【代表インタビュー】株式会社PRIMAS 代表取締役 鈴木 翔晴

財務・経理×フリーランスで切り拓く新たな働き方の未来
財務や経理といった堅い業務ほど、「正社員でなければならない」という空気が今も強く残っています。しかし、「正社員がすべてじゃない」と断言するのが、株式会社PRIMAS代表取締役の鈴木 翔晴さん(以下、鈴木さん)です。
米国公認会計士として監査法人からスタートし、複数のスタートアップでCFOを経験した後、2023年に独立。財務・経理・税務に特化したフリーランスエージェント事業を立ち上げました。税務フリーランスの分野では先駆的な取り組みを行い、人材不足に悩む企業と柔軟な働き方を求める専門人材の架け橋となっています。
一方で、将来的にはエンタメ事業への展開を視野に入れており、「人生の楽しい時間を1秒でも増やしたい」という独自の人生観を持つ鈴木さん。従来の枠組みにとらわれない発想で、働き方改革の最前線を走る彼の想いについて伺いました。
プロフィール

株式会社PRIMAS
代表取締役 鈴木 翔晴
趣味
サウナ、カラオケ、旅行、シーシャ
尊敬する人
弊社に関与いただいている社員、フリーランス
座右の銘
有終の美
学生が読むべき本
「キングダム」原 泰久
経営者におすすめの本
「ビジョナリーカンパニー」ジム・コリンズ、ビル・ラジアー「人を動かす」デール・カーネギー
人生で一番熱狂したこと
会社が成長したと感じる瞬間に、いつも熱狂を感じます。
先駆的な「税務フリーランス」事業—既存の常識に一石を投じる挑戦

「なぜ正社員なのか?」への明確な答えがない現実
小川:御社の事業について教えてください。
鈴木さん:当社は現在、2つの事業を展開しています。1つ目が、税務・財務・経理に特化したフリーランスエージェント事業。2つ目が、財務経理のBPO事業、いわゆる決算代行サービスです。
特に注力しているのがフリーランス事業の方ですね。現在、エンジニアやクリエイティブのフリーランス活用は当たり前になりましたが、財務・経理・税務のフリーランスを活用するという発想はまだまだ浸透していません。
多くの企業の社長とお話しすると、「財務・経理・税務領域は正社員でしょ」と言われることが多いんです。でも、「なぜ正社員なのか」と聞くと、実は明確な答えができない方がほとんどです。だからこそ私たちは啓蒙活動も含めて、この分野でのフリーランス活用の価値を広めていきたいと考えています。
法的リスクを乗り越えて開拓した税務フリーランス市場
小川:特に税務分野では先駆的な取り組みをされているとお聞きしましたが、参入障壁が高かったのではないでしょうか?
鈴木さん:おっしゃる通りです。税務フリーランスは私たちが先駆けて手がけた分野で、法的なリスクが大きな課題でした。
税理士法人からの再委託形式とした場合、資格を持たないフリーランサーが税務的なアドバイスをしてしまうと税法違反になってしまいます。私たちがそれを紹介した責任も問われることになるんです。
そこで弁護士と相談しながら、法務的なリスクを抑えながら事業を進めています。この煩雑さが参入障壁になっている面もありますが、だからこそ価値のある事業だと考えています。
アメリカで培った視野と日本での実務経験が生んだ独自の価値観

中学生の七夕の願いから始まった公認会計士への道
小川:鈴木さんがこの分野に入られたきっかけを教えてください。
鈴木さん:実は、中学生の時の七夕の短冊がきっかけなんです(笑)。当時、夢がなくて父親に相談したら「公認会計士はお金をいっぱい稼げるよ」と言われて。それから夢を問われた際にはとりあえず毎回「公認会計士」と答えていたら、結果的に本当にその道に進んでいました。
青森県の三沢市出身で、米軍基地が近くにあったため、幼い頃からアメリカの文化に触れていました。それで英語にも興味を持ち、アメリカの大学で会計学を学んで、現地で公認会計士の資格も取得しました。
2年で監査法人を辞めると宣言した理由。CFOとして学んだ経営の醍醐味
小川:新卒でデロイトトーマツに入られた後、2年で転職されていますね。
鈴木さん:同期に2年で辞めると宣言していました。理由は明確で、事業会社のCFOになりたかったからです。
監査法人では監査人の目線を養えましたが、今度は事業会社の経営者や経理部の目線を養いたいと思ったんです。最終的には経営者になりたかった。
CFOを経験して強く感じたのは、自分の意思を戦略に落とし込み、チームの力で現実にしていく、その一連の流れが非常に面白いということです。事業だけでなく、バックオフィス全体の財務・経理・総務・法務・労務全般において、自分の考えやイメージが現実に落とし込まれていく過程に、ある種の快感を覚えたんです。現在CEOを務めていますが、そのCFOでの経験が今の経営に大いに活かされています。
若手経営者が描く組織運営と成長戦略

20代中心の組織で実現する専門性と柔軟性の両立
小川:現在の組織体制について教えてください。
鈴木さん:業務委託含めて現在16名程度の組織です。20代中心のメンバーで構成されており、活気のある環境だと自負しています。
特徴的なのは、専門性と柔軟性を両立している点です。公認会計士や税理士、そして上場企業での経理・経営企画経験者など実務家が多く在籍していますが、案件によっては当社に登録いただいている200名のフリーランスパートナーからも柔軟にアサインして、プロジェクトの質を高めています。
創業間もないスタートアップならではの成長機会
小川:これから入社される方にはどのような環境を提供できますか?
鈴木さん:ゼネラリストとしての育成には適した環境だと思います。スタートアップなので、営業も経験できるし、財務・経理・法務・総務・労務も希望があれば経験できます。
将来的に経営者を目指したい若者には、かなり向いた環境です。私を含めて20代後半で5年から10年程度の社会人経験がある先輩たちが、その知見を新卒や第2新卒の方にお渡しすることができるので、成長性とやりがいの高い環境を提供できると考えています。
「楽しい時間を1秒でも増やす」人生哲学とエンタメへの想い

