【代表インタビュー】freeks株式会社 代表取締役 篠竹 将太朗

未経験者を3ヶ月で現場投入可能に育成、豊富な選択肢を実現するキャリア支援
転職市場においてエンジニアの需要が高まる一方で、未経験者がエンジニアとしてのキャリアを築くことは容易ではありません。多くの企業が即戦力を求める中、SES(System Engineering Service:クライアントに対して技術力を提供するサービスのこと)業界では未経験者を採用しても十分な研修を提供せず、エンジニア以外の業務に従事させるケースが少なくないのが現実です。
そうした業界の課題に正面から向き合うのが、freeks株式会社 代表取締役の篠竹 将太朗さん(以下、篠竹さん)です。採用コンサルタントとしてIT業界をみつめ続けてきた篠竹さんは、25歳のときに「人生100年時代、残り約70年間働くなら社会課題の解決に取り組みたい」と決意し、2020年にfreeksを創業しました。
同社が掲げる「エンパワーメントを通じて未来を彩る」というミッションの背景には、「豊富な選択肢を持てる人材を増やしたい」という強い思いがあります。3ヶ月の本格的な研修制度と充実したフォロー体制で未経験者をエンジニアとして育成し、将来的には独立支援制度も設ける構想を描く篠竹さんに、その取り組みと熱い思いについて伺いました。
プロフィール

freeks株式会社
代表取締役 篠竹 将太朗
趣味
旅行、飲食店巡り、ゴルフ、サウナ、スノボ、フットサル
尊敬する人
挑戦するすべての人
学生が読むべき本
「エッセンシャル思考」グレッグ・マキューン
経営者におすすめの本
「イシューからはじめよ」安宅 和人
人生で一番熱狂したこと
常に熱狂して生き抜いてきた人生そのもの。人よりも沢山失敗して紆余曲折しますが、最後まで粘り強く向き合ってきたことで、今ではちょっとやそっとの失敗や障壁に心が折れることはなくなりました。逆に「最後は必ず勝てる」そんな自信と期待が自分に対して常にあります。
「技術者不足と地方創生」—25歳でみつけた人生をかけるテーマ

SI領域への特化で実現する持続可能なエンジニアキャリア
小川:御社の事業内容について教えてください。
篠竹さん:大きく2つの事業を展開しています。コア事業はエンジニアリングサービスで、ソフトウェアやアプリケーションの開発を行っています。メンバーの大半はエンジニアもしくは元エンジニアで、主にSESというビジネスモデルで事業展開しています。
当社の強みは、未経験を含む若手エンジニアの採用と教育、そして輩出までを一貫して行っていることです。それに付随する形で、法人向けのプログラミング研修サービスや、エンジニア適性を診断する適性テストサービスも提供しています。
2つ目の事業としては、地域の事業者や自治体向けにプロモーション支援サービスを展開しています。主にSNS、広告運用、ECコンサルティングなど、地域の事業者の売上向上や集客支援を行っています。まだテストマーケティング段階ですが、将来的に地方創生に貢献したいという思いで事業を立ち上げています。
小川:エンジニア育成において、なぜSI(System Integration:顧客のシステム開発や運用、保守などを一貫して請け負うこと)の領域に特化されているのでしょうか?
篠竹さん:仕事がないとエンジニアは活躍できないし、エンジニアの母数も増えていかないと考えています。現在、Webサイト制作やホームページ、LPの制作などをメインに行ういわゆるフロントエンド中心のWeb制作の領域は、AIやノーコードツールの台頭により、企業やフリーランスも案件を獲得するハードルが上がっています。
一方、SIの領域はDXの推進により、プロジェクトの規模がかなり大きくなってきています。市場規模を考えたときに、完全にSIの領域の方がポテンシャルが高いと判断しました。
もともと私自身がJACリクルートメントで採用コンサルタントをしており、IT業界のクライアントを担当する部署にいたため、市況感を現場で感じている中で、プロジェクトの規模や数、市場全体の売上も伸びているのを実感していました。Web制作の領域が今後尻すぼみになりそうな雰囲気を感じていたのに対し、SIやDXの領域は今後間違いなく伸びていくだろうと考え、後者に軸足を置くことを決めました。
人生70年の働く時間で取り組むべき「社会課題」への気づき
小川:このような社会課題に向き合う事業を始められた経緯について、もう少し詳しく教えていただけますか?
篠竹さん:25歳くらいのときに、自身の将来について真剣に考える期間がありました。人生100年時代で、残り70年間ほど働く時間があると考えたとき、70年もの間、何かを継続していくことは難しいことですが、逆に何かすごく大きなことができるのではないかと感じるようになりました。
どういった目的や目標を自身の人生や仕事の中に立てるかを考えていったときに、考えられる一番大きな目標が社会課題の解決に向き合うことでした。さらに、自分にとって、自分ごととして向き合える社会課題は何だろうと考え、IT技術者不足と地方創生の2つに関心を持ちました。
IT領域の採用支援をしていた経験と、旅行好きでいろんな地方に行く中で地方の過疎化や経済的自立の課題を目の当たりにしていたことが影響しています。この2つなら自分ごととして向き合えそうだと思い、現在の2つの事業につながっています。
業界の常識を覆す「3ヶ月本格研修」システムの構築

