【代表インタビュー】株式会社不動産総合研究所 代表取締役 永見 日菜子

【熱狂ベンチャーナビ】株式会社不動産総合研究所 代表取締役 永見 日菜子

自由と責任に熱狂し、日本を代表する企業を目指す若き経営者の挑戦

「未経験からの転職」「マッチング精度・スピード」が強みである不動産業界に特化した「完全成果報酬型」の転職プラットフォーム「宅建WORK」を運営する株式会社不動産総合研究所。大学を休学して23歳で起業した代表取締役の永見 日菜子さん(以下、永見さん)は、サービス開始からわずか数週間で求人数約1,100件を集める急成長を遂げています。組織での制約に物足りなさを感じ、すべての意思決定権と責任を自らの手に委ねる道を選んだ若き経営者に、その熱狂と挑戦の軌跡を伺いました。

目次

プロフィール

株式会社不動産総合研究所 永見代表

株式会社不動産総合研究所

代表取締役 永見 日菜子

趣味

映画

尊敬する人

ドナルド・トランプ

座右の銘

一日一生

学生が読むべき本

「自分の中に毒を持て」岡本 太郎

人生で一番熱狂したこと

不動産業界に特化した最速×高マッチング転職プラットフォーム

株式会社不動産総合研究所 永見代表

完全成果報酬型の転職プラットフォームで差別化を図る新機軸

小川:まずは御社がどのような事業をされているのかを教えていただけますか。

永見さん:当社は、不動産業界に特化した転職プラットフォームを運営しております。求職者は「求人サイト」と「転職エージェント」の両方を利用でき、企業は初期費用0円、広告掲載料0円、完全成果報酬型でご利用できます。ディベロッパーから仲介会社、管理会社まで、不動産業界のあらゆる企業にご登録いただいており、不動産業界で働きたい方々とのマッチングをサポートしています。

小川:御社のサービスにはどのような方が登録されているのですか?

永見さん:利用者の半分が未経験、半分が不動産業界の経験者で、年齢層は20代、30代が60〜65%を占めています。残りは10代の方もいたり、40代以降の方が30%ぐらいという構成になっています。

他社との差別化ポイントとなる独自の市場戦略

小川:業界内の他の転職プラットフォームと比べて、御社のサービスの特徴はどのようなところにあるのでしょうか?

永見さん:最大の特徴は、「未経験からの転職に強く、希望条件に合う企業と最短で出会える」ことです。

自分のペースで進めたい方は求人サイトから直接検索・応募でき、伴走型を望む方にはキャリアアドバイザーが個別に企業を紹介します。さらに、AIによるレジュメの解析や自動リマインドなどのDX機能を組み合わせ、紹介精度と選考スピードを同時に高めています。

小川:なるほど。不動産業界向けの転職サービスは他にどのくらいあるものなのですか?

永見さん:全国的に検索で上位に表示される主要な特化型のサービスは3社ぐらいです。あとは小規模でやっている会社もあると思いますが、SEOなどでしっかり上位に出てくるのは3社ぐらいという状況です。

不動産業界特有のニーズを捉えたビジネス展開

小川:そのビジネスモデルは、不動産業界ならではの特性を踏まえたものなのでしょうか?

永見さん:その通りです。不動産業界は日頃から物件情報や社内事情を人づてに共有する文化が強く、業界経験者だと、「行きたい企業がすでに絞れている」という方が少なくありません。そうした方には、当社の求人サイトで条件を絞り込み、最短ルートで応募まで完結できる仕組みが最も効率的です。

一方で、未経験だと「ほかにどんな選択肢があるのか知りたい」「転職そのものに不安がある」という方もいらっしゃいます。そのニーズにはキャリアアドバイザーが伴走し、非公開求人や社風・評価制度などのリアルな情報を補完しながら企業をご紹介します。

「学生起業家としての決断と挑戦」父の背中を追い、独自の道を切り拓く

株式会社不動産総合研究所 永見代表

限られた裁量の中で見出した、起業という選択肢

小川:もともと、若いうちに起業したいという考えがあったのですか?

