【代表インタビュー】株式会社リオエンターテイメントデザイン 代表取締役 竹林良太

【代表インタビュー】株式会社リオエンターテイメントデザイン 代表取締役 竹林良太
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プロフィール

株式会社リオエンターテイメントデザイン
代表取締役 竹林 良太

趣味:釣り、ウィンドウサーフィン、ビリヤード、車
尊敬する人:スティーブ・ジョブズ
人生で一番熱狂したこと:小学生の時に初めてショートフィルム制作を模索し、チャンレジしたこと
座右の銘実るほど頭を垂れる稲穂かな

事業について

想いを形にする鍵は現場にある

小川

会社の事業モデルについて教えていただけますか?

大きく言うと、私たちの事業は「空間デザイン」がメインの業務です。その中でも、特に展示会場で行われるブースの設営やデザインが9割を占めています。それに加えて、商業施設でのワークショップやイベント、住宅展示場での催事ごとのコンテンツ提供なども手掛けています。要するに、空間があれば、どんな仕事でもこなすという感じですね。
具体的には、商業施設でのワークショップやイベント、住宅展示場での催事などがあります。

小川

他の会社と比べたときに、御社の特徴はどの点にありますか?

社名に「エンターテイメントデザイン」という言葉を入れたのは、エンターテイメントの枠にとらわれず、お客様のニーズに柔軟に対応できる企業を目指したかったからです。

デザイン会社である私たちのスタンスとしては、作ったものが実際にお客様に喜んでもらえるものかどうかを確認するために、現場を見たり、お客様と密にやり取りをすることが大事だと思っています。デザインだけして終わり、ではなく、作ったものが現場でどう立っているか、実際にどう反応があるかを自分の目で見て確認するのが重要です。

実際、1つのプロジェクトには10社以上の業者が絡みます。例えば、床の設置には床業者、電気工事には電気業者、映像制作には映像業者が必要です。多くの業種が関わる中で、うちではその全体をまとめていく役割を担っているんです。そして、最終的にそれがどのようにお客様に届くか、現場でどう動いているかを自分で確認しないと、真の完成度は分からないと思っています。

竹林さんご自身について

挫折から得た視点を活かし、隠せない空間デザインで感動を創り出す

小川

独立を目指すきっかけは何でしたか?

元々デザイナーとして働きたかったのですが、最初に配属された会社で営業職を担当することになりました。お客様と直接やり取りをしながらデザインを依頼する仕事をしていたのですが、どうしても上がってくるデザインに納得がいかず、「営業もデザインも現場も、全て自分で担当したい」と思うようになりました。この思いが次第に強まり、最終的に「自分の会社を持ちたい」と決意し、独立を考え始めました。

当時、特に印象に残っているのは、東京駅で開催されたプロジェクションマッピングのイベントを見たときです。その技術に強く引き込まれ、会社にも提案しましたが、残念ながら「予算がない」と拒否されてしまいました。この経験が逆に「自分でやらなければ」という気持ちを強くしましたね。

また、当時の会社からは「営業もデザインも一人でこなすのは無理だ」と反対されましたが、それが逆に挑戦したい気持ちを引き出しました。そこで、1年間自分に時間をくれるなら成績を出すと約束し、その結果、1年後には利益率を大幅に向上させ、業務を効率よく進めることができるようになりました。この成果が認められ、社内での評価も大きく向上したことで、さらに自信を持ち、最終的に独立する決断を後押しすることとなりました。

小川

空間デザインの事業を立ち上げるきっかけや経緯について教えてください。

元々映画監督を目指し、人に鳥肌を立たせたり、感情を揺さぶることができる仕事に魅力を感じていましたが、チェロの演奏を通じて感動を与える喜びを知るも、才能や鍛錬の差からチェロで生計を立てるのは難しいと感じるようになりました。

そんな時、表舞台ではなく、演奏者を支える立場でなら自分の経験を活かせるのではと思いました。チェロの演奏を通して、ステージに立つときの緊張やスポットライトの重みを経験していましたが、それを経験してステージをデザインしている人はあまりいないのではと考えたのです。そこから他のデザイナーとは違う、演奏者の感情を引き出すようなステージを作りたいと思うようになりました。

その後、オーストラリアの大学で舞台演出を学んだのですが、ただ”見えている部分だけの演出”にとどまらず、「隠せない空間デザイン」に面白さを感じるようになりました。そういった舞台や映像演出にはない、「360°どの角度から見ても感動を生む空間デザイン」は、視覚的に完全な空間を追求する挑戦だと考えています。こういった自分の経験を活かし、感動を生む空間を提供することに意義を感じ、現在の事業を立ち上げようと思いました。

オペラハウスでの挑戦と経営の試練から学んだ“実践の価値”

小川

学生時代に、今のキャリアに影響を与えた経験やエピソードはありますか?

