【代表インタビュー】株式会社スリーシアーズ 代表取締役 大久保 良太

【熱狂ベンチャーナビ】株式会社スリーシアーズ 代表取締役 大久保 良太

心理学と脳科学で人の内発的変化を起点に日本を動かす、独自の自己変革プログラム

日本では自己肯定感の低下が、いまや社会全体の深刻な課題となっています。「どうせ自分なんて」「失敗したらどうしよう」といった思考にとらわれ、自分の可能性を信じられない若者たちが増え、主体的に行動する力を失いつつあります。この構造的問題に、心理学・脳科学・ストーリーテリングを融合した革新的なアプローチで挑戦するのが株式会社スリーシアーズです。

代表取締役の大久保 良太さん(以下、大久保さん)は、光通信での法人営業、人材業界でのナンバー2としての組織運営を経て独立。「人の内発的な変化を起点に、組織、社会、ひいては日本・世界を動かす」という壮大なミッションを掲げ、主人公体験型の自己変革プログラム「ヒーローズジャーニー」と、月額3万円で大学キャリアセンターとの接点を提供する採用支援事業を展開しています。

「死ぬまで人生明るく笑って生きていたい」という信念のもと、日本の教育システムそのものを変革しようとする大久保さん。学歴社会から自己理解社会への転換を目指す、その熱狂的な挑戦について詳しくお話を伺いました。

目次

プロフィール

株式会社スリーシアーズ

代表取締役 大久保 良太

趣味

サッカー、フットサル、スポーツ観戦、たくさんの人に会う

尊敬する人

両親

座右の銘

名もなききっかけに、ひとつの選択が未来を灯す

学生が読むべき本

「キングダム」原 泰久、「7つの習慣」スティーブン・R・コヴィー

経営者におすすめの本

「キングダム」原泰久、「限界国家」楡 周平

人生で一番熱狂したこと

起業したとき

心理学と脳科学が融合した、革新的な自己変革プログラム

世界神話の法則を現代ビジネスに応用した独自の設計

小川:御社の事業について詳しく教えていただけますか?

大久保さん:当社では大きく二つの事業を展開しており、人の内発的な変化を起点に、組織、社会、ひいては日本・世界を動かすことを目的としています。一つ目が主人公体験型の自己変革プログラム「ヒーローズジャーニー」で、心理学と脳科学、ストーリーテリングを掛け合わせた独自の設計になっています。

小川:ヒーローズジャーニーとはどのような内容なのでしょうか?

大久保さん:これはジョゼフ・キャンベルという世界神話研究者が提唱した理論がベースです。彼が世界神話を研究する中で発見したのは、主人公が旅立ちを決意し、挫折し、助言者に出会って再び旅立つという12のステップが共通して存在することでした。ドラゴンボールやワンピースといった日本のアニメも、実はこのヒーローズジャーニーのモデルが活用されています。

小川:それを個人の成長に応用されているということですね。

大久保さん:まさにその通りです。自分の物語を歩むことで、気づき、行動、そして習慣化を実現していく内容で、8月からスタート予定です。これが私が今期最も力を入れている事業になります。

8ヶ月間のプログラムで人生の主人公体験を提供

小川:具体的なプログラム内容について詳しくお聞かせください。

大久保さん:8ヶ月間のプログラムで、最大20名の集合研修形式です。1社あたり最低2名選出していただき、さまざまな企業の方と一緒に学んでいただきます。初月は3日間の集中講座で自己理解と未来への自己宣言、チームでの課題設定を行います。

小川:2ヶ月目以降はどのような内容になるのでしょうか?

大久保さん:2ヶ月目から7ヶ月目は、ヒーローズジャーニーの各段階に合わせた心理学と脳科学の要素を取り入れています。たとえば2ヶ月目は「試練・仲間・敵」をテーマに感情の解釈力を高める内容を用意しています。

小川:8ヶ月目の卒業式も特別な内容だとお聞きしました。

大久保さん:ドラクエ形式の脳診断を受けていただき、右脳・左脳・ミクロ・マクロの特性から、勇者や魔法使いといった職業診断を行います。そして最終的には受講者一人ひとりの絵本を制作してプレゼントします。

ご家庭でお子さんに読み聞かせしていただくことで、「パパすげえな、勇者なんだ」「ママって主人公なんだ」という、誰でも主人公になれるメッセージを次世代に伝えたいんです。

32%の離職率に立ち向かう、3年目社員への特化戦略

小川:どのような方をターゲットにされているのでしょうか?

