380万社あるといわれる日本企業すべてを支援するにはリソースが足りないという課題がありました。そこで、より多くの企業に質の高いマーケティングを提供する方法はないかと考え、大企業だけでなく、中小企業にも質の高いマーケティング人材を提供できる仕組みとして、「SOKKIN MATCH」を立ち上げました。
従来の人材会社が提供するプロマーケターのマッチングサービスでは、マーケティングに関する専門性が乏しく、適切にマーケターの能力値を評価することや、マーケティングにおける企業の根本的な課題に対して、的確なコンサルティングを行うことが難しい状況でした。その結果、適切なマッチングが難しくなるケースが少なくありませんでした。
当社では、大手WEB広告代理店出身のトップマーケターが企業のマーケティング課題に対して適切なコンサルティングを行い、マーケターのスキルを評価することで最適な人材を企業にご紹介することが可能となります。
この取り組みにより、他のプロ人材マッチングサービスと比較して圧倒的に企業の継続率が高く、直近では約97%の企業に継続的に利用いただいています。この仕組みによって企業のマーケティング施策の成功率が高まるだけではなく、フリーランスや副業マーケターの活躍の場も広がっています。
「デジタルの力で日本をもう一度世界有数の産業先進国にする」ため起業

西畑:起業を志した理由を教えてください。
本間さん:私の父親は海外出張が多く、私が幼い頃はよく一緒に海外へ行く機会がありました。その中で、日本人は「優秀なビジネスパーソンだ」、日本は「世界でも有数の産業先進国だ」「Made in Japanには勝てない」として評価されているのを肌で感じ、幼いながら私は誇らしい気持ちを抱いていました。
しかし一方で、日本は4次・5次産業の分野で世界に後れを取り、日本経済も低迷が続いていました。かつて感じていた日本への誇りと、現在の姿との間に大きなギャップを感じ、悔しさにも似た思いが湧き上がったのを今でも覚えています。「このままでは、日本は世界の競争の中に埋もれてしまうのではないか」「自分にできることは何だろうか」そう考えるようになりました。
そうした想いから、まずは日本の企業が成長していくために自分がどんな力をつけるべきかを考え、企業の成長を最前線で支える「マーケティング」のスキルを身につけようと大学生のときに決意しました。
社会人になり、その過程で、日本の企業間にはマーケティングにおけるデジタルデバイド(情報格差)があり、必要なマーケティング情報やノウハウが十分に届いていない現状を感じました。一方で、大手WEB広告代理店のトッププレイヤーに代表されるような優れたマーケティング人材は、経済合理性の観点から、どうしても中小企業の支援に本気で関わり難いという課題もみえてきました。
そんな中でふと、ある問いが心に浮かびました。「もし将来、自分の子どもから『パパはマーケティングのスキルがあるのに、なぜ日本企業を支援しようとしなかったの?』と聞かれたら、自分は胸を張って答えられるだろうか」その問いかけが、私の背中を強く押しました。
スキルをただ自分のために使うのではなく、社会に還元し、日本企業の成長に貢献することこそが、自分の果たすべき使命であり、残りの人生を興奮しながら過ごすことができるのだと確信するようになったのです。
こうした想いを原動力に、最終的には自らが主体となって変化を起こすため、起業を決意しました。自分の手で、日本企業の可能性を広げる仕組みをつくりたい―その想いが、私の新たな一歩を後押ししたのです。
西畑:起業に向けたキャリアはどのように積み上げてきたのですか?
本間さん:「日本企業が成長していくためには、優れた商品やサービスを正しく伝えるマーケティングの力が欠かせない」と強く感じていました。特に中小企業においては、本当に良いものを持っていながらも、適切なマーケティング手法を知らず、世の中に埋もれてしまっているケースが多くあります。
だからこそ、私はマーケティングを軸に起業し、企業が本来の力を発揮できるよう、戦略的な支援を通じてその成長を後押ししたいと考えました。このスキルを本質から身につけるため、まずはオフライン領域のマーケティングを学ぶべく、TOPPANホールディングス(旧・凸版印刷)に入社しました。
TOPPANを選んだのは、実際に「モノ」を売るビジネスに携わっており、有形商材の取引を通じて顧客との信頼構築を肌で学べる環境だと感じたからです。そこで5年間、営業とマーケティングの基礎を徹底的に学び、その後はオンライン領域を深く理解すべく、サイバーエージェントへと転職。7年間にわたり、デジタルマーケティングの最前線で経験を積みました。その後、オンラインの知見をさらに深め、実践の幅を広げるためにアマゾンジャパンへ転職。ここでは、オフラインとオンラインのマーケティングを統合的に活用するスキルを磨き、グローバル水準のオペレーションを実地で学びました。
最短6ヶ月で優秀なマーケターを輩出する育成環境

西畑:御社ではどのようなキャリアパスがありますか?