他社との差別化を図る徹底的なサポート体制
小川:未経験エンジニアの育成において、他社との違いや特徴について教えてください。
篠竹さん:SESで未経験を採用している会社の中でも、3ヶ月の研修をやって4ヶ月目からエンジニアとして仕事を用意できる会社はそれほど多くありません。多くの場合、研修をやりながら何らかの売上を発生させる業務やエンジニアのサポートに従事してもらうケースが多いのが実情です。
たとえば、コールセンターやヘルプデスクなど、エンジニアになりたいと思って入社したのに、まずはそういった仕事からスタートし、空き時間で研修を進めていくという仕組みの企業が多いんです。「1年後や1年半後にエンジニアになれます」という会社が大半で、それでは学習が進まなかったり、途中で挫折してしまうケースが多くなります。
当社では、入社後半年以内のメンバーには先輩社員を1人アサインして、仕事のことから会社生活まで、すべてのことを気軽に相談できる「ブラザー・シスター制度」を設けています。さらに、5~10名程度のユニット組織をつくり、みんな違うプロジェクトに参画している中でも、コミュニケーションを活性化させる仕組みとして構築しています。
また、メンバー1人ひとり専用のSlackチャンネルをつくり、私も含めて研修講師、営業担当、HRBP(Human Resource Business Partner:人材・組織開発担当者)、ユニットリーダーが参加して、日々のフォローができる体制を取っています。研修カリキュラムやエンジニア教育は当然のことですが、こうしたサポート体制にも自信を持っています。
3ヶ月研修から現場配属までの具体的なプロセス
小川:具体的な研修内容と、入社後のキャリアパスについて教えてください。
篠竹さん:当社独自のカリキュラムで、主にJavaというバックエンドの言語から学習を始めます。国内で最も多く使用されている言語であり、汎用性も高いことから、まずはそこから入っていただいています。SQLやフロントエンドの言語にも触れながら、現場で使うような実践的なカリキュラムにしています。
研修期間中に実際にシステムを1人でつくってもらうので、どのような形でシステムが出来上がり、テストを含めてクライアントに納品していくのかという一連の流れを研修の中でキャッチアップできるようになっています。
3ヶ月の研修で1人前のエンジニアとして活躍できるかというと難しいのですが、最低限任されたことをこなせるレベルにはなります。最初の1年間は本当にいろんな人に迷惑をかけながら仕事をしていく形になりますが、3年くらい経てば、安定的に自分のタスクを完遂できるようになります。
5年以上経験すれば、クライアントから評価をもらえるレベルになり、エンジニアとしてのキャリアも魅力的なものになっていると思います。
個性を強みに変える組織文化と成長環境

