【代表インタビュー】株式会社オルアナ 代表取締役 岸本 拓也

大企業×スタートアップの知見を武器に挑む、新規事業開発支援
「アイデアを絵に描いた餅で終わらせない」—実行まで伴走するパートナーとして
新規事業の成功率は10%に満たないと言われています。多くの企業が新規事業の必要性を感じながらも、アイデアを形にできず、検証の壁を越えられずに立ち止まってしまう。そんな課題に真正面から向き合うのが、株式会社オルアナ代表取締役社長の岸本 拓也さん(以下、岸本さん)です。
SIerで15年にわたりコンサルティング営業として数々の企業の業務改善を支援し、その後スタートアップで新規事業開発の最前線を経験。2025年9月、両方の知見を融合させた新規事業開発の伴走支援会社として、株式会社オルアナを設立しました。
「コンサル会社にアイデアの整理をしてもらったけれど、そこから先が進まない」「新規事業を立ち上げたいが、何から手をつければ良いかわからない」—そんな企業の声に応え、アイデアの創出からMVP開発、事業化まで一気通貫で支援する同社の強みについて伺いました。
【プロフィール】

株式会社オルアナ
代表取締役社長
趣味
サッカー
尊敬する人
父親
座右の銘
正しい努力は報われる
学生が読むべき本
「俄:浪華遊侠伝」司馬 遼太郎
人生で一番熱狂したこと
学生時代にサッカーに打ち込んだこと
「アイデアの整理」で終わらせない—実行レベルの伴走支援

企業の新しい挑戦を成長に導く新規事業開発のパートナー
小川:御社の事業内容について教えてください。
岸本さん:当社のメイン事業は、企業の新しい挑戦を成長に導く「新規事業開発の伴走支援」です。多くの企業が新規事業を立ち上げたいと考えていますが、アイデアを形にできず、成功率が低いという課題を抱えています。
当社はアイデアの創出から一緒に伴走し、POC(Proof of Concept:概念実証)やMVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)開発といった市場検証も一緒に行い、その後の事業軌道に乗せるところまで支援します。
小川:具体的に、どのような企業からご相談をいただくことがあるのでしょうか?
岸本さん:直近であった事例では、1年間新規事業をつくるためにコンサル会社を導入したものの、アイデアの棚卸しや綺麗なまとめだけで終わってしまったという企業がありました。「ここからどうしたら良いか本当にわからない」というタイミングでご相談をいただいたのです。
当社は「まとめて整理する」だけのサービスではなく、「一緒につくっていく、一緒に検証していくところまでできる」ことをお伝えしています。そうした点を評価いただき、プロジェクトがスタートしました。
「理論を知っていても実行できない」というジレンマを解消
小川:新規事業に取り組む企業が直面する課題とは、具体的にどのようなものでしょうか?
岸本さん:新規事業は90%ぐらいは収益化するところまで持っていけないと言われています。しかし、「なぜそんなに成功率が低いのか」というポイントが、企業側では見えづらいのです。
ちゃんと実行に移していく段階で、いざとなると困るケースが非常に多いですね。リーンスタートアップのセオリーは知っていても、それを実践できない。そこを一緒に伴走してほしいというニーズは多いです。
15年の大企業経験×スタートアップの実践知—両者を融合した強み

スタートアップの発想を、大企業の文脈に適応させる
小川:御社の強みや他社との違いについて、教えてください。
岸本さん:私は長年SIerでお客様の課題を本質から捉えてコンサルティング営業をしてきた経験と、その後スタートアップで市場の変化に対応するスピード感を身につけた経験があります。この2つを融合している点が強みです。
新規事業開発を求めるお客様には、歴史のある企業が多いと感じています。私自身、そうした企業での経験を積んできたこともあり、先方の立場やお気持ちを理解しながら、「ではどう進めていくか」という整理やご提案ができているのだと思います。
小川:大企業とスタートアップ、両方の経験があるからこその強みということですね。
岸本さん:はい。スタートアップだけしか経験していなければ、尖ったことばかり言ってしまうかもしれません。しかし、スタートアップ的なスピード感や発想を求めている企業に対して、どういう形で適用させていくか。そこが他にはない強みだと思っています。
「自分が介在したことでお客様に貢献できた」—仕事における熱狂の原点

若手時代の成功体験が現在の事業の原点に
小川:今まで仕事をされてきた中で、最も熱狂したと感じる瞬間はいつでしたか?
岸本さん:コンサルティング営業の若手時代に、初めてお客様の基幹システムを他社のものから入れ替える提案が採用されたときですね。
すでに他社のシステムを利用している環境に後から関わり、何も取引がないところからお客様と会話をし、課題を自分でみつけ、それに対して課題に沿った提案ができ、採用していただきました。この一連の流れを、初めて最初から最後まで自分で完結させられたことが、今でも忘れられない感覚として残っています。
小川:その経験が、今の事業にもつながっているのでしょうか?
岸本さん:そうですね。お客様の課題に向き合い、改善提案を行う姿勢は、現在の仕事でもそのまま活かせています。自分で関係をつくって、心を開いてもらって、課題を聞いて、それに対して改善提案をして採用していただく。
今でも似たようなことを続けているのは、そういった熱狂があったからだと思います。自分が介在したことでお客様に喜んでもらえたという経験は、今の仕事の原点になっていますね。
環境の変化が最大の成長機会—SIerからスタートアップへの挑戦