大久保さん:主に、入社してから3年目の社員をターゲットにしています。理由は、自分自身の色がなくなってしまうタイミングが3年目だからです。新卒で入ったときは、やりたいことがあって入社したのに、組織を知り、社会を知り、働く人を知ってしまって、本来自分が持っている色を出せなくなってしまうんです。

小川:確かに3年目というのは一つの節目ですね。

大久保さん:新卒3年目での離職率は直近で約32%と高止まりしており、ここ数年横ばい〜微増傾向が続いています。この子たちをターゲットに、もう一度組織に向き合い、主体性を身につけてもらいたいと考えています。我々の研修を受けていただいたら、その社員の年収を上げてくださいと経営者の方に提案しているんです。

主体性が身について、組織の中で自分の色を合致させ、物事を自分事と捉え行動し、チームの目的やミッション、今やっているプロジェクトが何のためなのか、自分に何ができるのかをしっかり考えて、結果にコミットできる人材になると信じています。だからこそ、経営者の方に自信を持ってこの内容を提案させていただいています。

月額3万円で実現する、キャリアセンター直結の採用改革

従来の100万円採用から3万円への劇的コストダウン

小川:もう一つの採用支援事業についても詳しくお聞かせください。

大久保さん:こちらは大学のキャリアセンターと企業の人事を繋ぐサービスです。従来の「伝える」採用から「伝え合う」採用スタイルへの転換を目指しており、人事の方が待つのではなく、アクションを起こしていくことを重視しています。

小川:具体的にはどのような仕組みなのでしょうか?

大久保さん:月額3万円のサブスクリプション形式で、月に約30校の大学とのオンラインスケジュールを組んでいます。好きなだけ参加していただけて、大学から採用に至る紹介をいただいても、追加費用は一切いただきません。

小川:月額3万円というのは驚きの価格ですね。一般的な人材紹介会社とはかなり違いますね。

大久保さん:人材紹介エージェントの費用が、以前は40万円程度だったのが、最近では100万円を超えるケースが増えてきてます。企業にとって一人採用するのに100万円はリスクが高くなっていると思います。また、私たちは人事の方の営業力・発信力のスキルアップに繋がるようなサービスを目指しています。

人事の営業力強化で企業の未来を変える

小川:スキルアップというのは、どのような考えからでしょうか?

大久保さん:多くの企業では、どちらかというと受け身の採用スタイルに慣れてしまっている傾向があります。でも私は企業の中で最も重要視すべきなのは人事のポジションだと思っています。人事はもっと攻めるべきなんです。どんどん表に出て選ばれるのを待つのではなく、選ばれに行く動き方が必要だと思っています。会社や働く人、そして自分自身の魅力を前面に出して、営業していく存在であってほしいんです。

私たちは企業に対してキャリアセンターとの出会いのきっかけを提供しますが、そこから学生を紹介してもらえるかどうかは人事の方の熱量やアプローチ次第です。だからこそ、私たちのサービスは必要以上にコストをかけず、企業の主体的な動きを後押しする設計にしています。結果として、それが企業の採用力向上とブランド力アップにつながると信じています。

実体験で学んだ営業哲学と人材育成の原点

厳しい営業現場で培ったファンづくりの極意

小川:大久保さんのバックグラウンドについてもお聞きしたいのですが、どのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?

大久保さん:光通信で法人営業をやっていました。実は学生時代から起業も考えていて、教員になるか起業して教育に携わるかを悩んでいたんです。学校と社会の壁が大きすぎて、学校の先生がなぜ社会のことを教えないのかという疑問がありました。

小川:それで光通信を選ばれた理由は?