永見さん:高校時代から起業は意識していましたが、大きな要因は、インターンシップでの経験です。複数の会社でインターンをしたのですが、組織の中では自分で意思決定できる範囲が限られていることがすごく窮屈に感じました。そういった経験から、自分の判断ですべてを決められる環境で働きたいと強く思うようになり、起業を決意しました。

小川:一般的には、まず就職して経験を積んでから起業するというパターンも多いと思いますが、学生時代に起業することへの不安はなかったのですか?

永見さん:もちろん考えました。大学3年生のタイミングで起業を決意したのですが、ちょうど就活の時期と重なっていました。最終的には「新卒切符」は取っておいた方が良いと判断して、大学は休学する形にしたんです。

大学には最長で8年間在籍することができ、標準の4年間に加えて、さらに4年間の在籍猶予があります。もし会社がうまくいかなかったとしても、復学すれば一応新卒として就職できる。そういうリスクヘッジを考えた上での決断でした。

小川:なるほど。その決断に至った決め手はなんだったのでしょうか?

永見さん:スタートアップのイベントに参加して感じたのは、「続けている人で本当に失敗してどうしようもなくなっている人っていないな」ということでした。いろんな経営者の話を聞いて、「これは失敗したとしてもなんとかなるな」と思えたのが大きいです。その「なんとかなる」という感覚が、最終的に起業を決断させてくれました。

行動力と人脈構築がもたらした成長

株式会社不動産総合研究所 永見代表

徹底した情報収集と人脈構築

小川:起業にあたって、具体的にどのような準備をされたのですか?

永見さん:まずは事業をつくるために、たくさんの経営者からお話を聞かせてもらいに行きました。事業構想の段階から、少なくとも200人の経営者に会い、アイデアの壁打ちやヒアリングを重ねました。

サービスの方向性が固まってからも、集客方法をCPA(顧客獲得単価)をはじめとする具体的な数値ベースで聞くなど、徹底的にヒアリングして回りました。資本金については自己資金に加え、信頼する先輩起業家からのサポートを受けて用意しました。

チーム構築と業務委託メンバーとの協働

小川:現在の会社の体制について教えてください。他にメンバーはいらっしゃるのですか?

永見さん:今は業務委託で4名のメンバーと一緒に働いています。不動産業界または人材業界の経験者で、マーケティング施策や求職者対応を担当しています。平均年齢は29歳です。

小川:一緒に働いているメンバーは、どういった点に共感して参加されているのでしょうか?

永見さん:今の4名は、それぞれマーケティングに強い人、候補者対応が得意な人など、明確な強みを持っています。そのスキルを初期フェーズから存分に活かせる環境に魅力を感じ、「自分の得意分野で事業を大きくしたい」という思いで参画してくれたのだと思います。

小川:これから一緒に働くメンバーとなる未来の従業員に求めるものは何ですか?

永見さん:一番は「結果にコミットできること」です。そのために必要なのは、「素直で良い奴」であることだと思います。素直というのは、何か言われたときに「とりあえずやってみる」姿勢のことです。

最初から反発するのではなく、まずは言われたことをやってみてから意見を言えるような人。「良いやつ」というのは、時間や約束を守るといった当たり前のことを当たり前にできる、信頼感のある基本的なことができる人のことです。

「熱狂を原動力に進化し続ける」未来への展望と挑戦する人たちへのメッセージ

株式会社不動産総合研究所 永見代表

日本を代表する企業を目指す大きな挑戦

小川:今後の会社の展望や目標について教えていただけますか?

永見さん:当社は「人とテクノロジーの力で不動産業界の未来を創造する」というビジョンを掲げています。まずは、不動産業界に特化した人材サービスで業界ナンバーワンのポジションを確立することが目標です。そのうえで、蓄積した採用データとテクノロジーを活用し、人材領域にとどまらないソリューションを展開していきたいと考えています。

個人的な夢を挙げると、いずれ父が経営する会社を M&A で引き継ぎ、グループとしてシナジーを生み出すことです。家業への恩返しであると同時に、地域に根ざしたビジネスとテクノロジー主導の事業を掛け合わせ、新しい価値を創出したいと思っています。

「熱狂」の源泉となる自由と責任

小川:永見さんにとって「熱狂」とは何でしょうか?