祖父の言葉から学んだ「後悔しない生き方」
小川:日々の働き方や意思決定において、大切にしている価値観はありますか?
鈴木さん:「人生の楽しい時間を1秒でも増やし、苦しい時間を1秒でも減らしたい」というのが私の基本的な考え方です。
これは、亡くなった祖父との会話がきっかけでした。生前、自然に会話をすることができた80歳の祖父に「今までの人生で後悔したことはあるか」と聞いたところ、瞬発的にたった一言「ない」と野太い声で返答がありました。その明快な回答に「かっこいいな、そう言い切れる人生を自分も送りたい」と強く思いました。
いつ死ぬか分からないという現実を受け入れて、毎日「今日も楽しかった、後悔なし」と言えるような生活を送りたいと考えています。
将来の夢:フェスと移動型屋台で人々に人生の豊さを提供
小川:将来的にはエンタメ事業への展開も視野に入れているとお聞きしました。
鈴木さん:はい。この想いは、実は現在のPRIMAS(プリマス)の事業とも地続きにあると考えています。
私たちは、「働くこと=苦しいこと」という社会の固定観念を変えていきたいと思っています。財務・経理・税務といった堅い職種の方々に、新しい働き方を提供することで、「やりがい」や「心地よさ」を感じられる時間を増やし、人生そのものを豊かにできると信じています。
エンタメ事業は、まさにその延長線上にある取り組みです。仕事に追われる日常の中で、ふと肩の力を抜いて「楽しかった」と感じられる時間を届けたい。そのため将来的には、フェスや移動型屋台といった、人々が自然と集まり、語り合い、笑い合えるような「場づくり」に取り組みたいと考えています。
たとえば、荷台を引いて街を巡り、上野のような場所で囲炉裏を囲んでお酒や料理を振る舞う。そんな屋台空間や、音楽・トーク・カルチャーを融合させたフェスの場を通じて、働く人々に「非日常」と「つながり」を提供したいのです。
温かい料理やお酒を囲みながら、人生やキャリアについて気軽に語り合える空間は、働き方や生き方を見つめ直す、もうひとつの「教育の場」にもなり得るはずです。働くこと、人生を楽しむこと、そして社会と関わること—それらをつなぐ「場」を創り出すためにも、まずはPRIMASの基盤をしっかりと築き上げていきたいと思っています。
普段仕事でストレスを感じている人が、「楽しかった」「久々に発散できた」と言ってもらえるような機会をつくりたい。そのための資産を今、地道に築いているという感覚です。
成長への熱狂と組織拡大への展望

今が一番熱狂している瞬間
小川:これまでで一番熱狂したことは何ですか?
鈴木さん:会社が成長したと感じた瞬間に一番熱狂しましたね。今が一番楽しくて、常に更新し続けています。
その他にも上場準備段階の企業の経営者の方が、数ある選択肢の中から当社を選んでくださったときです。まだまだ若い私たちを信頼して発注していただいた瞬間は、本当に脳汁が出ました(笑)。
売上的な成長もそうですし、関わってくれている正社員・フリーランスの方が明らかにスキルアップしたときも同じように嬉しいですね。
3年で年商15億、そしてエンタメ事業へ
小川:今後の展望について教えてください。
鈴木さん:まずは、3年以内に年商15億円の達成を目指しています。財務・経理・税務領域におけるフリーランスエージェントとして、「この分野ならPRIMAS(プリマス)だ」と業界内外から認知されるような、確固たるポジションを築いていきたいと考えています。
あわせて、社労士法人向けの労務フリーランス紹介事業も展開していく予定です。財務・経理・税務にとどまらず、バックオフィス全体をカバーできる体制を整えることで、企業の中長期的な成長と、専門人材の柔軟な働き方の両立を支援していきます。
年商15億の達成後は、IPOも選択肢に入りますが、それに限らず、思想や価値観を共有できる企業様との連携やM&Aも視野に入れています。そうした経営基盤が整えば、私自身がずっと描いてきたもう一つの夢――「人がつながり、人生を語り合える場」としてのエンタメ事業にも本格的に取り組んでいけると考えています。
理想を追い続ける経営者からのメッセージ

財務・経理・税務フリーランスを目指す方へ
小川:最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
鈴木さん:財務・経理・税務領域でフリーランスとして活躍したい方、ぜひ私のところに来てください。より人生を豊かにします。
現在、この分野ではフリーランスの方から「案件がない」という相談を毎日のように受けています。エンジニア領域では人材と案件のバランスが取れていますが、財務・経理・税務はまだ案件が不足している状況です。
私たちは法人開拓を積極的に進めており、この状況を変えていきます。正社員がすべてではありません。私についてきてください。一緒に新しい働き方の未来をつくっていきましょう。
また、組織のメンバーとしても、誠実で成長意欲のある方を求めています。目先の利益だけでなく、地に足をつけて信頼関係を築きながら成長していける方と一緒に働きたいと思っています。
会社概要
会社名 | 株式会社PRIMAS |
HP | https://primas.co.jp |
設立 | 2023年4月 |
事業内容 | 税務・財務・経理フリーランスエージェント事業 財務経理BPOコンサルティング事業 |