【代表インタビュー】クロスボーダー株式会社 代表取締役 佐藤 泰也

【熱狂ベンチャーナビ】クロスボーダー株式会社 代表取締役 佐藤 泰也

人と人をつなぐイベントから、新たな事業領域へ。熱狂する仲間と共に描く、グループ1兆円の未来

クロスボーダー株式会社の代表取締役の佐藤 泰也さん(以下、佐藤さん)は、26歳で起業してから21年間、イベント・プロモーション業界で数々の挑戦を続けてきました。「人間は思い通りにしかならない」という信念のもと、マジシャン派遣から始まった事業は、今や年間400件の展示会施工、8,000人規模のイベント運営まで手がける総合プロモーション企業へと成長。さらには買収を通じたグループ化戦略、農業事業への参入など、常に新たな領域へ挑戦し続けています。

社員の「やりきる力」を最大の強みとして、どんな無茶な要求でも期限内に実現させるという体育会系の社風。その一方で、社員を家族のように大切にし、70代まで働ける環境づくりを目指すなど、人を軸にした経営を実践しています。20年で1兆円企業を目指す佐藤さんの熱狂的な挑戦について、お話を伺いました。

目次

プロフィール

クロスボーダー株式会社

代表取締役 佐藤 泰也

趣味

新しい事業を立ち上げること、ゴルフ、子どもと遊ぶこと

尊敬する人

孫 正義さん、父親

座右の銘

人間は思い通りにしかならない

人生で一番熱狂したこと

仲間と会社の事業をやっているとき、子育て

展示会からパーティーまで。総合プロモーション企業としての強み

オーダーメイドで挑む年間400件の実績

小川:まず改めて、御社がどのような事業をされているのか教えていただきたいです。

佐藤さん:メインはイベントプロモーションで、企業の社内運動会やパーティーの企画、大手飲料メーカーの商品試飲会など、さまざまなイベント運営を手がけています。もう一つの柱が展示会のブース施工で、年間約400件を担当しています。

4人程度の少人数で400件をこなしているので、一人当たりの生産性は非常に高いんです。たとえば医療系の展示会では、1回の展示会で40社のブースを担当し、年6〜7回のペースで売上は1回あたり約2,000万円になります。

小川:なぜ御社を選ぶクライアントが多いのでしょうか。

佐藤さん:ダントツでうちの社員の能力が高いからだと思います。現場を運営する総合力があり、すべてオーダーメイドの案件でも確実にやりきる。実際、リピート率は9割を超えています。

創業当初の2004年から21年間続いているジュエリー業界の仕事もあり、今でも月400〜500万円の売上があります。この継続性が、私たちの信頼性を物語っていると思います。

「やりきる力」が生む圧倒的な現場力

小川:具体的にどのような能力が高いのでしょうか。

佐藤さん:たとえば先週、大手小売チェーンの商品試食イベントを全国同時開催してほしいという依頼が急に来ました。地方には人もいない状況でしたが、社員が全国を飛び回って実現させました。

どんな無理な要求でも納期までにやり遂げる力、それが最大の強みです。体育会系ですが、コロコロ変わる仕様や急な方向転換にも対応できる。この「やりきる力」こそが、私たちの武器です。

中学時代の出会いから始まった起業への道

一冊の本から始まった起業への道

小川:起業を志したきっかけは何だったのでしょうか。

佐藤さん:中学生のときに読んだソフトバンク孫 正義さんの本がきっかけです。「かっこ良いな、自分で会社を立ち上げるなんて」と衝撃を受けました。親父は普通のサラリーマンだったので、そういう仕事があることを知って憧れました。

2004年7月2日に会社をつくり、今は21期目です。26歳のときに前職を辞めて独立し、埼玉の実家の自分の部屋で始めました。

小川:中学生でそのような本に出会ったのは運命的ですね。26歳での起業というのは、相当な決断だったのではないですか。当時の事業内容はどんなものだったんでしょう。

佐藤さん:大道芸人やマジシャンなど、特殊技能を持った人をイベントに派遣する事業から始めました。そのときにジュエリー業界の会社から「ネイリストを派遣してほしい」という依頼をいただき、それが21年間続いているんです。

拡大路線の挫折から本業回帰へ

小川:21年間も続いているなんて、すごい信頼関係ですね。でも、そこから今のような総合プロモーション企業になるまでには、きっと順調なことばかりではなかったと思うのですが。

佐藤さん:ええ、実は紆余曲折がありました。最初は順調に黒字を計上して増資も進めていたんです。それで上場を目指してVCから出資を受け、渋谷に大きなオフィスを構えて拡大路線に転じました。赤字でも攻める時期と考えたのですが、結果的に資金繰りが回らなくなって経営危機を経験しました

小川:その危機的な状況から、どうやって脱出されたのですか。

佐藤さん:実は私は目移りしやすくて、不動産事業や建築、介護など、いろんな新規事業に手を出していました。でも、最終的に生き残ったのは本業のイベント関連事業だけでした。結局、この事業に集中することにして、試行錯誤しながら少しずつ横展開・深化させて現在に至っています。

大規模イベントから街頭サンプリングまで。幅広い事業展開

業界ピラミッドの中での独自ポジショニング

小川:現在のイベント業界における御社のポジションや特徴についてお聞かせください。

佐藤さん:この業界は大手広告代理店が頂点にいて、その下に運営会社、施工会社、リース会社がある、建設業のようなピラミッド構造になっています。

その中でも、当社は運営と施工、キャスティング、PRまで総合的にできるのが強みです。展示会は直接クライアントから、イベント運営は代理店経由、PR事業は自治体から直接受注するなど、受注ルートも多様化しています。