大久保さん:非常に厳しい営業環境で知られる会社に敢えて身を置こうと決めたんです。厳しい環境を経験すれば、学生さんたちにリアルな社会の現実を伝えられると考えました。そういう思いから光通信に入りました。

そこで、営業の概念が全く変わりました。商品を売ろうとしても売れないということに気づき、最終的には営業はファンづくりだと学んだんです。何を売るかよりも誰が売るかが重要で、「この人が言うなら信じてみたい」と思ってもらえる関係性を築くことを大切にしていました。

第一印象から第三印象まで、徹底した自己プロデュース

小川:ファンづくりの具体的な工夫があれば教えてください。

大久保さん:第一印象、第二印象、第三印象を強く意識しています。第一印象では表情や笑顔、明るい雰囲気づくりを意識し、髪型も必ずデコを出すと決めています。清潔感と温かさで「この人明るくて元気だな」という印象を与えることを心がけています。

第二印象では伝え方、聴き方を意識してます。信用・信頼できるかは声のトーンや話し方、身振り手振りなど伝え方で決まると思っています。加えて相手の話をしっかり聞き、聞き方にも反応やリアクションを大切にしています。
第三印象では「この人に任せて将来はあるのか」という信頼プラスアルファの印象を残すことを意識してます。未来を見せられるように、イメージを持たせられるように、明確な言葉で何事も自信満々に伝えるように意識しています。

オリンピック案件で1日平均150人の稼働を実現した究極の熱狂体験

1ヶ月間睡眠30分で挑んだ組織総動員プロジェクト

小川:これまでのお仕事で最も熱狂した経験について教えてください。

大久保さん:前職の人材業界で東京オリンピックの案件を取ったときですね。1日午前と午後で平均150人を稼働させる必要があり、朝4時からの勤務もある過酷な案件でした。当時の会社の規模感ではそのポジションに行くことは珍しく、絶対に受けると決意して営業で取ってきました。

小川:150人というのは相当な規模ですね。どのように対応されたのでしょうか?

大久保さん:スタートは20人程度の社員で受けていたのですが、私が管轄していた5部署すべてに加え、グループ会社にも協力してもらい、全員でオリンピックを担当してもらいました。

小川:そこまで頑張れた原動力は何だったのでしょうか?

大久保さん:会社のブランド力を高めたいという想いがありました。当時は通信業界のイベント案件が主でしたが、AIやロボットが進化していく中で、今後自動化される仕事が増えていくことを危惧していました。オリンピックのようにもっと上のレベルの案件に携わり、会社のブランド力を高める必要があると考えていました。

誰1人辞めることなく完遂した究極のチームワーク

小川:過酷な環境の中で、チームはどのような状況だったのでしょうか?

大久保さん:非常に大変な案件でしたが、チーム一丸となって取り組むことができました。途中で体調を崩す社員もいましたが、お互いをフォローし合いながら最後までやり遂げることができて、終わった後はみんなで達成感を共有できました。

小川:それだけの結束力が生まれた理由は何でしょうか?

大久保さん:やはり、「何をするかより、誰とするかを大事にする」という会社の文化が根本にあったからだと思います。私自身も、その考え方に共感して入社したひとりです。

加えて、自分自身も「ボスではなく、リーダーとして動く」ことを大切にしていて、やらせるのではなく一緒にやろうというスタンスで、自ら汗をかいて先陣を切る姿勢を心がけていました。そうした姿勢も、メンバーがついてきてくれた一因かもしれません。

みんなで高いレベルの案件に挑戦することで、個人としても組織としても大きく成長することができました。やりきったという自信と達成感を全員で共有できたことが、その後の組織運営にも大きく活かされています。

解釈力で人生が変わる、究極のワークライフバランス環境

「予算に追われる」から「予算を追いかける」への意識転換

小川:独立されて会社を経営される中で、どのような職場環境を目指されているのでしょうか?

大久保さん:誰もが主人公になって、リーダーシップを発揮できる環境をつくりたいです。リーダーは役割であって、リーダーシップは一人ひとりが持っている大切な力だと考えています。自分の強みを最大限に活かして、弱みをフォローし合える組織にしていきたいですね。

小川:具体的にはどのような工夫をされているのでしょうか?

大久保さん:失敗を責めることなく、失敗は挑戦の証として、失敗は経験で終わらせるような環境を心がけています。特に重視しているのは「解釈力」の向上です。

たとえば上司から「お前はなぜ数字を上げられないのか」と言われたとき、「自分はできない人間だ」ではなく「激励してくれている、応援してくれている」と解釈を変えることです。

小川:解釈力というのは面白い考え方ですね。

大久保さん:「予算に追われている」ではなく「予算を追いかけている」。この解釈一つで全然違うんです。追われていると嫌になってしまいますが、追いかけていると夢中になれます。こうした解釈力を高められる組織にしたいと思っています。

素直・謙虚・感謝の3要素で必ず結果を出す人材育成

小川:これから会社に入る人に最も求めることは何でしょうか?