本間さん:当社は特定のキャリアパスをこちらから一方的に指定することはしておりません。とはいえ、多くの方は広告代理事業からスタートされる傾向にあります。私たちは「マーケティング」を事業の軸としているため、まずは広告代理事業にてマーケティングコンサルタントとしての経験を積むことが、キャリアの土台として最適だと考えています。
そのうえで、「For Youの思考」があり、戦略設計まで担えるようになれば「SOKKIN MATCH」でのコンサルティングや「SOKKIN ACADEMY」など他事業の責任者や新規事業の責任者にも抜擢可能となり、更なるキャリアの選択肢も広がります。個々の志向や強みに合わせて、柔軟なキャリアパスがある環境かなと思いますが、すべてにおいて言えるのは「自分次第」ということだと思います。
私たちは、マーケティングを軸としながら、新たな事業の創出にも注力しています。今後は、事業責任者や子会社の社長といったポジションを目指せる環境をさらに整備していく予定です。これらの役割に就くまでの目安としては、おおよそ5年程度を想定しています。勿論、人それぞれだと思いますので、あくまで私だとそれくらいかかってしまうなという感覚です。スキルも含め人としてのあり方も保有している方であればもっと早いと思います。
また単に年数を重ねるだけではなく、営業やコンサルティング力に加えて、開発やマーケティングといった多面的な視点を持つことが求められます。そのため、日々の業務の中で実践的なスキルをじっくりと磨き、視野を広げながら経験を積んでいくことが重要です。また人としても成長しなければなりません。自分のことだけを考えるのではなく、相手、お客様、社会課題の事を常に考え、かつ足元の視点ではなく、中長期の視点を持ってアクションに移すことが重要だと考えます。
特に今後は次世代のリーダーを育てるための仕組みを強化し、若手が主体的に挑戦できる環境づくりに力を入れたいと思っています。その一環として、マーケティングに特化した教育プログラムや、実践を通じて成長できる育成制度の拡充も積極的に進めています。
西畑:御社で働いている社員の特徴を教えてください。
本間さん:SOKKINのメンバーは、共通してMission、Visionへの熱い想いと強い主体性を持っています。向上心が高く、自分の意見をしっかりと持ちながらも、チームで成果を出すことを大切にしている人ばかりです。チームで成果を出すうえで大切にしているのは「相手の意見を尊重しながら、自分の考えを掛け合わせて、より良い形を一緒に創っていく」姿勢です。
また、SOKKINでは、地頭がよく、物事を多面的に捉えられるメンバーが多いのも特徴です。複数の事柄から本質的な共通点を見出したり、複雑な課題をロジカルに因数分解して整理しながら進めていける力は、チーム全体の成長にもつながっています。
こうした素養を持つ人材ほど、「早く現場で力を付けMission、Visionを実現する事業責任者になりたい」「実践を通じて自分も仲間も、最終的には会社も成長させたい」という想いが強い傾向があります。実際に、大手広告代理店の内定を辞退してまで当社を選んでくれる学生も少なくありません。
「社会にあるべき事業を提供したい」「混沌としている日本経済を同じ志の仲間と変えたい」そんな前向きな意志を持つ方にこそ、SOKKINはフィットします。私たちは、そうした若手が早い段階から裁量を持ち、責任能力を養い、大義のために自分が成長できる環境づくりに全力で取り組んでいます。
そうした高い成長意欲を持つメンバーが最大限に力を発揮できるよう、当社では早期成長を支える体制を整えています。たとえば、自社で展開している「SOKKIN ACADEMY」を社内育成にも活用。さらに、先輩と若手がペアを組んで実践を重ねる「バディ制度」、社内だけでなく「外部プロ人財」を入れての「ナナメン育成」など立体的な育成プロジェクトを導入しています。
さらに当社では、若手が早期にお客様のフロントになれるよう「フロント化計画」を推進中です。これは、トレーニー(育成対象者)がいつまでにフロント業務を担えるようになるかを明確に設計し、1年間、半年間でKPIを設けて、毎月必要なスキルと実務を段階的に習得していく育成制度です。
この仕組みでは、現場のトッププレイヤーが直接教育を担当します。現場感のあるフィードバックを受けながら、実戦を通じてスキルを身につけていきます。結果として、半年以内に優秀なマーケターレベルに到達する人材も出てきており、「育成=戦力化」までのスピード感は当社の強みの一つとなっています。
西畑:今後入社する人に求めるものは何ですか?