8,000人規模のパーティーから大規模イベントまで

小川:これまでで印象的だった案件はありますか。

佐藤さん:これまでで最も大きな案件は、とある会社の立食パーティーで8,000人規模でした。ホテルでは収容できないため、ビッグサイトの西館をすべて使用しました。売上は数億円という一日のイベントでした。

他にも大規模な国際スポーツイベントやマラソン大会の運営も手伝っています。

0から0.1を生み出す新規事業への飽くなき挑戦

積極的な企業買収戦略

小川:最近、M&Aにも積極的だとお聞きしました。

佐藤さん:はい、製造業の会社を買収しました。おもちゃメーカーとパチンコ機器部品の事業を展開する会社で、買収して2ヶ月で営業利益2,000万円を達成しています。

実は買収が得意かもしれません。10年前にもディスプレイ事業を買収し、介護事業を立ち上げて売却した経験もあります。0から1をつくるのが好きで、ある程度形になったら任せてしまうタイプなんです。

小川:なぜ新規事業にそこまで熱中するのでしょうか。

佐藤さん:事業をやることが楽しいからです。みんなで議論して新しいことを考え、実行しているときが一番楽しい。お金は評価基準の一つですが、みんなでわちゃわちゃやっているときが好きなんです。趣味みたいなものですね。

実は0から1というより、0から0.1をつくる方が得意かもしれません。ある程度形になったら任せてしまいます。経営者仲間と話したり、多くの失敗を経験したことで、「この事業はいけそうだ」という嗅覚はだいぶ磨かれました。

社員を家族のように大切にする経営哲学

情熱を重視する採用と愛情ある教育

小川:人材についてのお考えを聞かせてください。

佐藤さん:採用で一番求めているのは情熱です。経験より大切。イベントが好きで楽しいという気持ちがあれば、スキルは後からついてきます。

教育では「溢れる思い」を大切にしています。最近も台湾で出会った新卒を採用しましたが、礼儀がまだ身についていなかったので、厳しさも交えながら丁寧に向き合いました。時には悔し涙を流すこともありましたが、それも成長の一環だと思っています。厳しくても愛情を持って接することが重要だと考えています。

70代まで働ける環境づくり

小川:福利厚生や働き方についてはどうお考えですか。

佐藤さん:社員がカップラーメンばかり食べていたのでお弁当を会社で用意したり、きめ細やかな配慮をしています。社員との食事も大切にしていて、先日は全員で1人5,000円のランチを楽しみました。

私の理想は70代でも働ける会社です。現在も60代の社員がいますし、体力的に厳しくなったら別の部署や事業に移ってもらえるよう、多様な選択肢を用意したいと考えています。人を大事にした方が会社は伸びると信じています。

20年で1兆円。壮大なビジョンへの挑戦

リアルプロモーションでナンバーワンへ

小川:今後の展望について教えてください。

佐藤さん:クロスボーダーとしてはリアルプロモーションで日本ナンバーワンを目指します。最近社員に言っているのは「グループ会社をつくって20年で1兆円を目指す」ということ。高い目標ですが、失敗しても1,000億円くらいにはなるでしょう。

買収戦略も積極的に進めます。業界全体でも課題を抱えている企業は少なくありません。そうした企業に対して、当社のノウハウを活かして立て直していきたい。買収は効率的な成長戦略だと考えています。

常に「今が一番楽しい」と言える人生を

小川:最後に、読者へのメッセージをお願いします。

佐藤さん:チャレンジする気持ちを持って、失敗を恐れずにやることが大切です。人生は思い通りにしかならない。自分の描いたこと以上のことはできません。

若いときは何をやりたいか分からないはずですから、とりあえず目の前のことにトライして、たくさん経験する。そのうえで、「これは残す」「これは手放す」といった取捨選択をしていけばいいと思います。走りながら考える、それが大切です。

私は毎年、今年が一番楽しいと思っています。仲間と事業をやっているときも、子育ても、すべてが熱狂的です。これからも新しい挑戦を続けていきます。

法人名クロスボーダー株式会社
HPhttps://x-border.co.jp/
設立2004年7月2日
事業内容マーケティング事業
イベントプロデュース事業
展示会主催事業
採用https://x-border.co.jp/recruit.html
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小川莉奈のアバター

編集者

小川 莉奈 - 熱狂ベンチャーナビ編集部

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看護士から一般企業へ就職。その後株式会社デジマケに入社。自身の転職経験を元に新卒~若手の転職者にわかりやすい情報をお届けします。

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監修者

西畑大樹 - 熱狂ベンチャーナビ運営責任者

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新卒で証券会社に入社。その後、不動産・マーケティング・SaaS企業と4社の経験を経て独立。
学生時代は無人島のインターンや創業2か月目の会社でインターン生として2年勤務。
学生時代から新卒就活領域のメディア運営やキャリアコンサルタントを行っていた経験を元に業界や企業理解が深まるインタビュー記事や就活や転職に役立つ情報をお届けします。

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秋山翔一 - 熱狂ベンチャーナビ編集責任者

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新卒で商社に入社。その後WEBマーケティング支援を行う会社に転職。その後、繊維メーカーの役員を経て株式会社デジマケを創業。
年間500記事以上の監修を行っております。採用側の視点でサービスのファクトチェックや記事内容を精査しています。

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執筆者情報

熱狂ベンチャーナビ編集部はインターンシップ・新卒就活・転職経験者で編成されております。20代~30代の幅広い年齢・職種やキャリアを持つメンバーが在籍しているため、就活・転職の苦しかった経験や成功体験を元に求職者に役立つ情報を発信いたします。

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