【代表インタビュー】Avalon Consulting株式会社 代表取締役社長 竹内 健登

【熱狂ベンチャーナビ】Avalon Consulting株式会社 代表取締役社長 竹内 健登

教育×発信力で日本の未来を変える起業家が描く、次世代キャリア支援の世界

就職活動における「ブラック企業」への警戒が高まる中、対極にある「ホワイト企業」という概念を日本に広めた企業があります。Avalon Consulting株式会社は、就活塾「ホワイトアカデミー」の運営を中心に、高校生から大学生まで一貫したキャリア支援を展開する教育総合コンサルティング会社です。

代表取締役社長の竹内 健登さん(以下、竹内さん)は、東京大学工学部卒業後、外資系コンサルティング会社デロイトで人材戦略コンサルタントとして活躍した経歴を持ちます。2016年の創業以来、ホワイト企業内定率100%・全額返金保証という驚異的な実績を誇る就活塾から始まり、現在では受験指導、大学向けマッチングサイト、学生アパート事業まで手がける4つの事業を展開。これまで800名以上の就活生を直接指導し、YouTube登録者数は3万人を超えています。

「常に実現できそうで面白そうなことを探している」と語る竹内さん。ニッチなブルーオーシャン市場で競合のいない独自のビジネスモデルを構築し、社員にとって理想的な自由な働き方を実現する経営哲学について、お話を伺いました。

目次

プロフィール

Avalon Consulting株式会社

代表取締役社長 竹内 健登

趣味

読書、海外旅行

座右の銘

質より量

学生が読むべき本

「就活の教科書〜これさえあれば〜」竹内 健登

経営者におすすめの本

「100億マニュアル」梅澤 伸嘉、西野 博道

人生で一番熱狂したこと

会社経営

4つの事業で実現する高校から就職まで一貫支援

就活塾「ホワイトアカデミー」で実現するホワイト企業内定率100%

小川:まず、御社の事業について教えていただけますか?

竹内さん:当社では4つの事業を展開しています。1つ目が最初に立ち上げた事業である就職塾の「ホワイトアカデミー」です。私自身、もともとデロイトという外資系コンサルティング会社で人事系のコンサルティングを担当していました。

小川:人事系コンサルティングというと、具体的にはどのような業務をされていたのでしょうか?

竹内さん:新入社員の採用から研修、人事評価制度の構築など、企業の採用活動の裏側を幅広くみてきました。実は私自身も就職活動に苦労した経験があり、1年間就職留年をしているんです。その際に、就職活動の進め方や業界研究の方法など、そうしたことを教えてくれる人や場所があればよかったのに、と感じていました。

その後、デロイトで人材系のコンサルティング業務を担当するようになって、採用の仕組みを深く理解できたことで、今なら学生にも教えられるのではないかと考え、最初に立ち上げたのが就職塾でした。創業した2016年当時は、大手企業での働き方に関する問題が社会的に注目されており、ブラック企業への警戒感が高まっていた時期でもありました。

小川:「ホワイト企業」を前面に打ち出されたのは、そうした背景があったのですね。

竹内さん:はい。塾としての特色を明確にしたかったこともあり、時代の流れとして働きやすい企業への関心が高まっていたことから、ホワイト企業への就職を支援する塾として「ホワイトアカデミー」という名前で事業を開始しました。

メディアや書籍などを通じて「ホワイト企業」という言葉を積極的に発信してきたので、この言葉を広めることに貢献した一人かもしれません。

その後、高校生のときにどの大学行くかで進路が決まる人もいるので、高校生向けの事業も始めようということで、5年前につくったのが「ホワイトアカデミー高等部」です。高校生のタイミングからキャリアのことをきちんと支援できる教育機関が今のところ存在しないこともあり、これが当社の強みになります。

大学向けマッチングサイト「年内入試ナビ」

小川:年内入試ナビについてもお聞かせください。

竹内さん:現在は少子化の影響で、どの大学も広報に力を入れなければならない時代です。大学は何千万、何億円という広告費を入試広報支援サービスに支払っています。それであれば、当社がそうした媒体を提供すれば良いのではないかと考え、総合型選抜や推薦入試に特化したナビサイト「年内入試ナビ」をつくりました