学生時代から「早く自分の人生の方向性を見つけたい」という強い想いを抱いていました。特に印象的だったのは、シドニーのオペラハウスで舞台セットを作る会社でのインターン経験です。そこでプロのデザイナーたちが日々本格的な仕事に取り組む姿を見て、「なぜ自分は学生としてここにいるのだろう?」と感じる場面が多くありました。

ある課題で提案したアイデアが採用され、プロのデザイナーたちがそれを形にしていく様子を目の当たりにしたことで、自分の提案が実際の舞台を作り上げる一部となる喜びを味わいました。
この経験は、学生の私がデザインの本質に触れる機会となり、デザインは見た目や美しさだけでなく、使う人、観る人の視点や感情を考慮し、より良い体験を提供することが求められ るということにとても魅力を感じました。単なる美的な判断だけではなく、実際に空間をどのように使うか、どのように機能性を持たせるかという視点を養う実践的な機会だったといえます。
卒業後、オペラハウスで自分が関わった舞台を観に行く機会をいただき、その経験は大きな感動と共に「もっと早く現場で実践を積みたい」という決意を強めるものになりました。

小川

経営されている中で、大変だったエピソードや、どのように乗り越えているかということについて教えてください。

特に記憶に残っているのは、私がどん底に落ち込んでいた時期に、経営者仲間でありお客様でもある一個上の先輩が、私をご飯に誘ってくれたときのことです。接待する側であるにもかかわらず、私のそんな状況を見かねて、トイレに行っている間にお会計を済ませてくれていたんですよね。思わず涙が出そうになりました。自分がどん底にいるからこそ、その小さな親切がすごく心に沁みて、悔しい気持ちもありましたが、その温かさに救われたんです。それがきっかけで、もう一度立ち上がる勇気をもらいました。

こうした経験から、どんなに辛い状況でも「止まない雨はない」と信じて全力を尽くすようにしています。その時に自分がどう対応できるか、どう反応するかが大切だと思っています。大荒れの時期もずっと続くわけではなく、試練を一つずつ乗り越えることで、次第に新しいチャンスが見えてくるんです。だからこそ、心の持ちようがすごく大事だと考えて行動しています。

会社について

自分の120%を出せて初めて顧客の100%に届く、価値創造の本質

小川

デザイン業界でこれから挑戦を続けるために、最も大切なことは何だと思いますか?

デザイン業界において重要なのは「斬新で新しいデザイン」だけではありません。それ以上に大切なのは、相手に寄り添い、その人の思いや要望に応える力です。私たちはデザインの技術はもちろん、「人間力」で勝負すべきだと考えています。相手のために何ができるか、常にその視点を持つことで、結果として「この人と仕事をしたい」と思ってもらえる関係を築けるのだと思います。

たとえ自分がかっこいいと思うデザインでも、相手にとってはそうではないこともあります。僕たちの仕事はアーティストではないので、自分が作りたいものを作るのではなく、相手の好みや要望に応じてデザインを創り上げることが求められます。相手が求めるものに応える力こそが、デザイナーとしての本質的な価値だと考えています。

小川

会社の雰囲気や、これから入社する人に求めることについて教えてください。

私たちの会社はクリエイターが多いということもあり、みんなが自由に働ける雰囲気を大切にしています。厳格なルールも少ないですが、私たちは共通して「自分の120%を出して、初めてお客様の100%に届く」という意識を持って取り組んでいます。こうした意識を各自が持っているからこそ、お客様から直接指名されることも多いのだと考えています。

これから入社される方には、謙虚さと素直さを大切にしてほしいと思っています。特に、業界未経験の方や新卒の方に対しては、最初から大きな成果を求めるのではなく、どんなことでも素直に学び、たくさん吸収してほしいと考えています。 挑戦して失敗したとしても、それは自分で選んだ結果なので、やり直せばいいだけのことです。誰かのせいにしても意味はなく、自分で悩み抜いた末に、納得して選んだ道を進むことが大切です。

情報が溢れる現代では、何を信じればよいのか迷い、不安を感じることも多いと思います。でも、不安を感じること自体が、新しい可能性へのサインでもあります。だからこそ、「まずはやってみる」と一歩を踏み出す勇気が、仕事を通じて夢中になれる瞬間や成長のチャンスをつかむきっかけになるはずです。

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この記事を書いた人

株式会社デジマケの広報兼取材ライター。熱狂ベンチャーナビで立上げから奮闘しております。年間100記事以上を執筆。
企業や人の魅力を周りに伝えるのが得意です。

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