永見さん:私にとっての熱狂とは、「どうなるかわからない中で、自分の意思で物事をつくっていくこと」です。学生起業という立場は、失敗しても成功してもすべてが自分の責任。意思決定の自由と責任を同時に背負いながら、試行錯誤を重ねていく。その不確実さや緊張感の中にこそ、夢中になれる感覚があります。

学生でも、挑戦することは選べる

小川:これから何かに挑戦しようとしている人に向けて、伝えたいことはありますか?

永見さん:私はハワイで生まれたのですが、日本にもアメリカのように挑戦を後押しする文化が根づいていけば、もっと若い人たちがチャレンジしやすくなるはずだと考えています。そして今は、日本経済をもっと盛り上げたいという思いが、自分の中で大きな原動力になっています。

私自身もまだ学生で、挑戦の途中にいる身ですが、だからこそ感じているのは、「起業って思っていたよりずっと身近な選択肢なんだ」ということです。必ずしも全員が起業すべきだとは思いませんが、「そういう道もある」と知っているだけで、みえる世界が広がる感覚があるんです。

ただ一歩を踏み出すことで、社会に対するみえ方も、自分自身の可能性も、大きく変わっていきます。自分と同じように迷ったり悩んだりしている人にこそ、選択肢のひとつとして「起業」を考えてもらえたら嬉しいです。

小川:スキルを身につけてから起業したいと考えている人も多いと思いますが、そういった方へのアドバイスはありますか?

永見さん:起業して一番大事だなと思うのは人を動かす力です。もちろんスキルはあるに越したことはありませんし、学びながら備えていくことも大切だと思います。しかし、スキルを身につけていても、すべて一人でやることは絶対にできません。自分より多様なスキルや視点を持った人たちを巻き込んで、組織をつくり、会社を大きくしていくことが重要だと思います。

人を動かす力の本質って、自分が描いている未来やビジョンに、どれだけ熱を込めて人に伝えられるかだと思うんです。言葉にワクワクが宿っていれば、人は自然と惹かれる。ソフトバンクの孫 正義さんの話を聞いていると「この人と一緒に何かやってみたい」と思わせるような熱がありますよね。ああいう空気感を、自分なりにでも持てるかどうかが大きいと思っています。

起業は、完璧な準備が整ってから始めるものではなく、「やりながら磨いていくもの」でもあります。私自身まだ挑戦の途中ですが、自分がワクワクできる未来に向かって、行動し続ける人がもっと増えていったら嬉しいなと思います。

企業概要

法人名株式会社不動産総合研究所
HPhttps://fudosoken.co.jp/
設立2024年6月25日
事業内容不動産業界に特化した転職プラットフォーム「宅建WORKS」の運営
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小川莉奈のアバター

編集者

小川 莉奈 - 熱狂ベンチャーナビ編集部

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看護士から一般企業へ就職。その後株式会社デジマケに入社。自身の転職経験を元に新卒~若手の転職者にわかりやすい情報をお届けします。

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監修者

西畑大樹 - 熱狂ベンチャーナビ運営責任者

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新卒で証券会社に入社。その後、不動産・マーケティング・SaaS企業と4社の経験を経て独立。
学生時代は無人島のインターンや創業2か月目の会社でインターン生として2年勤務。
学生時代から新卒就活領域のメディア運営やキャリアコンサルタントを行っていた経験を元に業界や企業理解が深まるインタビュー記事や就活や転職に役立つ情報をお届けします。

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秋山翔一 - 熱狂ベンチャーナビ編集責任者

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新卒で商社に入社。その後WEBマーケティング支援を行う会社に転職。その後、繊維メーカーの役員を経て株式会社デジマケを創業。
年間500記事以上の監修を行っております。採用側の視点でサービスのファクトチェックや記事内容を精査しています。

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熱狂ベンチャーナビ編集部はインターンシップ・新卒就活・転職経験者で編成されております。20代~30代の幅広い年齢・職種やキャリアを持つメンバーが在籍しているため、就活・転職の苦しかった経験や成功体験を元に求職者に役立つ情報を発信いたします。

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