就職や転職支援サービスでは、プロフィールを登録するとヘッドハンターや企業からオファーやスカウトが届くのが当たり前ですが、受験の分野ではまだそうしたサービスが存在していませんでした。「年内入試ナビ」では、総合型選抜や推薦入試で最適な大学をみつけたい高校生に対して、希望する条件に合う大学とのマッチングを行います。

また、ナビサイトとしては、ホワイトアカデミー高等部で培った大量の生徒の事例と入試攻略のノウハウを記載することで、他の媒体と情報の質で圧倒的な差別化をとっています。

学生アパート運営で実現する付加価値

小川:4つ目の事業についても教えてください。

竹内さん:大学の入り口である受験支援と、出口である就職支援の提供はできているのですが、その間の大学生活の部分で何かできることはないかと考えました。大学生が最もお金を使うのは飲食ですが、飲食事業は競争が激しく収益性が低い。そこで、飲食以外で大学生がお金を使う分野として住居に注目しました。

小川:なるほど、学生の生活に密着した事業展開ですね。

竹内さん:当社は校舎展開を行っていないため、比較的余裕のある財務状況にあります。そこで学生向けアパートを購入・運営し、そこに当社の就職支援サービスを付加価値として提供することを考えました。一般的な学生向け物件に当社の就職支援サービスをつけて、付加価値を高めた学生アパート事業を行っています。

「ユニークさ」を追求するブルーオーシャン戦略

競合のいないニッチ市場で実現する高収益体質

小川:4つの事業はそれぞれユニークな切り口ですね。こうした事業展開の背景にある戦略を教えてください。

竹内さん:当社の事業ポートフォリオをみると、「就職の塾?何それ」「塾なんていらないでしょう」というのがほとんどの方の最初の発想だと思うんですね。しかし、必要だと感じる方や実際に必要な方もいらっしゃるので、メインストリームからは外れているものの、そうしたニッチな需要に応えています。

年内入試の塾についても、「え、何それ」という反応だと思いますし、進学のマッチングプラットフォームや就職支援つき学生アパートも他にはないサービスです。当社にしかできないこと、そして話のネタになるような面白いビジネスを常に考えてしまうんです。

小川:そうしたユニークな事業の利点は何でしょうか?

竹内さん:最大の利点は競争がないことです。ブルーオーシャン市場なので、自由度の高い事業展開が可能です。一方で課題としては、それほど大きな市場規模ではないということがあります。

市場規模の大きな分野は、当然大手企業も参入しているため競争が激しくなります。私はあまり激しい競争は好まないタイプなので、ニッチなブルーオーシャン市場で事業を展開することで、安定した収益を確保しています。

東大時代に培った「ユニークさを出す」哲学

小川:そうしたユニークさを追求する姿勢は、どこから生まれてくるのでしょうか?

竹内さん:常に実現できそうで面白そうなことを探してるってのはあるかもしれません。面白 いことって、儲からない場合ももちろん多いんですけど、ユニークさがあれば、話のネタになるし。人生1回だから、なにか面白いことして死にたいじゃないですか

小川:そうした考え方のルーツはどこにあるのでしょうか?

竹内さん:中高6年間は早稲田の学校に通っていて、いわゆるお坊ちゃま学校だったんです。みんな育ちが良くて上品な環境でした。ただ私は地元が八王子だったので、八王子のテニススクールにも通っていたんですが、そこには地元のヤンキー系の子たちも結構いたんですよ。彼らと同じクラスで、スクールが終わった後はコートの隅で一緒にポテチを食べながらだべったりしていました。

要するに、お坊ちゃま学校の世界とヤンキーの世界、この2つを同時にみてきたわけです。そうすると、ヤンキー的な発想をお坊ちゃま学校に持ち込むと、それがすごくユニークで特殊なものになるんです。逆も同じで。異なるコミュニティに同時に所属していると、それぞれでユニークさを出せるんですね。ユニークだと人からの注目も集まるし、それが気持ち良かったんです。

教育業界の変革を牽引する戦略的発信力育成

AIの時代に重要性を増すコミュニケーション能力

小川:高校から就職まで一貫してサービスを提供される中で、どのような力を育成されているのでしょうか?