大久保さん:三つあります。素直な人、謙虚な人、ありがとうとごめんなさいが言える人。この三つだけで十分だと思っています。これができれば結果は必ず出せます。

素直な方には人が寄ってきて、この人にお願いしたい、任せたいと思ってもらえます。謙虚な方は相手の立場になって考え、行動できる。そしてありがとうと、ごめんなさいが言える方は、相手と本気で向き合い、伝える力があると考えています。この三つが揃っていれば、チームの中で信頼され、どんな課題にも立ち向かっていける。私はそう信じています。

学歴社会から自己理解社会へ、日本の教育革命への挑戦

教育機関への展開で日本の未来を変える壮大なビジョン

小川:今後の展望についてお聞かせください。

大久保さん:私の目標は日本の教育を変えることです。現在は企業向けにヒーローズジャーニーを提供していますが、将来的には日本の教育機関に持ち込んで、教育の一環として取り入れていただきたいと考えています。若いうちから自己理解や主体性を育む教育を実現したいです。

小川:教育を変えるというのは壮大なビジョンですね。

大久保さん:学歴や偏差値だけが評価される社会を壊して、自己理解社会を実現したいんです。左脳だけでなく感性や創造性を育てる右脳的な学びも大切にしたい。そしてうちの会社のようにきっかけを届ける人を増やして、自分の人生に自信を持てる人をもっと増やしていきたいです。

小川:そうした想いの原点はどこにあるのでしょうか?

大久保さん:私自身が「死ぬまで人生明るく笑って生きていたい」という信念を持っているからです。人生は1度しかなく、いつ何があるか分からない世の中だからこそ、その日その日を後悔して生きたくないんです。

この体験を誰かのロールモデルにしてもらえれば嬉しいですし、人生って本当はシンプルで、楽しいことがいっぱいあることを伝えたいと思っています。

固定概念を超えて、心の声に従った行動を

小川:最後に、学生の皆さんにメッセージをお願いします。

大久保さん:たくさんの経験をしてほしいと思っています。その経験を止めるのは結局他の誰でもない自分なんです。「これをやったらどうなっちゃうだろう」「これ私にできるかな」と立ち止まらず、自分がやってみたい、アクションしてみたい、行動してみたい、経験してみたいと思ったら、結果に関係なくまずは一歩踏み出してほしいと思います。そして挑戦した自分をちゃんと認めて、褒めてほしいと思っています。

自分の思い込みや枠内だけで動くのではなく、自分が本当に心の中から思っていることを素直に表現しながら経験を重ね、自分自身の成長に繋げてほしいですね。何かお困りのことがあれば、FacebookでもLINEでも何でもやっているので、気軽に相談していただきたいと思います。

会社概要

法人名株式会社スリーシアーズ
HPhttps://3cers.co.jp/
設立2022年11月
事業内容教育支援事業
・主人公体験型自己変革プログラム「ヒーローズジャーニー」採用支援事業
・大学と企業マッチング
・説明会、面接代行、教育研修、インターンシッププログラム構築
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小川莉奈のアバター

編集者

小川 莉奈 - 熱狂ベンチャーナビ編集部

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看護士から一般企業へ就職。その後株式会社デジマケに入社。自身の転職経験を元に新卒~若手の転職者にわかりやすい情報をお届けします。

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監修者

西畑大樹 - 熱狂ベンチャーナビ運営責任者

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新卒で証券会社に入社。その後、不動産・マーケティング・SaaS企業と4社の経験を経て独立。
学生時代は無人島のインターンや創業2か月目の会社でインターン生として2年勤務。
学生時代から新卒就活領域のメディア運営やキャリアコンサルタントを行っていた経験を元に業界や企業理解が深まるインタビュー記事や就活や転職に役立つ情報をお届けします。

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秋山翔一 - 熱狂ベンチャーナビ編集責任者

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新卒で商社に入社。その後WEBマーケティング支援を行う会社に転職。その後、繊維メーカーの役員を経て株式会社デジマケを創業。
年間500記事以上の監修を行っております。採用側の視点でサービスのファクトチェックや記事内容を精査しています。

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執筆者情報

熱狂ベンチャーナビ編集部はインターンシップ・新卒就活・転職経験者で編成されております。20代~30代の幅広い年齢・職種やキャリアを持つメンバーが在籍しているため、就活・転職の苦しかった経験や成功体験を元に求職者に役立つ情報を発信いたします。

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