平均年齢27〜28歳のフラットで挑戦的な組織
小川:会社の雰囲気や文化について教えてください。
篠竹さん:平均年齢が27〜28歳前後で若い人が多く、最年長でも35歳程度です。私は現在30歳なのですが、若い組織なので比較的距離が近く、社内の雰囲気は良いと思います。
基本的に全員がエンジニアに挑戦するというところから入ってくるので、同じような葛藤や悩みを持っていて、みんな同じ道を経験しています。同じ研修を受け、同じようなプロジェクトに入っていくため、共通の言語や話題があることが自然とメンバー間のコミュニケーションの活性化につながっていると感じています。
さらに特徴的なのは、入社して数ヶ月のメンバーが「リーダーをやりたい」と相談してきたり、「こんなプロジェクトに参画したい」と自発的に発言してきたりすることです。そういった「こんなことに挑戦してみたい」「こんな取り組みに興味がある」という発言が気軽に出てくるような環境になっています。
ホールディングス構想で実現する多様な選択肢
小川:御社に入社したときに、どのような挑戦の機会や成長環境があるのでしょうか?
篠竹さん:現在はエンジニアとしてのキャリアパスを中心に用意していますが、会社から「こうなってほしい」と押し付けるのではなく、メンバーの「こうなりたい」という希望に対して、実現できる方法を一緒に考えて、提案をする形でキャリアパスをつくっています。
実際に、Javaエンジニアとしてスタートしたものの、現在はPythonエンジニアになっている人もいれば、クラウドエンジニア、PM、PMOになっている人もいます。エンジニアになりたくて入社してきたけれど、事業運営やマネジメントに興味を持ち、現在は営業や採用、HRBPを担当してくれているメンバーもいます。
本人に明確なキャリア目標があるなら、それを実現するために当社でできることを提案する体制になっています。技術を伸ばしていく道もあれば、技術を背景にPMや事業責任者を目指す道、バックオフィスに入っていく道、そして独立していく道もあります。
現在、独立支援制度の構築を進めており、8月にはホールディングス会社を設立しました。持ち株会社がファイナンスやバックオフィスをサポートし、グループ会社の代表は事業に集中できる体制をつくりたいと考えています。
「知的好奇心」と「主体性」を持つ人材への期待

成長し続けるために必要な資質
小川:御社で成長していくのに向いている人、向いていない人の特徴を教えてください。
篠竹さん:知的好奇心があるかどうかが重要だと思います。IT業界は新しいものがどんどん入ってきますし、それをキャッチして自分のものとして使える人が周囲と差をつけて成長していきます。
知的好奇心が強い人は、「こんな風になりたい」「これができるようになりたい」「こんなチャレンジをしたい」という思いが自然と出てくると思います。そういった意欲を実現するために、会社全体がサポートする体制になっているので、強い想いを持てる人なら活躍していただけると思います。
逆に、知的好奇心やWillがない人は、安定的にエンジニアとして仕事はできるとは思いますが、当社でやることのメリットを享受できないかもしれません。
小川:これから入社する人に期待することは何ですか?
篠竹さん:ご自身の人生やキャリアについてちゃんと考えられているかどうかが一番重要だと思います。そこに対して何らかの考えを持っている人と話をするのはすごく楽しいですし、それを当社であればこんな風に実現できるなどといった会話を広げていくことができると思います。
そういった対話が新しい事業や新しい会社が生まれる瞬間でもあると思います。ホールディングスとしてそのような環境づくりをしていきたいと考えているので、ご自身の人生とキャリアについて自問自答し、自己分析をしたうえで、ぜひ行動に移していただきたいです。
エンパワーメントを通じて未来を彩る企業グループへ

1つの会社では実現できない理想の追求
小川:今後の展望について、篠竹さんが描いているビジョンを教えてください。
篠竹さん:当社のミッション「エンパワーメントを通じて未来を彩る」は、個人や組織の可能性を最大化して、未来の選択肢を豊富に持つことができる状態を指しています。
freeksという社名は「free(自由)」と「seek(追い求める)」の造語で、直訳すると「自由を掴み取る」という意味になります。当社の定義する自由とは、豊富な選択肢を持ち、その中から納得のいく意思決定ができる状態にあることです。
そういう人をたくさんつくっていきたいし、それができる組織や会社、地域を増やしていきたいと思っています。それを実現するには1つの会社では難しいと考えているので、ホールディングス体制を構築し、多数のグループ会社をつくっていきたいと考えています。
現在、freeksとして向き合っている「IT技術者不足」「地域経済格差」の2つの社会課題は私が解決したいと感じた課題なので、他のメンバーや新たに迎える仲間の中に他の分野に興味関心を持つ人がいれば、そういったものが今後事業や会社になっていったら面白いと思っています。
小川:最後に、メッセージをお願いします。
篠竹さん:IT業界でキャリアをつくりたいと考えている方で、挑戦したいことややってみたいことはあるけれど、それを実現できていない、どのようにすれば形にできるか分からないという人にとっては最適な環境なのではないかと自負すると共に、迎える側としてもとてもワクワクします。
自身の未来を見据えて、挑戦したいことがある方や、エンジニアとしてキャリア形成していくことに強い意志を持つ方に来ていただけるとすごく嬉しいです。
会社概要
会社名 | freeks株式会社 |
HP | https://freeks-inc.biz |
設立 | 2020年7月7日 |
事業内容 | システム開発 SESサービス プロモーション支援サービス |
採用情報 | https://freeks-inc.biz/recruit |
※2025年8月13日時点の情報です。