竹内さん:当社では「戦略的発信力」と呼んでいます。来塾される方の大半が文系で、AI時代において文系が身につけるべき能力として、自分の目標達成のために情報を収集・加工し、相手を説得する発信力が最も重要だと考えています。

この能力は受験のエントリーシートや面接、就職活動、さらには入社後の営業・広報・広告まで、あらゆる場面で活用できます。そのため、塾全体のカリキュラムの根幹にこの力の養成を据えています。

偏差値重視から発信力重視への教育パラダイムシフト

小川:従来の教育との違いを教えてください。

竹内さん:従来の偏差値中心の一般入試では、暗記力や問題解決能力が重視されてきました。しかし、これらの能力はAIが代替できるようになりつつあります。

むしろAIに任せられる部分はAIにゆだね、自分のことを上手に発信していく力の方が重要になっています。実際に発信力やコミュニケーション力のある人は、社会に出てから大きく活躍していると感じますね。

小川:入試制度自体も変化しているのでしょうか?

竹内さん:知識の暗記と問題解決が重視される入試から、自分の考えや経験を上手く発信できる人が評価される入試へと変化しています。当社はこの変化を先導している立場にあります。

海外では発信力重視がスタンダードです。日本や中国は科挙の仕組みを引き継いでいるため共通テスト中心ですが、海外にもSATなどの共通テストはあるものの、日本の共通テストほど難しくありません。だからこそ、当社では早い段階から発信力を重視した教育に取り組んできました。この流れは今後さらに加速していくと考えています。

自由度抜群の働く環境で実現する理想的なワークスタイル

「誰もみてません」の徹底した自由な働き方

小川:実際の職場環境についても教えていただきたいです。どのような働き方をされているのでしょうか?

竹内さん:一言で言うと、とにかく自由です。一般的な会社のような朝礼や出社義務はありませんし、在宅勤務も自由に選択できます。私も含めて、誰も細かい勤務状況は管理していません

その代わり、半年単位でのタスクは明確に設定し、生徒指導などの業務は責任を持って取り組んでもらいます。会社からの規則による縛りは一切なく、社員それぞれが自分のペースで働いています。早くタスクが完了すれば、残りの時間は自由に使えるシステムです。

向上心の高い人材が集まる理由

小川:そうした自由な環境でも、きちんと成果が出るのはなぜでしょうか?

竹内さん:向上心の高いメンバーが集まっているからだと思います。タスクを早期に完了した社員は、その分を自己研鑽や休暇に充てており、プラスの時間活用をしています。

教育業界、特にキャリア支援の分野では、これまで一定の成果を出してきた人が多く集まります。そうした人たちは独自のワークスタイルを持っているため、会社から細かく指示されることを好みません。自由な環境こそが、彼らの能力を最大化する条件だと考えています。

やりたくない仕事は徹底的に排除

小川:他にも働きやすさの特徴はありますか?

竹内さん:世間的に敬遠されがちな業務を社員に課さないことです。テレアポや飛び込み営業は一切ありません。YouTubeや広告による集客力が強いため、そうした営業活動は不要です。

現在、多くの学習塾が生徒不足で苦戦している中、当社は生徒が集まりすぎて人手不足という状況です。また、校舎展開をしていないため、校舎管理業務もありません。清掃や受付業務も外注していますので社員はやる必要がありません。

私自身がやりたくない仕事は、基本的に社員にも振りませんし、そうした事業は最初からつくりません

成長とキャリア形成の多様な道筋

講師と本社業務の2つのキャリアパス

小川:若手社員はどのように成長されているのでしょうか?

竹内さん:新卒や20代の方には、まず講師としてキャリア教育の専門性を身につけてもらいます。ただし、3〜4年も同じ内容を教えていると飽きてくるのが現実です。

そこで、本社業務への転換も可能にしています。Webマーケティング、新講座企画、高校・大学への営業、ナビサイト事業など、多様な業務があります。私が新しい事業を次々と立ち上げるため、責任者ポジションや企画系の仕事も継続的に増えています。

また、毎月のキャリア面談で本人の希望を聞き、将来のビジョンに合わせたキャリア設計をサポートしています。これは本来生徒に行なっているものですが、生徒だけでなく、社員に対しても同様に実施しています。

自立した人材が輝く組織文化

求める人材像:「自立している人」

小川:入社する方に最も求めることは何でしょうか?