本間さん:求めているのは「Mission/Visionへの熱い想い」「素直で良い人」あとは「明るさ」「For Youな人」です。マーケティングの仕事は、どうしても数字と向き合うことが多く、頭をフル回転させて考える場面が続きます。だからこそ、どんなときも前向きに、チームの雰囲気を明るくでき、相手のことを考えて行動できることが重要だと思っています。
真剣に取り組む姿勢はもちろん大切ですが「どうせやるなら楽しくやろう」というマインドで、ポジティブに仕事を進められる人と一緒に働きたいですね。たとえば、数字が思うように伸びていないときも、落ち込むだけでは何も変わりません。
そういうときに、雰囲気を明るくし、チーム全体を前向きにできる人がいると、自然と成果もついてくるんですよね。負けず嫌いで、落ち込んでいる暇があったら「どうすればうまくいくか」を考えるような姿勢があると嬉しいです。私は人生の師匠に「本間が落ち込む時間は2秒だけ」と言われています。合理的に考えてその通りだと思います。2秒後には原因と打ち手を分析して、行動に移しているという意味合いです。
たとえば、数字が思うように伸びないとき、ただ落ち込んでいても状況は変わりません。
そんなときにこそ、空気を明るくし、チーム全体を前向きにできる人の存在が大きな力になります。「どうすればうまくいくか」を考え続けられる負けず嫌いな姿勢。落ち込んでいる暇があったら、次の一手を考える。そんな人と一緒に、Mission/Visionに向かって前を向いて進んでいきたいですね。
また、「素直さ」と「向上心」も私たちが大切にしている資質です。自分の人生のゴールを見据えたときに、SOKKINのMissionやVisionが、その道の一部になる。そんな風に感じてもらえる方に、ぜひ仲間になってほしいと思っています。仕事を通じて「自分の人生の目標に近づける」と感じられる環境をつくりたいと考えています。
日本初のマーケティング総合支援企業としての地位を確立する

西畑:会社のスローガンとして「野望に仕える」という言葉を掲げた理由を教えてください。
本間さん:企業の「なりたい姿」や「達成したい目標」は、決して絵空事ではありません。そこには強い想いと現実的な行動が必要です。理想を描くだけではなく、貪欲に、泥臭くても突き進む覚悟がなければ、本当の成長は実現しないと私は考えております。
私たちは、綺麗ごとだけでは語れない「本音」にこそ、企業の本質が宿ると考えています。だからこそ、「野望」という言葉をあえて選びました。掲げた志を現実に変えるには、理想を語るだけでは足りません。泥臭くても、貪欲に、結果が出るまでやり抜く。その覚悟と行動こそが、SOKKINの在り方であり、私たちのスタンスです。
「叶えたい夢」というのは、実際には簡単に手に入るものではなく、ときには泥臭く、地道に、壁にぶつかりながら掴み取るものです。その現実をしっかり受け止めた上で、クライアントの目標に対して、ただの支援者ではなく、共に汗をかき、戦い抜く「伴走者」でありたいと考えています。
西畑:会社の展望について教えてください。
本間さん:当社は、日本初のマーケティングに付随関連する総合支援企業としての確立を目指しており、その一環として2026年までにマーケティングの入り口から出口までを網羅する事業を構築していきます。
そして、2027年までに7つの事業を展開し、売上規模としては110億円規模を目指しています。2030年までには、年間売上1000億円規模の企業に成長することを視野に入れ、事業を展開していきます。