「既存事業を良くする」から「新しい事業を自分たちでつくる」へ
小川:独立されるまでの経緯を教えてください。
岸本さん:大学卒業後にSIerに入社し、15年間課題解決型のコンサルティング営業をしていました。喜んでもらえる提案はできていたのですが、どうしても「今ある既存事業を良くしよう」という繰り返しでした。
新しい事業を自分たちでつくっていくことにチャレンジしてみたいと思い、スタートアップに転職しました。そこで2年弱ほど新規事業開発やAIの商談を多く経験し、レベルアップできたと思います。
小川:そこから独立を決断されたのはなぜですか?
岸本さん:そのスタートアップはAIやインフラ面のサービスに力を入れていましたが、自分自身はもっと新規事業開発の部分でお客様に貢献したい、そちらの方が面白いし、能力を発揮できると感じたのです。そこで、新規事業開発をメインとする会社を立ち上げました。
「ルールがないカオスな状態」で結果を出す力を身につけた
小川:環境が大きく変わる中で、大変だったことはありますか?
岸本さん:スタートアップに転職したとき、文化が違いすぎて苦労しました。すべてルールがガチガチに決まっていた組織から、何もルールがないカオスな状態のところに入って、その中でも結果を出さないといけない。自分がどう振る舞わないといけないかを考えないといけなかったんです。
やっている最中は辛いこともありましたが、その先にある自分のイメージが描けていたので、早く適応してそういう自分になりたいという気持ちがモチベーションになりました。
「仮説を持つこと」が不確実性の高い新規事業開発の鍵

正解がない中で意思決定するために必要な姿勢
小川:岸本さんが仕事をするうえで、大切にされていることは何ですか?
岸本さん:自分の仮説を常に立てて、自分なりの見解を必ず持つことです。
何か意思決定するときに不確定要素が多い中で、正解がわからない状況があります。そこで仮説を持って、「それがうまくいかなかった場合は自分で責任を取る必要がある。では、リスク管理をどうするか」と考えて動くことを大事にしています。
小川:スタートアップでの経験で、印象に残っているエピソードはありますか?
岸本さん:営業的な動きをしていたのですが、当時は明確なルールがなかったため、上長に確認を取るのではなく、自ら社内の手続きフローを設計し、その形で業務を進めたことがあります。結果的に、事務処理がスムーズに回るようになりました。
後から振り返ると組織が改善されていて、自分が入って意味があったのかなと感じることができた瞬間でした。
主体性を持って動ける人材と共に

リモートでも成果を出せるメンバーで組織を構成
小川:現在の組織体制について教えてください。
岸本さん:正社員は2人で、それ以外は昔から付き合いのあるメンバーに業務委託としてパートナーになってもらっています。基本的にはリモートですが、オンラインでは密に回数を多くして話すようにしています。自然と雑談が生まれるぐらいのレベルまでコミュニケーションをとっています。
小川:リモートワークで気をつけていることはありますか?
岸本さん:フルリモートの仕事を前職でしていたのですが、リモートに向いていない人は向いていないという感覚がわかりました。ちゃんとリモートでも、パフォーマンスを発揮できるかどうかを意識しながら進めるようにしています。仕事の用事以外でも話すような関係性を築けないと、リモートワークはうまくいかないと思っています。
「指示待ち」ではなく、自分の意思を持った人材を求める
小川:今後採用において、どのような方に来てほしいですか?
岸本さん:「指示待ち」ではなく、自分なりの考えや判断軸を持ち、主体的に行動できる方に来ていただきたいです。細かい指示を出してあげないと動けないのであれば、現地で日々顔を合わせる形でないと厳しいと思います。
スタートアップで働いていたとき、指示がない状況でも自ら考えて方針を決め、承認を取りにいくような働き方ができないと、リモートでは厳しいと感じました。主体的に物事を進められる人が大事になると思っています。
収益の柱を複数持ち、チャレンジを続ける会社へ

安定している今だからこそ、新規事業に取り組むべき
小川:どのような企業が、新規事業に挑戦すべきだと思いますか?
岸本さん:ある程度の規模になってきた会社こそ、新規事業をやるべきだと思っています。新規事業は最初の数年は投資フェーズになりますが、そこを乗り切れば今とは違う収益の柱ができます。
今、業績が厳しい会社がやることではなく、「今安定しているけれど、このままで良いのだろうか」「次の一歩をどうしたら良いのだろう」と感じている企業が新規事業をやるべきです。何十年も続いてきた会社でも、人口減少や外部環境の変化で今まで通りにいく保証はありません。今問題なく会社が回っている間に新しい柱を立てていく。そういった考えを持っている会社のお手伝いができればと思っています。
小川:今後、御社をどのような会社にしていきたいですか?
岸本さん:とにかくたくさんのことにチャレンジできる会社にしたいと思っています。
今はリソースの関係で新規事業開発の支援を事業の柱にしていますが、事業を軌道に乗せたうえで、得られた収益をもとに別の事業にも挑戦し、収益の柱を複数つくっていきたいと考えています。そのチャレンジ精神は忘れないようにしていきたいですね。
会社概要
| 会社名 | 株式会社ロットネスト |
|---|---|
| HP | https://lottnest.com |
| 設立 | 2022年4月 |
| 事業内容 | ・インターネット広告代理店 |
※2026年1月時点の情報です。