竹内さん:自立していることです。自分で目標を立てて努力できる人、自分のことを自分でできる人を求めています。

自立している人には最適な環境を提供できますが、依存的な人には向かない職場です。研修は行いますが、基本的に仕事は与えられるものではなく、自らつくり出すものだと考えています。プラス思考で主体的に取り組める人には、非常に良い環境だと思います。

新卒採用と中途採用の考え方

小川:新卒採用についてはいかがでしょうか?

竹内さん:新卒も積極的に採用したいと考えていますが、自由な環境が必ずしも全員に適しているわけではありません。手取り足取り教えてほしいタイプより、これまでにさまざまなことを達成し、自信を持っている人の方が合っていると思います。

当社は新卒の中でも少しアブノーマルなタイプの方や、転職者の方に向いている環境かもしれません。特に、前職で過度なルールに縛られていた方や、やりたいことがあるのに意見を取り入れてもらえなかった方には、当社の環境が合うと思います。

教育業界の変革を目指す未来ビジョン

全国の高校・大学から頼られる存在を目指して

小川:今後の会社のビジョンをお聞かせください。

竹内さん:教育業界で革新的な取り組みを行う会社として、一目置かれる存在になりたいと考えています

現在の教育業界は一般入試中心で「とにかく勉強しろ」という発想が根強いのですが、大学のニーズはすでに変化しています。少子化とAI時代の到来により、問題解決や暗記中心の人材より、発信力や人間力、経験値で評価される人材が求められています

年内入試ナビの拡大を通じて、全国の高校・大学から頼られる会社を目指しています。高校教員向けセミナーでは毎月数百名を集めており、今後はオンラインでの合同大学説明会なども企画しています。教育の出口である大学入試を変革することで、日本の教育全体をシフトさせていきたいと考えています。

教育業界で面白いことをやりたい方にとって、当社は非常に楽しい職場だと思います。興味を持たれた方は、ぜひホームページをご覧ください。

会社概要

法人名Avalon Consulting株式会社
HPhttps://avalon-consulting.jp/
設立2016年4月15日
事業内容就活塾「ホワイトアカデミー」運営
AO入試・推薦入試塾「ホワイトアカデミー高等部」運営
大学向けマッチングサイト「年内入試ナビ」運営
学生アパート事業
採用情報https://avalon-consulting.jp/recruit/
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小川莉奈のアバター

編集者

小川 莉奈 - 熱狂ベンチャーナビ編集部

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看護士から一般企業へ就職。その後株式会社デジマケに入社。自身の転職経験を元に新卒~若手の転職者にわかりやすい情報をお届けします。

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監修者

西畑大樹 - 熱狂ベンチャーナビ運営責任者

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新卒で証券会社に入社。その後、不動産・マーケティング・SaaS企業と4社の経験を経て独立。
学生時代は無人島のインターンや創業2か月目の会社でインターン生として2年勤務。
学生時代から新卒就活領域のメディア運営やキャリアコンサルタントを行っていた経験を元に業界や企業理解が深まるインタビュー記事や就活や転職に役立つ情報をお届けします。

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秋山翔一 - 熱狂ベンチャーナビ編集責任者

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新卒で商社に入社。その後WEBマーケティング支援を行う会社に転職。その後、繊維メーカーの役員を経て株式会社デジマケを創業。
年間500記事以上の監修を行っております。採用側の視点でサービスのファクトチェックや記事内容を精査しています。

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執筆者情報

熱狂ベンチャーナビ編集部はインターンシップ・新卒就活・転職経験者で編成されております。20代~30代の幅広い年齢・職種やキャリアを持つメンバーが在籍しているため、就活・転職の苦しかった経験や成功体験を元に求職者に役立つ情報を発信いたします。

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